僕異星人。落ちた世界の神様に迷惑がられています

とうちゃんすらいむ

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すっかり忘れてましたが、僕、女性の笑顔に弱いようです。

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雄は弱さを見せる涙を見せてはいけない!と個体番号1919110402は言ってたけど、そんな事言ったって嬉しいものは嬉しい。僕は今猛烈に感動しているんだ!と心の中で思いながら、焼きあがったお芋ちゃんを目の前の彼女と一緒に頬張りました。

僕は時短で生きてきたから、一個丸ごと飲み込むのが当たり前なんだけど、目の前の彼女は違った。
赤色の皮を上品に剥いてから、ふうふう息を吹きかけて小さな口でちょこっとかじってから、口の中で味を確かめるように咀嚼し、目を大きく見開いたかと思うと、またちょこっと噛んで食べるを繰り返す。

僕が3つ目に手を付け始めようとした時、ようやく半分くらい食べているような状態だったから、思わず体調が悪いのか?と心配して声をかけると

『あまりに美味しくて、勿体ないから少しずつ食べてるの。でもね、私、食が細いから一度にあまり食べれないんだけど、このお芋はこんなに沢山食べれるの。こんなにいっぱい食べてもまだ食べたい!って思うのこの食べ物だけなんだ』

なんて言うんだ。
そんな人がいたならもう少しお芋さん作りを頑張っても良かったのかもしれない。
でも、あんなジジババだらけの村には残りたくないし、言いなりにもなりたくない。
それに今まであんな状態で働いていた反動もあって、いろいろな事もしてみたくなったから、作物を育てるという事からも少し離れたい気もする。

そんな事を思いながらお芋さんのかけらを口の中に放り込んでいたら、ようやく彼女も食べ終えたみたいで、僕の顔を見て

『最後のお芋さんを食べさせてくれて本当に感謝しています。旅立ちのお邪魔をして申し訳ありませんでした』

って言ってくれたんだ。そっか、空の上から見ていたんだね。僕が小屋を壊したり旅立ちの準備をするところを。

最初は適当に旅でもしようかな?って思ったんだけど、あーこれ、次の目的は決まったな。

「あのーお嬢さん。僕のお芋さん食べてくれてありがとう!美味しかったですか?」
『はい!とっても美味しくてほっぺが落ちそうでした!』
「で、お芋さんの報酬を頂きたいのですが、僕は記憶喪失でここの世界の事がよくわかりません。やってきた事と言えば、ここでお芋さんを一生懸命作ってきた事くらいです。なので、僕にここの常識を教えて下さい。出来れば旅をしながらがいいですね」

あれっ?彼女、自分の衣装を脱ごうとして、また元に戻しましたね? 一体何をしようとしたんでしょうか? ま、まぁいいでしょう。

「で、生活に慣れてきたら、またお芋さんやお野菜など育てるために土地と家を持ちたいんですよ。お金はそこそこ持ってるんですけど、貴女のような方にいろいろお手伝いしてもらえると本当に嬉しいのですが…どうでしょうか?」

そんな事を言ったら、
『農作業が嫌になってここを出るんじゃないんですか?お芋さんを作らないから畑をつぶしてたんじゃないんですか?私、邪魔してしまったかと思って申し訳ないと思ってたんですけど…あまりお金もないから私の体で払わないといけないかとも思ってたんですけど…そんな事でいいんですか?』
なんて嬉しそうな顔をするんですよ。

こんなお芋さん一つで体を差し出すって全く何を考えてるんですか!って怒りながらも、彼女には迷惑が掛からない程度のお願いだったらしいのでフォーっとしていると、彼女が僕に向かって手を伸ばしてこういうんです。

「私の名前はロッテ。E級冒険者の魔女なの。どうぞよろしくね!」

戸惑う僕の手を両手で握って、とびっきりの笑顔を見せる彼女に僕は戸惑いを隠せませんでした。

だって、とっても可愛かったんですから…





(5/3:ロッテの冒険者等級をCからEに変更しました)
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