48 / 68
〜戦力強化編〜
47話 魔王カイザさんは、容疑を否認しているという事です。
しおりを挟む
魔王城にプレイヤーが攻め込んできた。それはつまり、第10ステージを突破したという事か?
いやだが、今までの速度から考えて有り得ない。チーターか? それも違うだろうな。ここまでのシステムを作れる運営がチートを見逃しているわけが無い。
でも、だったら何故こんなにも早くプレイヤーが攻め込んでこれる? ……分からないな。
「どぅわ‼ ……ここどこだ? あれ? あいつらは? おーーーい!」
……‼ なるほど、そういうことか。
「お前たちは少しここで待っていてくれ」
身を屈め、配下達がぎりぎり聞き取れるほどの小声で囁く。
「畏まりました」
それに対し配下達は同じく小声で了承の意を唱える。どうやら皆、空気を呼んでくれたようだ。
「あの、すみません!」
一人、身を乗り出し先程の声の主に呼びかける。
「うおっ、な、なに?」
声の主である男は急な呼びかけに驚きを露わにしながらも、返事を返してくる。
「もしかして、あなたもここへ飛ばされたんですか?」
「……‼ あなたもという事はもしかして、あなたも?」
俺の言葉に男は目を見開き、僅かに安堵の息が混ざった声で問い返す。
「はい、実はそうなんです。僕は誰ともパーティーを組んでいなかったのでまだ良かったのですが……」
お前のパーティーの人数を寄越せ。
「ああ、そうなんすね。俺は5人パーティーを組んでいたのですがね。いやはや、かっこ付けてあの変な石を調べようとして触れたら一人でここに来てしまって、お恥ずかしい」
男は頬をポリポリと掻きながら、自嘲するようにいう。
男の話を信用するならば、後4人はここへ来るだろう。
「あ、そうだ。ちなみにどのステージからここへ飛ばされました?」
そう聞くと、男は俺の恰好を上から下まで眺め、若干躊躇う素振りを見せる。
「ああーーっと、ステージ毎にこの石があるんですかね。俺は第3ステージから来ました」
どうやら俺の恰好を見ていたのは、明らかに自分より上質なものを装備していた為のようだ。
まあ、そんなことはどうでもいいのだが、この男がLv30以下という可能性が非常に高まった。
「なるほど。まあ立ち話もなんです。あそこの倒木にでも座ってお仲間さんを待ちましょう」
地面に寝転がるように置かれている倒木を指す。
「そうですね。ゆっくりしながら待っておけばきっと来てくれるでしょう」
俺の案に男は賛成し、俺との間を詰めながら倒木に寄る。
「あ、そういえばまだお名前を聞いていなかったですね」
「あ、そうですね。僕の名前はーーー……」
「……名前は?」
このくらいの間合いなら伸びるかな?
「魔王です」
「へ?」
空をきったティオルでの一閃は、剣筋を拡張し男の首を刎ねる。
<ギブズLv26を撃破しました。107人目のプレイヤーを撃破しました>
「よし、残るプレイヤーは少なくとも4人だ! 俺はここに残って対処する! お前らここから城までの道のりは分かるか?」
身を潜めていた配下達に声を掛けると、笑ってしまいそうになるほど同タイミングで顔を出す。
「はい。ここからの道のりでしたら把握しております」
レイが当たり前のことを答える様に言う。隣にいるレオの表情を見れば、それがどれだけ凄い事なのかが一目瞭然だ。
「ならお前たちは先に城に戻ってセバスの援護をしてくれ」
「畏まりました。……恐れながら申し上げます」
レイが了承したかと思えば、一瞬顔を曇らせる。
「なんだ?」
「お一人だけでも、お供を連れていた方がよろしいかと思われます」
その言葉に他の者達も頷き同意を示す。
どうやら俺を一人でいさせるのは不安らしい。配下に心配される魔王って大丈夫なのか?
「いや、それは大丈夫だろ。ここから転移してくる奴らはLv30以下だ。ネロもいるし、流石に負けはしないよ」
ないとは思うが、城にプレイヤーの中のトップが向かっているかもしれない。なるべく戦力は城に割きたい。
城を占領されたら『死』というわけではないと思うが、完全に無いとは言い切れない。
「……畏まりました。くれぐれも無理はなさらないで下さい」
「ああ、分かってる」
俺の言葉を聞き終えた配下達はネロを除き、一斉に城へ向かう。ちなみにクロはLvがある程度上がるまでお留守番だ。
それにしても、皆俺に無理はしないようにと念を押してくるけど、なんかしたっけな……。
うーーん、急に城で暴れたりとか?まあ、そんなことある訳ないか。そんなことをやらかせば俺の記憶に残っているはずだ。
「クウン」
ネロをモフモフしながらプレイヤーが来るのを待つ。ほんと、このまったりした時間が至福だ。
「どわ! うおっとっと、と。ここはー、森かな? ……は! そうだ、ギブズさんを探さなきゃ」
おっと、可愛らしい女の子の登場だ。
「あのー! こんにちは。ちょっといいですか?」
いやだが、今までの速度から考えて有り得ない。チーターか? それも違うだろうな。ここまでのシステムを作れる運営がチートを見逃しているわけが無い。
でも、だったら何故こんなにも早くプレイヤーが攻め込んでこれる? ……分からないな。
「どぅわ‼ ……ここどこだ? あれ? あいつらは? おーーーい!」
……‼ なるほど、そういうことか。
「お前たちは少しここで待っていてくれ」
身を屈め、配下達がぎりぎり聞き取れるほどの小声で囁く。
「畏まりました」
それに対し配下達は同じく小声で了承の意を唱える。どうやら皆、空気を呼んでくれたようだ。
「あの、すみません!」
一人、身を乗り出し先程の声の主に呼びかける。
「うおっ、な、なに?」
声の主である男は急な呼びかけに驚きを露わにしながらも、返事を返してくる。
「もしかして、あなたもここへ飛ばされたんですか?」
「……‼ あなたもという事はもしかして、あなたも?」
俺の言葉に男は目を見開き、僅かに安堵の息が混ざった声で問い返す。
「はい、実はそうなんです。僕は誰ともパーティーを組んでいなかったのでまだ良かったのですが……」
お前のパーティーの人数を寄越せ。
「ああ、そうなんすね。俺は5人パーティーを組んでいたのですがね。いやはや、かっこ付けてあの変な石を調べようとして触れたら一人でここに来てしまって、お恥ずかしい」
男は頬をポリポリと掻きながら、自嘲するようにいう。
男の話を信用するならば、後4人はここへ来るだろう。
「あ、そうだ。ちなみにどのステージからここへ飛ばされました?」
そう聞くと、男は俺の恰好を上から下まで眺め、若干躊躇う素振りを見せる。
「ああーーっと、ステージ毎にこの石があるんですかね。俺は第3ステージから来ました」
どうやら俺の恰好を見ていたのは、明らかに自分より上質なものを装備していた為のようだ。
まあ、そんなことはどうでもいいのだが、この男がLv30以下という可能性が非常に高まった。
「なるほど。まあ立ち話もなんです。あそこの倒木にでも座ってお仲間さんを待ちましょう」
地面に寝転がるように置かれている倒木を指す。
「そうですね。ゆっくりしながら待っておけばきっと来てくれるでしょう」
俺の案に男は賛成し、俺との間を詰めながら倒木に寄る。
「あ、そういえばまだお名前を聞いていなかったですね」
「あ、そうですね。僕の名前はーーー……」
「……名前は?」
このくらいの間合いなら伸びるかな?
「魔王です」
「へ?」
空をきったティオルでの一閃は、剣筋を拡張し男の首を刎ねる。
<ギブズLv26を撃破しました。107人目のプレイヤーを撃破しました>
「よし、残るプレイヤーは少なくとも4人だ! 俺はここに残って対処する! お前らここから城までの道のりは分かるか?」
身を潜めていた配下達に声を掛けると、笑ってしまいそうになるほど同タイミングで顔を出す。
「はい。ここからの道のりでしたら把握しております」
レイが当たり前のことを答える様に言う。隣にいるレオの表情を見れば、それがどれだけ凄い事なのかが一目瞭然だ。
「ならお前たちは先に城に戻ってセバスの援護をしてくれ」
「畏まりました。……恐れながら申し上げます」
レイが了承したかと思えば、一瞬顔を曇らせる。
「なんだ?」
「お一人だけでも、お供を連れていた方がよろしいかと思われます」
その言葉に他の者達も頷き同意を示す。
どうやら俺を一人でいさせるのは不安らしい。配下に心配される魔王って大丈夫なのか?
「いや、それは大丈夫だろ。ここから転移してくる奴らはLv30以下だ。ネロもいるし、流石に負けはしないよ」
ないとは思うが、城にプレイヤーの中のトップが向かっているかもしれない。なるべく戦力は城に割きたい。
城を占領されたら『死』というわけではないと思うが、完全に無いとは言い切れない。
「……畏まりました。くれぐれも無理はなさらないで下さい」
「ああ、分かってる」
俺の言葉を聞き終えた配下達はネロを除き、一斉に城へ向かう。ちなみにクロはLvがある程度上がるまでお留守番だ。
それにしても、皆俺に無理はしないようにと念を押してくるけど、なんかしたっけな……。
うーーん、急に城で暴れたりとか?まあ、そんなことある訳ないか。そんなことをやらかせば俺の記憶に残っているはずだ。
「クウン」
ネロをモフモフしながらプレイヤーが来るのを待つ。ほんと、このまったりした時間が至福だ。
「どわ! うおっとっと、と。ここはー、森かな? ……は! そうだ、ギブズさんを探さなきゃ」
おっと、可愛らしい女の子の登場だ。
「あのー! こんにちは。ちょっといいですか?」
0
あなたにおすすめの小説
魔物に嫌われる「レベル0」の魔物使い。命懸けで仔犬を助けたら―実は神域クラスしかテイムできない規格外でした
たつき
ファンタジー
魔物使いでありながらスライム一匹従えられないカイルは、3年間尽くしたギルドを「無能」として追放される。 同世代のエリートたちに「魔物避けの道具」として危険な遺跡に連れ出され、最後は森の主(ヌシ)を前に囮として見捨てられた。
死を覚悟したカイルが崩落した壁の先で見つけたのは、今にも息絶えそうな一匹の白い仔犬。 「自分と同じように、理不尽に見捨てられたこの子だけは助けたい」 自分の命を顧みず、カイルが全魔力を込めて「テイム」を試みた瞬間、眠っていた真の才能が目覚める。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
【毎週火木土更新】
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる