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第一章
10、返り討ち
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「怖いですか? 生霊を思い出しますか?」
ベッドの上で俺に覆い被さったオーティスが、どこまでも真っ直ぐ見つめてくる。緊張から声が出せなくなってしまった俺はぶるぶると頭を左右に振った。
「では、これは?」
オーティスの唇が軽くおでこに触れ、先程と同じように怖くないと頭を振って伝える。
「そうですか」
瞼、頬、耳と続くキス。「大丈夫ですか?」と耳元で囁かれ、かかる吐息に体がぞわっと震える。俺はキュッと目を閉じてなんとか声を出した。
「大……丈夫」
オーティスは耳たぶを舐めたり甘噛みする傍らで、引き結んだ俺の唇の上を指先で何度もなぞる。
「力を抜いてください」
その言葉に素直に従って閉じた目と口元から力を抜くと、柔らかくなった唇を指先がふにっと押した。その時何を思ったのか、俺はその指をペロリと舐めてしまったのだ。
オーティスもまさか舐められるとは思っていなかったのだろう。素早く手を引っ込め、耳元から顔を離して俺と目を合わせた。
(キスしたい……)
やめろと突き飛ばされるかもしれない。しかし、そんなこともは何も考えず頭を持ち上げて彼の唇に自分の唇を重ねていた。
「――!?」
オーティスの体が強張った。その様子が見たくて薄く瞼を開き、目の前で揺れる紫の瞳をぼんやりと眺める。
(唇ってこんな感触なんだ。気持ち良い……もっとしたい……)
チュッ、チュッと啄むようなキスを何度か重ねた後、息継ぎをしようと開いた口の中にぬるりとオーティスの舌が入ってきた。持ち上げていた頭を枕に落として、彼の首に腕を回し見よう見まねで舌を絡め合う。分厚い舌がグッと奥まで差し込まれ、唇の端から混ざり合った涎がいやらしく垂れた。
「オーティス……苦し……」
「すみません」
パッと唇が離れる。
(ああ……ここまでか)
夢のような行為が終わってしまう。熱く火照った体にどっと寂しさが押し寄せてくる。もっと触れ合いたかった――名残惜しい気持ちを押し隠して俺を見下ろすオーティスの服を指先でちょんと摘むと、彼の目に再び熱が宿ったような気がした。
「体を触ってもよろしいですか?」
「え? ……あ、うん」
胸の高鳴りがすぐさま疼きを呼び戻す。薄々のガウンの結び目が解かれ開かれる胸元。首を撫でる大きな手はすーっと胸の中心を通って下半身へと流れ、すでに立ち上がったモノを避けるようにお腹や太ももを撫でる。そして一度下がった手は再び胸元へと運ばれ、固くなった二つの突起のうち一つを指先で掠めた。
「あっ!!」
なんとか我慢していたのに、思わず声が出てしまった。オーティスは手を止めたが、その目は俺の許可を待ち続けている。
やめないで……と刺激を欲しる体が勝手に疼き、続きが欲しいと恥ずかしさより性欲が勝った。
「オーティスもっと触って!」
薄明かりの中で彼の目が血走った……そう思った時にはもう誰にも彼を止められそうになかった。オーティスは俺に唇を押し当て、深いキスと同時に荒々しく両胸を揉んでくる。小さな突起は指先で何度も刺激され、理性が崩壊するのにそう時間はかからなかった。
「あっ……あっ!!」と喘ぎ、こっちも触って欲しいと大きく腰を揺らす。それを察したオーティスが手のひらで俺の反り立ったモノを包み込んだ。
「っああ!!」
ビクッと跳ねた腰は押さえつけられ、欲望の塊が力強く扱かれる。舌で胸を舐められながらの同時責めは自分でする時とは比べものにならないほど快感だった。
「気持ち良いですか」
涙目になりながら、うんうんと一生懸命頷く。
「凄く……気持ち……いっ!! 俺、もう……イっちゃう……」
限界手前で「も……やめて……」と細く訴えたのだが、オーティスは見たこともない淫靡な笑みを浮かべ一縷の望みも打ち消した。
「イってください。このまま私の手の中で」
う、嘘だろ? オーティスの手の中で?
ここまでしといて今更だけど、それはさすがに恥ずかしすぎる。オーティスの手だけじゃなくて布団だって汚れちゃうかもしれないよ。お願いオーティス……。
「ほんとに……出ちゃうから……汚しちゃう」
「いいからこのまま」
泣きそうな俺を責め立てるようにオーティスの手の動きが速くなる。
「んぁっ!! ……っ!!」
体がビクビクッと数回震え熱い欲望を思いきり吐き出した。オーティスは残りの一滴まで絞り出すかのようにゆっくり手を動かし、俺は大きく胸を起伏させながら涙目でその様子をじっと見つめた。
「……俺だけ? オーティスは?」
「私はいいんです。体を拭きましょう」
「待って……俺もオーティスの触りたい」
「え?」
仰向けのまま手を伸ばして、服の上から硬さの残るそれをさわさわと優しく撫でてやる。目を細めて「んっ……」と小さな声を漏らす姿がたまらなく可愛い。
「オーティスの大きいな……それに太くて硬い」
「フィル……様……」
眉を寄せてつらそうに息を吐く彼に追い打ちをかける。今度はオーティスの番だ。
「俺もイクとこが見たい」
「そんなこと……」
「オーティス……凄く色っぽいよ……」
先程熱を放ったばかりだというのに、俺のあそこが再び疼きだす。
ごくっと唾を飲み込んだオーティスは「フィル様、すみません!」と下着ごとズボンを脱いで、自分と俺の手を重ねて上下に動かし始めた。
「すぐに…済ませます……」
艶っぽく切なげな目。俺を見つめるその顔をずっと見ていたい。
俺は向かい合うように座り直すと、たまらず空いている手で再び熱を持った自分のモノを扱き始めた。俺の手にオーティスの片手が添えられ、二人で必死に両手を動かし続ける。
「オーティスと一緒にイキたい」
つらそうな顔でこくんと頷いたオーティスが愛しくて胸の奥がキュッとなる。暫くしてオーティスがすがるように俺を見た。
「フィル様……イキそう……です」
「俺……も……一緒に」
「はい……イ……クっ!!」
同時に腰が震えた。一生懸命息を吸う。軽くキスをして、そのまま二人でぐったりとベッドに倒れ込んだ。暫く向かい合って互いの顔を見ていたけれど、心音が落ち着くにつれてだんだん瞼が重くなってきた。
(オーティス……好き……)
甘い余韻に浸りながら、俺はいつの間にか寝てしまった。
ベッドの上で俺に覆い被さったオーティスが、どこまでも真っ直ぐ見つめてくる。緊張から声が出せなくなってしまった俺はぶるぶると頭を左右に振った。
「では、これは?」
オーティスの唇が軽くおでこに触れ、先程と同じように怖くないと頭を振って伝える。
「そうですか」
瞼、頬、耳と続くキス。「大丈夫ですか?」と耳元で囁かれ、かかる吐息に体がぞわっと震える。俺はキュッと目を閉じてなんとか声を出した。
「大……丈夫」
オーティスは耳たぶを舐めたり甘噛みする傍らで、引き結んだ俺の唇の上を指先で何度もなぞる。
「力を抜いてください」
その言葉に素直に従って閉じた目と口元から力を抜くと、柔らかくなった唇を指先がふにっと押した。その時何を思ったのか、俺はその指をペロリと舐めてしまったのだ。
オーティスもまさか舐められるとは思っていなかったのだろう。素早く手を引っ込め、耳元から顔を離して俺と目を合わせた。
(キスしたい……)
やめろと突き飛ばされるかもしれない。しかし、そんなこともは何も考えず頭を持ち上げて彼の唇に自分の唇を重ねていた。
「――!?」
オーティスの体が強張った。その様子が見たくて薄く瞼を開き、目の前で揺れる紫の瞳をぼんやりと眺める。
(唇ってこんな感触なんだ。気持ち良い……もっとしたい……)
チュッ、チュッと啄むようなキスを何度か重ねた後、息継ぎをしようと開いた口の中にぬるりとオーティスの舌が入ってきた。持ち上げていた頭を枕に落として、彼の首に腕を回し見よう見まねで舌を絡め合う。分厚い舌がグッと奥まで差し込まれ、唇の端から混ざり合った涎がいやらしく垂れた。
「オーティス……苦し……」
「すみません」
パッと唇が離れる。
(ああ……ここまでか)
夢のような行為が終わってしまう。熱く火照った体にどっと寂しさが押し寄せてくる。もっと触れ合いたかった――名残惜しい気持ちを押し隠して俺を見下ろすオーティスの服を指先でちょんと摘むと、彼の目に再び熱が宿ったような気がした。
「体を触ってもよろしいですか?」
「え? ……あ、うん」
胸の高鳴りがすぐさま疼きを呼び戻す。薄々のガウンの結び目が解かれ開かれる胸元。首を撫でる大きな手はすーっと胸の中心を通って下半身へと流れ、すでに立ち上がったモノを避けるようにお腹や太ももを撫でる。そして一度下がった手は再び胸元へと運ばれ、固くなった二つの突起のうち一つを指先で掠めた。
「あっ!!」
なんとか我慢していたのに、思わず声が出てしまった。オーティスは手を止めたが、その目は俺の許可を待ち続けている。
やめないで……と刺激を欲しる体が勝手に疼き、続きが欲しいと恥ずかしさより性欲が勝った。
「オーティスもっと触って!」
薄明かりの中で彼の目が血走った……そう思った時にはもう誰にも彼を止められそうになかった。オーティスは俺に唇を押し当て、深いキスと同時に荒々しく両胸を揉んでくる。小さな突起は指先で何度も刺激され、理性が崩壊するのにそう時間はかからなかった。
「あっ……あっ!!」と喘ぎ、こっちも触って欲しいと大きく腰を揺らす。それを察したオーティスが手のひらで俺の反り立ったモノを包み込んだ。
「っああ!!」
ビクッと跳ねた腰は押さえつけられ、欲望の塊が力強く扱かれる。舌で胸を舐められながらの同時責めは自分でする時とは比べものにならないほど快感だった。
「気持ち良いですか」
涙目になりながら、うんうんと一生懸命頷く。
「凄く……気持ち……いっ!! 俺、もう……イっちゃう……」
限界手前で「も……やめて……」と細く訴えたのだが、オーティスは見たこともない淫靡な笑みを浮かべ一縷の望みも打ち消した。
「イってください。このまま私の手の中で」
う、嘘だろ? オーティスの手の中で?
ここまでしといて今更だけど、それはさすがに恥ずかしすぎる。オーティスの手だけじゃなくて布団だって汚れちゃうかもしれないよ。お願いオーティス……。
「ほんとに……出ちゃうから……汚しちゃう」
「いいからこのまま」
泣きそうな俺を責め立てるようにオーティスの手の動きが速くなる。
「んぁっ!! ……っ!!」
体がビクビクッと数回震え熱い欲望を思いきり吐き出した。オーティスは残りの一滴まで絞り出すかのようにゆっくり手を動かし、俺は大きく胸を起伏させながら涙目でその様子をじっと見つめた。
「……俺だけ? オーティスは?」
「私はいいんです。体を拭きましょう」
「待って……俺もオーティスの触りたい」
「え?」
仰向けのまま手を伸ばして、服の上から硬さの残るそれをさわさわと優しく撫でてやる。目を細めて「んっ……」と小さな声を漏らす姿がたまらなく可愛い。
「オーティスの大きいな……それに太くて硬い」
「フィル……様……」
眉を寄せてつらそうに息を吐く彼に追い打ちをかける。今度はオーティスの番だ。
「俺もイクとこが見たい」
「そんなこと……」
「オーティス……凄く色っぽいよ……」
先程熱を放ったばかりだというのに、俺のあそこが再び疼きだす。
ごくっと唾を飲み込んだオーティスは「フィル様、すみません!」と下着ごとズボンを脱いで、自分と俺の手を重ねて上下に動かし始めた。
「すぐに…済ませます……」
艶っぽく切なげな目。俺を見つめるその顔をずっと見ていたい。
俺は向かい合うように座り直すと、たまらず空いている手で再び熱を持った自分のモノを扱き始めた。俺の手にオーティスの片手が添えられ、二人で必死に両手を動かし続ける。
「オーティスと一緒にイキたい」
つらそうな顔でこくんと頷いたオーティスが愛しくて胸の奥がキュッとなる。暫くしてオーティスがすがるように俺を見た。
「フィル様……イキそう……です」
「俺……も……一緒に」
「はい……イ……クっ!!」
同時に腰が震えた。一生懸命息を吸う。軽くキスをして、そのまま二人でぐったりとベッドに倒れ込んだ。暫く向かい合って互いの顔を見ていたけれど、心音が落ち着くにつれてだんだん瞼が重くなってきた。
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甘い余韻に浸りながら、俺はいつの間にか寝てしまった。
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