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7話目 不穏の影
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「ではまたすぐに、そうじゃのう……10年後ぐらいには来るであろうな。実りある時間であったわ!はっはっはっ!」
そう言って日本(仮)改め、獣人の国ノブナガを1000年ほど統治している龍族のダンジョンマスター、ノブナガ様はお土産の月の砂を持ちながら笑顔で帰っていった。
「ふぅー、つ、疲れた」
そう言って僕はさっきまでノブナガさんが座っていた椅子に座った。
僕はコミュ障であった。
一息つくために、産み出した桜ゼリー味のピンク色のスライムを食べた。
美味しい。
前世で食べた味が忠実に再現されたこのスライム!なんとお値段たったの10DP!ノブナガさんも大満足。
値段の理由?
このスライム、少し放っておいたりつっついたりすると死ぬから。
「大変良かったと思います」
そう言いながらセバスが日よけを調整してくれる。
「そうだね、色々な事を知れたのは大きいね。とは言っても地域によってはまた違うんだろうけど」
興味深かったのはダンジョンマスターは人化という能力をほとんどが持っていて、元々は別種族、別形態になれるということとノブナガさんの国の状況とかかな。
まぁムーンにいる今の僕にはほとんど関係ないけどね。
「はい、そのようです」
セバスのマナーの知識は元になった背景はわからないらしいし仕方ないか。
「ま、まぁノブナガさんがとてもいい人でよかったよ。嘘かも知れないけど、偉大な王って感じでかっこよかったなぁ。龍だしね」
様って自然と呼びたくなる感じだね。
「龍がかっこいい、ですか」
「僕のいた世界だと龍は世界のほとんどの神話に出てくる存在だしね、まぁそもそもノブナガって名前も有名だし、ノブナガさんがいる所の地図は日本そっくりだったし、格好も侍だったし桜もあるらしいしで親近感が湧いたよ」
「さすがはダンジョンマスターなのでしょうか、龍は強大なる力を持つ種族ですからどうなることかと心配しておりました」
「そ、そうだったんだ。確かに強そうだなって思ったけど、セバスがいるから大丈夫だろうって思ってたんだけど?」
「数分で殺されます」
「そ、そっか。ノブナガさんも眷属一体を強くするよりも色々な種類を産み出した方が強さ的には効率がよいじゃろうって言ってたもんね……まぁセバスには訓練で強くなってもらおう」
「はい」
「ああ、あと地域別のマナー、いやタブーだけでも教えてもらおうかな」
「かしこまりました」
さて、ノブナガマネーでダンジョンの改築をしてさらなるお客を呼び込むとしますか。
稼がないと維持費で死ぬからね。
ノブナガ視点
転移されアースに戻って来たときは体が重くなったように感じた。
ムーンという少年の事を思い出す。
(これが重力とやらなわけじゃな。あの少年の世界の話は興味深かったのう。絶対に桜ゼリーの研究を始めねばならぬな)
魔法のない世界。
人のみが存在する世界。
また聞きにいこうとそうわしは思った。
城の地下にある自分のダンジョンに帰ってきた。
「爺様! おかえりなさい!」
「おかえりなさいませノブナガ様」
「おお、帰ったぞ。」
わしの眷属が迎えに来てくれた。
人化もしっかりとできずところどころ龍のままの幼い少女達と古参の眷属達じゃ。
1000年も国を回して来たわしは癒しが必要じゃったのだ。
「これ、なんじゃと思うか」
ムーンからもらった砂を見せた。
「何ですか、お爺様。ただの砂に見えますけど」
「ちっちっちっ、違うのじゃよ」
「ムーンの砂ですか。 魔法でしっかりと把握しております。随分帰って来た後に自慢されていたようですが……魔力的にみると何の要素もない、ただの砂のような、いえ砂よりも価値がないようですが」
ええい古参めが!
そう言って来たのは古参の1人、初めてワシが産み出した眷属の亡骸を使って産み出した着物をしっかりと着込んだ女だ。
名をルカという。
「えー! ムーンの砂! ムーンってあのムーン!?」
驚く少女たち、ルカは後半を魔法でワシにしか聞こえないように喋ってきていた。
一瞬しょげたわい。
「そ、そうじゃよ。これはみんなへの贈り物じゃ、大事に扱うのじゃぞ」
「わーい!うれしー!」
そう言って去っていく少女達。
残ったのは古参のメンバーだけだ。
ルカが代表して聞いて来る。
「で、ムーンの話も聞きたいものですが、アレの原因はなんだったのですか。魔法で確認すれば、皆さま暗い顔をされておりましたが」
アレとは当然国境を越えて攻めてこようとしていたもの達のことじゃな。
わしらが獣人の国として結束し、誕生することになった原因。
奴らは人至上主義の迫害者達だ。
奴らは半島とわしらの国にある古代文明の遺産ゲート群を拠点にし、獣人の拉致や虐殺を楽しんでおったやつらじゃ。
当然、ダンジョンマスターも狙っておる。
こちら側のゲート群のぼぼ全て奪い取って使用不能にしてやったから奴らは海路か陸路の一部でしか来れなくなって、最近では小競り合いだけだったんじゃが……
「そうじゃのう、捕まえた奴らがいうには、『本国が北方に住まう種族に滅ぼされ本国側のゲートは放棄した』と、そう言っておるそうじゃ……」
そう言って日本(仮)改め、獣人の国ノブナガを1000年ほど統治している龍族のダンジョンマスター、ノブナガ様はお土産の月の砂を持ちながら笑顔で帰っていった。
「ふぅー、つ、疲れた」
そう言って僕はさっきまでノブナガさんが座っていた椅子に座った。
僕はコミュ障であった。
一息つくために、産み出した桜ゼリー味のピンク色のスライムを食べた。
美味しい。
前世で食べた味が忠実に再現されたこのスライム!なんとお値段たったの10DP!ノブナガさんも大満足。
値段の理由?
このスライム、少し放っておいたりつっついたりすると死ぬから。
「大変良かったと思います」
そう言いながらセバスが日よけを調整してくれる。
「そうだね、色々な事を知れたのは大きいね。とは言っても地域によってはまた違うんだろうけど」
興味深かったのはダンジョンマスターは人化という能力をほとんどが持っていて、元々は別種族、別形態になれるということとノブナガさんの国の状況とかかな。
まぁムーンにいる今の僕にはほとんど関係ないけどね。
「はい、そのようです」
セバスのマナーの知識は元になった背景はわからないらしいし仕方ないか。
「ま、まぁノブナガさんがとてもいい人でよかったよ。嘘かも知れないけど、偉大な王って感じでかっこよかったなぁ。龍だしね」
様って自然と呼びたくなる感じだね。
「龍がかっこいい、ですか」
「僕のいた世界だと龍は世界のほとんどの神話に出てくる存在だしね、まぁそもそもノブナガって名前も有名だし、ノブナガさんがいる所の地図は日本そっくりだったし、格好も侍だったし桜もあるらしいしで親近感が湧いたよ」
「さすがはダンジョンマスターなのでしょうか、龍は強大なる力を持つ種族ですからどうなることかと心配しておりました」
「そ、そうだったんだ。確かに強そうだなって思ったけど、セバスがいるから大丈夫だろうって思ってたんだけど?」
「数分で殺されます」
「そ、そっか。ノブナガさんも眷属一体を強くするよりも色々な種類を産み出した方が強さ的には効率がよいじゃろうって言ってたもんね……まぁセバスには訓練で強くなってもらおう」
「はい」
「ああ、あと地域別のマナー、いやタブーだけでも教えてもらおうかな」
「かしこまりました」
さて、ノブナガマネーでダンジョンの改築をしてさらなるお客を呼び込むとしますか。
稼がないと維持費で死ぬからね。
ノブナガ視点
転移されアースに戻って来たときは体が重くなったように感じた。
ムーンという少年の事を思い出す。
(これが重力とやらなわけじゃな。あの少年の世界の話は興味深かったのう。絶対に桜ゼリーの研究を始めねばならぬな)
魔法のない世界。
人のみが存在する世界。
また聞きにいこうとそうわしは思った。
城の地下にある自分のダンジョンに帰ってきた。
「爺様! おかえりなさい!」
「おかえりなさいませノブナガ様」
「おお、帰ったぞ。」
わしの眷属が迎えに来てくれた。
人化もしっかりとできずところどころ龍のままの幼い少女達と古参の眷属達じゃ。
1000年も国を回して来たわしは癒しが必要じゃったのだ。
「これ、なんじゃと思うか」
ムーンからもらった砂を見せた。
「何ですか、お爺様。ただの砂に見えますけど」
「ちっちっちっ、違うのじゃよ」
「ムーンの砂ですか。 魔法でしっかりと把握しております。随分帰って来た後に自慢されていたようですが……魔力的にみると何の要素もない、ただの砂のような、いえ砂よりも価値がないようですが」
ええい古参めが!
そう言って来たのは古参の1人、初めてワシが産み出した眷属の亡骸を使って産み出した着物をしっかりと着込んだ女だ。
名をルカという。
「えー! ムーンの砂! ムーンってあのムーン!?」
驚く少女たち、ルカは後半を魔法でワシにしか聞こえないように喋ってきていた。
一瞬しょげたわい。
「そ、そうじゃよ。これはみんなへの贈り物じゃ、大事に扱うのじゃぞ」
「わーい!うれしー!」
そう言って去っていく少女達。
残ったのは古参のメンバーだけだ。
ルカが代表して聞いて来る。
「で、ムーンの話も聞きたいものですが、アレの原因はなんだったのですか。魔法で確認すれば、皆さま暗い顔をされておりましたが」
アレとは当然国境を越えて攻めてこようとしていたもの達のことじゃな。
わしらが獣人の国として結束し、誕生することになった原因。
奴らは人至上主義の迫害者達だ。
奴らは半島とわしらの国にある古代文明の遺産ゲート群を拠点にし、獣人の拉致や虐殺を楽しんでおったやつらじゃ。
当然、ダンジョンマスターも狙っておる。
こちら側のゲート群のぼぼ全て奪い取って使用不能にしてやったから奴らは海路か陸路の一部でしか来れなくなって、最近では小競り合いだけだったんじゃが……
「そうじゃのう、捕まえた奴らがいうには、『本国が北方に住まう種族に滅ぼされ本国側のゲートは放棄した』と、そう言っておるそうじゃ……」
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