46 / 53
第三章
43、いつかは成敗されるのだ
しおりを挟む
拝啓、俺を心配してくださる方々へ。
オーティス、セガール兄上、そしてランデル。俺は今、レイモン伯爵とピッタリくっついて婚前旅行先に向かっています。
現在馬車がどの辺りを走っているのか……カーテンがぴっちり閉まっていてまったく分かりません。
薄暗いキャビンの中で伯爵がつぶらな瞳を輝かせて言いました。
『キッス……したい』
はて、キッス……?
キスのことでしょうか。そういうのは普通に言いなさいね。
◇◇◇
「――フィ、フィル王子。貴方の美しさに目が眩んで目的地に着くまで我慢できますぇん! キッス、しますよぉ」
半開きの目、分厚い唇を突き出したレイモン伯爵が鼻息の風量を上げる。彼の後ろから流れてくる『キッス! キッス!』のバックコーラスが俺を強制的に黄昏モードから現実に連れ戻した。
(キスしたら絶対死ぬ!!)
「ゔぅ……!!」
だが逃げ出そうにも体は硬直したまま。声も思うように出せない。とりあえず瞬きなしの目力マックス、バッキバキの目で必死に抵抗してみた。
――が、伯爵は目を閉じていて意味なし。脳内では「やだーやだー」と小さな自分がジタバタとのたうち回る。そんな時だった。
『アナスタシアの小さな手が私を助けてくれたんだ』
神のお告げが聞こえた。
ラグベル侯爵がレイモン伯爵と鉱山の取引を行った際の記憶がないのは、今の俺と同じように未知の力で体の自由を奪われたからではないだろうか?
ラグベル侯爵が少しずつ正気を取り戻したのは……娘のアナスタシアが何度も彼の頬をぺちぺちと叩いたから。
この状況、ぺちぺちなんて生温いもんじゃ間に合わない。求めるのは死ぬほどの衝撃。だが体は動かない。いったいどうやったらそんな衝撃を生み出すことが……。
俺の両目がある一点を凝視した。
(あ、あるじゃん。すぐ目の前に!)
死ぬほどの衝撃。
それはレイモン伯爵との『キッス』!!
「ん~♡」
ぬぅ~と近付いてくる伯爵の分厚い唇。自由を取り戻すためには我慢するしかない。人は危険な瞬間、見え方に変化が起きると言う。まさに今、伯爵の動きが俺にはスローモーションに見えている!
唇と唇の距離があと1センチを切った。0.9……0.8……0.5……0.3……
(うわぁぁぁ!! やっぱ無理ぃぃ!!)
そしてもう一つ。人という生き物は生命の危機に直面した時、想像を超えた底力を発揮する!
俺の顔がほんの僅かに横に向いた。
『ぶちゅり』
頬に触れた柔らかな感触に、ぞわっと全身鳥肌が立つ。脳天を撃ち抜く衝撃に失神しかけながら、震える両手にありったけの力を込めて思いっ切り自分の頬を叩いた。
そして、ゆらりと立ち上がった。
「え? なんで!? せ、洗脳が解けた? 立ったら危ないよ、王子座って」
殺意の塊と化した俺に尻込みするレイモン伯爵。「ねっ♡ ねっ♡」と何度ウィンクされようとも、俺はこれ以上無いほど冷たく彼を見下ろした。
「誰が座るか。……洗脳? なんだその力は。好き勝手しやがって……」
そうさ、俺には魔力も不思議な力もない。俺の武器は、
「このくそド変態がぁぁあーー!!」
この拳だぁぁぁ!!
「ああぁぁぁ~ん♡」
(殴られて感じてんじゃねぇ!!)
俺の右ストレートが綺麗に決まった。ドサッと倒れ込んだ伯爵の体が震えだす。
「デ、デブで根暗な私なんて……この力無しじゃ、誰にも相手にもされないじゃないですかぁ! それに私を虐めた奴らに仕返ししてやりだがっだんだもん!」
元々大人しい人物だった……確かオーティスが言っていた。
こいつも傷つけられた過去があるんだ。その悲しみやつらさは誰よりもよく分かる。
最低な奴はどこにだっている。そいつらを見返してやりたいよな。同じ苦しみを味わわせてやりたいよな。
俺にはオーティスやセガール兄上がいたけど、伯爵には痛みに寄り添って抱き締めてくれる人がいなかったのかもしれない。
「俺はやり返しは責めない。でもな、関係無い人まで巻き込んだらダメだ!」
「それは分かってたけど……」
「分かってたなら尚更悪い! お前はたくさんの罪を重ねた。罰を受けてその罪を償わなくちゃいけない。分かってるよな」
「…………うわぁぁぁん」
レイモン伯爵の泣き声と被さるように馬のいななきが聞こえた。馬車は大きく揺れドアがこじ開けられた。
「フィル様!」
「オーティス!?」
手を掴まれて馬車の外に引っ張り出される。
「殺す」
オーティスの体から噴き出した黒い火の玉。それらに中も外もビッチリ覆われたキャビンが宙に浮いて「ギャァァァァ!!!!」とレイモン伯爵が叫び声を上げた。
「オーティス待って!」
「フィル、ケガはないか!?」
「セガール兄上、オーティスを止めてください! あいつの余罪を追求しなきゃ」
「頬を叩かれたのか? オーティスもっと激しく」
「はい」
「これは自分でやったんです!」
(ああ、もう!)
伯爵の謝罪と許しを乞う叫び声は暫く静かな林道に響き続けた。そして目と口を塞がれ、魔法紐で拘束された彼はようやく騎士団によってキャビンから連れ出されたのだった。
「二人共よく俺の居場所が分かりましたね。助けに来てくれてありがとうございました。兄上、伯爵は想像以上に多くの罪を犯していると思われます」
「そのようだね」
「そうだ、ランデルは? ぽよぽよズも! 彼らは大丈夫ですか!?」
「大丈夫。みんな王宮で休んでるよ」
「良かった。ありがとうございます」
「いやいや」と兄上は笑顔で手を振る。
「フィル様……私たちが早急に貴方を見つけられたのはランデルのおかげです。それについてはまた後日話をしましょう」
良くないことなのか、オーティスと兄上の微妙な表情の変化に微かな不安を抱く。
「……なあ、オーティス! 陛下の洗脳が解けたら、俺とレイモン伯爵の婚約はきっと白紙に戻るよ」
「そうですね」
良かった。やっとオーティスが笑ってくれた。
真実が明らかになれば、ラグベル侯爵のようにレイモン伯爵と不当な契約を結んだ被害者たちも救われるだろう。そして、洗脳によって彼に従っていた侍従たちも自由になれるはずだ。
オーティス、セガール兄上、そしてランデル。俺は今、レイモン伯爵とピッタリくっついて婚前旅行先に向かっています。
現在馬車がどの辺りを走っているのか……カーテンがぴっちり閉まっていてまったく分かりません。
薄暗いキャビンの中で伯爵がつぶらな瞳を輝かせて言いました。
『キッス……したい』
はて、キッス……?
キスのことでしょうか。そういうのは普通に言いなさいね。
◇◇◇
「――フィ、フィル王子。貴方の美しさに目が眩んで目的地に着くまで我慢できますぇん! キッス、しますよぉ」
半開きの目、分厚い唇を突き出したレイモン伯爵が鼻息の風量を上げる。彼の後ろから流れてくる『キッス! キッス!』のバックコーラスが俺を強制的に黄昏モードから現実に連れ戻した。
(キスしたら絶対死ぬ!!)
「ゔぅ……!!」
だが逃げ出そうにも体は硬直したまま。声も思うように出せない。とりあえず瞬きなしの目力マックス、バッキバキの目で必死に抵抗してみた。
――が、伯爵は目を閉じていて意味なし。脳内では「やだーやだー」と小さな自分がジタバタとのたうち回る。そんな時だった。
『アナスタシアの小さな手が私を助けてくれたんだ』
神のお告げが聞こえた。
ラグベル侯爵がレイモン伯爵と鉱山の取引を行った際の記憶がないのは、今の俺と同じように未知の力で体の自由を奪われたからではないだろうか?
ラグベル侯爵が少しずつ正気を取り戻したのは……娘のアナスタシアが何度も彼の頬をぺちぺちと叩いたから。
この状況、ぺちぺちなんて生温いもんじゃ間に合わない。求めるのは死ぬほどの衝撃。だが体は動かない。いったいどうやったらそんな衝撃を生み出すことが……。
俺の両目がある一点を凝視した。
(あ、あるじゃん。すぐ目の前に!)
死ぬほどの衝撃。
それはレイモン伯爵との『キッス』!!
「ん~♡」
ぬぅ~と近付いてくる伯爵の分厚い唇。自由を取り戻すためには我慢するしかない。人は危険な瞬間、見え方に変化が起きると言う。まさに今、伯爵の動きが俺にはスローモーションに見えている!
唇と唇の距離があと1センチを切った。0.9……0.8……0.5……0.3……
(うわぁぁぁ!! やっぱ無理ぃぃ!!)
そしてもう一つ。人という生き物は生命の危機に直面した時、想像を超えた底力を発揮する!
俺の顔がほんの僅かに横に向いた。
『ぶちゅり』
頬に触れた柔らかな感触に、ぞわっと全身鳥肌が立つ。脳天を撃ち抜く衝撃に失神しかけながら、震える両手にありったけの力を込めて思いっ切り自分の頬を叩いた。
そして、ゆらりと立ち上がった。
「え? なんで!? せ、洗脳が解けた? 立ったら危ないよ、王子座って」
殺意の塊と化した俺に尻込みするレイモン伯爵。「ねっ♡ ねっ♡」と何度ウィンクされようとも、俺はこれ以上無いほど冷たく彼を見下ろした。
「誰が座るか。……洗脳? なんだその力は。好き勝手しやがって……」
そうさ、俺には魔力も不思議な力もない。俺の武器は、
「このくそド変態がぁぁあーー!!」
この拳だぁぁぁ!!
「ああぁぁぁ~ん♡」
(殴られて感じてんじゃねぇ!!)
俺の右ストレートが綺麗に決まった。ドサッと倒れ込んだ伯爵の体が震えだす。
「デ、デブで根暗な私なんて……この力無しじゃ、誰にも相手にもされないじゃないですかぁ! それに私を虐めた奴らに仕返ししてやりだがっだんだもん!」
元々大人しい人物だった……確かオーティスが言っていた。
こいつも傷つけられた過去があるんだ。その悲しみやつらさは誰よりもよく分かる。
最低な奴はどこにだっている。そいつらを見返してやりたいよな。同じ苦しみを味わわせてやりたいよな。
俺にはオーティスやセガール兄上がいたけど、伯爵には痛みに寄り添って抱き締めてくれる人がいなかったのかもしれない。
「俺はやり返しは責めない。でもな、関係無い人まで巻き込んだらダメだ!」
「それは分かってたけど……」
「分かってたなら尚更悪い! お前はたくさんの罪を重ねた。罰を受けてその罪を償わなくちゃいけない。分かってるよな」
「…………うわぁぁぁん」
レイモン伯爵の泣き声と被さるように馬のいななきが聞こえた。馬車は大きく揺れドアがこじ開けられた。
「フィル様!」
「オーティス!?」
手を掴まれて馬車の外に引っ張り出される。
「殺す」
オーティスの体から噴き出した黒い火の玉。それらに中も外もビッチリ覆われたキャビンが宙に浮いて「ギャァァァァ!!!!」とレイモン伯爵が叫び声を上げた。
「オーティス待って!」
「フィル、ケガはないか!?」
「セガール兄上、オーティスを止めてください! あいつの余罪を追求しなきゃ」
「頬を叩かれたのか? オーティスもっと激しく」
「はい」
「これは自分でやったんです!」
(ああ、もう!)
伯爵の謝罪と許しを乞う叫び声は暫く静かな林道に響き続けた。そして目と口を塞がれ、魔法紐で拘束された彼はようやく騎士団によってキャビンから連れ出されたのだった。
「二人共よく俺の居場所が分かりましたね。助けに来てくれてありがとうございました。兄上、伯爵は想像以上に多くの罪を犯していると思われます」
「そのようだね」
「そうだ、ランデルは? ぽよぽよズも! 彼らは大丈夫ですか!?」
「大丈夫。みんな王宮で休んでるよ」
「良かった。ありがとうございます」
「いやいや」と兄上は笑顔で手を振る。
「フィル様……私たちが早急に貴方を見つけられたのはランデルのおかげです。それについてはまた後日話をしましょう」
良くないことなのか、オーティスと兄上の微妙な表情の変化に微かな不安を抱く。
「……なあ、オーティス! 陛下の洗脳が解けたら、俺とレイモン伯爵の婚約はきっと白紙に戻るよ」
「そうですね」
良かった。やっとオーティスが笑ってくれた。
真実が明らかになれば、ラグベル侯爵のようにレイモン伯爵と不当な契約を結んだ被害者たちも救われるだろう。そして、洗脳によって彼に従っていた侍従たちも自由になれるはずだ。
112
あなたにおすすめの小説
異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話
深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?
婚約破棄された俺の農業異世界生活
深山恐竜
BL
「もう一度婚約してくれ」
冤罪で婚約破棄された俺の中身は、異世界転生した農学専攻の大学生!
庶民になって好きなだけ農業に勤しんでいたら、いつの間にか「畑の賢者」と呼ばれていた。
そこに皇子からの迎えが来て復縁を求められる。
皇子の魔の手から逃げ回ってると、幼馴染みの神官が‥。
(ムーンライトノベルズ様、fujossy様にも掲載中)
(第四回fujossy小説大賞エントリー中)
嫌われた暴虐な僕と喧嘩をしに来たはずの王子は、僕を甘くみているようだ。手を握って迫ってくるし、聞いてることもやってることもおかしいだろ!
迷路を跳ぶ狐
BL
悪逆の限りを尽くした公爵令息を断罪しろ! そんな貴族たちの声が高まった頃、僕の元に、冷酷と恐れられる王子がやって来た。
その男は、かつて貴族たちに疎まれ、王城から遠ざけられた王子だ。昔はよく城の雑用を言いつけられては、魔法使いの僕の元を度々訪れていた。
ひどく無愛想な王子で、僕が挨拶した時も最初は睨むだけだったのに、今は優しく微笑んで、まるで別人だ。
出会ったばかりの頃は、僕の従者まで怯えるような残酷ぶりで、鞭を振り回したこともあったじゃないか。それでも度々僕のところを訪れるたびに、少しずつ、打ち解けたような気がしていた。彼が民を思い、この国を守ろうとしていることは分かっていたし、応援したいと思ったこともある。
しかし、あいつはすでに王位を継がないことが決まっていて、次第に僕の元に来るのはあいつの従者になった。
あいつが僕のもとを訪れなくなってから、貴族たちの噂で聞いた。殿下は、王城で兄たちと協力し、立派に治世に携わっていると。
嬉しかったが、王都の貴族は僕を遠ざけたクズばかり。無事にやっているのかと、少し心配だった。
そんなある日、知らせが来た。僕の屋敷はすでに取り壊されることが決まっていて、僕がしていた結界の魔法の管理は、他の貴族が受け継ぐのだと。
は? 一方的にも程がある。
その直後、あの王子は僕の前に現れた。何と思えば、僕を王城に連れて行くと言う。王族の会議で決まったらしい。
舐めるな。そんな話、勝手に進めるな。
貴族たちの間では、みくびられたら終わりだ。
腕を組んでその男を睨みつける僕は、近づいてくる王子のことが憎らしい反面、見違えるほど楽しそうで、従者からも敬われていて、こんな時だと言うのに、嬉しかった。
だが、それとこれとは話が別だ! 僕を甘く見るなよ。僕にはこれから、やりたいことがたくさんある。
僕は、屋敷で働いてくれていたみんなを知り合いの魔法使いに預け、王族と、それに纏わり付いて甘い汁を吸う貴族たちと戦うことを決意した。
手始めに……
王族など、僕が追い返してやろう!
そう思って対峙したはずなのに、僕を連れ出した王子は、なんだか様子がおかしい。「この馬車は気に入ってもらえなかったか?」だの、「酒は何が好きだ?」だの……それは今、関係ないだろう……それに、少し距離が近すぎるぞ。そうか、喧嘩がしたいのか。おい、待て。なぜ手を握るんだ? あまり近づくな!! 僕は距離を詰められるのがどうしようもなく嫌いなんだぞ!
【本編完結】最強S級冒険者が俺にだけ過保護すぎる!
天宮叶
BL
前世の世界で亡くなった主人公は、突然知らない世界で知らない人物、クリスの身体へと転生してしまう。クリスが眠っていた屋敷の主であるダリウスに、思い切って事情を説明した主人公。しかし事情を聞いたダリウスは突然「結婚しようか」と主人公に求婚してくる。
なんとかその求婚を断り、ダリウスと共に屋敷の外へと出た主人公は、自分が転生した世界が魔法やモンスターの存在するファンタジー世界だと気がつき冒険者を目指すことにするが____
過保護すぎる大型犬系最強S級冒険者攻めに振り回されていると思いきや、自由奔放で強気な性格を発揮して無自覚に振り回し返す元気な受けのドタバタオメガバースラブコメディの予定
要所要所シリアスが入ります。
誓いを君に
たがわリウ
BL
平凡なサラリーマンとして過ごしていた主人公は、ある日の帰り途中、異世界に転移する。
森で目覚めた自分を運んでくれたのは、美しい王子だった。そして衝撃的なことを告げられる。
この国では、王位継承を放棄した王子のもとに結ばれるべき相手が現れる。その相手が自分であると。
突然のことに戸惑いながらも不器用な王子の優しさに触れ、少しずつお互いのことを知り、婚約するハッピーエンド。
恋人になってからは王子に溺愛され、幸せな日々を送ります。
大人向けシーンは18話からです。
売れ残りオメガの従僕なる日々
灰鷹
BL
王弟騎士α(23才)× 地方貴族庶子Ω(18才)
※ 第12回BL大賞では、たくさんの応援をありがとうございました!
ユリウスが暮らすシャマラーン帝国では、平民のオメガは18才になると、宮廷で開かれる選定の儀に参加することが義務付けられている。王族の妾となるオメガを選ぶためのその儀式に参加し、誰にも選ばれずに売れ残ったユリウスは、国王陛下から「第3王弟に謀反の疑いがあるため、身辺を探るように」という密命を受け、オメガ嫌いと噂される第3王弟ラインハルトの従僕になった。
無口で無愛想な彼の優しい一面を知り、任務とは裏腹にラインハルトに惹かれていくユリウスであったが、働き始めて3カ月が過ぎたところで第3王弟殿下が辺境伯令嬢の婿養子になるという噂を聞き、従僕も解雇される。
王子殿下が恋した人は誰ですか
月齢
BL
イルギアス王国のリーリウス王子は、老若男女を虜にする無敵のイケメン。誰もが彼に夢中になるが、自由気ままな情事を楽しむ彼は、結婚適齢期に至るも本気で恋をしたことがなかった。
――仮装舞踏会の夜、運命の出会いをするまでは。
「私の結婚相手は、彼しかいない」
一夜の情事ののち消えたその人を、リーリウスは捜す。
仮面を付けていたから顔もわからず、手がかりは「抱けばわかる、それのみ」というトンデモ案件だが、親友たちに協力を頼むと(一部強制すると)、優秀な心の友たちは候補者を五人に絞り込んでくれた。そこにリーリウスが求める人はいるのだろうか。
「当たりが出るまで、抱いてみる」
優雅な笑顔でとんでもないことをヤらかす王子の、彼なりに真剣な花嫁さがし。
※性モラルのゆるい世界観。主人公は複数人とあれこれヤりますので、苦手な方はご遠慮ください。何でもありの大人の童話とご理解いただける方向け。
うそつきΩのとりかえ話譚
沖弉 えぬ
BL
療養を終えた王子が都に帰還するのに合わせて開催される「番候補戦」。王子は国の将来を担うのに相応しいアルファであり番といえば当然オメガであるが、貧乏一家の財政難を救うべく、18歳のトキはアルファでありながらオメガのフリをして王子の「番候補戦」に参加する事を決める。一方王子にはとある秘密があって……。雪の積もった日に出会った紅梅色の髪の青年と都で再会を果たしたトキは、彼の助けもあってオメガたちによる候補戦に身を投じる。
舞台は和風×中華風の国セイシンで織りなす、同い年の青年たちによる旅と恋の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる