4 / 68
〜"デス"ゲーム、開幕〜
4話 馬鹿げた名前のスキル。効果は普通。
しおりを挟む
「悪いんだがお手洗いに行ってくる。先に外で待っていてくれ」
特に尿意が込み上げてきたわけではないが、少し確認しておきたいことがある。その為にまず一人になりたい。
「畏まりました。アンフィア、後片付けを頼みます。レオ、レイ、行きますよ」
「畏まりました、セバス様」
「待ってまーす!」
「お待ちしておりますね」
セバスがアンフィアと呼ばれたメイドに食器の片づけを要請し、2人を誘導し部屋から退出していく。本当に気が利くなあ。
メイドは俺たちの食事中、飲料の継ぎ足しのためだけにセバスに呼ばれ傍に控えていた。なんだか悪い気がしたが『メイド』というものの存在意義をこちらの都合で消さぬよう、高級レストランに客として来ている気持ちになり乗り越えた。雰囲気が酷似していたため、その気持ちに浸るのは容易かった。
^
「さて、お手洗いお手洗い……」
天井脇に等間隔で配置されている、異様に明るく光る蝋燭が怪しく照らす通路を若干小走りで進む。
この雰囲気、まるで魔王城だな……まあそのものなんだけど。今でもここの主が俺だという実感がいまいち湧かない。
何故か俺はこの城の構造を理解していた。『魔王なのだから当然だ』と言われるとぐうの音もでないが、何せ俺はこの世界に閉じ込められたばかりなのだ。普通こんなにも広々とした城の構造など分かるはずがないと思うのだが……『ゲームワールド』の僅かな気遣いだろうか。ふんっ、か、感謝なんかしてないんだからね!……急にゲームの世界にぶち込まれたのは怒ってるぞ?
「ここか」
お手洗いに辿り着くとそこには、当たり前だが男女を区別するマークが表記されている二つの扉があった。
『♂』と『♀』と彫られ、黒い縁で視覚しやすいようにされた大理石が、二つの扉に一つずつ埋め込まれている。勿論俺は『♂』の扉を開け、中に入る。……本当だからな?……本当だぞ!?
「オープン」
個室に入りウィンドウを出現させる。そう、先程見向きもしなかった俺のステータスを確認したかったのだ。
魔物と戦闘を行うにあたって俺の使えるスキルなどはチェックしておかなければいけない。
カイザ ♂ 魔王
Lv1
HP 100/100
MP 100/100
ATK 100
INT 100
DEF 100
MND 100
AGI 100
スキル 【魔王】(→)
スキルポイント 0(→)
装備 魔王のローブ(ss)
ふむふむ。HP,MPはヒットポイント、マジックポイントだな。ATK,INT,DEF,MND,AGI 、これは順に攻撃力、魔法攻撃力、防御力、魔法防御力、素早さだろう。100の基準は分からないが、少なくとも『プレイヤーLv1』のステータスより高くなくては困る。スキルは【魔王】のみか。……ん?何だこの右矢印……。
【魔王】の隣に表記されている(→)をタップすると、【魔王】についての詳細が表示される。どうやらピックアップマークのようだ。
【魔王】
・魔王覇気:自身のLvに応じて敵対する相手のステータスダウン
・闇の王:自身より30Lv以上低い相手からのステータスダウン無効
・設定:魔王は魔剣士というゲーム上の設定のため、ステータスの上昇割合は均一となる。
なるほどなるほど、魔王覇気も闇の王もしっかりとレベリングすれば強力な効果なのは間違いないな。……さあ、次にいこう。……設定?俺はそんな物見ていないぞ?
……いや、なんてコメントすればいいんだよこれ!スキルの名前はふざけているしあたかもデメリット感漂わせてはいるけどさ、効果は『ステータスの上昇割合は一定』って、そんなにデメリット感ないじゃん!かといってメリットも感じないし……。とにかく次!
スキルポイントは0。まあ当たり前だろう。
隣のピックアップマークをタップすると、スキル名と取得に必要なスキルポイントが表示される。必要なスキルポイントはものによって違うようだ。
樹形図のように線で繋がれているスキルがあるが、これは恐らく同系統のスキルだろう。
『初級火魔術 5Pt』と表記された枠の下に線で繋がった、『中級火魔術 10Pt』と表記された南京錠のマークがついている枠が存在している。初級を取得すれば中級が解放され取得可能状態になるのだろう。
装備の『魔王のローブ』の隣の(SS)というのはレアリティだろうか。自分で言うのもなんだが魔王が着用しているのだから最高レアリティだろう。
「おっと、3人を待たせているんだ。急がないと」
ステータスを読み終え、3人の下へ向かう。
^
「悪い、待たせた」
城の扉を開いて門前まで向かうと、それぞれの得物を手に持ち待機していた。セバスがナックルに剣という謎の組み合わせ、レオとレイは杖を持っている。
「カイザ様、こちらを」
3人の輪に入ると、セバスが持っている漆黒の剣を渡してくる。
「これは?」
「カイザ様の魔剣にございます」
どうやら俺の魔剣らしい。よくよく考えれば、確かに俺だけ武器無しというのも変な話だ。
「よし、それじゃあ行くか」
「畏まりました。私の後にお続きくださいませ」
セバスの案内でレジェンダリーフォレストに向かう。
特に尿意が込み上げてきたわけではないが、少し確認しておきたいことがある。その為にまず一人になりたい。
「畏まりました。アンフィア、後片付けを頼みます。レオ、レイ、行きますよ」
「畏まりました、セバス様」
「待ってまーす!」
「お待ちしておりますね」
セバスがアンフィアと呼ばれたメイドに食器の片づけを要請し、2人を誘導し部屋から退出していく。本当に気が利くなあ。
メイドは俺たちの食事中、飲料の継ぎ足しのためだけにセバスに呼ばれ傍に控えていた。なんだか悪い気がしたが『メイド』というものの存在意義をこちらの都合で消さぬよう、高級レストランに客として来ている気持ちになり乗り越えた。雰囲気が酷似していたため、その気持ちに浸るのは容易かった。
^
「さて、お手洗いお手洗い……」
天井脇に等間隔で配置されている、異様に明るく光る蝋燭が怪しく照らす通路を若干小走りで進む。
この雰囲気、まるで魔王城だな……まあそのものなんだけど。今でもここの主が俺だという実感がいまいち湧かない。
何故か俺はこの城の構造を理解していた。『魔王なのだから当然だ』と言われるとぐうの音もでないが、何せ俺はこの世界に閉じ込められたばかりなのだ。普通こんなにも広々とした城の構造など分かるはずがないと思うのだが……『ゲームワールド』の僅かな気遣いだろうか。ふんっ、か、感謝なんかしてないんだからね!……急にゲームの世界にぶち込まれたのは怒ってるぞ?
「ここか」
お手洗いに辿り着くとそこには、当たり前だが男女を区別するマークが表記されている二つの扉があった。
『♂』と『♀』と彫られ、黒い縁で視覚しやすいようにされた大理石が、二つの扉に一つずつ埋め込まれている。勿論俺は『♂』の扉を開け、中に入る。……本当だからな?……本当だぞ!?
「オープン」
個室に入りウィンドウを出現させる。そう、先程見向きもしなかった俺のステータスを確認したかったのだ。
魔物と戦闘を行うにあたって俺の使えるスキルなどはチェックしておかなければいけない。
カイザ ♂ 魔王
Lv1
HP 100/100
MP 100/100
ATK 100
INT 100
DEF 100
MND 100
AGI 100
スキル 【魔王】(→)
スキルポイント 0(→)
装備 魔王のローブ(ss)
ふむふむ。HP,MPはヒットポイント、マジックポイントだな。ATK,INT,DEF,MND,AGI 、これは順に攻撃力、魔法攻撃力、防御力、魔法防御力、素早さだろう。100の基準は分からないが、少なくとも『プレイヤーLv1』のステータスより高くなくては困る。スキルは【魔王】のみか。……ん?何だこの右矢印……。
【魔王】の隣に表記されている(→)をタップすると、【魔王】についての詳細が表示される。どうやらピックアップマークのようだ。
【魔王】
・魔王覇気:自身のLvに応じて敵対する相手のステータスダウン
・闇の王:自身より30Lv以上低い相手からのステータスダウン無効
・設定:魔王は魔剣士というゲーム上の設定のため、ステータスの上昇割合は均一となる。
なるほどなるほど、魔王覇気も闇の王もしっかりとレベリングすれば強力な効果なのは間違いないな。……さあ、次にいこう。……設定?俺はそんな物見ていないぞ?
……いや、なんてコメントすればいいんだよこれ!スキルの名前はふざけているしあたかもデメリット感漂わせてはいるけどさ、効果は『ステータスの上昇割合は一定』って、そんなにデメリット感ないじゃん!かといってメリットも感じないし……。とにかく次!
スキルポイントは0。まあ当たり前だろう。
隣のピックアップマークをタップすると、スキル名と取得に必要なスキルポイントが表示される。必要なスキルポイントはものによって違うようだ。
樹形図のように線で繋がれているスキルがあるが、これは恐らく同系統のスキルだろう。
『初級火魔術 5Pt』と表記された枠の下に線で繋がった、『中級火魔術 10Pt』と表記された南京錠のマークがついている枠が存在している。初級を取得すれば中級が解放され取得可能状態になるのだろう。
装備の『魔王のローブ』の隣の(SS)というのはレアリティだろうか。自分で言うのもなんだが魔王が着用しているのだから最高レアリティだろう。
「おっと、3人を待たせているんだ。急がないと」
ステータスを読み終え、3人の下へ向かう。
^
「悪い、待たせた」
城の扉を開いて門前まで向かうと、それぞれの得物を手に持ち待機していた。セバスがナックルに剣という謎の組み合わせ、レオとレイは杖を持っている。
「カイザ様、こちらを」
3人の輪に入ると、セバスが持っている漆黒の剣を渡してくる。
「これは?」
「カイザ様の魔剣にございます」
どうやら俺の魔剣らしい。よくよく考えれば、確かに俺だけ武器無しというのも変な話だ。
「よし、それじゃあ行くか」
「畏まりました。私の後にお続きくださいませ」
セバスの案内でレジェンダリーフォレストに向かう。
0
あなたにおすすめの小説
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
【毎週火木土更新】
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる