天邪鬼と真正直

14話・風邪

あー辛い...体がだるい...
風邪をひいてしまった...畜生...
今日は家に誰もいないからきついな...

ピンポーン
 
誰だこんな時に...宅配か何かか？

海人「...ふぁーい」
と鼻が詰まった声でドアを開けに行く。

ガチャ

空「宅配ですっ！」ニコ
とすっごい笑顔で箱を抱えながら出てきた

海人「...なんでお前がここにいる」
当然の質問だった。この時間ならまだ学校はやってるはずだ。  

空「サボったよ」
と当たり前でしょ？という心情が空の顔から滲み出ていた。

海人「...あのなぁ...」

空「ほらほら、寝てなよ...風邪悪化するよ？」
と優しく言う

海人「おい、なんで上がりこもうとするんだ...お前...不法侵入だぞ」

空「あなたのお母さんに言われたんですー。不法侵入じゃありませーん」
と得意げにドヤ顔をかましてくる。
あー吹き飛ばしたい。

と言いながらも自分の布団に入る。
寒気がやばい。ただ単に寒いならまだしもこれは...

空「寒いの...？布団持ってくるよ」

お前は俺の心が分かるのか？
気持ち悪いなお前

...いや、ありがとう
とこいつに直接言えたらなと毎回思う。
 
海人「...ありがとうな」ボソッ

空「...え？なんて言った？」

海人「その布団嫌だと言ったんだ」
思ってもないことを言ってしまった。 

空「...そ、そう...あ、これは？」
それでもちゃんと見つけてくれる。

海人「...それでいい...使えるなぁお前...」

空「当たり前でしょ？私はあなたの彼女なんだから！」
自慢げに言うことじゃないと思うんだがな...

少し沈黙があり

空「ねぇ...早く学校来てよ...」
と寂しそうに言った。

海人「...ど、努力する...」

空「体温計今なくて熱測れないからおでこぴったんこするね？」

え

空がどんどん近づいてくる
いや、ちょっとまて！
まてまてまて
心の準備はまだなんだ...！

海人「...まってくれ」

空「ど、どうしたの顔真っ赤だよ？まさか高熱あるんじゃ...」

海人「...か、顔近い...」

こころなしか空の顔も赤く見えた。
  
空「...まさか照れてんの？」
とニヤつきながら聞いてくる。
こいつマジウゼェ...
 
海人「照れてない」
と俺は事実を言った。

と言ったがこいつは顔を近づけてくる。
なんなんだ。

海人「...風邪うつるぞ...」

空「海人が苦しむくらいなら私に移して」
と何故かいやらしい目をしている気がした。

今日の空はいつにも増しておかしい。
どう反応していいのか分からないぞ？
...しかしこのままでは状況は変わらない。
とりあえずいつもの反応で...

海人「ばーか、そんなこと言ってたら無限ループじゃねぇか。」
と空の頬をつねりながら言った

空「ふぁーい、ごめぇんにゃしゃい」
とつねられて日本語ではない言語を話す

はぁ...よく分からない女だ...


ガチャ

？？？「おーい」

？？？「お見舞いに...き、来た...よ...」
と玄関の扉を開け、俺の格好をみてその言葉を発した。



あの様子だと
その人から見たら多分俺と空がナニかしてるように見えたらしい...。

朝陽「海人...後で話あるから」ニコ
その女はにっこりと笑った

...あ


終わった...。