魔導人形と侵略者と救世主

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学園での暮らし

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暑い教室に今日も教師の声が響く。

「えー、であるから魔導爆弾と呼ばれる高品質の魔石を複数用いたこの強大な兵器の出現によって92年前の大戦争、俗には世界地変やら大魔道戦争とやらで呼ばれるこの戦いは早期に終わりを告げたわけで、さらにはこの魔石を使う魔導技術を利用して生まれた救世主、魔導人形によって人類は早期の復興を成し遂げ、今日に至る目覚しい発展を遂げたというわけじゃ。このノルデンス半島が島になったというところはちゃんと覚えておくんじゃ。半島の帝国領が我々の物になったこともじゃ。さて今日の授業は終わりじゃな」

毎度の如く時間ぴったしで歴史の授業は終わった。

私は正直に言って半分寝かけていた。
既に知っていたし教師の優しいお爺さんの喋り方は完全に人を眠らせるものだ。
それでも私はいつもなら起きている。
これでも大貴族の一人であるから対面というものもある。

だが寝かけてしまった。
昨夜はオリヴァーに頼んでおいた第1の改装が終わる魔導人形のことを考えていてあまり寝付けなかったせいで抗うことができなかった。

オリヴァーと乗った魔導人形は重い、動かしづらい、無駄の酷いものだった。

それから調べてみるとドラケンはフォロス家の生み出した239番目の機体で1番目の魔導人形をこねくり回して作られた機体だった。
要は継ぎ接ぎだらけの機体なのだ……。

操縦席は夢でも見たような二本のレバーとスイッチ、足踏みペダルで動かすという胸熱だが、あんなの重機みたいなものだし。
装甲のせいか機体の動きが遅く散々だった為にまずは色々なものを取り外すだけの改装をしてもらうことにしたのだった。

どこを取り外すかでオリヴァーとはだいぶ揉めたけれどほとんど全てを取り外してもらうことにしたのだった。


今日の授業が終わって私は足早に倉庫に向かう事にしたのだがそんな私に話しかけてくれる人が二人いる。

「クリス様こ体調が優れないようで私、心配です」

エレミア・ファインという下級貴族と

「魔導人形の開発は卒業までにというフォロス家の使命ですが。そう焦る必要はないと思いますわ」

ジャスマヤン・ミサキという下級貴族だ。

「ありがとう、エレミア、ジャスマヤン。二人とも、私はただ不安とかじゃなくて実は言ってなかったけれど今日、魔導人形の改造がやっと形になるから楽しみで寝付けなかっただけなのよ」

そう言うと二人は目を丸くした。

「え、あ、そ、そうでしたか。それは凄いことです。まだ学園が始まって数ヶ月なのにもう魔導人形を改造されてるだなんてまるで伝え聞くクロス博士のようですわ」

「ははは、大した事はしてないのよ。これで成果が出るかはわからないし、でもありがとう」

クロス博士は本当に有名人だった。

「あの、今日はその件で、魔導人形の開発に私たちもご一緒しても良いでしょうか?」  

大方親から言われたのだろうが、こちらの気を使いつつもこうして切り出してくれたのは良かった。

言いだすのが遅かったのも親から私のプレッシャーにならないよう言われていたのだろう。

申し訳ないがこの時まで私は二人のことを忘れていた。
この二人以外にもよく話しかけられたり心配されたりするけどこれが貴族令嬢のアレなのかしらと適当に返事をしとくだけだった。
前世知識もある私ははっきり言って同年代と仲良くはなれそうにないし、学園や魔導人形に慣れるのが先と暫し距離を取る予定であった為に完全に忘れていた。

「あ、あら! そんな事、もちろん、良いわよ。これからの開発には二人の協力は不可欠だもの。ありがとう」

学園に入ってから何かとおだてられたり一緒に居ることが多かったから私は名前を覚えたこの二人なわけだけれどファイン家とミサキ家はフォロス家傘下の貴族だ。
魔導人形の部品などはこの2つの家の領地で作られている。
当然力になってくれる二人だった。


私達は倉庫に向かった。

「え、あれがドラケンなのですか?」

エレミアがそう呆然と呟いた。

「そう思うのも無理はないわね」

私の目の前には、ガリガリに痩せて形作るための必要最低限の装甲以外なくなった中身スケスケのドラケンが立っていた。
もう別物ね……。
カスタード装甲でもつけてあげたかったけどあれはまだ実用化が難しかった。

「これはクリスお嬢様!」

オリヴァーがそう言って私を迎えてくれた。
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