34 / 50
第三章 同棲生活
同棲生活
しおりを挟む
家に帰ってきた後、各々は勝手に好きな行動を取り始める。
「……あいつら。せめて靴下をリビングで脱ぎ散らかしていくなよ」
さっさと自分の部屋に引っ込んだ涼音、真莉愛、美紀の三人が適当に脱ぎ散らかした靴下を回収しながら文句をボヤく。
「僕はお前らのお母さんじゃないんだぞ……」
毎度毎度思うのは果たして、あいつは何の為に僕と同棲しているのかという点だ。
自分で言うのもなんだけど、彼女たちは特異点的に現れた僕をその家に引き込むために
「ほんと……すみません」
そして、唯一、まともな態度でこちらに接してくる歩佳に関してはこちらへの裏の敵意を隠しきれていないし。
「彼女たちは身の回りのことを使用人にやらせるのが常になっていまして……未だ、その感覚は抜けておらぬのでしょう。おそらくですが、彼女たちは未だに片づけを使用人がやってくれていると思っているのでしょう」
「はぁー。これだからご令嬢様は」
僕はお母さんでも、使用人でもないというのに。
まったくもって迷惑な話だよ。
「今からでも三人を呼んで片付けさせましょうか?」
「まぁ、いいさ。いちいち呼ぶのも面倒。少し僕が動くだけで済むからね」
「……その考え、絶対に自分が損しますよ?」
「少しの損くらいを気にするほど僕は貧していないよ」
「……」
僕はサクッと洗面所に彼女たちの分の靴下を運び、そのまま直接洗濯機へと突っ込んでしまう。
「よしっ。じゃあ、夕食を作る準備でもするかぁー」
そして、リビングの方に戻ってきた僕はそのままキッチンへと向かって行く。
「夕食の準備くらい、あの三人に手伝わせましょうか?」
「いや、料理に関しては良いよ。僕、料理作るの好きだし。むしろ、使用人にずっとお世話になっていたような奴らをキッチンに入れたくない。絶対に嫌だよ?」
キッチンは料理人の聖域……僕は別に料理人じゃないけど、そのノリでいる。
全然あの三人をキッチンへと立たせるようなつもりはなかった。
「……私だけは手伝いますね?一応、料理の勉強もしておりますので」
「おっ?そう?ありがと」
歩佳ならいいや。ちゃんと料理のいろはを知っているし。
お米を研ぐ際に以前、洗剤を使おうとしていた涼音とはまるで違う。
「それじゃあ、玉ねぎ取ってくれない?今日はハンバーグでも作ろうと思って。ちょうど、今日戦った妖魔の方もミンチにしてあげたし」
「……そういう生々しいこと言うの辞めてくれませんか?あまりにもあれです」
「あれ?ダメだった?」
「……あなたは精神の方も完成され過ぎですよ」
「それ、絶対に誉め言葉じゃないよね?」
悪口を限りなくよく言った歩佳に対して軽く不満な態度を見せながら、僕は玉ねぎを切っていった。
「……あいつら。せめて靴下をリビングで脱ぎ散らかしていくなよ」
さっさと自分の部屋に引っ込んだ涼音、真莉愛、美紀の三人が適当に脱ぎ散らかした靴下を回収しながら文句をボヤく。
「僕はお前らのお母さんじゃないんだぞ……」
毎度毎度思うのは果たして、あいつは何の為に僕と同棲しているのかという点だ。
自分で言うのもなんだけど、彼女たちは特異点的に現れた僕をその家に引き込むために
「ほんと……すみません」
そして、唯一、まともな態度でこちらに接してくる歩佳に関してはこちらへの裏の敵意を隠しきれていないし。
「彼女たちは身の回りのことを使用人にやらせるのが常になっていまして……未だ、その感覚は抜けておらぬのでしょう。おそらくですが、彼女たちは未だに片づけを使用人がやってくれていると思っているのでしょう」
「はぁー。これだからご令嬢様は」
僕はお母さんでも、使用人でもないというのに。
まったくもって迷惑な話だよ。
「今からでも三人を呼んで片付けさせましょうか?」
「まぁ、いいさ。いちいち呼ぶのも面倒。少し僕が動くだけで済むからね」
「……その考え、絶対に自分が損しますよ?」
「少しの損くらいを気にするほど僕は貧していないよ」
「……」
僕はサクッと洗面所に彼女たちの分の靴下を運び、そのまま直接洗濯機へと突っ込んでしまう。
「よしっ。じゃあ、夕食を作る準備でもするかぁー」
そして、リビングの方に戻ってきた僕はそのままキッチンへと向かって行く。
「夕食の準備くらい、あの三人に手伝わせましょうか?」
「いや、料理に関しては良いよ。僕、料理作るの好きだし。むしろ、使用人にずっとお世話になっていたような奴らをキッチンに入れたくない。絶対に嫌だよ?」
キッチンは料理人の聖域……僕は別に料理人じゃないけど、そのノリでいる。
全然あの三人をキッチンへと立たせるようなつもりはなかった。
「……私だけは手伝いますね?一応、料理の勉強もしておりますので」
「おっ?そう?ありがと」
歩佳ならいいや。ちゃんと料理のいろはを知っているし。
お米を研ぐ際に以前、洗剤を使おうとしていた涼音とはまるで違う。
「それじゃあ、玉ねぎ取ってくれない?今日はハンバーグでも作ろうと思って。ちょうど、今日戦った妖魔の方もミンチにしてあげたし」
「……そういう生々しいこと言うの辞めてくれませんか?あまりにもあれです」
「あれ?ダメだった?」
「……あなたは精神の方も完成され過ぎですよ」
「それ、絶対に誉め言葉じゃないよね?」
悪口を限りなくよく言った歩佳に対して軽く不満な態度を見せながら、僕は玉ねぎを切っていった。
10
あなたにおすすめの小説
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
【完結】かつて憧れた陰キャ美少女が、陽キャ美少女になって転校してきた。
エース皇命
青春
高校でボッチ陰キャを極めているカズは、中学の頃、ある陰キャ少女に憧れていた。実は元々陽キャだったカズは、陰キャ少女の清衣(すい)の持つ、独特な雰囲気とボッチを楽しんでいる様子に感銘を受け、高校で陰キャデビューすることを決意したのだった。
そして高校2年の春。ひとりの美少女転校生がやってきた。
最初は雰囲気が違いすぎてわからなかったが、自己紹介でなんとその美少女は清衣であるということに気づく。
陽キャから陰キャになった主人公カズと、陰キャから陽キャになった清衣。
以前とはまったく違うキャラになってしまった2人の間に、どんなラブコメが待っているのだろうか。
※小説家になろう、カクヨムでも公開しています。
※表紙にはAI生成画像を使用しています。
付きまとう聖女様は、貧乏貴族の僕にだけ甘すぎる〜人生相談がきっかけで日常がカオスに。でも、モテたい願望が強すぎて、つい……〜
咲月ねむと
ファンタジー
この乙女ゲーの世界に転生してからというもの毎日教会に通い詰めている。アランという貧乏貴族の三男に生まれた俺は、何を目指し、何を糧にして生きていけばいいのか分からない。
そんな人生のアドバイスをもらうため教会に通っているのだが……。
「アランくん。今日も来てくれたのね」
そう優しく語り掛けてくれるのは、頼れる聖女リリシア様だ。人々の悩みを静かに聞き入れ、的確なアドバイスをくれる美人聖女様だと人気だ。
そんな彼女だが、なぜか俺が相談するといつも様子が変になる。アドバイスはくれるのだがそのアドバイス自体が問題でどうも自己主張が強すぎるのだ。
「お母様のプレゼントは何を買えばいい?」
と相談すれば、
「ネックレスをプレゼントするのはどう? でもね私は結婚指輪が欲しいの」などという発言が飛び出すのだ。意味が分からない。
そして俺もようやく一人暮らしを始める歳になった。王都にある学園に通い始めたのだが、教会本部にそれはもう美人な聖女が赴任してきたとか。
興味本位で俺は教会本部に人生相談をお願いした。担当になった人物というのが、またもやリリシアさんで…………。
ようやく俺は気づいたんだ。
リリシアさんに付きまとわれていること、この頻繁に相談する関係が実は異常だったということに。
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
美醜逆転世界の学園に戻ったおっさんは気付かない
仙道
ファンタジー
柴田宏(しばたひろし)は学生時代から不細工といじめられ、ニートになった。
トラックにはねられ転移した先は美醜が逆転した現実世界。
しかも体は学生に戻っていたため、仕方なく学校に行くことに。
先輩、同級生、後輩でハーレムを作ってしまう。
風魔法を誤解していませんか? 〜混ぜるな危険!見向きもされない風魔法は、無限の可能性を秘めていました〜
大沢ピヨ氏
ファンタジー
地味で不遇な風魔法──でも、使い方しだいで!?
どこにでもいる男子高校生が、意識高い系お嬢様に巻き込まれ、毎日ダンジョン通いで魔法検証&お小遣い稼ぎ! 目指せ収入UP。 検証と実験で、風と火が火花を散らす!? 青春と魔法と通帳残高、ぜんぶ大事。 風魔法、実は“混ぜるな危険…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる