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〜戦力強化編〜
33話 俺魔王。今、お前の後ろにいるの。
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「さて、私の眷属を殲滅したお礼をしましょうか」
ヴラドが笑顔を絶やさないまま己の指先から血をナイフで掬い、振り払う。飛散した血の雫はそのまま落下するかと思いきや不自然に空中で停止し、そして深紅の魔法陣へと変異する。
「ブラッドレイ」
ヴラドがそう口にすると、幾つもの深紅の魔法陣は輝き、紅の光線を放つ。避けてみれば、地面にはくっきりと焼け焦げた跡が出来ていた。
「おっと、皆さん避けるのがお上手なようで」
その光景を見ていたヴラドは感心したように言う。一見俺達を見下してるように思えるが、その瞳は全く油断しておらず隙が無い。
「ビャクラ、ヴァンパイアの解析任せた。ロイザ、【持国天】を頼む。レオは狼の対応、レイはロイザの守護を頼む。余裕があればレオの援護だ」
ビャクラの【広目天】は惜しむ必要性が無いため発動は必須。ロイザの【持国天】は一日一回という制限があるが、この状況で出し惜しみは出来ない。レオは火、風、光属性の魔術を発動できる。予想に過ぎないが、夜の魔物は光魔術が苦手なはずだ。光魔術が発動できないレイより適任だろう。
「畏まりました。【広目天】」
「なんですか?これは」
ビャクラが一歩前に踏み出し、スキルを発動する。その瞬間、ヴラドを取り囲むように禍々しい眼球が現れる。眼球はヴラドに迫り、そして侵入する。
「カイザ様、結果が出ました。HP800,MP600,他は全て400代でございます」
「なるほどな、助かった。それじゃ、俺の援護を頼む」
「畏まりました!」
戦闘時は流石に面倒な気質は抜けるようで、颯爽と情報を伝えてくる。やはりビャクラを連れてきたのは正解だったな。
まあ、こうして俺の援護しか喜んでしないのはあれだけど。
それにしてもステータスが高いな。魔王よりステータスが高いって、ゲーム性崩壊してるだろ。
「ヴァンパイアって、種族柄ステータスが高かったりするのか?」
「いえ、ヴァンパイアは時間帯によってステータスが変動するのです。日が沈んでいればステータスは飛躍して上昇し、日が昇っていれば著しく低下します」
「なるほどな」
意外にもビャクラは博識のようだ。時間帯によって戦闘能力が変動。まあ、ヴァンパイアの設定にはよくある物だ。
「ロイザ、演奏開始」
「畏まりましたわ~。【持国天】」
ロイザに指示をだすと、琵琶の美しい、それでいて力強い音が響きステータスが上昇する。その割合、なんと1.5倍。つまり俺の今のステータスは600に差し迫る。
「私を目の前にして、よくもまあのうのうとお喋りをしていられますね」
声のする方に顔を向ければ、そこには眉をぴくつかせているヴラドの姿がある。いや別に、そんなのうのうとしていたわけではないと思うのだが……。
「そうか?」
「……怒りますよ?」
お?これもしかして、怒らせた方が良くないか?戦いは冷静さを欠いた方が負けって、昔本で読んだぞ。
「ああ、そう」
あえて素っ気なく返す。この手の相手は興味なさそうにするのが一番だ。
「この……このクソガキアアア‼殺す!絶対殺す!ネロ!まずはあのガキからだ!」
ヴラドの怒りが最高潮まで達し、こちらを物凄い眼光で睨みながら狼に指示を出す。先程までの満面の笑みは無く、物凄い形相だ。あーあ、自棄になっちゃった。俺のステータスを考慮してないのかねえ……そんなんじゃ甘いよ?
「レオ、狼は任せた」
「了解!」
「吸血の細剣!」
ヴラドが先程以上に血を掬い、握りしめる。すると、握られた血は見る見るうちに細剣へと形を変え、ヴラドの手に収まる。吸血の細剣。恐らく、HP吸収などの効果があるのだろう。
「ブラッドレイ!」
ヴラドが再び紅の光線を放ちながら、こちらに迫る。どうやら本当に俺のことしか見ていないらしく、12本の光線が全て俺に向かう。
「いよっと」
だが、そのどれもが一点に向かっていたため、避けるのは造作もない。
『グㇽアアアアア‼』
しかし、避けた先にはネロが待ち構えていた。牙を剥き出しにし、こちらへと疾駆する。
「君の相手は俺!」
「カイザ様にその汚らしい面を向けるな、下郎」
しかしこちらも俺一人ではない。ビャクラの言葉は聞かなかったことにして、2人が狼の足元に魔術を放ち足止めをする。
「いい援護だ。悪いがビャクラもそのまま狼を頼む」
「「了解」」
若干ビャクラの眉がぴくついたが、俺に反対することは無いようだ。魔術師は間を詰められると厳しい。そのため二人一組で戦ってもらうのがいいだろう。
「ガキイイイ!」
「おっと」
気付けば、ヴラドがこちらに迫り細剣を幾度となく突き出す。今は咄嗟の反応で剣戟を繰り広げ凌いではいるが、細剣の方が剣速が速いのは言わずもがな。ここは一旦退く。
「逃げんじゃねえ!」
逃がすまいとヴラドがすかさず追ってくる。
「いや逃げねえよ。演奏終わったらちょっとまずいし、今度はこっちの番な」
迫るヴラドに魔剣を向け言う。
「瞬歩」
俺がそう口にすると、ヴラドの視界から瞬時に外れる。
「……‼どこへ行った!」
突如消えた俺に動揺し、ヴラドの動きが一瞬止まる。
「後ろ」
ヴラドが笑顔を絶やさないまま己の指先から血をナイフで掬い、振り払う。飛散した血の雫はそのまま落下するかと思いきや不自然に空中で停止し、そして深紅の魔法陣へと変異する。
「ブラッドレイ」
ヴラドがそう口にすると、幾つもの深紅の魔法陣は輝き、紅の光線を放つ。避けてみれば、地面にはくっきりと焼け焦げた跡が出来ていた。
「おっと、皆さん避けるのがお上手なようで」
その光景を見ていたヴラドは感心したように言う。一見俺達を見下してるように思えるが、その瞳は全く油断しておらず隙が無い。
「ビャクラ、ヴァンパイアの解析任せた。ロイザ、【持国天】を頼む。レオは狼の対応、レイはロイザの守護を頼む。余裕があればレオの援護だ」
ビャクラの【広目天】は惜しむ必要性が無いため発動は必須。ロイザの【持国天】は一日一回という制限があるが、この状況で出し惜しみは出来ない。レオは火、風、光属性の魔術を発動できる。予想に過ぎないが、夜の魔物は光魔術が苦手なはずだ。光魔術が発動できないレイより適任だろう。
「畏まりました。【広目天】」
「なんですか?これは」
ビャクラが一歩前に踏み出し、スキルを発動する。その瞬間、ヴラドを取り囲むように禍々しい眼球が現れる。眼球はヴラドに迫り、そして侵入する。
「カイザ様、結果が出ました。HP800,MP600,他は全て400代でございます」
「なるほどな、助かった。それじゃ、俺の援護を頼む」
「畏まりました!」
戦闘時は流石に面倒な気質は抜けるようで、颯爽と情報を伝えてくる。やはりビャクラを連れてきたのは正解だったな。
まあ、こうして俺の援護しか喜んでしないのはあれだけど。
それにしてもステータスが高いな。魔王よりステータスが高いって、ゲーム性崩壊してるだろ。
「ヴァンパイアって、種族柄ステータスが高かったりするのか?」
「いえ、ヴァンパイアは時間帯によってステータスが変動するのです。日が沈んでいればステータスは飛躍して上昇し、日が昇っていれば著しく低下します」
「なるほどな」
意外にもビャクラは博識のようだ。時間帯によって戦闘能力が変動。まあ、ヴァンパイアの設定にはよくある物だ。
「ロイザ、演奏開始」
「畏まりましたわ~。【持国天】」
ロイザに指示をだすと、琵琶の美しい、それでいて力強い音が響きステータスが上昇する。その割合、なんと1.5倍。つまり俺の今のステータスは600に差し迫る。
「私を目の前にして、よくもまあのうのうとお喋りをしていられますね」
声のする方に顔を向ければ、そこには眉をぴくつかせているヴラドの姿がある。いや別に、そんなのうのうとしていたわけではないと思うのだが……。
「そうか?」
「……怒りますよ?」
お?これもしかして、怒らせた方が良くないか?戦いは冷静さを欠いた方が負けって、昔本で読んだぞ。
「ああ、そう」
あえて素っ気なく返す。この手の相手は興味なさそうにするのが一番だ。
「この……このクソガキアアア‼殺す!絶対殺す!ネロ!まずはあのガキからだ!」
ヴラドの怒りが最高潮まで達し、こちらを物凄い眼光で睨みながら狼に指示を出す。先程までの満面の笑みは無く、物凄い形相だ。あーあ、自棄になっちゃった。俺のステータスを考慮してないのかねえ……そんなんじゃ甘いよ?
「レオ、狼は任せた」
「了解!」
「吸血の細剣!」
ヴラドが先程以上に血を掬い、握りしめる。すると、握られた血は見る見るうちに細剣へと形を変え、ヴラドの手に収まる。吸血の細剣。恐らく、HP吸収などの効果があるのだろう。
「ブラッドレイ!」
ヴラドが再び紅の光線を放ちながら、こちらに迫る。どうやら本当に俺のことしか見ていないらしく、12本の光線が全て俺に向かう。
「いよっと」
だが、そのどれもが一点に向かっていたため、避けるのは造作もない。
『グㇽアアアアア‼』
しかし、避けた先にはネロが待ち構えていた。牙を剥き出しにし、こちらへと疾駆する。
「君の相手は俺!」
「カイザ様にその汚らしい面を向けるな、下郎」
しかしこちらも俺一人ではない。ビャクラの言葉は聞かなかったことにして、2人が狼の足元に魔術を放ち足止めをする。
「いい援護だ。悪いがビャクラもそのまま狼を頼む」
「「了解」」
若干ビャクラの眉がぴくついたが、俺に反対することは無いようだ。魔術師は間を詰められると厳しい。そのため二人一組で戦ってもらうのがいいだろう。
「ガキイイイ!」
「おっと」
気付けば、ヴラドがこちらに迫り細剣を幾度となく突き出す。今は咄嗟の反応で剣戟を繰り広げ凌いではいるが、細剣の方が剣速が速いのは言わずもがな。ここは一旦退く。
「逃げんじゃねえ!」
逃がすまいとヴラドがすかさず追ってくる。
「いや逃げねえよ。演奏終わったらちょっとまずいし、今度はこっちの番な」
迫るヴラドに魔剣を向け言う。
「瞬歩」
俺がそう口にすると、ヴラドの視界から瞬時に外れる。
「……‼どこへ行った!」
突如消えた俺に動揺し、ヴラドの動きが一瞬止まる。
「後ろ」
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