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2.202号室 住人 宮間礼子
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慌ただしく店に着くと店長は施術が終わりお客様のお見送り間際、麻美は施術中だった。アシスタントの絵里子がおらず、同じくアシスタントの海と目があった。
「礼子さ~ん、お休みのところスミマセン」
ひょろ長い海は青い顔をしてバックヤードへと入ってくる。
「どうなってんのよ?ユキヒロは大丈夫なの?」
店へ出る準備をしながら状況を確認する。
「ユキヒロさん、お客様をお見送りしてて。いつもはドアの内側までなのに、今日に限って外まで出られたみたいなんです。店内はまだ他のお客様もいらっしゃったし。で、突然ドアが開いて……通りすがりの方がユキヒロさんが店先で倒れてるのを教えてくださって。慌てて外に出たらユキヒロさん倒れてて意識ないし。とりあえず救急車呼んでエリちゃんが一緒に行ってくれてます」
海は立派な成人男性ではあるが、この男、少々頼りない。年下でも絵里子の方がしっかりしてるからナイス人選だ。
「身内の方に連絡は?」
「連絡してるんですけど繋がらなくって。一応留守電に入れてるみたいなんですけど」
とりあえず絵里子の連絡待ちということか。ならば自分にできることをしなければ。
「今日のユキヒロの予定は?」
「あ、はい。森田様と古岡様ですね。小野田様と吉村様は後日ユキヒロさんにとのご希望でしたので今日はキャンセルになりました」
「あ、礼子ちゃん!ごめんね!」
突然、店長が中へ入ってきた。と同時に店内の電話が鳴ったので海が慌てて電話の方へ走って行った。
「いえ、大丈夫ですよ。森田様と古岡様がおみえになるみたいですけど。どうしましょう?」
「古岡様、担当してもらえるかしら?麻美ちゃんも私もちょっと手が空かなくて。森田様は担当経験があるから私が。同じ時間帯に今日新規のお客様入ってるんだけどそちらを担当して貰える?もうすぐおみえになるから」
40オーバーの店長は、とてもみえないけれど2児のママさん。巷では美魔女とささやかれ、それにあやかりたい主婦層に大層人気だったりする。ちなみに4歳年下の旦那さんもここで働いているが、主にスタジオ撮影にかり出される超売れっ子スタイリストだ。
「あのぅ……店長、よろしいですか?」
そろりと海がドアから顔を出す。
「何?どうしたの?」
「エリちゃんから電話がありまして」
ユキヒロのことか!?大丈夫だったのか?と、2人の視線におっかなビックリしながら海は続ける。
「ユキヒロさん、搬送中に意識戻ったみたいで。どうやら出口の段差で躓いて転けたらしです。お客様見送りの際に外にゴミ落ちてるの見つけて。それを拾おうとしてバランス崩したそうです。いつもコンタクトなのに今日は眼鏡だったでしょう?昨日コンタクト流しちゃったらしくて。眼鏡で遠近感が狂ったみたいです。軽い脳震盪だったみたいなんですけど、念のため今日一日病院で様子見るので明日は休みにと。お母様とも連絡がとれたみたいなので来られ次第、エリちゃんもこちらに戻るとのことです」
「「……」」
店長と2人で顔を見合わせる。どこからつっこんだらいいのかわからないが……大事がなくて良かった、本当に良かったんだけど。
「……バリアフリーの時代だからね。あの段差なくした方がいいね、きっとなくせということんなんだわ!ユキヒロが体を張って示してくれたんだからなくすわよ!」
店長は拳を握りしめ力説する。いつも思うけど、この店長の瞬時に何事もプラス思考に変換させる能力はたいしたもんだと思う。転んでもただで起きない人だ。もっとも、今回転んだのはユキヒロだけれどさ。
それにしても。ヤツに一言言ってやりたい。
もうちょっと体幹鍛えろよ!
「礼子さ~ん、お休みのところスミマセン」
ひょろ長い海は青い顔をしてバックヤードへと入ってくる。
「どうなってんのよ?ユキヒロは大丈夫なの?」
店へ出る準備をしながら状況を確認する。
「ユキヒロさん、お客様をお見送りしてて。いつもはドアの内側までなのに、今日に限って外まで出られたみたいなんです。店内はまだ他のお客様もいらっしゃったし。で、突然ドアが開いて……通りすがりの方がユキヒロさんが店先で倒れてるのを教えてくださって。慌てて外に出たらユキヒロさん倒れてて意識ないし。とりあえず救急車呼んでエリちゃんが一緒に行ってくれてます」
海は立派な成人男性ではあるが、この男、少々頼りない。年下でも絵里子の方がしっかりしてるからナイス人選だ。
「身内の方に連絡は?」
「連絡してるんですけど繋がらなくって。一応留守電に入れてるみたいなんですけど」
とりあえず絵里子の連絡待ちということか。ならば自分にできることをしなければ。
「今日のユキヒロの予定は?」
「あ、はい。森田様と古岡様ですね。小野田様と吉村様は後日ユキヒロさんにとのご希望でしたので今日はキャンセルになりました」
「あ、礼子ちゃん!ごめんね!」
突然、店長が中へ入ってきた。と同時に店内の電話が鳴ったので海が慌てて電話の方へ走って行った。
「いえ、大丈夫ですよ。森田様と古岡様がおみえになるみたいですけど。どうしましょう?」
「古岡様、担当してもらえるかしら?麻美ちゃんも私もちょっと手が空かなくて。森田様は担当経験があるから私が。同じ時間帯に今日新規のお客様入ってるんだけどそちらを担当して貰える?もうすぐおみえになるから」
40オーバーの店長は、とてもみえないけれど2児のママさん。巷では美魔女とささやかれ、それにあやかりたい主婦層に大層人気だったりする。ちなみに4歳年下の旦那さんもここで働いているが、主にスタジオ撮影にかり出される超売れっ子スタイリストだ。
「あのぅ……店長、よろしいですか?」
そろりと海がドアから顔を出す。
「何?どうしたの?」
「エリちゃんから電話がありまして」
ユキヒロのことか!?大丈夫だったのか?と、2人の視線におっかなビックリしながら海は続ける。
「ユキヒロさん、搬送中に意識戻ったみたいで。どうやら出口の段差で躓いて転けたらしです。お客様見送りの際に外にゴミ落ちてるの見つけて。それを拾おうとしてバランス崩したそうです。いつもコンタクトなのに今日は眼鏡だったでしょう?昨日コンタクト流しちゃったらしくて。眼鏡で遠近感が狂ったみたいです。軽い脳震盪だったみたいなんですけど、念のため今日一日病院で様子見るので明日は休みにと。お母様とも連絡がとれたみたいなので来られ次第、エリちゃんもこちらに戻るとのことです」
「「……」」
店長と2人で顔を見合わせる。どこからつっこんだらいいのかわからないが……大事がなくて良かった、本当に良かったんだけど。
「……バリアフリーの時代だからね。あの段差なくした方がいいね、きっとなくせということんなんだわ!ユキヒロが体を張って示してくれたんだからなくすわよ!」
店長は拳を握りしめ力説する。いつも思うけど、この店長の瞬時に何事もプラス思考に変換させる能力はたいしたもんだと思う。転んでもただで起きない人だ。もっとも、今回転んだのはユキヒロだけれどさ。
それにしても。ヤツに一言言ってやりたい。
もうちょっと体幹鍛えろよ!
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