ゲームの世界に閉じ込められて魔王になりました。99万9999人のプレイヤーを倒すまで現実世界に帰れません。

でるたー

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〜戦力強化編〜

30話 気が抜けて忘れていた。後悔はしている。

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「なあセバス、ネームドって分かるか?」

 魔王城に帰宅した日の夜。夕食を終え、自室にセバスを招きそんなことを問う。『個体の特別な名前』ということは分かるが、それを持っている魔物が何を意味するのかが分からない。分かっていることと言えば、通常より強力というだけだろう。

「ネームド、ですか。今日はネームドの魔物と対峙なされたのですね。流石です」

 セバスが俺の言葉を聞き、尊敬の眼差しをこちらに向け返答する。

「ま、まあ、そんなところ、かな?」

 嘘です逃げただけです。

「ネームド。それは種族の中でも、秀でた能力を所持する魔物に与えられた個体の名。秀でた能力、というのも種類は様々。明らかに種族の中でも巨大であったり、ステータスが異常に高かったり、はたまた非常に高い知能を宿しており意思の疎通が可能だったりと、千差万別でございます。私が知っているのはこれだけで御座います。あまりお力になれず申し訳ありません」

「いや、全然そんなことない。ありがとう、助かった」

 流石にセバスでも深くは知らない、か。セバスはこの世界の知識をある程度は把握してあるのだろうけど、網羅しているわけではないもんな。

「当然の行いです」

「それと、もう一つ聞きたいことが」

 ネームドの話は疑問と質問のどちらかと言えば疑問だが、こちらは質問だ。

「何なりとお申し付けください」

「リザード種っているだろ?あいつの弱点って分かるか?」

 あの忌々しい蜥蜴。必ず相まみえる時が再び来るあいつの弱点を知っておかねば。

「リザード種ですと、魔術が効果的でございます。彼らは皮膚が頑丈なうえ、DEFも非常に高い。そのため、物理攻撃全般は攻撃が通りにくい。ですが、その分MNDが非常に低いため魔術による攻撃が撃破手段の定石でございます」

 どうやらあの蜥蜴は魔術が弱点のようだ。あの時は速攻で親分呼ばれたから、試す時間もなかったしな。気付かなかったのは許して欲しい。

「なるほどな。ありがとう」

「お役に立てたようで何よりでございます」

 いやはや、今日はナビゲートがあったおかげで何とか生き延びた感じだったな。ナビゲート様様だ。
 ……ん?あれ?何か忘れているような気がするんだが……。

「すまんセバス、少し一人になっていいか?」

「畏まりました。私は部屋の外で待機しております故、何かございましたらお申し付けください」

「ああ、ありがとう」

 俺の言葉にセバスが了承し、ドアの前で恭しく礼をしてから退出する。

「さて、と」

 今日の出来事を振り返ろう。自ずと忘れたことが思い出せるはずだ。

 昼起床、セバスの主人を気遣いする笑顔で罪悪感が増幅。

 レイを呼びレジェンダリーフォレストへ。顔赤らめすぎ。

 レジェンダリーフォレストで順調にレベリング。Lv24からLv27に上昇。

 調子に乗ってさらに奥へ。ファイアリザードに遭遇。皮膚が硬すぎて撃破ならず。

 ファイアリザードが親分を呼ぶ。物凄い勢いで木々をなぎ倒しながらメラガス登場。

 必死に逃げ回り、一度の失敗はあったものの転移石碑を発見。

 転移。転移先は『第4ステージ 快晴の地オルシャス』

 オルシャスにてプレイヤーに遭遇。何とかばれずにやり過ごす。

 再び転移。目の前には何という事でしょうメラガス君。

 メラガスから必死の逃走。道中イレギュラーを挟みながらも何とかエリアホライズン到達。

 メラガス帰還。俺らも帰還。


 ……俺らも帰還!?ちょっと待てまずい!

「オープン!」

 デジタルの時計が『11:57』と時間を告げている。

世界地図ワールドマップ!」

 世界地図ワールドマップを展開し俺がピックアップした場所。それは

「雷天の地エレクトル……到達されたか」

 『第5ステージ 雷天の地エレクトル』。そのジオラマに不自然に立っていたのを確かに確認していた白旗。そのどれもが、旗棒の丁度中間辺りでぽっきり折れていた。

「残るステージはあと5つ。これは流石に焦らないわけにはいかないな」

 この世界のステージは全部で13。簡単に纏めてしまうと『始まりの街』『第1ステージ~第10ステージ』『魔王城リベリオン』『レジェンダリーフォレスト』だ。
 そして現在、第5ステージまでのイベント設置が不可能の状態だ。このままもたついていてはプレイヤーがここへ押しかけてくるのも時間の問題だろう。

「セバス!」

「はい。何でしょうかカイザ様」

「俺はこれから暫く城を空ける。城の防衛は任せた」

 俺の言葉を聞いたセバスは目を見開き、明らかな動揺を示す。

「カイザ様、それは――」

「異論は認めない。メンバーはレオ、レイ、ロイザ、ビャクラだ。集めてくれ」

 セバスの言葉を無理矢理遮り圧をかける。このままのんびりとした日々を過ごしていては、確実に俺は死ぬ。それをのうのうと受け入れるわけにはいかない。

「しかし……。……畏まりました。【伝達リークス】。レオ、レイ、ロイザ、ビャクラ、カイザ様がお呼びです……。カイザ様、くれぐれも無理はなさらないようにお願いします」

「そんなに心配せずとも大丈夫だよセバス。それよりも、何かあったらメンバーの誰かに【伝達リークス】で伝えてくれ」

「畏まりました」
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