三島くんと篠崎さん

ルーシュ

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その日、俺はサークルの飲み会に参加していた。 

そして先輩に気に入られていた俺は、かなりの量の酒を飲まされたあげく、まだ不慣れなせいもあってか、ほとんど前後不覚な状態になっていた。 

しかしそんな状態でも、俺は女の子を口説くことだけは忘れていなかった。 

…………いや、もしかしたら酔いが女性を求める本能を呼び覚ましたのかもしれない。 

で、その結果ではあるが、酒の入った頭でぼんやりと記憶している限り、俺はその飲み会に参加しているほぼ全員の女の子に声をかけた。 

女の子の方も酔っていたし、それにまんざらでもなかったように思う。ただ結局は、軽くあしらわれていたが。 

しかし一人だけ、自分の言葉に頷きで返してくれた子がいた。 

とびきりかわいい子で、酔っているのか頬がぽうっと赤かった。そこがまたそそられた。 

しかしそんな可愛い子がサークルにいただろうか? 

考えはしたが酔っている為かまともに頭が働かない。 

(まあ、いいか) 

そうして、結局はそこに落ち着いた。 

それから暫くして、俺は彼女を連れて席を立つ。 

その前にも二人きりで店を出て行く者がいて、その時はそんな二人に皆でからかって笑っていた。 

――――だが。 

俺達の場合には、誰もからかいの言葉を投げかけてはくれなかった。 

笑顔さえもなかったと思う。 

俺は酔った頭でこう思った。 

(こんな可愛い子を取られて皆悔しいんだろうな) 

そして俺は、酔ってふらふらしながらも「お先に」と言って店を出た。 

もちろん、店を出てすぐに向かったのはホテル。 

そこまでは覚えていた。 

後は、断片的だった。


























当然気づいているとは思うが、俺が誘った女は成美だった。 

後で友人から教えてもらったが、二人が席を立っても誰もからかったりしなかったのは、俺が考えた理由からではなく、ただ成美が怖かったからだそうだ。
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