ゲーム的異世界で生きていく

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無言でいる事は肯定と取られるんだなぁ

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と、言うわけで女神にほいほい言いくるめられて転生したクラスメイト達と巻き込まれた僕です。

そう、異世界に来ました!

よくあるお話だよ。
教室に魔法陣が広がったと思ったら、辺り一面白い空間にいて、自称女神さんとこんにちはだ。

美少女女神に助けてくれと言われて、あれよあれよと勝手に異世界に行く事になって、気づけば赤いカーペットの上で目の前では王様と貴族と兵士達が僕達をじっと見ていたと。

視界にはゲームのように色々なゲージが表示されてるぞー。

幻覚かなー?

異世界ヒャッホーウとは喜べないね。

これ、巻き込まれだから。
どんな世界かも知らないし。

女神が言うことが本当ならただの中世ファンタジーではないんだろうし……。

強いて今思う事を言うなら

「無言でいることは肯定にとられるんだなぁ……」

って事だね。

僕は一言も了承してないんだよ。
他の奴は首を縦に振ってたりしてたかもしれないけどさ。
僕は首を横には振ったかもしれないけど縦には絶対に振ってないから。

あからさまに首を傾げていたりもしたんだけどな。

自称神様に自分から話しかけるなんて勇気というか厚顔無恥というか、そんなことは僕にはできなかったしね。

こう人の空気を読む力が女神にはなかったんだろうねぇ。
まさか女神が無断で人を拉致すると思うだろうか。

でもこれもまたよくある話か。

あの女神はきっと邪神なんだろうね。

まったく、全知全能で慈愛溢れる『神様』は一体どこにいるのか。

ただの一般人の僕じゃ見た目だけじゃ善神と邪神の区別なんてわからないわけ。

僕は神様を信じてはいるけど神の教えとか言う宗教は信じてないんだよ。
宗教は人の教えにしかみえないんだもん。

「というわけで勇者様には悪しき魔王とそれに操られてしまった隣国の王を倒していただきたいのです。倒した暁には皆さんだけはこの世界とそちらの異世界を行き来できるようになるでしょう」

今目の前で説明を終えた王の側近役とこの王もかなりの悪人だねぇー。
謝罪が一言もないもの。
それに行き来できるようになるんだったらそもそも僕たちを呼ばずに色々できるでしょ。

「はぁ……」

もう呆れるね。
でもこんな非現実な体験をするとすんなり受け入れてしまうものなのかな。

クラスメイトを見ているとそう思いもする。

内心ため息をつく余裕が僕にはあった。
こんな狂気を味わうのはいま限りにして欲しいと思う。

そう、狂気だ。
周りを見れば狂った元クラスメイト達がいた。

「やったー!俺たち勇者だってよ。見てよこのステータス」

「そうねこの力で助けてあげなきゃ!」

「こ、これ夢よね? まさかあれ、チート転生ってやつ?」

クラスメイト達には期待できないな!
狂ってるよお前ら!

あぁ! 
さらば現代世界、さらば海外ドラマ! 
さらばアニメ!
さらば素晴らしき現代の無限とも思われる娯楽達、物語達よ!
家に積んであった洋ゲー、和ゲー達よ。

僕は新しく異世界に生まれ変わってしまったのだ!

魔王なんて倒せるわけないだろ!
そもそも魔王じゃないやつだろそれ。
いい加減にしろ。

で、このようにお決まり通りの怪しい王様の前に召喚されたんだけど。
案の定混乱、いや興奮冷めやらぬ感じでクラスメイト達が騒いでいる。

王様達は僕達を少し休ませてからもう一度説明することにしたらしい。

「なにやら混乱しているようですね。皆様大丈夫ですか? 勇者様の方々には城でひとまず休んでいただきますか」

「うむ。そうするとしよう」

でも僕は一応説明を聞いてたからさっさと行動に移ることにする。

散々勇者勇者言ってるけど僕にとって重要な点は僕が、僕だけがどうやら勇者じゃないところ。

クラスメイト達はこの先勇者の力を持って利用されたり正義(笑)を振り回したりできるかもしれないけど僕には出来そうにないんだ。

側近役の説明でステータスと言われた瞬間は僕も胸が高まったよ?

でも結局僕は落ち込んだしいまこうして内心で不安と恐怖と怒りをぐちぐち言っめ発散するしかないんだ。
ルサンチマンって奴なんだ。

何が「常人の10倍、勇者はステータスALL3桁が普通ですな」だ。
お付きの貴族、お前の顔は覚えたからな。

名前 未設定
年齢 17
信仰 なし
レベル0
P00
HP30 MP40
ステータス
力 10
技術  13
精神  20
敏捷9
運 10

スキル 
P00

称号
なし

ほらレベル0の雑魚ですよ。
一般人以下なんじゃないですかね。
スキルもなに1つない。

まぁこんなだから冷静になれたのかな。

側近役の説明は完全に僕たちを拉致って戦わせようとしてるというのはしっかりと把握した。

我々も必死なんだって?

敵対種族もいるのに人類同士で争っててて異世界から人を拉致してる時点で滅びていいと思うよ。
こんなファンタジーの素晴らしい世界なんだ。
そんなクソは死ね。

おっと、こんな事を言ったら周りの兵士に射殺されちゃうね。

この異世界、女神も言ってたが、ただの中世的なファンタジーじゃない。
兵士が普通に銃器らしきものを持ってるんだよね。
結構ノリノリなクラスメイト達よ。
これを疑問に思わないのかな。

形的にサブマシンガンだよあれ。
禁酒法時代な感じの見た目してる銃だよ。

ああ、それにいくらレベルが高くて常人の10倍とか言われてもこの人達、兵士が常人とは言ってないわけでクラスメイトが彼らに勝てる保証はどこにも無い。

クソが死ね、僕が死ぬ。
僕はそもそも常人以下な訳で。

そうだそうだ。
話を戻して、王の側近役の人に声をかけないと。

「ちょっといいですか」
「なにかね」

王の側近役の人が答えた。

はぁ、貴族。
召喚を悪びれもしてないわ。

僕は可視化したステータスを見せた。

念じれば他人にも可視化出来るとこの人がさっきの説明で言ってた。

貴族は一言つぶやいた。

「こ、これはひどい」

クソが、死ねば?

いや違った。
うまくいい方向にいってくればいいけど、最悪勇者みたいに使い捨てられるよりはいっそ今ゴミって言われながら殺された方がいいのかもしれない。

できれば一刻も早くここから出て自由になりたいのだ。
この城に居座ることも考えたがクラスメイトと居たら命がいくらあっても足りない。
もう彼らはクラスメイトじゃない。
僕から見ればただの化け物だ。

一か八か外に出た方がマシだ。

「どうしたのじゃ」

側近役の人は王としばらく会話したあと、謝罪してきた。

「どうやら勇者の称号を持たぬということは召喚に巻き込んでしまったようだな。お主も困惑したであろう」

お、いい感じだねぇ。
口には出来ないけれど実は拉致った事に罪悪感がある感じだと良いのだけれど。

拉致った事を謝罪しろとは思う内心は表には出さない。

「ぷっ、あいつ、俺たちの仲間じゃなかったよ」

「やめなよ」

後ろで何か聞こえたが気のせいだろう。
僕は友達を作ってこなかったからね。
僕は家に速攻帰ってネット小説やゲーム、ドラマ、映画とかとか見てた方が楽しい人間なんだよ。

だから話合わなかったしね。
死ね。

おっと、いけないいけない。
そういう性格だから友達ができなかったんだよと言われてしまう。

友達ってさ性格悪かったらできないものじゃないわけ。
悪いもの同士でも友達になったりするわけ。
まぁいいや。

「それでこのままいても迷惑でしょうしこの城から出て一般人として暮らしていきたいんですよね。だから路銀だけ少しください。もちろんこのことは誰にも言いませんし、言っても信じてもらえないでしょう?」

王様達はすこし相談したのちに言った。

「ふむ、わかった。その格好では目立つから、着替えを用意させる。そのあとギルドへも案内させよう、そこで登録し働くのだな。その後は好きにせい」

安心はできないけど言質はとったぜ。

「おお、ありがとうございます。感謝いたします」

そう深々と頭を下げて僕はさっさとこの頭のおかしな空気漂うこの部屋から去った。



その後の王グランド

「彼は消さなくてよろしいのですか、グランド様」

「どのみち死ぬじゃろうが。もし有能でありギルドで生き残ったとして、我が都市ノイエルへはメリットしかない。それに奴が勇者と漏らしたら欺瞞としても使えるわい。あの弱さじゃ。どのみち召喚のことは外にバレるのじゃからな。それに他のものが混乱する中、中々礼儀を弁えておったからな」
「ははっ、王の慧眼、恐れ入ります」
「フンっ、監視はつけておけよ」
「かしこまりました」

(あの眠そうな顔した少年には悪いが使わせてもらおうか……くっくっくっ)

王グランドは自身よりは弱いが兵達よりも強い存在である勇者、それを三十人近くも手に入れた興奮と歓喜を味わっていた。

(これでワシの邪魔をするものはいなくなるのだ……)
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