格闘ゲーマーの異世界転生 チートスキルの封印術~あれ?思ってたのとなんか違う~

tatamiya

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第6章 ゴブリン討伐

第43話 真ハド〇ケン

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 火の魔法は何を燃料にして燃えるのか?
 
 当然答えは魔力を燃料にして燃える。ハド〇ケンの炎も俺の手から離れたら、込められた魔力を消費し、魔力が切れると霧散する。

 火が燃えるには燃料以外に必要なものがもう一つある。酸素だ。
 初めは周囲の酸素を取り込んでいると思っていたけどどうもそうじゃないらしい。試しに水の中でフャイアを使用してみた所、水の中なので勢いも弱くすぐ消えたけど普通に発現した。
 どうも魔法とは召喚というか事象の選択というか、火が発現する、というのを魔力を媒介にして行っている、と思う。詳しいことは解らない、火が発現する結果は同じなので調べようがなかった。火が出れば召喚であろうが、事象の選択であろうがどっちでもいい。

 おっと、魔法の講釈は今は関係ない。今はハド〇ケンの威力をどう上げるか、だ。

 火の温度は1800度で十分すぎるくらいだろう。これが2500度になった所で生物を燃やすことにとって差ほど変わらない。
 俺が行うのは燃えている時間の延長だ。何かに燃え移った火ではなく、俺が発現させた火の維持。
 どうするか?薪の代わりに魔力をくべる。くべれる魔力の塊、魔石をくべる。

 初め普通のフャイアで試したら魔石の魔力が無くなるまで燃え続けた。一度生物に使用してみたら魔石が皮膚に付着し消そうにも消えない悪魔の炎、地球での戦争で米軍が禁止にした残虐兵器、ナパーム弾の様になった。

 明らかにオーバーキルな真ハド〇ケン、普通の魔物へは使うつもりはなかった。しかしあの黒い蕀で覆われたゴブリンジェネラルは普通じゃない、やり過ぎって事はなくやれることはやらないと駄目な気がする。

 俺はズボンのポケットから今日狩ったゴブリンの魔石11個を握りながら光の殻を形成、下から左手で火を発現、注入、対流を繰返し温度を上げていく。光殻がまばゆく光り輝きだしたら、上から魔石を投入。コップに入れた水の表面張力を試すコインを入れるように、魔石を入れていく。

 中で魔石がバチバチっと跳ねている。

 ゴブ将軍は俺が魔法の準備をしているのに気づき攻めようとしているのをセキアが上手く防いでくれていたが、ハド〇ケン完成直前にゴブ将軍の胸の傷痕から幾本の蕀がセキアに向かい飛び出してくる。蕀と鉈の同時攻撃を仕掛けてきたゴブ将軍、防御姿勢をとったセキアの四肢に蕀が刺さる、鉈は大剣で防いだものの後方へと吹き飛ばれてしまう。

「セキア!」

 直ぐにでもセキアへ駆け寄りたいが、目の前の敵を何とかするのが最優先事項。魔石を入れたハド〇ケン、、、真ハド〇ケンが完成、ゴブ将軍へと放つ。

 ゴブ将軍は俺への攻撃を諦め回避行動に移る、が、そうはさせない!光殻を放つと同時にゴブ将軍へと走り出した俺は上空へと飛び上がり、残ったゴブ将軍の右目へと剣を振るう。

 空中からの光属性を付与した五連突き、無敵然としていたゴブ将軍も流石に残った右目を庇う。五連目の最後の突きと同時に光殻が迫る。ゴブ将軍は鉈の腹で光殻を防ごうとするが、その鉈が光殻に触れると融解していく。

 光の殻が破れ中から1800度の炎がゴブ将軍の全身へと拡がる、所々に魔石が付着、魔石を中心に皮膚を焼き肉を溶かす。鼻につくえた脂の臭いがする。

 真ハド〇ケンを当てた俺は倒れているセキアへ歩み寄る。
 意識を失わずこちらを見ていたセキアが声を発した。

「イズミ、危ない!」

 その声で後ろを振り返ると炎に包まれているゴブ将軍がコブシを上げ俺へと繰り出してきた。俺は咄嗟に円形小盾で防ぐが盾は砕け左腕の折れる音と共に吹き飛ばされ地面に叩きつけられた。地面とぶつかった衝撃で息を食むも、意識を保ちゴブ将軍へと目を向ける。

 炎に焼かれている体は所々骨が剥き出しになり、内蔵をも晒している。生物として行動出来る筈のないダメージを追っている。

 立ち上がろうとした俺にゴブ将軍の追撃、強力な蹴りを喰らい、後方のセキアの側まで転がされる。クソッ!俺とセキアを同時に始末するつもりか!痛みで上手く動かない身体を奮い起たせ、セキアへマインドキュアをかける。
 セキアのスキル【再生Ⅲ】とマインドキュアの効果で完全ではないが四肢の傷が癒える。これなら走る事くらいは出来そうかな。

「セキア、ここは俺が何とかするから村へ戻ってギルドに助けを求めて」

「何とかって、、イズミ一人で何とか出来るわけあらへんやろ!」

「いいから、早く村へ向かって!」

「イヤや!イズミ置いては行かれへん!」

 そう言うとセキアは俺とゴブ将軍の間に入ろうとする。

「ゴメン、セキア」

 俺は隷属の首輪を意識する。

「セキア、命令だ。オークス村へ戻って」

 セキアは痛みで顔を歪める。

「イズミ、アカン、、」

 首輪が光り強制力が発動、身体が村へと向かおうとするが精神力でそれを留めている。

「このままでは二人とも死んでしまう。セキアだけでも生き延びて」

 激痛が走っているはずのセキアはまだ強制力に抗っている。

「うちは、、、うち、、は、、あぁ!」

「駄目だセキア!早く命令に従って!」

 このままでは首輪の力でセキアが死んでしまう。命令を解除するべきか。しかし解除してもゴブ将軍が殺しに来る。

「イヤや、、イズミを、、、ウチガ、、ガガガァ、アァ!」

 セキアの雰囲気が変わる。赤いオーラが出て、圧倒的な存在感が場を支配する。

【鬼神化】が発動した。
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