僕は隣国王子に恋をする

泡沫の泡

文字の大きさ
上 下
31 / 59
第5章 僕は求婚されるなんて考えてもいなかった

4

しおりを挟む
美しい緑の庭園に、可愛らしいユヅキ。
おっとりとした動作を、可愛いなと思いながら眺めていた。

「レオ!」

俺を呼ぶその鈴の音のような声ににんまりと顔を緩め、返事をした。
ユヅキはとてもかわいい。
幼い綺麗な顔立ちも、その体の小ささも。
それだけではない。
朗らかでおっとりとした性格も相まって、余計に可愛く見えるのだ。

俺のところまで駆け寄ってくるユヅキを勢いよく捕まえると、彼は無邪気に声を上げて笑った。
その表情一つすら、かわいい。
もっと、ユヅキのことを知りたい。

ユヅキのもとへ通い始めてから、だいぶ日にちが経ち、ユヅキのこともようやくわかってきた。

ユヅキは外を眺めるのが好きだ。理由を聞いたこともある。草木や虫、動物の観察が良い暇つぶしなのだそう。
それから、身体があまり強くないためあまり無理はできないことも知っている。
甘いものが好きなことも、俺の髪の毛を見ると寂しそうなことも。

ユヅキには、オリヴァー王国にとても深い仲の友人がいるそうだ。
その友人が、頻繁にユヅキに贈り物をしていることも、俺は知っている。
絶対ユヅキのことが好きだろう。
俺は負けたくなかった。

でも鈍感なユヅキのことだ。
さり気ないアプローチには、気が付かないだろう。
もう、直球でいくしか方法は無いように思えた。

まぁ、まずはこの屋敷を出入りしている人から、ユヅキを遠ざけることが先か。
何度か通っているうちに、ユヅキに危険を及ぼす人間も中には紛れていることがわかった。
ユヅキを守ることが先決だ。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

アルファな彼とオメガな僕。

BL / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:661

【完結】温泉に行こう★猫たちも一緒♪

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:21

嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:37,510pt お気に入り:5,360

【完結】雨降らしは、腕の中。

N2O
BL / 完結 24h.ポイント:56pt お気に入り:95

処理中です...