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俺はもともと食べるのが早い。
しかも麺類は特にそうで、ずるずるとかきこんでものの五分で食べ終えてしまう。
今ももちろんそう。
五分程で食べ終えてしまった。
対して隣りの成美はというと、まだ半分も食べていない。
「ん?」
つゆを飲んでいる成美が、目だけで俺の方を見た。
「なに?」と聞いているらしい。
「なんでもない」
そう答えると、再びきつねそばに専念する。
彼女は猫舌らしく、挟んだ麺に何度も息を吹きかけて覚ましてから食べていた。
しかもそれに加え一口の量が少ないので、余計に時間がかかる。
ただ、一生懸命な感じでそばを食べている成美の姿は妙にかわいく見えた。
「ん?」
また彼女が目だけをこちらに向ける。
「なんでもないって」
「…………」
が、今度は俺を見て止まったままだ。
なんとなく、このままだといつまでたっても彼女の食は進まないような気がしてきたので、俺は思わず視線をずらす。
すると彼女はそばを食べ始めた。
しかしその数分後、俺は性懲りもなくまた成美を見る。その視線に気づくと、彼女の箸が再び止まる。
…………まるでセンサーを感知するロボットのようである。
「いいから食べろって」
「見ないで」
「別にいいだろ?」
「嫌」
成美が俺を睨む。
目だけで怒るその表情に、ただよく見れば、少しだけの懇願があった。
俺はそれを見逃さない。
(…………やれやれ)
そんな顔をされると、それ以上続ける気も失せるというものだ。
それで俺は代わりに、席を立ってお茶のポットを取ってきた。
自分の湯飲みと、彼女の湯飲みにお茶を注ぐ。
「ん」
食べながらお礼の「ん」
…………いったい彼女の「ん」は何種類の意味があるのだろうか。
本当に、『不思議少女』である。
結局、彼女は十五分以上かけてきつねそば一杯を平らげた。
それから、その後すぐに会計を済ませる。
すると、去りぎわに会計のおばちゃんが笑って言った。
「またおいで。彼氏連れてくれば今度はサービスしたげるから」
…………成美は相変わらず「ん」としか答えなかった。
しかも麺類は特にそうで、ずるずるとかきこんでものの五分で食べ終えてしまう。
今ももちろんそう。
五分程で食べ終えてしまった。
対して隣りの成美はというと、まだ半分も食べていない。
「ん?」
つゆを飲んでいる成美が、目だけで俺の方を見た。
「なに?」と聞いているらしい。
「なんでもない」
そう答えると、再びきつねそばに専念する。
彼女は猫舌らしく、挟んだ麺に何度も息を吹きかけて覚ましてから食べていた。
しかもそれに加え一口の量が少ないので、余計に時間がかかる。
ただ、一生懸命な感じでそばを食べている成美の姿は妙にかわいく見えた。
「ん?」
また彼女が目だけをこちらに向ける。
「なんでもないって」
「…………」
が、今度は俺を見て止まったままだ。
なんとなく、このままだといつまでたっても彼女の食は進まないような気がしてきたので、俺は思わず視線をずらす。
すると彼女はそばを食べ始めた。
しかしその数分後、俺は性懲りもなくまた成美を見る。その視線に気づくと、彼女の箸が再び止まる。
…………まるでセンサーを感知するロボットのようである。
「いいから食べろって」
「見ないで」
「別にいいだろ?」
「嫌」
成美が俺を睨む。
目だけで怒るその表情に、ただよく見れば、少しだけの懇願があった。
俺はそれを見逃さない。
(…………やれやれ)
そんな顔をされると、それ以上続ける気も失せるというものだ。
それで俺は代わりに、席を立ってお茶のポットを取ってきた。
自分の湯飲みと、彼女の湯飲みにお茶を注ぐ。
「ん」
食べながらお礼の「ん」
…………いったい彼女の「ん」は何種類の意味があるのだろうか。
本当に、『不思議少女』である。
結局、彼女は十五分以上かけてきつねそば一杯を平らげた。
それから、その後すぐに会計を済ませる。
すると、去りぎわに会計のおばちゃんが笑って言った。
「またおいで。彼氏連れてくれば今度はサービスしたげるから」
…………成美は相変わらず「ん」としか答えなかった。
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