格闘ゲーマーの異世界転生 チートスキルの封印術~あれ?思ってたのとなんか違う~

tatamiya

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第1章 序章

第8話 あなたの魂により良い実りを

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これですべきことが終わったのか、女神様は先程の緩んだ顔から一転、キリッと凛々しい表情をしこちらを見つめ直す。

「あらためて、謝罪させて頂きます。この度は私どもが逸見さんにご迷惑をお掛けして大変申し訳御座いませんでした。」
 深々と頭を下げる女神様。

「逸見さんには我が星シルベールへ転生させていただきます。転生後どの様な人生を送られるかは逸見さん次第となりますが、努力が実りより良い人生になるよう祈っております。」

 より良い人生か。どうなるかは転生してみないとわからないけど、悪さする気もなく、ボチボチ頑張ってみますかね。

「お心遣いありがとうございます。今回の事は変わった出来事を体験できたと考え、新しい人生を楽しみたいと思います。」

 俺の言葉に笑顔を見せる女神様。可愛い。

「では、転生の儀式を始めさせて頂きます。」

 と、言うと女神様は両手を前に出して意識を集中しているようだ。両手からはまぶしい光が溢れだし、その光が俺を優しく暖かく包み込んでいく。
 その光が段々強くなるにつれて俺の意識は徐々に弱くなっていく。薄れゆく意識のなか最後に女神様ーエレオノーラ様を見る。

「あなたの魂により良い実りを!」
「より良い実りを!」

 俺はその場のノリで返事を返す。薄い意識でも俺は空気を読める子だ。でもそろそろ意識を保っていられない。意識が薄く広がっていく、しかし感覚は一点に集中していく。個が保てなくなる。自分自身が霧散してしまう。これが『死』 か。自分を諦めようとした瞬間、感覚の点を中心に意識が収縮されていく。波打って渦巻いて形作られていく。記憶が逸見貴匡のまま世界に顕現する、するのが解る。これが転生か。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 俺は俺自身を意識する、身体がある触覚がある。が、身体が動かない目が開かない。でも光が感じられる。そちらに意識を向ける。何やら暖かい感覚。俺は今抱かれている?うん?逸見貴匡のままこの星に来るのじゃないのか?転生、、、そうか転移でなく転生か。俺は今もしかして赤ちゃんなんじゃないだろうか。新たな命、元々死産だったはずの器に俺の意識が入ったのか。

 この暖かいのは母親か。あ、駄目だ、意識が身体に引っ張られていく。自我が保てない、脳が人格形成できる前の赤ちゃんに転生なんて聞いてないよぉー。
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