ゲーム的異世界で生きていく

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「はい、ではギルドの説明をしますね。プレイヤーズギルドは神の祝福を受けプレイヤーとなった皆様に、街の問題や危険なモンスター、犯罪者に対処する仕事を提供します。その為のサポートなども行なっております 」

僕は黙って頷いておく。
要は冒険者の事をプレイヤーと呼んでいるって事だね。

「ではまず貴方の登録をしたいと思います。ここに手を置いてください」

石板のようなものに手をおく

名前 ルディオ
信仰 なし
レベル0
p00
HP30 MP40
力10
技術13
精神20
敏捷9
運10
スキル
p00
なし

称号
なし

「はい、ありがとうございます。登録が完了しました。あら、信仰なしですか、神を選ばないといけませんね」

神を選ぶ?

「神ですか?」

「はい。人は神の祝福を受けるまでレベル0のままなのですよ。祈祷室まで案内しますね」

そう言うとニーナさんは席を立ち僕を案内し始めた。
他のクラスメイトは祝福持ちと言うことか、レベル3桁らしいからなぁ。

神さまかぁ。
異世界って感じが強まるね。

僕は無宗教と言われる人だけど仏像に落書きとか考えられない程度には漠然とした信仰心というものはある人だ。

祈祷室とやらはすぐ近くだった。 
かなり広々とした半円形の部屋だ。

「かなり広いですね」

高さは二メートルぐらいで横幅はもっとあるだろう大きさの祭壇が円形部分の壁に埋め込まれるように八つほど置かれていた。

人々が入れ替わりで祭壇に祈りを捧げて去って行く。
時々祈りを捧げて体から光を発する人もいてなにかを祭壇に捧げている人もいた。
捧げものは光になって消えた。

す、すごいなぁ。
この部屋に入ってから王様クソ死ねとか思ってた気持ちがどこかに消えて行く気がした。

「神は様々に存在されておりますが、有名なもので言えばここにある祭壇の7柱と創造神様ですね、とちょうど空いてきましたね」

しばらく眺めていると、祈りを捧げる人たちも少なくなっていた。

ニーナさんの説明によると信仰することでステータスにボーナスやスキル習得の補助やら色々と恩恵もあるらしい。「気分が変わって別の神を信仰しても若干のペナルティだけで済むから気軽に決めるといいですよ」とのこと。

「まぁそれだけでは決められませんよね。それぞれ説明しましょうか」

「はい。ありがとうございますお願いします」


「はい。まずはこちら、幸運の神テュテュルス様、信者の皆様によるとそのお姿は無邪気な小さい女の子のようですね。その名の通り運を司り、信者達には幸運を与えてくださります。運を携わるスキル習得を簡単にしてもくださいますね」

二メートルほどの祭壇が見える。
捧げものは残ってない。

「こちらは敏捷の神ネーコ様、名前の通り猫のお姿のようです、貫禄あるお姿が人気がありますね。敏捷の恩恵を与えてくださります」

こちらも祭壇だ。
ただでっぷり太った招き猫のような置物が祭壇の近くに置いてあった。
じっくり見ていると置物は光とともに消えた。

「ネーコ様、あの置物を気に入られたようですね。じっくり判断してたのでしょうね」
「そ、そうなんですか」

ニーナさんの目線を追うと祈祷室の入り口でガッツポーズをしてる人が目に入った。

「神に気に入られると恩恵も強まりますのでああして皆さん熱心に捧げ物をしているのですよ。それに捧げ物を受け取ってもらう事は神に認められたということですからね。神様の好みについては自分で調べるのがいいでしょう」

「は、はい。わかりました」

こう実益ある神様がいるなんて素晴らしいなぁ。
実益なくても宗教はあれなのにこの世界で僕は狂信者になっちゃいそうだな。
ならないように気をつけよ。

「こちらは精神の神マリク様、気難しい男性の神様らしいです。なぜか一部の女性にかなりの人気がありますね」

ここの祭壇は結構捧げものが残っていた。
信者の皆がかわいそうなのかいらないものを捧げられる神様がかわいそうなのか。
判断が難しいところだ。

「こちらは技術の神ナクエル様、ドワーフの女性のような姿で、信者の皆様の技術を厳しくもしっかりと評価してくださるそうですよ」

祭壇の周りにはよくわからない機械や人形などが転がっていた。

「プレイヤーだけでなく普通の市民の方もいらっしゃるので断られた捧げものの処理は結構大変なんですよ。持ち帰ってもらえるといいんですけどね」

「えっと、一般の人?神の祝福を受けたら皆プレイヤーじゃないんですか?」

「神の祝福を受けてもプレイヤーにならない方もいますからね。貴族とか引退した方とかもそうですけど」

「なるほど」

「さて、こちらは力の神エルファエル様、古の時代にはそれは美しく、珍しくもエルフの女戦士だったそうです。あ、美しいお姿は今も変わりなくて、男性からの人気はかなりありますね」

ふむ、銃や剣などの武器類、鎧が数個祭壇の周りに転がっていた。

「あとは生命力の神アラクエルと魔法の神クエサですね。2人とも魔物の姿をしていてそれぞれHPとMPに恩恵がありますね」

なんか端折られた。
そしてニーナさんはワクワクと話し出した。

「そして、最後に創造神様です。創造神様の名は知られておりません。そのお姿も不明ですが、人型の男性ではないかと言われております。創造神様は全てのステータスとスキル習得に恩恵を与えてくださいます。なんと素晴らしいことでしょうか、あなたもどうですか。あなたも、いえ、すいません。最後のは忘れてください」

もしや……

「ニーナさんは……」

「はい……私は創造神様を信仰しておりますので、つい、すいません」 

そっか、自分の信仰してるものを推したくなるよね。

今までしっかりと説明してくれる優秀なギルドの人のイメージができつつあったんだけど少しニーナさんの株が下がった瞬間だった。

「いえいえ、構いませんよ。少し考えさせてください」

しばし僕は考えた。

「じゃあ僕はテュテュルス様を信仰したいと思います」

ネーコ様と悩んだけど小さい女の子で癒されたいし、運はなによりも大事だと僕は思う。
それに堅苦しい神様とか僕の好みじゃないしね。

「そ、そうですか。あまり人気のない神ですよ」

「え?」

「運という定かではないものでは命を守れませんから」

なかなかシビアな世界。
僕は果たして生き残れるのか。

「そうなんですか。で、どうやるんですか」

たしかに運は不確かなものだけど、そういったものは自分では磨けないと思うからね。
この世界だと運にポイント振れば済む話なのかもしれないけどさ、不確かなんでしょ? 
まさにそれこそ神頼みするべきだよ。

そう思った。

「あ、はい。では祭壇の前で祈りを捧げてください」

若干しょんぼりしてるニーナさんを背景に僕は祈りを捧げた

(あぁ、テュテュルス様、不信心ものな僕にも幸運を!)

『ようこそ! 幸運を求めるものよ』

幼い女の子のどこか強がったような声が聞こえた気がした。

「も、もしかして、か、神様の声?」

声自体には驚かなかった。
でも驚かなかった自分に驚いた。

どこかこの声を自然と受け入れてしまった自分。
これが超常的存在だと本能で感じた。

これが神様の片鱗だとしたら。
やばいなぁ。 
語彙力が死ぬ。

「あら、よかったですね。祈りや捧げものを捧げた時に稀に神がお答えくださる時があるんですよ。テュテュルス様が入信者に喜んでおられるのでしょう」

こうして僕は幸運の神テュテュルスを信仰した。

「それじゃあついてきてください」

なぜか元から近くはないけどもニーナさんとの距離が少し遠くなったような気がした。
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