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番外 プリティけーちゃん
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※このお話は、もう一つの連載作品「『創造神始めました』ご注文をどうぞ。魔王軍で異世界侵略と若干狂気持ち彼女ですね?5番にオーダー入りまーす!」とのクロスオーバーです。知らなくても読めるようになっていますが、もし良ければそちらの作品も読んでみて下さい。サリリが登場しています。また「初恋の幼馴染。」の裏設定も含まれていますので、へえーと思う事もあるでしょう。
私は幾度ものタイムリープの末、とうとう辿り着いた。三人で笑い合える幸せな世界。
2022年7月18日
この日は三人で買い物をしていた。
すると………。
「あら? あなたは…前にも会った五回目の子だよね?」
例の魔法少女に話しかけられた。
そう言えば、いつも魔法の時計を受け取るのはこの日だ。
「その様子だと…もう魔法の時計は必要ないみたいだね!」
笑顔で私に話しかける彼女はとても嬉しそう。
「ありがとうございました。あなたのお蔭でここまでこれました。なんとお礼をすれば良いのか……。」
私は感謝の言葉を伝えお辞儀をする。
「うんうん! それならお礼替わりにちょっと付き合って欲しい場所があるんだ!」
(付き合って欲しい場所? どこに?)
「そんなに時間は取らせないから、今から来て欲しいな!」
「まあ…それなら……。」
知り合いに会ったので、ちょっと用事を済ませてすぐに戻る事を二人に伝える。
魔法少女は私の手を引っ張り家電量販店へと入っていく。彼女は大型テレビの前で立ち止まり、何やらブツブツ言っている。
「どうしたんですか?」
「さあ行くよ!」
私の手を引き、テレビへ突撃する。
(え? なに…!?)
そう思った時には既に画面の向こう側だった。そこは一般家屋のリビングのようであり、男性二人と女性が二人ソファーに座っていた。
「サリリちゃんお帰りー。 あー!!」
可愛らしい女性が驚いている。
「慧ちゃん連れて来ちゃったの?」
(何で私の名前を…? それにここは……。)
「ここ…どこですか?」
私は困惑しつつも、質問する。
「ここはね。女神様の家だよ!」
「女神様?」
「そう。女神様が可哀想だから幸せにしてやれって言ったの。だからサリリはあなた達を手助けしたんだよ。」
「そうでしたか…。ありがとうございました。」
(それで私に魔法の時計を使わせてくれたんだ……。)
私は涙ぐみながらもお辞儀する。
「思いの外すぐに信じたな……。」
そう言ったのは女神様の隣に座る若い男性。
「時間を戻すなんて事をされれば信じますよ。」
今にして思えば、タイムリープ出来たのだって神の力と言われれば納得出来る。
魔法少女にこの家のメンバーを紹介してもらった。
世界を創った創造神の男女——大五郎様と久満子様、男女の吸血鬼——ダイ君とジャンヌさん、そして私を助けてくれた魔法少女のサリリさん。
私の世界は彼らにとってドラマだったようだ。しかし、あまりにも悲しい結末であった為、わざわざ魔法で救いの手を差し伸べたそう。
神様達にとってはドラマでも、私にとってあの世界は紛れもない現実だったのだ。いくら感謝してもし足りない。
そこでは色々な話を聞かせてもらえた。
例えば、サリリさんが魔法の時計を用意する為、私の世界のお店を襲撃して適当な時計を盗み出し、その時計に魔法をかけた事。
樹君、恵奈、私…三人の幼い頃の記憶がないのは、実は変質者に誘拐された際の恐怖によるものであった事。
ハイキングの時にサリリさんが戦っていた相手が、その変質者だった事。
(てっきりサリリさんの魔法で記憶を失っていたのかと思ったけど、違ったみたい……。)
私達の人生をドラマとして見ていた神様達は、幸せになれて良かったねと声を掛けてくれ、お土産まで持たせてくれた。挫けずに何度もタイムリープを頑張ったご褒美だそうだ。
本当に言葉では言い表せない程ありがたかった。
神様達は別の悪い神を倒す為に頑張っているそうで、そろそろ仕事に戻るとの事。
私は何度も頭を下げてお礼を言い、サリリさんに元の世界へと戻してもらった。
気が付けば、先ほどの家電量販店のテレビの前に立っており、私は樹君と恵奈に合流して買い物を済ませる。その後アパートへと帰宅。
(さっきのお土産は何だったんだろう?)
綺麗にラッピングされた箱を開けると、一つの種と手紙が入っていた。
慧ちゃんへ
この種は魔法の種です。これを食べると魔法の力が宿り、本人の才能次第で色々な事が出来るようになります。加えて子孫にもその力は継承されていきます。子供が出来たらしっかり使い方を教えてあげて下さい。
※この種は慧ちゃんしか使えないようになってるよ!
(魔法か…。何か困った事があれば魔法で解決する事も出来るのかな…?)
サリリさんの魔法に救われたのだ。魔法に悪いイメージなどない私は、この種を何のためらいもなく使用した。
(これで私は魔法少女って事になるのか…。)
テレビのリモコンをステッキに見立てて私はそれらしいポーズをとる。
「魔法少女プリティけーちゃん参上! 私の愛に依存させちゃうぞっ!」
「……何してるの?」
声のする方へ顔を向ければ、そこには恵奈が立っていた。
「…………見た?」
「見た。」
恵奈が私を可哀想なものを見るような目で見ている。
(お願い…そんな目で見ないで。)
私は誤解を解こうとするのだが、そもそも誤解でもなんでもないので納得してもらう事は出来なかった。
そして暫くの間、魔法少女プリティけーちゃんと呼ばれるようになってしまった。
(親友にこんな風に呼ばれるのはキツイな……恨むよ、過去の私。)
私は幾度ものタイムリープの末、とうとう辿り着いた。三人で笑い合える幸せな世界。
2022年7月18日
この日は三人で買い物をしていた。
すると………。
「あら? あなたは…前にも会った五回目の子だよね?」
例の魔法少女に話しかけられた。
そう言えば、いつも魔法の時計を受け取るのはこの日だ。
「その様子だと…もう魔法の時計は必要ないみたいだね!」
笑顔で私に話しかける彼女はとても嬉しそう。
「ありがとうございました。あなたのお蔭でここまでこれました。なんとお礼をすれば良いのか……。」
私は感謝の言葉を伝えお辞儀をする。
「うんうん! それならお礼替わりにちょっと付き合って欲しい場所があるんだ!」
(付き合って欲しい場所? どこに?)
「そんなに時間は取らせないから、今から来て欲しいな!」
「まあ…それなら……。」
知り合いに会ったので、ちょっと用事を済ませてすぐに戻る事を二人に伝える。
魔法少女は私の手を引っ張り家電量販店へと入っていく。彼女は大型テレビの前で立ち止まり、何やらブツブツ言っている。
「どうしたんですか?」
「さあ行くよ!」
私の手を引き、テレビへ突撃する。
(え? なに…!?)
そう思った時には既に画面の向こう側だった。そこは一般家屋のリビングのようであり、男性二人と女性が二人ソファーに座っていた。
「サリリちゃんお帰りー。 あー!!」
可愛らしい女性が驚いている。
「慧ちゃん連れて来ちゃったの?」
(何で私の名前を…? それにここは……。)
「ここ…どこですか?」
私は困惑しつつも、質問する。
「ここはね。女神様の家だよ!」
「女神様?」
「そう。女神様が可哀想だから幸せにしてやれって言ったの。だからサリリはあなた達を手助けしたんだよ。」
「そうでしたか…。ありがとうございました。」
(それで私に魔法の時計を使わせてくれたんだ……。)
私は涙ぐみながらもお辞儀する。
「思いの外すぐに信じたな……。」
そう言ったのは女神様の隣に座る若い男性。
「時間を戻すなんて事をされれば信じますよ。」
今にして思えば、タイムリープ出来たのだって神の力と言われれば納得出来る。
魔法少女にこの家のメンバーを紹介してもらった。
世界を創った創造神の男女——大五郎様と久満子様、男女の吸血鬼——ダイ君とジャンヌさん、そして私を助けてくれた魔法少女のサリリさん。
私の世界は彼らにとってドラマだったようだ。しかし、あまりにも悲しい結末であった為、わざわざ魔法で救いの手を差し伸べたそう。
神様達にとってはドラマでも、私にとってあの世界は紛れもない現実だったのだ。いくら感謝してもし足りない。
そこでは色々な話を聞かせてもらえた。
例えば、サリリさんが魔法の時計を用意する為、私の世界のお店を襲撃して適当な時計を盗み出し、その時計に魔法をかけた事。
樹君、恵奈、私…三人の幼い頃の記憶がないのは、実は変質者に誘拐された際の恐怖によるものであった事。
ハイキングの時にサリリさんが戦っていた相手が、その変質者だった事。
(てっきりサリリさんの魔法で記憶を失っていたのかと思ったけど、違ったみたい……。)
私達の人生をドラマとして見ていた神様達は、幸せになれて良かったねと声を掛けてくれ、お土産まで持たせてくれた。挫けずに何度もタイムリープを頑張ったご褒美だそうだ。
本当に言葉では言い表せない程ありがたかった。
神様達は別の悪い神を倒す為に頑張っているそうで、そろそろ仕事に戻るとの事。
私は何度も頭を下げてお礼を言い、サリリさんに元の世界へと戻してもらった。
気が付けば、先ほどの家電量販店のテレビの前に立っており、私は樹君と恵奈に合流して買い物を済ませる。その後アパートへと帰宅。
(さっきのお土産は何だったんだろう?)
綺麗にラッピングされた箱を開けると、一つの種と手紙が入っていた。
慧ちゃんへ
この種は魔法の種です。これを食べると魔法の力が宿り、本人の才能次第で色々な事が出来るようになります。加えて子孫にもその力は継承されていきます。子供が出来たらしっかり使い方を教えてあげて下さい。
※この種は慧ちゃんしか使えないようになってるよ!
(魔法か…。何か困った事があれば魔法で解決する事も出来るのかな…?)
サリリさんの魔法に救われたのだ。魔法に悪いイメージなどない私は、この種を何のためらいもなく使用した。
(これで私は魔法少女って事になるのか…。)
テレビのリモコンをステッキに見立てて私はそれらしいポーズをとる。
「魔法少女プリティけーちゃん参上! 私の愛に依存させちゃうぞっ!」
「……何してるの?」
声のする方へ顔を向ければ、そこには恵奈が立っていた。
「…………見た?」
「見た。」
恵奈が私を可哀想なものを見るような目で見ている。
(お願い…そんな目で見ないで。)
私は誤解を解こうとするのだが、そもそも誤解でもなんでもないので納得してもらう事は出来なかった。
そして暫くの間、魔法少女プリティけーちゃんと呼ばれるようになってしまった。
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