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悪役令嬢は悪徳商人に囲われる
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2日目の夜はメイヴィスの体調を気遣い、閨事を行わない代わりに二人で湯に浸かることになった。
「ヴィンスのお屋敷のお風呂はとても大きいですね」
広い湯船いっぱいにお湯を満たし、ヴィンセントの膝に座る形でメイヴィスは湯を楽しんだ。
「得意先…というより恩義ある御仁の娘さんがね、風呂好きだってことで依頼を請けたことがあったんだけど、私も気に入ってしまって、屋敷の浴室を改造したんだ」
「王宮のお風呂は広いけれど浅いんです。だから湯もすぐに冷めてしまって…わたくしはこのお風呂のほうが好きです」
ヴィンセントは濡れた手で前髪を撫で上げて、嬉しそうなメイヴィスに目を細めた。
「お気に召していただけて、なによりだ」
ところでメイヴィスはヴィンセントと風呂に入ることに抵抗を見せなかった。聞けば、メイヴェルのときは一人で風呂に入ることがなかったらしい。
ヴィンセントが「洗ってあげようか?」と下心を交えて訊ねたら、喜んで石鹸を差し出されてしまった。
閨の中でも、恥じらってはいたが、素直に行為を受け入れていた。
ヴィンセントは己の手の中で快楽に溺れる昨夜のメイヴィスを思い出して、むくっと兆してしまった。メイヴィスが頬を赤くして振り返る。
「っ、ヴィンス…!」
「ごめん。放っておけば治まるから。今日はしない」
腰に回した手でメイヴィスの薄い腹をよしよしと撫でた。
***
朝。メイヴィスはヴィンセントの起床とともに目を覚ます。
ヴィンセントの朝は早い。
メイヴィスも王妃教育をしていた頃は早くに起きていたので朝は強い。けれど、とくに予定のないメイヴィスはすぐに手持ち無沙汰になってしまう。
「ヴィンス、商人の妻とは何をすればいいのですか?」
「商会の仕事は従業員がいるからな。会誌でも読むかい?」
「以前にもう読ませていただきました。それでは貴族の妻としては?」
「私は三男だから、これといってな。いつかは社交界に出てもらわないといけないだろうが、いまは特に予定もないし」
「ではわたくしは一体なにを?」
「好きなことをして過ごしてくれたらいいんだ。街に行くのは準備が必要だから事前に言ってほしいけど」
メイヴィスは口を閉ざした。
拗ねたような表情にヴィンセントは目元を和らげる。
「メイヴィスは元々平民だろう?そんなに気張らなくていい」
そう言われてしまうと何も返せなかった。
確かに、平民上がりのはずのメイヴィスがヴィンセントの妻として急に表舞台に立つのは道理にあわない。それにメイヴェルの顔と名前を知っているような相手とは会わない方がいいに決まっている。
結局メイヴィスはいつものように部屋で黙々とレースを編み、それから少し午睡をしてしまった。
何の役にも立ってない。これでいいのかしら――と頭を悩ませて。
夜。マヤの手を借りて湯を浴びたメイヴィスは夜着選びに迷った。
そして選んだ一枚に袖を通すと寝所へ向かう。ベッドの上にはすでにヴィンセントがいて、メイヴィスの姿を見て「おや」と眉を上げた。
「うれしいな。なんて美しい」
メイヴィスは身体の線がはっきりわかる薄い夜着を選んだ。おずおずとベッドに近づくと、手を差し出されて抱き締められる。それからヴィンセントの胸に背中を預けるような体勢で膝の間に招かれた。
「かなり辛くしてしまったから嫌がられると思っていた。もういいのか?」
「……ヴィンスが妻の仕事は愛されることだって、言うから」
ヴィンセントは「そういう意味じゃないんだが」と苦笑する。
それから首を倒してメイヴィスに口づけた。メイヴィスも顔を上げて受け入れる。何度か啄まれた後、いたずらな舌を招き入れた。
「ん……っ」
左手を後ろに回してヴィンセントの太い首筋を撫でる。大きな手もメイヴィスの身体を彷徨い、小振りな胸を左右それぞれ包まれた。ふにふにと揉まれ擦られて、夜着越しにつんと尖りが透ける。
「ふふ、いやらしくて美しい」
「ああ…っ!」
二つ同時に人差し指と親指の腹で摘ままれ、こりこりと捻られる。痛みに近いぴりぴりとした刺激にメイヴィスは声を上げた。
ところが一番先端を布越しにそっと擦られると、ざわと肌が震えた。優しく執拗に何度も擦られて腰がひくついてしまう。
「ひ……っ、あ…っ、あ!」
シーツを蹴って夜着の裾が乱れる。
白くて細い腿に掌が置かれた。
内腿を伝いながら、ヴィンセントの指があわいに向かう。今夜も下着はつけていない。
「ああ…濡れてるね。よかった」
潤った花唇を知られてメイヴィスは顔を熱くさせる。けれどヴィンセントは「よく見せて」とメイヴィスを仰向けに寝かせた。
「えっ」
「傷が残ってないか確かめる」
そう言って腰の方へ移動したヴィンセントは、細い脚をがばりと開いて身を寄せた。
「ヴィンス!」
悲鳴を上げるメイヴィスに構わず花唇を指で押し開き、じっと目を凝らす。
恥ずかしいところを至近距離で見つめられ、メイヴィスは目に涙を浮かべる。それからとろりと蜜を溢してしまった。
「愛らしい」
ヴィンセントはぺろりと蜜口を舐め上げた。
舐めて吸って啜って、もちろん花核も忘れず愛してやる。
「ああっ、あっ、ああん!ヴィンス…っ!」
メイヴィスは高い声を上げて仰け反ると、まろい尻を震わせて達した。
呼吸が落ち着くのを待って、ヴィンセントはまたにゅくりと蜜口に舌を差し込む。
「待って、なんで……!」
「中もきちんと確かめないと」
その夜、メイヴィスは夜着を着たまま、ヴィンセントの舌と指でいやというほど高められた。
「ヴィンスのお屋敷のお風呂はとても大きいですね」
広い湯船いっぱいにお湯を満たし、ヴィンセントの膝に座る形でメイヴィスは湯を楽しんだ。
「得意先…というより恩義ある御仁の娘さんがね、風呂好きだってことで依頼を請けたことがあったんだけど、私も気に入ってしまって、屋敷の浴室を改造したんだ」
「王宮のお風呂は広いけれど浅いんです。だから湯もすぐに冷めてしまって…わたくしはこのお風呂のほうが好きです」
ヴィンセントは濡れた手で前髪を撫で上げて、嬉しそうなメイヴィスに目を細めた。
「お気に召していただけて、なによりだ」
ところでメイヴィスはヴィンセントと風呂に入ることに抵抗を見せなかった。聞けば、メイヴェルのときは一人で風呂に入ることがなかったらしい。
ヴィンセントが「洗ってあげようか?」と下心を交えて訊ねたら、喜んで石鹸を差し出されてしまった。
閨の中でも、恥じらってはいたが、素直に行為を受け入れていた。
ヴィンセントは己の手の中で快楽に溺れる昨夜のメイヴィスを思い出して、むくっと兆してしまった。メイヴィスが頬を赤くして振り返る。
「っ、ヴィンス…!」
「ごめん。放っておけば治まるから。今日はしない」
腰に回した手でメイヴィスの薄い腹をよしよしと撫でた。
***
朝。メイヴィスはヴィンセントの起床とともに目を覚ます。
ヴィンセントの朝は早い。
メイヴィスも王妃教育をしていた頃は早くに起きていたので朝は強い。けれど、とくに予定のないメイヴィスはすぐに手持ち無沙汰になってしまう。
「ヴィンス、商人の妻とは何をすればいいのですか?」
「商会の仕事は従業員がいるからな。会誌でも読むかい?」
「以前にもう読ませていただきました。それでは貴族の妻としては?」
「私は三男だから、これといってな。いつかは社交界に出てもらわないといけないだろうが、いまは特に予定もないし」
「ではわたくしは一体なにを?」
「好きなことをして過ごしてくれたらいいんだ。街に行くのは準備が必要だから事前に言ってほしいけど」
メイヴィスは口を閉ざした。
拗ねたような表情にヴィンセントは目元を和らげる。
「メイヴィスは元々平民だろう?そんなに気張らなくていい」
そう言われてしまうと何も返せなかった。
確かに、平民上がりのはずのメイヴィスがヴィンセントの妻として急に表舞台に立つのは道理にあわない。それにメイヴェルの顔と名前を知っているような相手とは会わない方がいいに決まっている。
結局メイヴィスはいつものように部屋で黙々とレースを編み、それから少し午睡をしてしまった。
何の役にも立ってない。これでいいのかしら――と頭を悩ませて。
夜。マヤの手を借りて湯を浴びたメイヴィスは夜着選びに迷った。
そして選んだ一枚に袖を通すと寝所へ向かう。ベッドの上にはすでにヴィンセントがいて、メイヴィスの姿を見て「おや」と眉を上げた。
「うれしいな。なんて美しい」
メイヴィスは身体の線がはっきりわかる薄い夜着を選んだ。おずおずとベッドに近づくと、手を差し出されて抱き締められる。それからヴィンセントの胸に背中を預けるような体勢で膝の間に招かれた。
「かなり辛くしてしまったから嫌がられると思っていた。もういいのか?」
「……ヴィンスが妻の仕事は愛されることだって、言うから」
ヴィンセントは「そういう意味じゃないんだが」と苦笑する。
それから首を倒してメイヴィスに口づけた。メイヴィスも顔を上げて受け入れる。何度か啄まれた後、いたずらな舌を招き入れた。
「ん……っ」
左手を後ろに回してヴィンセントの太い首筋を撫でる。大きな手もメイヴィスの身体を彷徨い、小振りな胸を左右それぞれ包まれた。ふにふにと揉まれ擦られて、夜着越しにつんと尖りが透ける。
「ふふ、いやらしくて美しい」
「ああ…っ!」
二つ同時に人差し指と親指の腹で摘ままれ、こりこりと捻られる。痛みに近いぴりぴりとした刺激にメイヴィスは声を上げた。
ところが一番先端を布越しにそっと擦られると、ざわと肌が震えた。優しく執拗に何度も擦られて腰がひくついてしまう。
「ひ……っ、あ…っ、あ!」
シーツを蹴って夜着の裾が乱れる。
白くて細い腿に掌が置かれた。
内腿を伝いながら、ヴィンセントの指があわいに向かう。今夜も下着はつけていない。
「ああ…濡れてるね。よかった」
潤った花唇を知られてメイヴィスは顔を熱くさせる。けれどヴィンセントは「よく見せて」とメイヴィスを仰向けに寝かせた。
「えっ」
「傷が残ってないか確かめる」
そう言って腰の方へ移動したヴィンセントは、細い脚をがばりと開いて身を寄せた。
「ヴィンス!」
悲鳴を上げるメイヴィスに構わず花唇を指で押し開き、じっと目を凝らす。
恥ずかしいところを至近距離で見つめられ、メイヴィスは目に涙を浮かべる。それからとろりと蜜を溢してしまった。
「愛らしい」
ヴィンセントはぺろりと蜜口を舐め上げた。
舐めて吸って啜って、もちろん花核も忘れず愛してやる。
「ああっ、あっ、ああん!ヴィンス…っ!」
メイヴィスは高い声を上げて仰け反ると、まろい尻を震わせて達した。
呼吸が落ち着くのを待って、ヴィンセントはまたにゅくりと蜜口に舌を差し込む。
「待って、なんで……!」
「中もきちんと確かめないと」
その夜、メイヴィスは夜着を着たまま、ヴィンセントの舌と指でいやというほど高められた。
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