僕たちは無邪気に遊ぶ

balsamico

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初対面

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※当初見込みと変わりました。タグ確認お願いします。主人公リバはありません。

…………………………………

 初めての対面、僕は緊張していた。ビジョン越しでしか知らない櫂さんと直で話すのだから。


 どの話をしようかとあれこれ想い巡らせていた。贈り物のお礼など話のネタとして選択理由を当人に聞こうと思っていた。


 ドアを開けたら色白で長めの前髪、隙間から見える繊細で美しい面立ちの櫂さんがいた。映像で見るより背は高く身体は細い。


 ビジョンではわからない華やかな雰囲気をまとい、ゆったりとした足取りで部屋に入ってきた。


 ベット側のソファに腰をかけ、僕の姿に軽く目を走らせると表情を変えず話しかけてきた。

「対面だと初めまして、だね」 

 足を組みながら、にっこりと話しかけてくる櫂さんは艶やかで、僕は見とれてしまった。
 隣に座るよう促され慌てて腰をかけた。

「環です。初めまして。贈り物ありがとうごさいました。珍しいものばかりで、大変嬉しかったです」

 挨拶の間も隣からほのかな体温が滲み出てくるような気がして、熱が軽く走り顔が赤らんでいく。

 長年憧れていたアルファのマスターが目の前にいるのだ。胸がざわつくのはやむを得ない。

「ヒート、きついの?」

 こちらに伸びる手に添って、流れてくる魅惑的な香りに触れた気がした。

 吸い込んだ香りは、僕の体内の神経に到達し各所へと働きかける。手のひらは汗をかき、心臓はどくどくと早鐘を打ち始める。
 僕の生命維持の以外の機能が総動員され、身体がざわめき始める。

「あつくて苦しそうだね。服、脱ごうか?」

 動揺し赤らんでいる僕の顔を見た櫂さん。櫂さん用にと話の種を仕込んでいたはずなのに、いざとなるとなにもできない。


 それに予想以上の急展開に戸惑ってしまう。僕の中では脱衣は性行為に結びつく。


 僕は覚悟を決め、その場に立ち、指示どおり一つ一つボタンを外した。
 進んでいく指をその先を、櫂さんの視線が追ってくる気がする。


 一枚一枚丁寧に脱いでいくと、櫂さんは背もたれに半身を預けたまま、僕の動作を値踏みするかのようにじいっと見入っていた。


 最後は下着だけになりためらっていると、櫂さんに目線で脱ぐよう促された。


 全裸になった僕に向けられる櫂さんの視線は、全身に這わされ、容赦なくちくちくと肌をさす。
 しばらく全裸のままで、検分をされているような気がする。

「こっちに来て欲しい」

 櫂さんはベッドにいて彼の横を示す。櫂さんの隣に座るときゅっと手を握られた。


 触れる手を通じ僕にむける柔らくて包むような温かいイメージ。
 幾ばくかあった彼に対する不安が消えていくのを感じた。

「これから僕と君はパートナーになる」

 櫂さんが僕の視線を捉えて言う。
 行為の最初ってこんな契約みたいな会話を交わすんだと、ぼんやりと櫂さんの口元を見ていた。

「パートナーの解消条件は君が僕の子どもを生むこと。これを達成できれば、君の希望で僕との関係を解消できるよ」

「解消だなんて!」

 とんでもないと思った。だって僕は櫂さんの番になるべく、育てられてきたのだから。それ以外の選択肢など考えられない、──言葉にできない言葉を胸中で叫ぶ。

「たぶん君は、僕を知れば知るほど嫌いになるよ」
「そんなこと……」

 ない、に続く言葉は、櫂さんにベッドに倒され発する機会を奪われた。
 櫂さんは僕に覆いかぶさると、首もとに顔を寄せ匂いを嗅いだ。

「いま、ヒート中なんだよね?」

 ここ数日、身体が熱くのぼせる感じがあり、性的な刺激にも弱くなっている。施設で教えられていたヒートの症状に似ている。


 そして今、目の前の櫂さんから感じる華やかな匂いに強く反応している。

「た、多分そうです」

 上から下りてくる櫂さんの近くて強い目線に動揺してしまう。

「そう」

 櫂さんは納得したのか、僕に手を伸ばし首に頬を寄せてくる。少し癖のある柔らかな髪が首筋をかすめ、くすぐったくて僕は肩をすくめてしまう。

「これから君とするけど、いい?」

 そのために準備してここにいるのだから、勿論と肯いた。
 目を眩しげに細める櫂さんに、強く肩を押され首下に舌を這わされた。身体中を撫でられ胸の突起を押しつままれ舌でチロリとなめ回された。

「うっ」

 僕の身体は櫂さんが与える刺激に熱を帯び、体内で熱が渦巻いている。
 僕は櫂さんに口付けを求める。濃厚に返されるそれに呼吸ができなくて頭がくらくらする。

 身体が熱い。熱い。熱い。
 身体が今まで感じたことがないほどの性的な興奮で昂っていく。





 櫂さんの指は長い。その長い指がローションの滑りを借りぼくの窄みや性器に触れてくる。
 
 半分顔をもたげた性器に長い指がからみ、軽くにぎり擦りたててくる。既に興奮している僕の性器はしっかりと勃ち上がる。

「気持ちいい?」
「気持ち、い、いいです」

 うわずった声で答えてしまう。
 正直、ヒート時は性的対象に 特化した状態ケダモノになり乱暴な対応をされることも考えていた。でも櫂さんはヒートにも関わらず、現時点では丁重に扱ってくれている。 

 僕の中で指が動くたびにヒートで濡れたのか、潤滑剤を足されたのか、下の方から耳を覆いたくなるようないやらしい水音がする。

 僕は発情期の猫の鳴き声に甘ったるいシロップを混ぜたような嬌声をあげる。櫂さんが僕の身体の知らないあちこちをいじるから。


 そしてまた声が漏れる。
「あっ、う」なじんだ数本の指が中から抜かれると妙に切なくて物足りなさを感じてしまう。身じろぎながら僕はこれが快楽の毒かと思う。
 ほぐされた窄みはびちゃびちゃに濡れ、下に敷いたタオルまで垂れ落ち身体の熱を奪ってくる。

「うつ伏せになって」

 櫂さんの指示で枕を抱えた状態でうつ伏せになり足を広げた。

「この体勢のほうが負担が少ないから。このまま挿れるよ」

 穴周りに性器を強く押しつけられ、なぞられていると、いつの間にか窄みと出会う。強い圧を受け続けられていると括約筋のちょっとした抵抗の甲斐もなくずるりと中へ押し込まれていく。

「あっ」

 体内に感じる違和。中に物を入れるのは初めてではないけれど、訓練はいつもゴム製のもので、熱と重量をもつ肉々しいものは初めてだった。

 櫂さんの体重の重みとともに背後から分け入ってくる肉の熱さと堅さ。中を容赦なく分け入り押し広げてくる圧迫が苦しい。

「きつい? 十分に慣らしたつもりだったんだけど」

 頭を突っ伏した僕は、呻き声しか出せないので頭を動かし肯定した。

 さっき丁寧に前戯をしてもらった、ちゃんと事前準備をした。それにヒートでちゃんと濡れていたはず。それでも苦しい。その様子を察したのか上からタラリと足される追加のローションが冷たい。

 櫂さんペースで体勢を変え、徐々に奥に進んでは腰を引かれ、また角度を変えて押し込まれる。
 僕の内臓の中で何かが前後に動いて胸まで圧迫する。苦しさはなくなってきたけど、そんなに気持ち良くもない。挿入までは興奮していたのに。

 変な声が出て無理やり駆け回された時のように呼吸が早くなり、熱が残る。

 櫂さんは動けるようになると奥をゆっくり突いてきた。奥は少し痛くて苦しかった。早く終わらないかと一心に願い、シーツをつかみながら気持ちよい振りをした。

 尻を持ち上げられ連続して突かれた。肉がぶつかる抽挿音と僕の悲鳴のような声が部屋に響く。激しさが増し櫂さんがぶるりと中で震えて終わりがきた。

 櫂さんが離れると僕の尻からはぬるりとしたものがこぼれた。体内にはひりついた異物感と奥に鈍痛があった。僕の性器は地を向きうなだれ、もにょついた性欲がだけが取り残されていた。


 ヒートというのは三~四ヶ月に一度、数日間続くらしい。どうやら発情中のオメガたちはこの期間はずっと性行為をし続けるらしいのだ。


 2日目も櫂さんとの行為はあっさり終わった。
 とてもあっさりとしたもので櫂さんはこうした行為が好きじゃないのではと疑問を抱かせた。

 僕は痛みの他にまだ腰奥にもにょつくものが残っていたので、体内から櫂さんの熱が失われていくのを、櫂さんに置いてけぼりにされているようで寂しく感じていた。

 『情熱的で快楽的で狂気的でケダモノ化すくらい激しいもの』想定していたヒートの概念と実際の行為とはかなりの乖離があったので残念に思った。

 3日目、櫂さんが一人の男を連れてきた。体格が良さげでがっちりとしていた人だった。
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