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第二章
第六話
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ラステア公爵家の疑いはこれ以上ない状態にまで高まった。
それでは次の段階に移るとしよう。
「しば」
「レイスト国王陛下」
僕は一連の流れを見て、口を開いたリーミャ王国の国王陛下のお言葉を遮って口を開く。
「若輩な我が身で申し訳ありませんが、どうしてもレイスト国王陛下にお伝えせねばならないことがあります」
「……ふぅむ。良かろう。汝の言葉、快く聞き入れよう」
「寛大なお言葉に感謝申し上げます。非常に残念でなりませんが、我が家はアンノウン並びにラステア公爵家を調査したところ……リーミャ王国の隣国であるルクス連合国にラステア公爵家が内通していることが判明いたしました」
「「「……ッ!?」」」
僕の言葉を受け、事情を知らぬものたち全員が驚愕し、思わずと言った形で立ち上がる。
レイスト国王陛下まで立ち上がっているのだからその衝撃は計り知れないのだろう。
「馬鹿なッ!!!わ、我らは決してそんなことしておりませんッ!事実無根です!」
「……恐れながらレグ殿。同盟国たる我が国の王女殿下の誘拐に関わっておきながら今更その言葉が信用出来るとでもお思いですか?」
「そ、それも!事実無根の冤罪でッ!」
「レグ」
レイスト国王陛下が静かにレグ殿の名を呼ぶ。
「お主は黙っていろ」
「……ッ!!!は、……ハッ」
「それは真か?」
「真でございます。証拠もございます……父上」
「こちらが内通を示す証拠となっております」
父上がレイスト国王陛下に対して子供が見てもすぐに捏造だとわかるような書類を提出する。
レグ殿がルクス連合国に内通しているというのは真っ赤な嘘でしかない……僕が嘘をでっち上げた理由はただ一つ。
責任を自国から他国へと移す逃げ道を用意してあげるためだ。
「ね、捏造だ……」
「ふぅむ……」
差し出された書類を見てレイスト国王陛下は唸る。
「レイスト王。長らく信じていた忠臣が実は裏切っていたと分かった際の悲しみを同じ王として酷く共感できる。我が国と貴国の友好を今更疑うことはない。我が国としては貴国に多くの責任を求めることはせず、貴国と共にルクス連合国に抗議を行いと考えているのだが、どうだろうか?」
「ふぅむ。リリスト王からそう言ってくれるとは……私に出来るのは喜び、その手を取るしかあるまい」
被害者はこっちで加害者はあっち。
こっち側が不問で良いと言っているのだ……この申し出を断ることなどレイスト国王陛下には出来ないだろう。
「……ぁ……あぁ」
僕の目の前に座っている顔を真っ青に染め上げ、体を震わせているガイちゃん。
一連の流れを聞いていればお家取り潰しにレグ殿の縛り首はもちろん、自分を含めた一家全員が縛り首になりかねない。
そんな状況で平然としていられるわけないだろう。
「僕は約束は守るよ?」
僕はそんな彼の頭を撫で、耳元で優しく囁きながら立ち上がる。
「リリスト国王陛下。ラステア公爵家は我が家との繋がりが深く、親戚とも言えるような関係にございます。まことに勝手でございますが、どうかラステア公爵家を寛大な心で許してくださりませんか?」
「私からもお願いいたします……リリスト国王陛下」
僕の言葉に合わせ、父上も口を開く。
「うむ……普通であれば受け入れられぬ陳情ではあるが、此度の調査に最も活躍してくれた貴公らの頼みである。その陳情を特別に受け入れよう。ということでレイスト国王陛下。裏切り者であるレグ殿はともかく、あの子にもその家族にも罪はない。寛大な心で許し、これまで通り外務大臣をラステア公爵家に任せるということで構わなんな?」
レイスト国王陛下に対して発せられるリリスト国王陛下のこの言葉……これは疑問ではなく命令。
負い目を持つ者に対して己が要求を叩きつけ、首を縦に振らせるのは実に容易い。
「ふぅむ……もちろんだとも」
レイスト国王陛下はリリスト国王陛下の言葉に頷く。
「……っし」
これで僕のやりたかったことはすべてこなせた。
僕は満足の良く結果を前にそっと胸をなでおろした。
それでは次の段階に移るとしよう。
「しば」
「レイスト国王陛下」
僕は一連の流れを見て、口を開いたリーミャ王国の国王陛下のお言葉を遮って口を開く。
「若輩な我が身で申し訳ありませんが、どうしてもレイスト国王陛下にお伝えせねばならないことがあります」
「……ふぅむ。良かろう。汝の言葉、快く聞き入れよう」
「寛大なお言葉に感謝申し上げます。非常に残念でなりませんが、我が家はアンノウン並びにラステア公爵家を調査したところ……リーミャ王国の隣国であるルクス連合国にラステア公爵家が内通していることが判明いたしました」
「「「……ッ!?」」」
僕の言葉を受け、事情を知らぬものたち全員が驚愕し、思わずと言った形で立ち上がる。
レイスト国王陛下まで立ち上がっているのだからその衝撃は計り知れないのだろう。
「馬鹿なッ!!!わ、我らは決してそんなことしておりませんッ!事実無根です!」
「……恐れながらレグ殿。同盟国たる我が国の王女殿下の誘拐に関わっておきながら今更その言葉が信用出来るとでもお思いですか?」
「そ、それも!事実無根の冤罪でッ!」
「レグ」
レイスト国王陛下が静かにレグ殿の名を呼ぶ。
「お主は黙っていろ」
「……ッ!!!は、……ハッ」
「それは真か?」
「真でございます。証拠もございます……父上」
「こちらが内通を示す証拠となっております」
父上がレイスト国王陛下に対して子供が見てもすぐに捏造だとわかるような書類を提出する。
レグ殿がルクス連合国に内通しているというのは真っ赤な嘘でしかない……僕が嘘をでっち上げた理由はただ一つ。
責任を自国から他国へと移す逃げ道を用意してあげるためだ。
「ね、捏造だ……」
「ふぅむ……」
差し出された書類を見てレイスト国王陛下は唸る。
「レイスト王。長らく信じていた忠臣が実は裏切っていたと分かった際の悲しみを同じ王として酷く共感できる。我が国と貴国の友好を今更疑うことはない。我が国としては貴国に多くの責任を求めることはせず、貴国と共にルクス連合国に抗議を行いと考えているのだが、どうだろうか?」
「ふぅむ。リリスト王からそう言ってくれるとは……私に出来るのは喜び、その手を取るしかあるまい」
被害者はこっちで加害者はあっち。
こっち側が不問で良いと言っているのだ……この申し出を断ることなどレイスト国王陛下には出来ないだろう。
「……ぁ……あぁ」
僕の目の前に座っている顔を真っ青に染め上げ、体を震わせているガイちゃん。
一連の流れを聞いていればお家取り潰しにレグ殿の縛り首はもちろん、自分を含めた一家全員が縛り首になりかねない。
そんな状況で平然としていられるわけないだろう。
「僕は約束は守るよ?」
僕はそんな彼の頭を撫で、耳元で優しく囁きながら立ち上がる。
「リリスト国王陛下。ラステア公爵家は我が家との繋がりが深く、親戚とも言えるような関係にございます。まことに勝手でございますが、どうかラステア公爵家を寛大な心で許してくださりませんか?」
「私からもお願いいたします……リリスト国王陛下」
僕の言葉に合わせ、父上も口を開く。
「うむ……普通であれば受け入れられぬ陳情ではあるが、此度の調査に最も活躍してくれた貴公らの頼みである。その陳情を特別に受け入れよう。ということでレイスト国王陛下。裏切り者であるレグ殿はともかく、あの子にもその家族にも罪はない。寛大な心で許し、これまで通り外務大臣をラステア公爵家に任せるということで構わなんな?」
レイスト国王陛下に対して発せられるリリスト国王陛下のこの言葉……これは疑問ではなく命令。
負い目を持つ者に対して己が要求を叩きつけ、首を縦に振らせるのは実に容易い。
「ふぅむ……もちろんだとも」
レイスト国王陛下はリリスト国王陛下の言葉に頷く。
「……っし」
これで僕のやりたかったことはすべてこなせた。
僕は満足の良く結果を前にそっと胸をなでおろした。
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