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噂話は十中八九嘘
不良くんらしい生き方
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「仕方ねぇな、俺が生き方教えてやる」
「やだよ」
「まずルールだが」
「きいてよ」
くるりと人差し指をたてて、回す。人の話を聞かないのが不良らしい。
「善悪、やった事に責任をとれるか、絶対踏み越えてはいけない一線とか理解してたら適度に違反していーんだよ」
「ええ……」
「学校で服装を崩そうが内申点を気にしねぇなら好きにすりゃいいんだ。死人なんて出ねぇ」
「気になりますけど」
「社会人になったら嫌でも守ることになんだ。ガキの特権だ、好きに生きれんのは」
一瞬だけ、ここではない何処かを見つめた気がした。だがすぐさまに哀愁は霧散し、にやりとあくどく笑った。
彼の言葉は自己責任と、将来大人になればルールに従うと伝えている。その変に真面目な発言に白雪は、ようやく顔が緩んだ。
「……不良じゃないみたい」
「不良じゃねぇよ、俺は」
「ピアス大量、髪染めて喧嘩してネクタイもしないのに?」
「それたけで不良とか言うな」
「それだけかなぁ」
彼は校則違反はする。喧嘩もする。
だが敵意のない一般人は殴らない。盗みもしない。犯罪には手を染めない。困っている人は放っておかない。
彼なりに線引きがあるのだろう。警察に世話なる行為は駄目だと断言した。
「お前は片意地を張りすぎ。もっと柔軟になれよ。嫌なもんに嫌って言うのは間違いでもない。無理に人の作った形に入らなくていい」
ぽん、と頭を撫でられる。やせ我慢して大丈夫だと言い張る意固地な心を解きほぐすように、優しさを注がれて全身に行き渡る。心臓がはねて、とくとくと熱を上げていった。
「貴方はこうよって決めつけられた、用意された場所。グループで作られた隙間。そんな所に無理矢理、変形して押し込められたら自分の意思とか曲げることになる。自分を殺してまで形に入る必要ねぇんだよ。グループに所属しようが形は変えず、自分の個性を持ったまま生きろ。我慢なんてすんな」
やはり彼は否定しない。受け入れて認めてくれる。
喉から手が出るほど欲しかったものが、際限なく与えられて白雪は胸が一杯になり苦しくなる。嫌ではなく、肩の荷が下りたような、軽くて楽になる。
「……うん。ありがとう」
「つーことで、デートすんぞ」
「うん……うん?」
「よし。言質とった。サボるぞ」
全て肯定したい気持ちから頷いていれば、とんでもなく、脈略もない提案をされた。
……でーと。デート。
何度も心の中で復唱して、脳に伝達する。理解した瞬間、急速に顔へ熱が集まっていく。
「で、ててててでーと!」
「なんだおまえ童貞みたいな反応して」
「は……なっ、なにっ」
下品だと罵りたいのに舌が回らない。情けなく動揺して立ち上がる。後退ろうとした白雪に先手を打った蒼汰はするりと指を絡ませて握る。恋人繋ぎ、彼の体温が馴染んでいく。
「……男とデートしたことねぇの?」
「恋人とかいたことないっ!」
「……」
「なに。何が言いたいの」
「…………べっつに」
「なんで顔を背けるの? ねぇ? 馬鹿にしてますか? は? わ、私だっていつか恋人ぐらい」
「あ?」
「なんで怒るの……!」
恋人などいらない。
だが経験豊富である彼に馬鹿にされた気がして、言い訳がましく、ぼそぼそ呟けば威圧される。不良の琴線に触れたらしいが、今回も何が駄目だったのか白雪には分からない。
舌打ちをして、何やら不機嫌そうな蒼汰は歩き出す。当然繋がれた白雪も連れて行かれる。
「何処に行くの?」
「デートだっつってんだろ」
「放課後でもいい?」
「お前は空気を読む努力しようなぁ?」
「いったい! 指に力入れないで!」
「そこまで入れてねぇわ」
ぎゃいぎゃい騒ぎつつ空き教室を出る。
彼の行く先など白雪には見当も付かない。仕方ないと、渋々を装って彼に続いた。
「やだよ」
「まずルールだが」
「きいてよ」
くるりと人差し指をたてて、回す。人の話を聞かないのが不良らしい。
「善悪、やった事に責任をとれるか、絶対踏み越えてはいけない一線とか理解してたら適度に違反していーんだよ」
「ええ……」
「学校で服装を崩そうが内申点を気にしねぇなら好きにすりゃいいんだ。死人なんて出ねぇ」
「気になりますけど」
「社会人になったら嫌でも守ることになんだ。ガキの特権だ、好きに生きれんのは」
一瞬だけ、ここではない何処かを見つめた気がした。だがすぐさまに哀愁は霧散し、にやりとあくどく笑った。
彼の言葉は自己責任と、将来大人になればルールに従うと伝えている。その変に真面目な発言に白雪は、ようやく顔が緩んだ。
「……不良じゃないみたい」
「不良じゃねぇよ、俺は」
「ピアス大量、髪染めて喧嘩してネクタイもしないのに?」
「それたけで不良とか言うな」
「それだけかなぁ」
彼は校則違反はする。喧嘩もする。
だが敵意のない一般人は殴らない。盗みもしない。犯罪には手を染めない。困っている人は放っておかない。
彼なりに線引きがあるのだろう。警察に世話なる行為は駄目だと断言した。
「お前は片意地を張りすぎ。もっと柔軟になれよ。嫌なもんに嫌って言うのは間違いでもない。無理に人の作った形に入らなくていい」
ぽん、と頭を撫でられる。やせ我慢して大丈夫だと言い張る意固地な心を解きほぐすように、優しさを注がれて全身に行き渡る。心臓がはねて、とくとくと熱を上げていった。
「貴方はこうよって決めつけられた、用意された場所。グループで作られた隙間。そんな所に無理矢理、変形して押し込められたら自分の意思とか曲げることになる。自分を殺してまで形に入る必要ねぇんだよ。グループに所属しようが形は変えず、自分の個性を持ったまま生きろ。我慢なんてすんな」
やはり彼は否定しない。受け入れて認めてくれる。
喉から手が出るほど欲しかったものが、際限なく与えられて白雪は胸が一杯になり苦しくなる。嫌ではなく、肩の荷が下りたような、軽くて楽になる。
「……うん。ありがとう」
「つーことで、デートすんぞ」
「うん……うん?」
「よし。言質とった。サボるぞ」
全て肯定したい気持ちから頷いていれば、とんでもなく、脈略もない提案をされた。
……でーと。デート。
何度も心の中で復唱して、脳に伝達する。理解した瞬間、急速に顔へ熱が集まっていく。
「で、ててててでーと!」
「なんだおまえ童貞みたいな反応して」
「は……なっ、なにっ」
下品だと罵りたいのに舌が回らない。情けなく動揺して立ち上がる。後退ろうとした白雪に先手を打った蒼汰はするりと指を絡ませて握る。恋人繋ぎ、彼の体温が馴染んでいく。
「……男とデートしたことねぇの?」
「恋人とかいたことないっ!」
「……」
「なに。何が言いたいの」
「…………べっつに」
「なんで顔を背けるの? ねぇ? 馬鹿にしてますか? は? わ、私だっていつか恋人ぐらい」
「あ?」
「なんで怒るの……!」
恋人などいらない。
だが経験豊富である彼に馬鹿にされた気がして、言い訳がましく、ぼそぼそ呟けば威圧される。不良の琴線に触れたらしいが、今回も何が駄目だったのか白雪には分からない。
舌打ちをして、何やら不機嫌そうな蒼汰は歩き出す。当然繋がれた白雪も連れて行かれる。
「何処に行くの?」
「デートだっつってんだろ」
「放課後でもいい?」
「お前は空気を読む努力しようなぁ?」
「いったい! 指に力入れないで!」
「そこまで入れてねぇわ」
ぎゃいぎゃい騒ぎつつ空き教室を出る。
彼の行く先など白雪には見当も付かない。仕方ないと、渋々を装って彼に続いた。
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