64 / 68
ある意味本物だった
しおりを挟む
「え?これは…」
どうやら誰かが上着を貸してくれたらしい、雨に濡れてしっとりとしているが柔らかいウールは暖かい。思わず襟を掴んで抱き締めると何だかよく知っている香りがする。
借りた服から。
クシャクシャになったシーツから。
顔を押し付けた胸元から香ってくる匂いだ。
「………………え?クリス?…」
どう考えてもクリスの匂いなのだが、黒江の部屋に行ったのは気まぐれだった。
そして湖近くのログハウスに来たのも気まぐれだ。車で2時間以上掛かるこの場所に来る事は例え「偶然」見掛けたのだとしても追えるものでは無い筈だ。
もしこれが心の奥底に押し込めて来た願望が見せている幻覚なら自覚の無いままかなり危険な状態に陥っているのかもしれない。
しっかりしているつもりだが実は死に掛けた末に走馬灯を見ている可能性だってあるのだ。
「クリスなの?そうなら返事して」
殴ってやりたいような、抱き付いてしまいたいような衝動に駆られ、凍えた手で枝を引きちぎって気配のする方に投げた。
すると声にならない嘆息のような溜息が聞こえる。
「話さない気なら突進するよ?」
本気だった。正確な位置はわからないから闇雲への突進だがやってやれない事は無い。
すると、雨音に消え入るような声で「だって」と拗ねた声が聞こえた。
「やっぱり!クリス?!」
「………だって…だって蓮が……もう2度と話しかけるなって…」
「どこ?!どこにいるの?!」
「姿を見せるなって…」
「どうせ見えないよ!どこ?」
自分が出した手も見えないがブンブンと振り回すと柔らかい感触が指を擦った。
「あ、いた」
「………うん、いるよ、あの……寒いから隣に座ってもいいかな?」
「いいけど……何してんの?」
他に聞くべきことがあるだろうに1番に出て来たのはそこだった。そしてクリスから出て来た答えは「日課」だった。
「誰も……俺も推奨してないけど」
「何度も言っただろ、蓮を見てないと僕は死んじゃうよ」
「でも…どうやってここまで?」
「電車」
「いや、電車なら余計に……」
「前に一度来た事あるし外れたら外れたで仕方ないだろ、そんな事はよくあるよ」
「よくあるって……」
呆れた。
心底呆れた。
まだ懲りずにストーキングを続けているなんて夢にも思ってない。
しかし、凍えながら話す事では無かった。
隣に座ったクリスは驚く程冷たくて、よく考えたら上着を奪っている。
「上着は返すよ、喧嘩は後にして取り敢えずログハウスまで帰ろうよ、このままじゃ本当に遭難しちゃうと思う」
「え?」
「どうして驚くんだよ、寒いし耳と鼻が痛いし真っ暗なんだよ」
「だって……湖の底に行くんじゃ無いの?行くって言ったよね?絶対言った。2人で心中しようって事だよね?!行くよ、僕は行く、絶対に行く!」
「…………相変わらず…」
キレどころが変だ。
「それはまた今度…もっと暖かい季節にしない?」
「寒くても……蓮がいたらそれでいい」
消えいるような声で「つらかった」と呟き、肩の上にそっと頭が乗った。
恐る恐る伸ばした手で髪に触れると濡れている割に固まっている。
「クリス、スマホは持ってる?」
「持ってるけど……使いたく無い」
「死んじゃうから使って、黒江さんに……って…電話番号を知らない…」
「あるけど」
ホラと番号を見せられてムッとした。
携帯の灯りで見えたクリスはほぼドヤ顔だった。
非常事態の中、あり得ないサプライズに絆されていたが、仲違いの大元はそこなのだ。
「………あるんだね、電波は無いみたいだけど」
「そっちこそ帰ったらやるって何?何すんの」
「そんなのセックスに決まってるだろ」
冗談半分、懲らしめ半分の軽口だったが嘘みたいにボキボキボキと枯れ木が砕ける音がした。
「どんな握力してんの」
「…………黒江を見たら……殺すかも…」
「カチンカチンに凍った手で?黒江さんの方が強いと思うけど」
「言っとくけど本気だからね」
「それよりもライトを付けて、斜面を上るよ」
頭から被っていたコートをクリスに返して立ち上がった。寒さで上手く口が動かない上、前髪が凍っているのだ、馬鹿みたいな意地を張っている場合では無かった。
「何で降りて来るかな、どうせなら上にいて引き上げてくれたらいいのに」
「蓮が湖の底に行こうって誘って来るからだろ」
「………黒江さんって大人だなぁって思う」
「僕は大人じゃないからね、蓮が黒江の方がいいって言っても譲らないから」
「……利用したくせに、よく言う」
「ソノセツハオセワニナリマシタ」
「突然片言になるんだ、言っとくけどエデンの社長さんはお世話になりますって凄く丁寧な挨拶をしてたよ、そこはどうなの?」
「え?……」
「どうして驚くの」
こちらとしては挨拶なんかしたく無かったが世間の常識としてはそんなものだろう。
「俺はいいけどさ、他にも契約してるアーティストとかいるんだろ?社長は顔も見せないもんなの?」
「……………ゴアイサツガオクレテ…」
「だから何で片言なの」
「じゃあ…悔しいから態度で示す」
「悔しいって……」
手を合わせる仕草は「ご馳走様」って事なのか。
まるでバレエダンサーのように胸に手を当てて美しい辞儀をした。
頭には枯葉、濡れた服は泥に汚れている。それでも目を奪う優雅な仕草にに思わず拍手しようとすると、まるで幕を引くようにスゥーッとクリスの姿が消えた。
スマホの電池が切れたのだ。
「…………遠出をする時は充電しようよ」
「蓮が…突然車で行っちゃうから悪い」
「ストーキングの鍛錬が足りないんじゃ無いの?マスター」
「絶対にやめないから安心して」
そこは本当にやめて欲しいのだが、趣味だと言い切るのだから始末が悪い。
「変態」と呼べば褒められた犬みたいに喜んでいる。
会社や社会に責任を持つクリスと自分ではどうしようもない場所で走り出した「商品」の間には
簡単には埋まらない溝がある筈なのだが、2人共妙に明るかったのは……
もうわかっていたからだ。
凍えた体は既に上手く動かない。
スマホのライトで照らした斜面は思っていたより急でよじ登るのは無理に思えた。他に周り込むような道も無い。
一際笑ってからハァと吐き出した息は見えないけどきっと白い。「座ろうか」と言われたから手探りでクリスを捕まえてそのまま抱き合って座り込んだ。
「………湖の底じゃないけど……いいかな?」
「本当に……心中する事になっちゃったね」
「蓮が……苦しく無いといいな」
「苦しく無いよ」
お互いに街だからこそ通用する薄い防寒着しか着ていない。ジンジンしていた指も足ももう何も感じない。
それでも離れていた分話すことは沢山あった。
「寂しかった」は50回くらい聞いたと思う。
賭けの顛末も聞いたのだが、「賭けたのは3000円だけど100万くらい吹っかけても良かった」と反省は無い。
何でも1億賭けるって話から始まったらしい。
「そしたらさ、ひよった佐竹が100円とか言うから詰めて詰めて、3000円に落ち着いたんだ」
「威張るような話じゃ無いけど」
「やっぱり安かった?」
「だから違うって!」
「馬鹿じゃ無いの?」と触れ合った肩を小突くと「馬鹿でいい」と笑う。
暫くは話して、怒って見せて、黒江の部屋に泊まった時はドアの前で夜明かしをしたなんて怖い事を聞いていたが、そのうちに口も上手く動かなくなってきていた。
「許して…くれるんだね」
ポツンとクリスが口にした。
許すも許さないもない。
クリスがRENを利用したのも、遊びで賭けをしたのも本当の事だ。
しかし、ストーキングに掛ける情熱もまた、本当の気持ちからだと思う。
「一生…許さないからね」
「うん、一生許さなくていい」
まるで木々が呼吸しているような音に囲まれ、冷たい身を寄せ合っていると出てくるのは「やめろ」と言われた黒江の曲だ。
目を閉じると溢れて来るような音を口にした。
どうやら誰かが上着を貸してくれたらしい、雨に濡れてしっとりとしているが柔らかいウールは暖かい。思わず襟を掴んで抱き締めると何だかよく知っている香りがする。
借りた服から。
クシャクシャになったシーツから。
顔を押し付けた胸元から香ってくる匂いだ。
「………………え?クリス?…」
どう考えてもクリスの匂いなのだが、黒江の部屋に行ったのは気まぐれだった。
そして湖近くのログハウスに来たのも気まぐれだ。車で2時間以上掛かるこの場所に来る事は例え「偶然」見掛けたのだとしても追えるものでは無い筈だ。
もしこれが心の奥底に押し込めて来た願望が見せている幻覚なら自覚の無いままかなり危険な状態に陥っているのかもしれない。
しっかりしているつもりだが実は死に掛けた末に走馬灯を見ている可能性だってあるのだ。
「クリスなの?そうなら返事して」
殴ってやりたいような、抱き付いてしまいたいような衝動に駆られ、凍えた手で枝を引きちぎって気配のする方に投げた。
すると声にならない嘆息のような溜息が聞こえる。
「話さない気なら突進するよ?」
本気だった。正確な位置はわからないから闇雲への突進だがやってやれない事は無い。
すると、雨音に消え入るような声で「だって」と拗ねた声が聞こえた。
「やっぱり!クリス?!」
「………だって…だって蓮が……もう2度と話しかけるなって…」
「どこ?!どこにいるの?!」
「姿を見せるなって…」
「どうせ見えないよ!どこ?」
自分が出した手も見えないがブンブンと振り回すと柔らかい感触が指を擦った。
「あ、いた」
「………うん、いるよ、あの……寒いから隣に座ってもいいかな?」
「いいけど……何してんの?」
他に聞くべきことがあるだろうに1番に出て来たのはそこだった。そしてクリスから出て来た答えは「日課」だった。
「誰も……俺も推奨してないけど」
「何度も言っただろ、蓮を見てないと僕は死んじゃうよ」
「でも…どうやってここまで?」
「電車」
「いや、電車なら余計に……」
「前に一度来た事あるし外れたら外れたで仕方ないだろ、そんな事はよくあるよ」
「よくあるって……」
呆れた。
心底呆れた。
まだ懲りずにストーキングを続けているなんて夢にも思ってない。
しかし、凍えながら話す事では無かった。
隣に座ったクリスは驚く程冷たくて、よく考えたら上着を奪っている。
「上着は返すよ、喧嘩は後にして取り敢えずログハウスまで帰ろうよ、このままじゃ本当に遭難しちゃうと思う」
「え?」
「どうして驚くんだよ、寒いし耳と鼻が痛いし真っ暗なんだよ」
「だって……湖の底に行くんじゃ無いの?行くって言ったよね?絶対言った。2人で心中しようって事だよね?!行くよ、僕は行く、絶対に行く!」
「…………相変わらず…」
キレどころが変だ。
「それはまた今度…もっと暖かい季節にしない?」
「寒くても……蓮がいたらそれでいい」
消えいるような声で「つらかった」と呟き、肩の上にそっと頭が乗った。
恐る恐る伸ばした手で髪に触れると濡れている割に固まっている。
「クリス、スマホは持ってる?」
「持ってるけど……使いたく無い」
「死んじゃうから使って、黒江さんに……って…電話番号を知らない…」
「あるけど」
ホラと番号を見せられてムッとした。
携帯の灯りで見えたクリスはほぼドヤ顔だった。
非常事態の中、あり得ないサプライズに絆されていたが、仲違いの大元はそこなのだ。
「………あるんだね、電波は無いみたいだけど」
「そっちこそ帰ったらやるって何?何すんの」
「そんなのセックスに決まってるだろ」
冗談半分、懲らしめ半分の軽口だったが嘘みたいにボキボキボキと枯れ木が砕ける音がした。
「どんな握力してんの」
「…………黒江を見たら……殺すかも…」
「カチンカチンに凍った手で?黒江さんの方が強いと思うけど」
「言っとくけど本気だからね」
「それよりもライトを付けて、斜面を上るよ」
頭から被っていたコートをクリスに返して立ち上がった。寒さで上手く口が動かない上、前髪が凍っているのだ、馬鹿みたいな意地を張っている場合では無かった。
「何で降りて来るかな、どうせなら上にいて引き上げてくれたらいいのに」
「蓮が湖の底に行こうって誘って来るからだろ」
「………黒江さんって大人だなぁって思う」
「僕は大人じゃないからね、蓮が黒江の方がいいって言っても譲らないから」
「……利用したくせに、よく言う」
「ソノセツハオセワニナリマシタ」
「突然片言になるんだ、言っとくけどエデンの社長さんはお世話になりますって凄く丁寧な挨拶をしてたよ、そこはどうなの?」
「え?……」
「どうして驚くの」
こちらとしては挨拶なんかしたく無かったが世間の常識としてはそんなものだろう。
「俺はいいけどさ、他にも契約してるアーティストとかいるんだろ?社長は顔も見せないもんなの?」
「……………ゴアイサツガオクレテ…」
「だから何で片言なの」
「じゃあ…悔しいから態度で示す」
「悔しいって……」
手を合わせる仕草は「ご馳走様」って事なのか。
まるでバレエダンサーのように胸に手を当てて美しい辞儀をした。
頭には枯葉、濡れた服は泥に汚れている。それでも目を奪う優雅な仕草にに思わず拍手しようとすると、まるで幕を引くようにスゥーッとクリスの姿が消えた。
スマホの電池が切れたのだ。
「…………遠出をする時は充電しようよ」
「蓮が…突然車で行っちゃうから悪い」
「ストーキングの鍛錬が足りないんじゃ無いの?マスター」
「絶対にやめないから安心して」
そこは本当にやめて欲しいのだが、趣味だと言い切るのだから始末が悪い。
「変態」と呼べば褒められた犬みたいに喜んでいる。
会社や社会に責任を持つクリスと自分ではどうしようもない場所で走り出した「商品」の間には
簡単には埋まらない溝がある筈なのだが、2人共妙に明るかったのは……
もうわかっていたからだ。
凍えた体は既に上手く動かない。
スマホのライトで照らした斜面は思っていたより急でよじ登るのは無理に思えた。他に周り込むような道も無い。
一際笑ってからハァと吐き出した息は見えないけどきっと白い。「座ろうか」と言われたから手探りでクリスを捕まえてそのまま抱き合って座り込んだ。
「………湖の底じゃないけど……いいかな?」
「本当に……心中する事になっちゃったね」
「蓮が……苦しく無いといいな」
「苦しく無いよ」
お互いに街だからこそ通用する薄い防寒着しか着ていない。ジンジンしていた指も足ももう何も感じない。
それでも離れていた分話すことは沢山あった。
「寂しかった」は50回くらい聞いたと思う。
賭けの顛末も聞いたのだが、「賭けたのは3000円だけど100万くらい吹っかけても良かった」と反省は無い。
何でも1億賭けるって話から始まったらしい。
「そしたらさ、ひよった佐竹が100円とか言うから詰めて詰めて、3000円に落ち着いたんだ」
「威張るような話じゃ無いけど」
「やっぱり安かった?」
「だから違うって!」
「馬鹿じゃ無いの?」と触れ合った肩を小突くと「馬鹿でいい」と笑う。
暫くは話して、怒って見せて、黒江の部屋に泊まった時はドアの前で夜明かしをしたなんて怖い事を聞いていたが、そのうちに口も上手く動かなくなってきていた。
「許して…くれるんだね」
ポツンとクリスが口にした。
許すも許さないもない。
クリスがRENを利用したのも、遊びで賭けをしたのも本当の事だ。
しかし、ストーキングに掛ける情熱もまた、本当の気持ちからだと思う。
「一生…許さないからね」
「うん、一生許さなくていい」
まるで木々が呼吸しているような音に囲まれ、冷たい身を寄せ合っていると出てくるのは「やめろ」と言われた黒江の曲だ。
目を閉じると溢れて来るような音を口にした。
0
あなたにおすすめの小説
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
優しい檻に囚われて ―俺のことを好きすぎる彼らから逃げられません―
無玄々
BL
「俺たちから、逃げられると思う?」
卑屈な少年・織理は、三人の男から同時に告白されてしまう。
一人は必死で熱く重い男、一人は常に包んでくれる優しい先輩、一人は「嫌い」と言いながら離れない奇妙な奴。
選べない織理に押し付けられる彼らの恋情――それは優しくも逃げられない檻のようで。
本作は織理と三人の関係性を描いた短編集です。
愛か、束縛か――その境界線の上で揺れる、執着ハーレムBL。
※この作品は『記憶を失うほどに【https://www.alphapolis.co.jp/novel/364672311/155993505】』のハーレムパロディです。本編未読でも雰囲気は伝わりますが、キャラクターの背景は本編を読むとさらに楽しめます。
※本作は織理受けのハーレム形式です。
※一部描写にてそれ以外のカプとも取れるような関係性・心理描写がありますが、明確なカップリング意図はありません。が、ご注意ください
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる