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びっくりチキン
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「何か特別なんですか?」
「この部屋はね、ピアノがあったんだ、だから防音なんだよ」
「……そうですか…でも……」
「蓮に必要だと思ったんじゃ無くてさ、叔父のマンションに住む事になった時にこの部屋を見て何か別の意思が働いたように思っちゃったんだよね」
「クリスさんって楽器をやるんですか?」
「そっちの才能はゼロ、ベースとギターをやろうとしたって言っただろ?でも全然無理だった」
「ここにあるの?」
「あるよ」
待っててと言っていそいそと別の部屋から運んできたのはギターとベース、それで終わりかと思ったら小さいキーボードと……カスタネット、マラカス、ニワトリのおもちゃ。
「何ですか?これ」
「知らない?びっくりチキンの動画見る?」
「びっくりチキン?」
ほら、とクリスが戯けたニワトリの腹を押すとキューと鳴いた。
何でもこれを使って音階を作り音楽を奏でる動画が流行ったのだと言ってノートパソコンの電源を入れた。
流れて来たのは誰でも知っている結婚行進曲だった。四つの音を重ねているとは言え、ワンアクションで奏でている割に歯切れも良く音楽として成り立っている。
「………凄いですね、後から加工してるのかな?」
「やってみる?」
「え?でも楽器は出来ません」
「これは楽器じゃ無いだろう、遊びだし腹の押し具合と耳だけが頼りなんだから蓮にはピッタリだと思うよ」
「はあ……」
50センチくらいはあるだろうか、酷く惚けた顔をした黄色いおもちゃを受け取って、そうっと腹を押してみた。
すると出て来たのは瀕死の溜息みたいな弱々しい鳴き声だ。しかも生きているみたいに声が揺れる。
もう一回強く押すと「アー」と高い声で鳴く。
なる程、腹を押す勢いや加減で音階を作れるらしい。ちょっと面白かった。
ブレスを考えなければ早い旋律が間延びする所は歌うのと似ていた。
色々試してから、何だか出来そうだったからちょっとした悪戯をしてみた。
「え?今の……もしかしてクリスって鳴いた?」
「わかった?!」
「わかる、わかる、もう一回、そうだ、クリスが好きって鳴らしてみて」
「…………また……そんな事を……」
どさくさに紛れようとするからニワトリを横にして思いっきり搾ってやった。くぐもったうめき声と甲高い悲鳴は面白いくらいリアルで、何だか得意な気持ちになった。
すると「貸して」と鶏を取ったクリスが、何やら複雑な音をキューキュー鳴らす。
わかった?!と期待を込めた目を向けられても……わかるか。
「言葉そのままで鳴らしてもわかるのはリズムくらいでしょう、ちょっと貸してください」
鶏を取り返して「バーカ」と鳴らしてみたが、低音は難しい。
何をムキになっているのかわからないが、単純な割に思っているよりも広い音域を醸し出すおもちゃは確かに楽器と言えた。
出来るとは思ってなかったけど、今聞いたばかりで頭に付いて離れない結婚行進曲をやってみた。
「そうか……戻りが間に合わない早い旋律は鳥がもう一つ無いと補えないのか」
じゃあ足りない所は声だ。
強く押すと高い声を出す、ゆっくり押すと低くなる、かなり調子っ外れだけど、冒頭だけは誰が聞いても何の曲かくらいはわかると思う。
何回かやってみて、今の時点では会心の出来だろうと「どうだ」と顔を上げると、クリスが何とも言えない優しい顔で微笑んでいた。
「あ……変でしたよね…」
「変じゃ無いよ、笑った顔が見れてひたすら嬉しいかな」
「笑って……ました?」
「うん、もっと笑って欲しい」
「笑うのは……苦手で……」
表情のない子だとよく言われた。
友達との付き合い方がわからなくて戸惑いしか無かった小学生の頃、週一だけでもと擁護学級へ通う事を勧められる中で、唯一母親だけがそんな事は無いと、蓮はそのままでいいと言ってくれた。
「蓮はそのままでいいんだよ」
「え?」
「思う事、考える事、悩む事があれば全部俺が引き受けるから大丈夫、言いたい事が言えないなら代わりに俺が伝えてあげる、嫌な事には盾になる、どうしても解決出来なくて困ったら一緒に考えて一緒に何とかしよう」
「クリス……」
そんな事は無理だってわかってる。
もっとも近くにいた母だって学校や集団生活に馴染めない厄介な子供に悩んでいた。
それでも、万能に思える麗人ならわかってくれるのかもしれないと思えて、何だか泣きそうになった。
「これでも……随分とマシになったんですよ」
「そうなんだろうね、溜めた想いを吐き出す口を見つけからね」
「黒江のおかげもあるよね」と苦笑いを浮かべながら「嫌いだけど」と付け足した。
黒江は友達では無いが親以外では唯一好きな事を言える相手ではあるのだ。
嫌と言える、面倒くさいと言える、大っ嫌いだと喚いた事さえあった。
「……蓮、もしかして今黒江の事を考えてる?」
「………え?……まあ…そうだけど」
黒江の名前を出したのはクリスなのだ、そうだからそうと答えたら睨んでいるようでもあり、泣きそうでもあり、侮蔑に歪んでいるとも言える複雑な顔をした。
「………何ですか、何か言いたげですね」
「それ……これからは譲らないからね」
譲るも何も立場が違うだけだと思うけど、何かまずい事を言ったらしい。
ポンポンと頭を撫でた手が頬に滑り落ちてムニッとお肉を引っ張った。
表情を無くしたクリスって本当に何を考えているのかわからない。
唇を割って入った指が口を横に引っ張るから、「やめて」と言ったつもりがビックリチキンの溜息みたいになった。
「ムラムラする」
「…………はい?」
その不穏なクリスの発言は聞き取れないくらい小さかったけどちゃんと理解できた。クリスにはなり振り構わない強引さがあるのだ。
逃げやすいように少し身を引いてから精一杯の眼力を込めて睨んでみた。
「うわあ、その顔好き」
「は?何を言ってるんですか、何もしないって約束しましたよね」
「え~」と不満顔をされても「いいよ」とは言えないだろう。
「約束です」
「じゃあキスならいい?」
「どうしてそうなるんですか」
「キスだよ?もうしたじゃん、一回したら2回も3回も同じだろう、ケチ」
「ケチ?!」
物やお金が絡んでいるなら意に沿わない申し出を断った末にケチと言われても放っておくが、少しばかり唇を貸すくらいでは何も減らない上に痛くも痒くもないのは事実だ。
「俺は……ケチ……なのかな……」
「蓮の全部が欲しいって言ってるでしょう、キスが締める割合なんて小さいよ」
「全部…」
「蓮が楽しいと思う事、悲しいと思う事、寂しい、痛い、怖い、もう全部、その中のキスをひとつ欲しいと言ってるだけなのにくれないなんてケチだろ」
そうなのだろうか。
世の中に沢山ある友人関係や恋人同士、夫婦も親子も沢山の譲歩を経て付き合っているのはわかっているが今の今まで苦手を理由にサボって来たのだ。その結果人との距離感がわからない。
「じゃあ……キスだけ、また「そこ」が変な事にならないって約束してくれるなら」
目を閉じて少しだけ顔を前にした。
しかし、それでは駄目なようだ、ツンっと何かで唇を押されて目を開けるとそれは鶏の頭だった。
「何ですか」
「蓮がして」
「え?」
悠然と微笑み、散らかった床に座ったクリスは形のいい唇に鳥の頭でここだと指す。
「でも…」
「押し倒してもいいなら僕がするけど?」
「やった事ないし…」
「やった事ないなら今やればいいでしょう、どんな事でも初めては一回きりだよ」
こんな時、普通の人なら素直に従うものなのか、そもそもどちらかがキスをするという2択しか無いのか、考えてもわかる訳はないのだ。
何だか悩む事が面倒になった。たった1秒の話だ、腰を折って指定された唇をさっと撫でた。
「これでいいですか?え?あれ?」
やはり何かを間違えたらしい。
今までを考えたらてっきり喜ぶものだと思い込んでいたら全くの無表情だ。そして、皮肉を含んだような顔で「するんだ」と言って口の端を上げた。
「え?駄目だったんですか?」
「駄目じゃない、嬉しいよ」
嬉しいと言いつつも全く嬉しそうではない。
呆れたような小さな溜息の意味は明白だった。
やはり好きの意味を取り違えていたらしい。
恥ずかしくて、同じ事を繰り返す自分が嫌で、このまま帰ろうと玄関の方に足を向けかけると「ねえ」と見上げられて冷や汗が湧き出た。
「呪いって効くのかな?」
「……は?……一体どこに話が飛んだのかわかりません」
「ほら、藁人形とかさ、まあいいか、ケーキを買ってあるんだ食べる?」
「いえ……俺はもう帰ります」
異様な程胸の中の心臓が跳ねていた。
会話の途中で相手の思惑がわからなくなる事が最も苦手なのだ。和やかだった筈なのに突然変わる空気が苦手だ。
どだい無理なのだ、いつもいつも逃げて来たのに、今更誰かと親密な関係を結ぶなんてやってはいけないのだろう。
また逃げるのかと言われそうだが一刻も早く帰りたいのに、クリスはまるで何もなかったように「いちじくと苺のどっちがいい?」と笑った。
「この部屋はね、ピアノがあったんだ、だから防音なんだよ」
「……そうですか…でも……」
「蓮に必要だと思ったんじゃ無くてさ、叔父のマンションに住む事になった時にこの部屋を見て何か別の意思が働いたように思っちゃったんだよね」
「クリスさんって楽器をやるんですか?」
「そっちの才能はゼロ、ベースとギターをやろうとしたって言っただろ?でも全然無理だった」
「ここにあるの?」
「あるよ」
待っててと言っていそいそと別の部屋から運んできたのはギターとベース、それで終わりかと思ったら小さいキーボードと……カスタネット、マラカス、ニワトリのおもちゃ。
「何ですか?これ」
「知らない?びっくりチキンの動画見る?」
「びっくりチキン?」
ほら、とクリスが戯けたニワトリの腹を押すとキューと鳴いた。
何でもこれを使って音階を作り音楽を奏でる動画が流行ったのだと言ってノートパソコンの電源を入れた。
流れて来たのは誰でも知っている結婚行進曲だった。四つの音を重ねているとは言え、ワンアクションで奏でている割に歯切れも良く音楽として成り立っている。
「………凄いですね、後から加工してるのかな?」
「やってみる?」
「え?でも楽器は出来ません」
「これは楽器じゃ無いだろう、遊びだし腹の押し具合と耳だけが頼りなんだから蓮にはピッタリだと思うよ」
「はあ……」
50センチくらいはあるだろうか、酷く惚けた顔をした黄色いおもちゃを受け取って、そうっと腹を押してみた。
すると出て来たのは瀕死の溜息みたいな弱々しい鳴き声だ。しかも生きているみたいに声が揺れる。
もう一回強く押すと「アー」と高い声で鳴く。
なる程、腹を押す勢いや加減で音階を作れるらしい。ちょっと面白かった。
ブレスを考えなければ早い旋律が間延びする所は歌うのと似ていた。
色々試してから、何だか出来そうだったからちょっとした悪戯をしてみた。
「え?今の……もしかしてクリスって鳴いた?」
「わかった?!」
「わかる、わかる、もう一回、そうだ、クリスが好きって鳴らしてみて」
「…………また……そんな事を……」
どさくさに紛れようとするからニワトリを横にして思いっきり搾ってやった。くぐもったうめき声と甲高い悲鳴は面白いくらいリアルで、何だか得意な気持ちになった。
すると「貸して」と鶏を取ったクリスが、何やら複雑な音をキューキュー鳴らす。
わかった?!と期待を込めた目を向けられても……わかるか。
「言葉そのままで鳴らしてもわかるのはリズムくらいでしょう、ちょっと貸してください」
鶏を取り返して「バーカ」と鳴らしてみたが、低音は難しい。
何をムキになっているのかわからないが、単純な割に思っているよりも広い音域を醸し出すおもちゃは確かに楽器と言えた。
出来るとは思ってなかったけど、今聞いたばかりで頭に付いて離れない結婚行進曲をやってみた。
「そうか……戻りが間に合わない早い旋律は鳥がもう一つ無いと補えないのか」
じゃあ足りない所は声だ。
強く押すと高い声を出す、ゆっくり押すと低くなる、かなり調子っ外れだけど、冒頭だけは誰が聞いても何の曲かくらいはわかると思う。
何回かやってみて、今の時点では会心の出来だろうと「どうだ」と顔を上げると、クリスが何とも言えない優しい顔で微笑んでいた。
「あ……変でしたよね…」
「変じゃ無いよ、笑った顔が見れてひたすら嬉しいかな」
「笑って……ました?」
「うん、もっと笑って欲しい」
「笑うのは……苦手で……」
表情のない子だとよく言われた。
友達との付き合い方がわからなくて戸惑いしか無かった小学生の頃、週一だけでもと擁護学級へ通う事を勧められる中で、唯一母親だけがそんな事は無いと、蓮はそのままでいいと言ってくれた。
「蓮はそのままでいいんだよ」
「え?」
「思う事、考える事、悩む事があれば全部俺が引き受けるから大丈夫、言いたい事が言えないなら代わりに俺が伝えてあげる、嫌な事には盾になる、どうしても解決出来なくて困ったら一緒に考えて一緒に何とかしよう」
「クリス……」
そんな事は無理だってわかってる。
もっとも近くにいた母だって学校や集団生活に馴染めない厄介な子供に悩んでいた。
それでも、万能に思える麗人ならわかってくれるのかもしれないと思えて、何だか泣きそうになった。
「これでも……随分とマシになったんですよ」
「そうなんだろうね、溜めた想いを吐き出す口を見つけからね」
「黒江のおかげもあるよね」と苦笑いを浮かべながら「嫌いだけど」と付け足した。
黒江は友達では無いが親以外では唯一好きな事を言える相手ではあるのだ。
嫌と言える、面倒くさいと言える、大っ嫌いだと喚いた事さえあった。
「……蓮、もしかして今黒江の事を考えてる?」
「………え?……まあ…そうだけど」
黒江の名前を出したのはクリスなのだ、そうだからそうと答えたら睨んでいるようでもあり、泣きそうでもあり、侮蔑に歪んでいるとも言える複雑な顔をした。
「………何ですか、何か言いたげですね」
「それ……これからは譲らないからね」
譲るも何も立場が違うだけだと思うけど、何かまずい事を言ったらしい。
ポンポンと頭を撫でた手が頬に滑り落ちてムニッとお肉を引っ張った。
表情を無くしたクリスって本当に何を考えているのかわからない。
唇を割って入った指が口を横に引っ張るから、「やめて」と言ったつもりがビックリチキンの溜息みたいになった。
「ムラムラする」
「…………はい?」
その不穏なクリスの発言は聞き取れないくらい小さかったけどちゃんと理解できた。クリスにはなり振り構わない強引さがあるのだ。
逃げやすいように少し身を引いてから精一杯の眼力を込めて睨んでみた。
「うわあ、その顔好き」
「は?何を言ってるんですか、何もしないって約束しましたよね」
「え~」と不満顔をされても「いいよ」とは言えないだろう。
「約束です」
「じゃあキスならいい?」
「どうしてそうなるんですか」
「キスだよ?もうしたじゃん、一回したら2回も3回も同じだろう、ケチ」
「ケチ?!」
物やお金が絡んでいるなら意に沿わない申し出を断った末にケチと言われても放っておくが、少しばかり唇を貸すくらいでは何も減らない上に痛くも痒くもないのは事実だ。
「俺は……ケチ……なのかな……」
「蓮の全部が欲しいって言ってるでしょう、キスが締める割合なんて小さいよ」
「全部…」
「蓮が楽しいと思う事、悲しいと思う事、寂しい、痛い、怖い、もう全部、その中のキスをひとつ欲しいと言ってるだけなのにくれないなんてケチだろ」
そうなのだろうか。
世の中に沢山ある友人関係や恋人同士、夫婦も親子も沢山の譲歩を経て付き合っているのはわかっているが今の今まで苦手を理由にサボって来たのだ。その結果人との距離感がわからない。
「じゃあ……キスだけ、また「そこ」が変な事にならないって約束してくれるなら」
目を閉じて少しだけ顔を前にした。
しかし、それでは駄目なようだ、ツンっと何かで唇を押されて目を開けるとそれは鶏の頭だった。
「何ですか」
「蓮がして」
「え?」
悠然と微笑み、散らかった床に座ったクリスは形のいい唇に鳥の頭でここだと指す。
「でも…」
「押し倒してもいいなら僕がするけど?」
「やった事ないし…」
「やった事ないなら今やればいいでしょう、どんな事でも初めては一回きりだよ」
こんな時、普通の人なら素直に従うものなのか、そもそもどちらかがキスをするという2択しか無いのか、考えてもわかる訳はないのだ。
何だか悩む事が面倒になった。たった1秒の話だ、腰を折って指定された唇をさっと撫でた。
「これでいいですか?え?あれ?」
やはり何かを間違えたらしい。
今までを考えたらてっきり喜ぶものだと思い込んでいたら全くの無表情だ。そして、皮肉を含んだような顔で「するんだ」と言って口の端を上げた。
「え?駄目だったんですか?」
「駄目じゃない、嬉しいよ」
嬉しいと言いつつも全く嬉しそうではない。
呆れたような小さな溜息の意味は明白だった。
やはり好きの意味を取り違えていたらしい。
恥ずかしくて、同じ事を繰り返す自分が嫌で、このまま帰ろうと玄関の方に足を向けかけると「ねえ」と見上げられて冷や汗が湧き出た。
「呪いって効くのかな?」
「……は?……一体どこに話が飛んだのかわかりません」
「ほら、藁人形とかさ、まあいいか、ケーキを買ってあるんだ食べる?」
「いえ……俺はもう帰ります」
異様な程胸の中の心臓が跳ねていた。
会話の途中で相手の思惑がわからなくなる事が最も苦手なのだ。和やかだった筈なのに突然変わる空気が苦手だ。
どだい無理なのだ、いつもいつも逃げて来たのに、今更誰かと親密な関係を結ぶなんてやってはいけないのだろう。
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