能力をくれた救世主は王様だった!? ~ 兄妹を助けてくれよ! ~

 れーらきゅん  

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兄妹

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俺はストール・アリシニス。
兄妹は俺を含む、5人。その中の三番目に生まれた。

俺の家系は代々騎士をやっている。
アリシニス家は多大な功績を納めているため、このエレイラース王国の貴族となっていた。

それにより、俺は貴族としての振る舞いなどをしなければならなかった。
その為、幼き頃より父母に厳しき教育を強いられていた。
振る舞いに万が一にでも失態があれば、即監禁されるような残酷な日々を過ごしていた。

もうこんなことはこりごりだと、常日頃考えていた。
だが運命は、父母は、それを許さない。

つまり、俺ら兄妹達に逃げ場はなかった。
甘えようとすれば容赦なく潰しにかかり、泣こうとすれば脅しにかかってきた。

そんな毎日を過ごすなか、兄妹全員が父母から逃れる術を考えぬようになっていった。

「何で、何でなんだよ!俺らはこんなことをするために生まれてきたのかよ!」



そんなこんなで、俺の成人式を迎えることになった。

エレイラース王国の成人式では、成人した証のブローチと能力を授けるしきたりがあった。

日程は一ヶ月後。

アリシニス家の成人式は代々、王家の主催で行うことになっていた。
また、成人したものに与えられるブローチまでもを王様がつけてくれることになっていた。

他のものならば「これ以上にない名誉」などと思うだろう。
俺は違う。

いや、俺らは違う。

これは、好機だ。……………逃げるための、な。

実は一番目の兄と一番目の姉の成人式の際にも逃亡計画を図っていた。

だが、思いの外父母のガードは固く容易に逃げるのは困難だった。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして成人式当日。
俺は、諦められず未だに考えていた。

どうすれば逃げられるのか、…………………………………………と。

早々に、逃げれる筈もない。

おまけに、俺は今回主役だ。

主役が居ないとなると、騒然とするのは束の間。
つまり、それ相応の覚悟が必要であり下準備が必須となる、今回の逃亡計画。

父と母は、夫婦揃って騎士団の団長を勤めている。
それほど手練れだと言うことだ。

下手をすれば外出はおろか、従者達との会話まで制限されてしまうだろう。

たとえ家族や友人、婚約者であろうとも。


「俺は、どうすれば良いんだ。」


俺は、悩むことしかできなかった。
本当にやってしまって良いのか……。

こんなことをやれば、兄妹にだって被害が及ぶし、必要だって不可欠だ。


「あぁ、誰か助けてくれる奴はいないのか!!俺らはこんなに苦しんでいるのに…。」






世界って理不尽だよな。

俺らを助けてもくれない。

俺らにてをさしのべてもくれない。

誰も現状に気がつかない。

匿ってくれない。

あんなのを信頼している。

俺らを信用してくれない。




…………………………………………………………………………………………………………





絶望に染まる俺らは、なにも考えられない。




………………………………………………………………………………………………………





誰か俺らを光で照らしてくれよ………!






『   神様ぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁああ!  』





そのあとも、俺は一人で泣き叫んだ。

この理不尽な世界に。
絶望と残酷な気持ちをのせて。

それでも、誰かが助けてくれることはないことはわかっていた。
それでも、抗いたかった。
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