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「……ってか……困った」
新品は1着もない。
洗濯してない2着が一番マシだけど今は洗剤に塗れてグルグルと回っている。
最後の普段着は今着てるし、その他と言えば入学式で着たスーツのシャツと、残るは……パジャマにしてる高校の体操服だけだ。
しかも、よく考えたらパンツまで貸さないといけないなんて想定外だった。
貧相なワードローブを気にした事なんか無かったのに、ここに来てお洒落のおの字も考えて来なかった自分を呪ってみた。
しかし、「まだ?」って急かされてどうしようも無い。
高級感溢れるクリスには気の毒だが我慢してもらうしか無いのだ。古くて、ダサくて、おまけに胸に「藤川」と名前の入った体操服をひっか掴んで、あとは1番マシに見えるパンツと……下はこの際だからセットアップにしてもらう。
呆れられたからってどうなのだ、嫌われてもそれこそ本望では無いか。
ぱっと見ではわからないように小さく折って風呂場に放り込んだ。
一拍置いて聞こえて来たのは、事件か事故を思わせる悲鳴だった。
「これ!」と、校章と名前の入った体操服を着たクリスが裾を掴んで広げて風呂場から飛び出てきた。
「しっかり着てるよ……」
adidasの筈なのに微妙にダサいナイロンのズボンは短いけど、スタイリッシュボディって何でも着こなすのだと感心した。
「すいません、そんなのしか無くて」
「これは……これは蓮のだよね?うわあ、俺は今蓮の青春に包まれてるんだ。感激だよ」
「え?嬉しいの?」
「嬉しいよ!!」
「……そうですか……」
悪戯心が半分、罰が半分、やむを得なかったのも半分。つまり150%くらいの嫌がらせだったのに
………喜ぶとは想定外だ。
「そんな服は嫌じゃ無いんですか?」
「何言ってんの、蓮の生き様に触れてるんだよ、人生に触れてるんだよ?!嬉しいに決まってるじゃ無いか、今度は蓮が着てるとこを見たいけどね」
「生き様……って」
「この服じゃ帰れないから泊めてくれるって事だよね」
「へ?……」
「この体操服って言わば生《なま》の蓮だろ、絶対に誰にも見せたく無い」
生って何だ。
確かに名前が書いているけど決して生では無い。
普通に「恥ずかしいから」とは言えないのか。
「変な事言うなら返してください、服は…もう無いけど何なら俺が今着てるTシャツを脱ぎます」
「………それは迷うところだけど…」
「迷うんですね」
「いや、でも…」
「絶対に返さないから」と言って服を握り締め、後ろを向いたって背中も服だし誰も取らない。
何なら今すぐゴミ箱に捨ててもいいくらいの物なのだ。
「じゃあちょっと待っててもらえますか?コインランドリーにでも行ってきます」
「そんな事しなくていいよ、蓮は疲れてるんじゃ無い?、お腹もすいただろ?レトルトだけどカレーを買っておいたから食べる?結構美味しいよ」
ポスッと頭に乗った手は少し遠慮したように柔らかくて微笑むクリスはやっぱり発光している。
今は白熱灯が放つ優しい光だ。
「ね?」と説得されるような口調には「はい」と答えたのは諦めが入っていたからだ。
膝の敗れた体操服を本気で喜んでいるらしい美形の変態は思っていたよりずっとずっと危ない人だった。
しかし、慣れて来たのか自分の部屋にクリスがいるという違和感は少しだけ薄れていた。
やりかけだった割れたポットを2人で片付けた。そこまでは良かったけど、シンクの上にある戸棚からレトルトのカレーが出て来た時にはちょっと待てと思った。
用意した覚えも無いのに何故かご飯も炊けている。
「クリスさん?」
「ん?このカレー?これはね、ちょっと有名な洋食屋さんが週に100パックだけ売り出すんだ。取り合いだから結構レアなんだよ」
そうじゃ無くて。
温めたパックを切ったクリスがお皿にトロトロとカレーを出すと、謂れもなく芳しい匂いが立ち込めて来る。しかし聞きたいのは全部が全部だ。
「クリスさんはさっき俺のライブを見たって言いましたよね」
「うん、凄かったよ、はい、蓮の分」
スプーンを添えたカレーがテーブル代わりにしているひっくり返したビールケースの上に乗った。だから……そのスプーンがある場所を何故知っているのだ。
「俺がライブをやったのは過去に3回しか無いんです、そして最後は4年前です」
「うん、多分その1回目か2回目を見た知り合いが面白いのがいるって教えてくれたんだ、見れて良かったよ、でもあの男は嫌いだ」
「あの男?……って誰の事ですか?」
「蓮と一緒にステージにいた奴だよ」
「黒江さんを知ってるんですか?」
「背の高い奴だろ?あの頃は鶏みたいな頭をしてたな」
「…してた?」
ライブに来ていたなら黒江を見た事があっても不思議では無いが、確かに……その頃の黒江は盛った鶏みたいな頭をしていた。アクセサリーはクロムハーツ、ジャケットは馬革というバリバリの「ザ、ミュージシャン」だった。
しかし、問題はそこじゃ無い。
今は髪を短くしてサッパリしているのだ。
アクセサリーは片耳にだけ付けた小さな輪っかと手首に巻いた天然石のブレスレットくらいだ。肩に入っている刺青は隠して見せないから、聳えるくらいデカい身長を除けば普通の好青年に見える。久しぶりに実家に帰ったら親に「お前誰だ」と言われたとか何とか。
「まるで今の黒江さんを知ってる口調ですけど」
「知ってるよ、よく拉致されてただろ」
「…………クリスさん」
「え?」と、カレーを食べかけていた手を止めて、また例の無垢な素の顔だ。
その顔が何なのかはもうわかってしまった。
「実は気になっていたんですけど、聞いた話によるとクリスさんは法学部ですよね」
「うん、そうだよ、ほらカレーを食べないと冷めちゃうよ」
「対して俺は生命環境科学部なんです、それはどうやらご存知のようですけど」
「勿論」
「勿論じゃ無いです、法学部の校舎と生命環境の校舎は1キロくらい離れてるし、そっちのキャンパスにもコンビニとか学食とか全部揃ってるでしょう」
「揃ってるね」
「ある一時期から構内で物凄く頻繁にクリスさんを見かけたんですけど?」
「そんなもん蓮に会うために決まってるだろう」
「………嘘……」
悪びれも無くしれっと白状した。
変わった人を通り過ぎて危ない人になって来ている。
「じゃあ本は?俺は知らない人からクリスさんに届けろっていきなり本を渡されたんだ」
「だって、物凄くアプローチしてるのに蓮が全然乗ってくれないから話しかけるチャンスが欲しくて……」
「アプローチ?つまりあれはクリスさんの仕業なの?!自作自演?!」
クリスみたいな人は例え遠目でも顔さえ見せておけばそれが出会いになるのかもしれないが、普通の一般人としてはそこにいるだけの人だと思う。
高校の3年間ほぼ毎日バスで顔を合わせていた人と街で会った事があるがお互いに何のアクションもなかった。
陰キャで無くてもそれが普通だと思える。
「クリスさんを見ただけで、やあ、はじめましてとか言ってくる人がいるんですか?」
「え?沢山の女の子が手を振ってくれたりするじゃん」
「………………そうでしょうね」
ではその可愛い女の子達を狙え、もっと簡単だったろうし、問題も少ない。
「それで?大学で俺を偶然見つけたの?編入して来たって聞いたけどそれはいつなんですか?」
「蓮が入学した時だよ」
「え?何か理由が?」
「前も言っただろ、そんなもん蓮がいたからに決まってるじゃん」
「え?え?嘘……あれは本当の話だったの?」
「嘘を付く理由なんてない」と胸を張るが嘘であって欲しかった。これは着古した体操服でカレーを食べながら聞き流すような話題じゃない。
クリスが通っていた大学がどこかは聞いてないが今の大学は普通の中の普通なのだ。
絶対に人生を変えちゃってる。
「どうして……俺なんか…」
「俺なんかって言うのは禁止しよう、蓮はさ、歌っている時に自分がどんな顔をしているか知らないんだろ」
「そりゃ……鏡を見ながら歌ったりしてないし…」
実は3回やったライブの事は酷くあがっていたからあんまり覚えていないのだ、暑かったとか、ライトが眩しかったとか感覚的な記憶しかない。
「でも……俺はメイクとかしないし根本的な顔の造形は変わらないでしょう」
「ほら、わかってない、楽しそうで、嬉しそうで勃っちゃうくらい妖艶だった」
「た?!」
「そこはごめん」と謝られても返事のしようが無い、まさか妖艶なんて感想が出て来るとは思ってもみなかった。
「ライブの後……からって事ですか?」
「実は一回見失っちゃってさ、またどこかでライブでもあるかなって思ってたら待っても待っても無いし、もう必死だった、1年くらいかな探して見つけたのがあの野郎だったんだ、フリーで助っ人とかしてるらしいから音楽業界ではあいつの事を知っている奴なんてすぐ見つかった」
「黒江さんを辿って俺?」
「うん、蓮を見つけた時は嬉しくてチビりそうになったよ」
俺は頑張ったって胸を張るな。
拉致されている所見たとクリスが言ってたけど、約束を無視して拉致られたのは2回か3回だけだ。
「よく」と付ける程頻繁じゃ無い。
新品は1着もない。
洗濯してない2着が一番マシだけど今は洗剤に塗れてグルグルと回っている。
最後の普段着は今着てるし、その他と言えば入学式で着たスーツのシャツと、残るは……パジャマにしてる高校の体操服だけだ。
しかも、よく考えたらパンツまで貸さないといけないなんて想定外だった。
貧相なワードローブを気にした事なんか無かったのに、ここに来てお洒落のおの字も考えて来なかった自分を呪ってみた。
しかし、「まだ?」って急かされてどうしようも無い。
高級感溢れるクリスには気の毒だが我慢してもらうしか無いのだ。古くて、ダサくて、おまけに胸に「藤川」と名前の入った体操服をひっか掴んで、あとは1番マシに見えるパンツと……下はこの際だからセットアップにしてもらう。
呆れられたからってどうなのだ、嫌われてもそれこそ本望では無いか。
ぱっと見ではわからないように小さく折って風呂場に放り込んだ。
一拍置いて聞こえて来たのは、事件か事故を思わせる悲鳴だった。
「これ!」と、校章と名前の入った体操服を着たクリスが裾を掴んで広げて風呂場から飛び出てきた。
「しっかり着てるよ……」
adidasの筈なのに微妙にダサいナイロンのズボンは短いけど、スタイリッシュボディって何でも着こなすのだと感心した。
「すいません、そんなのしか無くて」
「これは……これは蓮のだよね?うわあ、俺は今蓮の青春に包まれてるんだ。感激だよ」
「え?嬉しいの?」
「嬉しいよ!!」
「……そうですか……」
悪戯心が半分、罰が半分、やむを得なかったのも半分。つまり150%くらいの嫌がらせだったのに
………喜ぶとは想定外だ。
「そんな服は嫌じゃ無いんですか?」
「何言ってんの、蓮の生き様に触れてるんだよ、人生に触れてるんだよ?!嬉しいに決まってるじゃ無いか、今度は蓮が着てるとこを見たいけどね」
「生き様……って」
「この服じゃ帰れないから泊めてくれるって事だよね」
「へ?……」
「この体操服って言わば生《なま》の蓮だろ、絶対に誰にも見せたく無い」
生って何だ。
確かに名前が書いているけど決して生では無い。
普通に「恥ずかしいから」とは言えないのか。
「変な事言うなら返してください、服は…もう無いけど何なら俺が今着てるTシャツを脱ぎます」
「………それは迷うところだけど…」
「迷うんですね」
「いや、でも…」
「絶対に返さないから」と言って服を握り締め、後ろを向いたって背中も服だし誰も取らない。
何なら今すぐゴミ箱に捨ててもいいくらいの物なのだ。
「じゃあちょっと待っててもらえますか?コインランドリーにでも行ってきます」
「そんな事しなくていいよ、蓮は疲れてるんじゃ無い?、お腹もすいただろ?レトルトだけどカレーを買っておいたから食べる?結構美味しいよ」
ポスッと頭に乗った手は少し遠慮したように柔らかくて微笑むクリスはやっぱり発光している。
今は白熱灯が放つ優しい光だ。
「ね?」と説得されるような口調には「はい」と答えたのは諦めが入っていたからだ。
膝の敗れた体操服を本気で喜んでいるらしい美形の変態は思っていたよりずっとずっと危ない人だった。
しかし、慣れて来たのか自分の部屋にクリスがいるという違和感は少しだけ薄れていた。
やりかけだった割れたポットを2人で片付けた。そこまでは良かったけど、シンクの上にある戸棚からレトルトのカレーが出て来た時にはちょっと待てと思った。
用意した覚えも無いのに何故かご飯も炊けている。
「クリスさん?」
「ん?このカレー?これはね、ちょっと有名な洋食屋さんが週に100パックだけ売り出すんだ。取り合いだから結構レアなんだよ」
そうじゃ無くて。
温めたパックを切ったクリスがお皿にトロトロとカレーを出すと、謂れもなく芳しい匂いが立ち込めて来る。しかし聞きたいのは全部が全部だ。
「クリスさんはさっき俺のライブを見たって言いましたよね」
「うん、凄かったよ、はい、蓮の分」
スプーンを添えたカレーがテーブル代わりにしているひっくり返したビールケースの上に乗った。だから……そのスプーンがある場所を何故知っているのだ。
「俺がライブをやったのは過去に3回しか無いんです、そして最後は4年前です」
「うん、多分その1回目か2回目を見た知り合いが面白いのがいるって教えてくれたんだ、見れて良かったよ、でもあの男は嫌いだ」
「あの男?……って誰の事ですか?」
「蓮と一緒にステージにいた奴だよ」
「黒江さんを知ってるんですか?」
「背の高い奴だろ?あの頃は鶏みたいな頭をしてたな」
「…してた?」
ライブに来ていたなら黒江を見た事があっても不思議では無いが、確かに……その頃の黒江は盛った鶏みたいな頭をしていた。アクセサリーはクロムハーツ、ジャケットは馬革というバリバリの「ザ、ミュージシャン」だった。
しかし、問題はそこじゃ無い。
今は髪を短くしてサッパリしているのだ。
アクセサリーは片耳にだけ付けた小さな輪っかと手首に巻いた天然石のブレスレットくらいだ。肩に入っている刺青は隠して見せないから、聳えるくらいデカい身長を除けば普通の好青年に見える。久しぶりに実家に帰ったら親に「お前誰だ」と言われたとか何とか。
「まるで今の黒江さんを知ってる口調ですけど」
「知ってるよ、よく拉致されてただろ」
「…………クリスさん」
「え?」と、カレーを食べかけていた手を止めて、また例の無垢な素の顔だ。
その顔が何なのかはもうわかってしまった。
「実は気になっていたんですけど、聞いた話によるとクリスさんは法学部ですよね」
「うん、そうだよ、ほらカレーを食べないと冷めちゃうよ」
「対して俺は生命環境科学部なんです、それはどうやらご存知のようですけど」
「勿論」
「勿論じゃ無いです、法学部の校舎と生命環境の校舎は1キロくらい離れてるし、そっちのキャンパスにもコンビニとか学食とか全部揃ってるでしょう」
「揃ってるね」
「ある一時期から構内で物凄く頻繁にクリスさんを見かけたんですけど?」
「そんなもん蓮に会うために決まってるだろう」
「………嘘……」
悪びれも無くしれっと白状した。
変わった人を通り過ぎて危ない人になって来ている。
「じゃあ本は?俺は知らない人からクリスさんに届けろっていきなり本を渡されたんだ」
「だって、物凄くアプローチしてるのに蓮が全然乗ってくれないから話しかけるチャンスが欲しくて……」
「アプローチ?つまりあれはクリスさんの仕業なの?!自作自演?!」
クリスみたいな人は例え遠目でも顔さえ見せておけばそれが出会いになるのかもしれないが、普通の一般人としてはそこにいるだけの人だと思う。
高校の3年間ほぼ毎日バスで顔を合わせていた人と街で会った事があるがお互いに何のアクションもなかった。
陰キャで無くてもそれが普通だと思える。
「クリスさんを見ただけで、やあ、はじめましてとか言ってくる人がいるんですか?」
「え?沢山の女の子が手を振ってくれたりするじゃん」
「………………そうでしょうね」
ではその可愛い女の子達を狙え、もっと簡単だったろうし、問題も少ない。
「それで?大学で俺を偶然見つけたの?編入して来たって聞いたけどそれはいつなんですか?」
「蓮が入学した時だよ」
「え?何か理由が?」
「前も言っただろ、そんなもん蓮がいたからに決まってるじゃん」
「え?え?嘘……あれは本当の話だったの?」
「嘘を付く理由なんてない」と胸を張るが嘘であって欲しかった。これは着古した体操服でカレーを食べながら聞き流すような話題じゃない。
クリスが通っていた大学がどこかは聞いてないが今の大学は普通の中の普通なのだ。
絶対に人生を変えちゃってる。
「どうして……俺なんか…」
「俺なんかって言うのは禁止しよう、蓮はさ、歌っている時に自分がどんな顔をしているか知らないんだろ」
「そりゃ……鏡を見ながら歌ったりしてないし…」
実は3回やったライブの事は酷くあがっていたからあんまり覚えていないのだ、暑かったとか、ライトが眩しかったとか感覚的な記憶しかない。
「でも……俺はメイクとかしないし根本的な顔の造形は変わらないでしょう」
「ほら、わかってない、楽しそうで、嬉しそうで勃っちゃうくらい妖艶だった」
「た?!」
「そこはごめん」と謝られても返事のしようが無い、まさか妖艶なんて感想が出て来るとは思ってもみなかった。
「ライブの後……からって事ですか?」
「実は一回見失っちゃってさ、またどこかでライブでもあるかなって思ってたら待っても待っても無いし、もう必死だった、1年くらいかな探して見つけたのがあの野郎だったんだ、フリーで助っ人とかしてるらしいから音楽業界ではあいつの事を知っている奴なんてすぐ見つかった」
「黒江さんを辿って俺?」
「うん、蓮を見つけた時は嬉しくてチビりそうになったよ」
俺は頑張ったって胸を張るな。
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