ゲームの世界に閉じ込められて魔王になりました。99万9999人のプレイヤーを倒すまで現実世界に帰れません。

でるたー

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〜"デス"ゲーム、開幕〜

3話 『いただきます』は感謝の言葉

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「お、いい匂いがする」

 赤い絨毯が敷かれた通路を歩いていると、扉の向こうから食欲をそそるいい匂いが立ち込めてくる。

「到着致しました。食事の間でございます」

 そう言いながらセバスが門を彷彿とさせる、巨大で立派な扉を開ける。

「こちらでございます、カイザ様」

 扉をくぐるとそこは、シャンデリアが端から端まで取り付けられ、天井付近の窓から日の光が差し込む高級レストランのような豪華な部屋だった。
 セバスの案内で一際異彩を放つ玉座のようなアームチェアに誘導される。
 流されるようにセバスが引いた椅子に座り、テーブルを覗くとそこには子供の頃、両親に連れて行ってもらった最高級ホテルと遜色ないほど豪華な料理が所狭しと並べられている。

「いただきまー……セバスは食べないのか?」

「はい。私は既に済ませておりますので」

 さも当然のように言っているが、流石にこの量を一人で平らげることは出来ない。それに加え食器が合計3セットあるのは不自然だと思うのだが……。

「そうか。それじゃあ、いただ――」

「あ、カイザ様!おはようございます!」

 一先ず食べれるだけ食べようと思った矢先、先程くぐった扉の方から俺の名前を呼ぶ、活気溢れる声が聞こえてくる。振り向くとそこにはまだ幼い顔立ちながらも、一目見るだけで絶世の美男美女と分かるほど容姿が整った2人の子供がいた。
 2人の頭上には『レオ・グラメント Lv1』『レイ・グラメント Lv1』と表示されている。苗字を見る限り恐らく兄弟だろう。
 レオは金髪のウルフヘアに蒼色の瞳の美少年、レイは金髪のミディアムショートヘアに碧色の瞳の美少女
だ。どちらも金の刺繍が入った純白のローブを身に纏っている。

「お、おはよーう、レオ、レイ」

 あああ!全くスムーズに挨拶出来ない!分かるかなー、4年間ずっと会社勤めしていると誰と話す時でも敬語になってしまうんだよ!それも相手初対面だし!

「おはようございます、カイザ様」

 レイがドレスの裾を持ち上げる様に、ローブの端をつまみ優雅に礼をする。……いやダジャレではないからな?

「2人が罪と罰、でいいんだよな?」

 明らかに通常兵ではない2人組は恐らく『罪と罰』だろう。一応確認するように質問をすると、2人とも素っ頓狂な顔をこちらに向けてくる。まあ、そうなるよね……でも許してくれ!俺何も分からないままいきなりここに閉じ込められたんだ!

「左様でございます。左が『罪』レオ・グラメント、右が『罰』レイ・グラメントにございます。お二人の席は既に用意しています。どうぞお座りください」

 セバス、ナイス!どうやらこの二人が罪と罰で間違いないようだ。

「ありがとうセバス」

「感謝します」

 2人が俺の両隣の席へ向かう。やはり人数分の食器だったわけだ。

「へへーん、俺こっちー」

「構いません。私はカイザ様のお隣に座せるだけで充分です」

 レオが右、レイが左に座る。今の見た目的には俺が長男っぽくなっているが、実年齢的にはお父さんになった気分だ。

「それじゃあ、3人一緒に」

 なんとなく音頭を取る。

「「「いただきます」」」

 いただきますは世界共通、食糧となる命への感謝の言葉なのだ。


 案の定とても美味な料理に舌鼓を打っていると、ふと疑問が湧いてきたのでセバスに聞いてみる。

「セバス、近くにでも狩れる魔物はいるか?」

 こうやってのんびりしている合間にも、一日先に始めたプレイヤー達は攻略を進めているはずだ。のんびりしていては、碌にレベルも上がらず敗北するだろうしイベントも設置できなくなってしまう。そうなる前に何とか地盤を固めておかなければならない。

「はい。この魔王城の後方に『レジェンダリーフォレスト』という森がございます。それはそれは広大な森でして、レベル1から1000までの魔物が跋扈しております。森の深くに進むに連れ段々と魔物達のレベルが上昇し、最深部に聳え立つ神樹にはレベル1000の神獣がいるのだとか。ちなみに、森の中に点々と存在する山の山頂には『龍種』が住んでいるようです」

 セバスが流暢に語る。レジェンダリーフォレスト、伝説の森か……。魔王城の後方にあるという事は、ストーリーを完全クリアした人のために作られた裏ステージのようなものだろうな。っていうか、森の中に点々と山が存在するって、広すぎるだろ。
 それはともかく、どうやらそこには今の俺でも倒せる魔物が存在しているらしい。それならば俺がやるべきことは一つ。

「よし、それじゃあ食事を終え次第、レジェンダリーフォレストに向かおう」

「畏まりました」

 セバスが了承し恭しく礼をする。

「あ、それなら俺も行きたいです!」

「私もお供させて頂きたいです」

 それに続きレオレイが名乗りを上げる。元からそのつもりだったので全く問題ない。

「ああ、2人も付いてきてくれ」

「「はい!」」

 ま、眩しい!小さい子供の無邪気な笑顔は26のおじさんには眩しすぎる!
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