6 / 580
序章 気が付いたら異世界転移
006 神様のアドバイス
しおりを挟む
◆◆◆◆◆◆
『まずは収入を得て、生活の基盤を整えよう!
リヴァーブ王国で就職する場合、紹介や仲介によって、勤め先を斡旋される場合が多い。特別な技術でも無い限り、転移者が普通に就職することはかなり難しいと思われる。
何のコネもアテもないはずの、転移したての転移者にオススメなのは、迷宮に潜って魔物を討伐し、それで得られる戦利品を売却して稼ぐ『冒険者』になることだろう。
この世界では、スキルを得るために、殆どの人間がほぼ例外なくダンジョンに入る。
迷宮の1階層は、戦闘経験の無い女性や子供でも入れるくらいに危険度が低く、リンカーズに馴れるまでは、低階層で手堅く稼ぐことが重要だ。
誰でも入れるほど危険性の少ない場所のために、得られる報酬も低い。
しかし全く戦闘経験の無い世界から来たばかりで、スキルや魔法を持たない転移者には、1階層ですら絶対に安全とは言えないので、注意が必要だ。
『冒険者ギルド』に登録し、身分証と迷宮探索許可証を発行してもらえば、原則誰でも迷宮に入って活動することが許される。
身分証はこの世界の何処でも使うことができ、複数のギルドに登録しても、共通の身分証を使用することが出来る。
探索許可証は、各迷宮ごとに管理都市が発行しているもので、発行された街でしか効力が無い。
別の街で発行された探索許可証を持って迷宮に入った場合、刑罰の対象になる場合もある。移住や旅行をする場合、街ごとの探索許可証の発行を忘れてはいけない』
◆◆◆◆◆◆
ふむふむ。冒険者をオススメされるのは問題ない。せっかく異世界に来たんだし、やっぱ男の子なら冒険してみたいよね!
問題があるとすれば、俺の能力面ですよちくしょー!
そんで、迷宮の低階層なら女子供でも入れる難易度と。
でも、日本の女子供のレベルで考えるのは危険かな。『迷宮に入るのが常識の世界の』女子供のレベルってことだし。
身分証があっても、迷宮に入るための許可証が別途必要で、許可なく迷宮に入ることは犯罪。身分証は世界中どこでも使えて、各種ギルドも共通で使用可能。
許可証は各都市ごとに、専用の許可証を発行してもらう必要があるのね。
◆◆◆◆◆◆
『冒険者ギルドでは有料で、戦闘技術や迷宮についての講習を受けることが出来る。
お金に余裕が出来たら、ぜひ利用してみると良いだろう。
迷宮で魔物を討伐すると、魔物ごとに決まった戦利品を得られる。
ドロップアイテムは、冒険者ギルドで例外なく買い取ってもらえるので、迷宮ではなるべく積極的に魔物を討伐したほうが良いだろう。
魔物との戦闘を避けていては、スキルを得ることも出来ないのだ』
◆◆◆◆◆◆
なんかアドバイスの口調が腹立つな。
いや有用な情報なんだけどね。でもなんかね。気持ち的にイラッとね?
◆◆◆◆◆◆
『迷宮に挑むにあたって、最低限用意しておきたいのは『武器』と『ドロップアイテムを入れる入れ物』である。
入れ物がなければ、大量のドロップアイテムを持ち帰ることが出来ないし、武器がなければ戦闘時間も伸び、一日の活動の効率が下がり、危険度も上がる。
冒険者ギルドで身分証と探索許可証の発行を済ませたら、残ったお金でまずは武器。武器を買った後に、道具袋を購入しよう。
優先順位を誤ると、迷宮に入る前から活動に支障をきたす可能性がある。実際に迷宮で収入が得られるまでは、慎重に行動されたし』
◆◆◆◆◆◆
確かに、武器と道具を買ってからギルドの登録が出来ません、ってなったら迷宮に入ることも出来ないし、身を守る武器がなければ危険性が増すのは当たり前だ。
仮に道具袋とやらが買えなくても、武器と許可証さえあれば、最低限の収入は得られるだろう。
◆◆◆◆◆◆
『リンカーズマニュアルは、今後ステータス画面と同調し、この手紙は消滅します。
今後マニュアルを確認したい場合は、ステータス画面から閲覧可能になります』
◆◆◆◆◆◆
は?っと思った時には手紙はもう消えていた。
ステータス画面を確認すると、一番下にマニュアル確認という項目が追加されていた。
日本語のマニュアルを持ち歩くことを考えたら、有り難い仕様なんだけどさぁ。
神様の対応がありがたいんだけど、いちいちモヤっとさせられるのは一体なんなんだ。
……まぁいいや。明日から迷宮で仕事をしなきゃいけないわけだし、今日のところはさっさと寝よう。
おっと、寝る前に名前の変更はしておかないと。変更しなくても良いみたいだけど、もう日本に帰る事は出来ないらしいし。
ということでちょっと悩んだけど、カタカナ表記にしてトーマに。
ファンタジーな名前にしても良いんだけど、顔が日本人のおっさんのままなので似合わない。
親に貰った体と名前は、この世界に持ち込めた数少ない要素なのだ。捨てるよりは背負って生きたい。
表記変えるくらいは許してくださいパパンママン。
では改めて今日はもう寝よう。
明日から俺の異世界生活が、本格的にスタートするのだ。異世界の迷宮とはどんなところか、俺にやっていけるのか。不安は尽きないが。
それにしても、このランプってどうやって消せばいいんだ?
……最悪、点けたまま寝るしかないか?
『まずは収入を得て、生活の基盤を整えよう!
リヴァーブ王国で就職する場合、紹介や仲介によって、勤め先を斡旋される場合が多い。特別な技術でも無い限り、転移者が普通に就職することはかなり難しいと思われる。
何のコネもアテもないはずの、転移したての転移者にオススメなのは、迷宮に潜って魔物を討伐し、それで得られる戦利品を売却して稼ぐ『冒険者』になることだろう。
この世界では、スキルを得るために、殆どの人間がほぼ例外なくダンジョンに入る。
迷宮の1階層は、戦闘経験の無い女性や子供でも入れるくらいに危険度が低く、リンカーズに馴れるまでは、低階層で手堅く稼ぐことが重要だ。
誰でも入れるほど危険性の少ない場所のために、得られる報酬も低い。
しかし全く戦闘経験の無い世界から来たばかりで、スキルや魔法を持たない転移者には、1階層ですら絶対に安全とは言えないので、注意が必要だ。
『冒険者ギルド』に登録し、身分証と迷宮探索許可証を発行してもらえば、原則誰でも迷宮に入って活動することが許される。
身分証はこの世界の何処でも使うことができ、複数のギルドに登録しても、共通の身分証を使用することが出来る。
探索許可証は、各迷宮ごとに管理都市が発行しているもので、発行された街でしか効力が無い。
別の街で発行された探索許可証を持って迷宮に入った場合、刑罰の対象になる場合もある。移住や旅行をする場合、街ごとの探索許可証の発行を忘れてはいけない』
◆◆◆◆◆◆
ふむふむ。冒険者をオススメされるのは問題ない。せっかく異世界に来たんだし、やっぱ男の子なら冒険してみたいよね!
問題があるとすれば、俺の能力面ですよちくしょー!
そんで、迷宮の低階層なら女子供でも入れる難易度と。
でも、日本の女子供のレベルで考えるのは危険かな。『迷宮に入るのが常識の世界の』女子供のレベルってことだし。
身分証があっても、迷宮に入るための許可証が別途必要で、許可なく迷宮に入ることは犯罪。身分証は世界中どこでも使えて、各種ギルドも共通で使用可能。
許可証は各都市ごとに、専用の許可証を発行してもらう必要があるのね。
◆◆◆◆◆◆
『冒険者ギルドでは有料で、戦闘技術や迷宮についての講習を受けることが出来る。
お金に余裕が出来たら、ぜひ利用してみると良いだろう。
迷宮で魔物を討伐すると、魔物ごとに決まった戦利品を得られる。
ドロップアイテムは、冒険者ギルドで例外なく買い取ってもらえるので、迷宮ではなるべく積極的に魔物を討伐したほうが良いだろう。
魔物との戦闘を避けていては、スキルを得ることも出来ないのだ』
◆◆◆◆◆◆
なんかアドバイスの口調が腹立つな。
いや有用な情報なんだけどね。でもなんかね。気持ち的にイラッとね?
◆◆◆◆◆◆
『迷宮に挑むにあたって、最低限用意しておきたいのは『武器』と『ドロップアイテムを入れる入れ物』である。
入れ物がなければ、大量のドロップアイテムを持ち帰ることが出来ないし、武器がなければ戦闘時間も伸び、一日の活動の効率が下がり、危険度も上がる。
冒険者ギルドで身分証と探索許可証の発行を済ませたら、残ったお金でまずは武器。武器を買った後に、道具袋を購入しよう。
優先順位を誤ると、迷宮に入る前から活動に支障をきたす可能性がある。実際に迷宮で収入が得られるまでは、慎重に行動されたし』
◆◆◆◆◆◆
確かに、武器と道具を買ってからギルドの登録が出来ません、ってなったら迷宮に入ることも出来ないし、身を守る武器がなければ危険性が増すのは当たり前だ。
仮に道具袋とやらが買えなくても、武器と許可証さえあれば、最低限の収入は得られるだろう。
◆◆◆◆◆◆
『リンカーズマニュアルは、今後ステータス画面と同調し、この手紙は消滅します。
今後マニュアルを確認したい場合は、ステータス画面から閲覧可能になります』
◆◆◆◆◆◆
は?っと思った時には手紙はもう消えていた。
ステータス画面を確認すると、一番下にマニュアル確認という項目が追加されていた。
日本語のマニュアルを持ち歩くことを考えたら、有り難い仕様なんだけどさぁ。
神様の対応がありがたいんだけど、いちいちモヤっとさせられるのは一体なんなんだ。
……まぁいいや。明日から迷宮で仕事をしなきゃいけないわけだし、今日のところはさっさと寝よう。
おっと、寝る前に名前の変更はしておかないと。変更しなくても良いみたいだけど、もう日本に帰る事は出来ないらしいし。
ということでちょっと悩んだけど、カタカナ表記にしてトーマに。
ファンタジーな名前にしても良いんだけど、顔が日本人のおっさんのままなので似合わない。
親に貰った体と名前は、この世界に持ち込めた数少ない要素なのだ。捨てるよりは背負って生きたい。
表記変えるくらいは許してくださいパパンママン。
では改めて今日はもう寝よう。
明日から俺の異世界生活が、本格的にスタートするのだ。異世界の迷宮とはどんなところか、俺にやっていけるのか。不安は尽きないが。
それにしても、このランプってどうやって消せばいいんだ?
……最悪、点けたまま寝るしかないか?
2
あなたにおすすめの小説
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる