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〜戦力強化編〜
53話 私たちに被害が出ないところで逝ってね
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「お帰りなさいませ、カイザ様」
「ああ、ただいまセバス。……プレイヤー、エネミーはどうなった?」
城へ帰還すると、城門前にセバスと先に帰還した4人が輪を作るような形で纏まっていた。いち早く俺の帰還に気付いたセバスは恭しく礼をしてくる。
周囲を見渡すもプレイヤーの影は見当たらない。セバス達が撃破した、又はあの5人と同様突如姿を消したかの2択だろうが、そのどちらかは知っておく必要がある。
「それが……数名のエネミーを撃破した後、残りのエネミーの姿が突然一斉に消えたのです」
セバスが僅かに顔を顰めながら説明する。どうやらセバス達が相手していていたプレイヤーも消されたようだ。
「なるほどな」
これで一番懸念していた可能性が消えた。トッププレイヤーであろう彼らが『転移魔術』を使えるならばともかく、城に一番近い転移石碑から出てくるのは『始まりの草原』のプレイヤーだ。
もしそれほど早い段階で『転移魔術』が獲得できるのなら、今頃俺は全くプレイヤーを撃破出来ず途方に暮れていただろう。
つまり『転移魔術』は存在しない。……現時点では。
「取り敢えず城の防衛お疲れ様。今日は一旦休んでまた明日、レジェンダリーフォレストに出向こう」
結局、あれだけ格好つけて城を出たのに1日足らずで帰ってきたな。まあそれでも十分なレベリングが出来たからいいんだけどさ。
「「「畏まりました」」」
^
翌日、寝坊せずしっかりと朝食を摂った俺は前日同様、レオ、レイ、ビャクラ、ロイザと共にレジェンダリーフォレストに赴いた。
「……ん?レイ、あいつは?」
レッサーオークが蔓延るエリアを抜けると、この壮大な森には似つかないほど乾いた大地に、歪な形をした岩石につぶらな瞳が特徴の魔物が転がっていた。
頭上には『デトネイトロック Lv43』と表記されている。
「デトネイトロック、見ての通り岩石の魔物なのですが……」
まあ、見たまんまだな。
「致死量のダメージを受けてもHP1で一度だけ耐えるのに加え魔術が一切効かず、弓以外での物理ダメージを与えた瞬間自爆します」
「……んん?」
なんだその面倒臭い設定は……。そして何故レイはそこまで詳しく知っているんだ。
まあ、それは置いておいておくとして、自爆するんだったら楽に経験値が稼げていいと思うのだが、何故レイは浮かない顔をしているんだ?
「そして、その自爆なのですが……被爆するとATKで1000のダメージを受けます」
あーー。そういうことね。確かに近距離物理以外ダメージを与える方法がなくて、1000からDEFを引いた分のダメージをくらうのは痛いかも。ていうかもしくらったらほぼ瀕死だわ。
「でしたら、私の出番かしら~?」
どうするものか悩んでいると、ロイザが皆の視線を集める。
「ああ、確かに。ロイザ、お願いできるか?」
恐らくロイザはあれを使うのだろう。もしデトネイトロックに通用するならば自爆することなく撃破することが出来るだろう。
「勿論ですわ~」
ロイザは妖艶な笑みを残し一体のデトネイトロックへと向かう。
枯れた大地をコロコロ、というよりゴロゴロと転がっているデトネイトロックは眼前に立ちはだかったロイザに、そのつぶらな瞳を向ける。
「うふっ、ちゃんと私の目を見ていてね~」
ロイザはつい引き込まれそうな瞳で、デトネイトロックと視線の高さを合わせる様に屈む。
「魅了眼」
ロイザの種族、『淫魔』が所持するパッシブスキル『魅了眼』。いわゆる魔眼の一種。
その効果が発動し、ロイザの茶色の瞳が一瞬桜色に変化する。それと同時に、デトネイトロックの瞳も桜色へと変化する。
「どうやら成功のようですわ~。カイザ様、一撃だけ優しくダメージを与えてくださります?」
「ああ、分かった」
ロイザの下へ向かい、デトネイトロックにみねうち程度の一撃を剣で加える。
「ありがとうございますわ~。では、あちらで自爆して下さる~?」
俺がデトネイトロックに一撃を与えると、ロイザはデトネイトロックに向かい中々えげつないことを言う。
だが、それをデトネイトロックは喜々として受け入れるのだ。魅了眼、恐ろしや。
ロイザのお願い、もとい命令を受け入れたデトネイトロックはロイザに指定された、恐らく俺らが爆発範囲から外れる位置にまで移動する。
――カッ
デトネイトロックは停止した瞬間体に亀裂を作り、眩い光を放つ。
「カイザ様、お耳を塞ぐことをお勧めします」
レイが手で耳を覆いながら言う。爆発音が相当なものなのだろう。……なんかビャクラが耳塞いでるのはシュールだな。
――ドドドドドドドドドッ
耳を塞いだ瞬間、凄まじい轟音が鳴り響きデトネイトロックが自爆する。その威力は、デトネイトロックを中心に半径3メートルほどのクレーターが出来上がる程。
<デトネイトロックLv43を撃破しました。アイテムがドロップしました。『爆発石』を獲得しました>
そしてそれと同時に撃破のアナウンス。どうやら少量でもダメージを与えていると撃破判定になるようだ。
「ロイザ、次も頼めるか?」
「勿論でございますわ~。ですが、今すぐ発動できる回数は残り2回となっております。お許しください」
どうやら魅了眼は回数制らしい。まあ、でなきゃ強すぎるしな。
「ああ、大丈夫だ」
「ああ、ただいまセバス。……プレイヤー、エネミーはどうなった?」
城へ帰還すると、城門前にセバスと先に帰還した4人が輪を作るような形で纏まっていた。いち早く俺の帰還に気付いたセバスは恭しく礼をしてくる。
周囲を見渡すもプレイヤーの影は見当たらない。セバス達が撃破した、又はあの5人と同様突如姿を消したかの2択だろうが、そのどちらかは知っておく必要がある。
「それが……数名のエネミーを撃破した後、残りのエネミーの姿が突然一斉に消えたのです」
セバスが僅かに顔を顰めながら説明する。どうやらセバス達が相手していていたプレイヤーも消されたようだ。
「なるほどな」
これで一番懸念していた可能性が消えた。トッププレイヤーであろう彼らが『転移魔術』を使えるならばともかく、城に一番近い転移石碑から出てくるのは『始まりの草原』のプレイヤーだ。
もしそれほど早い段階で『転移魔術』が獲得できるのなら、今頃俺は全くプレイヤーを撃破出来ず途方に暮れていただろう。
つまり『転移魔術』は存在しない。……現時点では。
「取り敢えず城の防衛お疲れ様。今日は一旦休んでまた明日、レジェンダリーフォレストに出向こう」
結局、あれだけ格好つけて城を出たのに1日足らずで帰ってきたな。まあそれでも十分なレベリングが出来たからいいんだけどさ。
「「「畏まりました」」」
^
翌日、寝坊せずしっかりと朝食を摂った俺は前日同様、レオ、レイ、ビャクラ、ロイザと共にレジェンダリーフォレストに赴いた。
「……ん?レイ、あいつは?」
レッサーオークが蔓延るエリアを抜けると、この壮大な森には似つかないほど乾いた大地に、歪な形をした岩石につぶらな瞳が特徴の魔物が転がっていた。
頭上には『デトネイトロック Lv43』と表記されている。
「デトネイトロック、見ての通り岩石の魔物なのですが……」
まあ、見たまんまだな。
「致死量のダメージを受けてもHP1で一度だけ耐えるのに加え魔術が一切効かず、弓以外での物理ダメージを与えた瞬間自爆します」
「……んん?」
なんだその面倒臭い設定は……。そして何故レイはそこまで詳しく知っているんだ。
まあ、それは置いておいておくとして、自爆するんだったら楽に経験値が稼げていいと思うのだが、何故レイは浮かない顔をしているんだ?
「そして、その自爆なのですが……被爆するとATKで1000のダメージを受けます」
あーー。そういうことね。確かに近距離物理以外ダメージを与える方法がなくて、1000からDEFを引いた分のダメージをくらうのは痛いかも。ていうかもしくらったらほぼ瀕死だわ。
「でしたら、私の出番かしら~?」
どうするものか悩んでいると、ロイザが皆の視線を集める。
「ああ、確かに。ロイザ、お願いできるか?」
恐らくロイザはあれを使うのだろう。もしデトネイトロックに通用するならば自爆することなく撃破することが出来るだろう。
「勿論ですわ~」
ロイザは妖艶な笑みを残し一体のデトネイトロックへと向かう。
枯れた大地をコロコロ、というよりゴロゴロと転がっているデトネイトロックは眼前に立ちはだかったロイザに、そのつぶらな瞳を向ける。
「うふっ、ちゃんと私の目を見ていてね~」
ロイザはつい引き込まれそうな瞳で、デトネイトロックと視線の高さを合わせる様に屈む。
「魅了眼」
ロイザの種族、『淫魔』が所持するパッシブスキル『魅了眼』。いわゆる魔眼の一種。
その効果が発動し、ロイザの茶色の瞳が一瞬桜色に変化する。それと同時に、デトネイトロックの瞳も桜色へと変化する。
「どうやら成功のようですわ~。カイザ様、一撃だけ優しくダメージを与えてくださります?」
「ああ、分かった」
ロイザの下へ向かい、デトネイトロックにみねうち程度の一撃を剣で加える。
「ありがとうございますわ~。では、あちらで自爆して下さる~?」
俺がデトネイトロックに一撃を与えると、ロイザはデトネイトロックに向かい中々えげつないことを言う。
だが、それをデトネイトロックは喜々として受け入れるのだ。魅了眼、恐ろしや。
ロイザのお願い、もとい命令を受け入れたデトネイトロックはロイザに指定された、恐らく俺らが爆発範囲から外れる位置にまで移動する。
――カッ
デトネイトロックは停止した瞬間体に亀裂を作り、眩い光を放つ。
「カイザ様、お耳を塞ぐことをお勧めします」
レイが手で耳を覆いながら言う。爆発音が相当なものなのだろう。……なんかビャクラが耳塞いでるのはシュールだな。
――ドドドドドドドドドッ
耳を塞いだ瞬間、凄まじい轟音が鳴り響きデトネイトロックが自爆する。その威力は、デトネイトロックを中心に半径3メートルほどのクレーターが出来上がる程。
<デトネイトロックLv43を撃破しました。アイテムがドロップしました。『爆発石』を獲得しました>
そしてそれと同時に撃破のアナウンス。どうやら少量でもダメージを与えていると撃破判定になるようだ。
「ロイザ、次も頼めるか?」
「勿論でございますわ~。ですが、今すぐ発動できる回数は残り2回となっております。お許しください」
どうやら魅了眼は回数制らしい。まあ、でなきゃ強すぎるしな。
「ああ、大丈夫だ」
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