166 / 580
6章 波乱のヴェルトーガ
147 異風の旋律の初依頼⑥ 大穴に潜入
しおりを挟む
「トーマーーー!!」「やりすぎだよ!!」「なにしてんですかーーー!」
リーン、シン、トルネにキレられる。正直すまんかった。
「いやホントごめん!みんな怪我ないか?」
「その前にトーマさん。敵はどうなりました?」
「ああ、確実に殺してきた。スカーさんとテッドさんも、申し訳無い!」
「お前、6等級じゃねぇのかよ……?トーマまで敵に回らなくて、まじで良かったぜ……」
「私は死体の確認をしてまいります」
スカーさんが、未だ土煙の消え切っていないクレーターを進んでいく。そんなに大きい物ではないけど、見た目はクレーター。
地面の強度は分からないけど、ガス爆発でも起きたみたいになってる。
深さは1メートル弱、範囲は2~3メートルくらい?スキルと魔法効果が乗ってるとはいえ、これを個人で出来る異世界、半端ねぇ。そして、爆心地にいても耐え切った防具と魔装術も、マジやっべぇ。
「うん。私、トーマとは絶対に敵対しないわ……」
ハルさんもご無事で何よりで御座います。ふわわ様、つらら様もご無事ですね。
「確認してまいりました。間違いなく死亡しております。
これで6名を排除したわけですが、まだ居ると思いますか?」
「半々かな。能力が分からないまま死んだやつが2人居るし。
俺なら回復役は矢面に出さないけど、こいつら油断し切ってたからわかんないな。
打ち止めかもしれないけど、アジトにはまだ能力者がいる想定でいこう。どっちにしても、アジトに入って被害者を探さないといけないしな」
「ああ、俺はここで待ってるわ。多分今の轟音を聞いて、警備隊のやつが来そうだからな。説明が必要だろ。
同行はスカーさんだけで充分だ。戦力的にもな」
「そうですね。テッドさん、宜しくお願いします。
後続の者が来たら、中に人を送ってください。被害者が居た場合、人手が必要になります。同じ理由で、馬車の手配と、魔法治療院にも手配をお願いします。
あと、当家の者が来た場合は、能力者6名の排除に成功、調査は継続中とお伝えください」
「了解した。無事戻ってきてくれよ?」
テッドさんとスカーさんの打ち合わせが済み、異風の旋律とスカーさんで、アジトと思われる穴の調査に向かう。
水面からは5メートルくらいの位置だけど、地面は更に高いので、柵にロープを結びつけて1人ずつ降りる。
ロープは、捕獲の可能性もあったので用意してあった。
冒険者としても訓練してるし、身体能力強化のおかげで、ロープの上り下りは難なくこなせた。
流石にハルには厳しそうだったので、身長と性別を考慮した結果、トルネが抱いて降りてきた。
「改めて見ると、凄まじいですね。こんな穴、どうやって掘ったのか……」
直径2~3メートルくらいの、綺麗な円形の穴が奥に続いている。まず間違いなく、攻撃系能力を使ったんだろう。
しっかし暗視があるから問題ないけど、よくもまぁこんな光も指さない空間に、長時間居れるもんだ。犯罪者ってことで、後ろ暗い気持ちはあったんだろうなぁ。
「む、この先に人の気配がしますね。複数人のようです。人質の可能性もありますが、油断せず行きましょう」
すげぇな。まだセンサーには、なんの反応もないっていうのに。
「非戦闘員の可能性もある、か。少々危険ではあるけど、声かけていいかな?」
「トーマさんに任せます。お気をつけ下さい」
拠点防衛に、1人くらい戦闘要員を残している可能性は低くない。
ダガーを手に取りつつ、未だ人影の見えない前方に声をかける。
「こちらはヴェルトーガの警備隊だ!そこにいるヤツ、敵対の意志がないなら、大人しく出てきてくれ!
すぐに出てこない場合は、敵対の意志ありとみなし、排除させてもらう!」
「待って!待って待って待って!敵対しない!敵対しないから!今行くから、絶対に危害加えないで!」
女の声だ。被害者の方だったかな?
と思ったら、現れたのは、普通の身なりをした若い女だった。ただし、黒髪の。
「私は戦えないから、逆らいません。でも、他の人たちは違う。彼らが戻ってきたら、貴方たちは殺されてしまう。信じられないかもしれないけど、今すぐここから逃げたほうがいいわ」
ふむ?転移者っぽいけど、こっちに協力的みたいだな。これなら無駄な戦闘はしなくて済みそうか。
「アンタ転移者だよな?俺もこっちに来た人間だ。出来ればあんたらの人数と、アンタの能力を教えて貰いたい」
「……貴方も日本人なのね。こっちの人数は7名よ。能力は私のだけでいいなら教えるわ。私は回復役よ」
「ご協力ありがとう。ここには行方不明事件の調査に来た。
ここに居ると睨んでるんだが、全員無事か?」
女は下唇を噛んで、なんだか悔しそうな顔を見せた。
「命だけは、無事よ……。でも、他の奴らに弄ばれたから、とても無事とは、言えないわ……。
……ねぇ! あいつ等が帰ってくる前に、あの人たちを連れて逃げて!あいつら何故か今、全員で出かけてるの!今なら助けられるわ!」
「勿論被害者は保護するよ。で、アンタはどうするんだ?勝手に被害者を解放したら、やばいんじゃ?素直に協力してくれるなら、アンタも保護してやれると思うけど?」
「………………駄目よ、それは出来ない。
今の人たちが居なくなれば、あいつらは他の人を連れ込むでしょうね。その時に私が居ないと、連れてこられた人たちは、きっと命を落としてしまう……」
自分の心配より他人の心配ね。まぁ、平和な日本から来た倫理観をそのまま持ってるって感じか。
これがもし演技だったら、人間不信になりそうだわ。
「スカーさん。彼女に戦う意志はないようですし、保護しても?」
「……そうですね。ただし、ここから出たら、直ぐに識別をさせましょう。それで実際に回復スキルを確認できれば、彼女の言っていることに嘘が無い証明になりますし」
「いや、だから!私は行けないって!あいつらが帰ってくる前にここを離れないと、貴方達だって殺されてしまうのよ!?」
「ああ、その点は心配無い。男6人ならもう死んでるからな。
えっとなんだっけ。……確か、クガ、ハヤミ、キリタニ、ワタリ、ウチダ、オギ、だったか?」
「え?……え?…………あいつらが、もう、死んで、る?うそ……でしょ?だってあいつら、チート持ちでしょ……?もう死んでる……?死んでるって……?」
なんか混乱してるけど、とりあえず戦闘終了で良さそうだな。
被害者も一応全員生きてるみたいだし、最悪の中ではマシな成果は出せたかな?
まずは被害者を保護するとしようか。
リーン、シン、トルネにキレられる。正直すまんかった。
「いやホントごめん!みんな怪我ないか?」
「その前にトーマさん。敵はどうなりました?」
「ああ、確実に殺してきた。スカーさんとテッドさんも、申し訳無い!」
「お前、6等級じゃねぇのかよ……?トーマまで敵に回らなくて、まじで良かったぜ……」
「私は死体の確認をしてまいります」
スカーさんが、未だ土煙の消え切っていないクレーターを進んでいく。そんなに大きい物ではないけど、見た目はクレーター。
地面の強度は分からないけど、ガス爆発でも起きたみたいになってる。
深さは1メートル弱、範囲は2~3メートルくらい?スキルと魔法効果が乗ってるとはいえ、これを個人で出来る異世界、半端ねぇ。そして、爆心地にいても耐え切った防具と魔装術も、マジやっべぇ。
「うん。私、トーマとは絶対に敵対しないわ……」
ハルさんもご無事で何よりで御座います。ふわわ様、つらら様もご無事ですね。
「確認してまいりました。間違いなく死亡しております。
これで6名を排除したわけですが、まだ居ると思いますか?」
「半々かな。能力が分からないまま死んだやつが2人居るし。
俺なら回復役は矢面に出さないけど、こいつら油断し切ってたからわかんないな。
打ち止めかもしれないけど、アジトにはまだ能力者がいる想定でいこう。どっちにしても、アジトに入って被害者を探さないといけないしな」
「ああ、俺はここで待ってるわ。多分今の轟音を聞いて、警備隊のやつが来そうだからな。説明が必要だろ。
同行はスカーさんだけで充分だ。戦力的にもな」
「そうですね。テッドさん、宜しくお願いします。
後続の者が来たら、中に人を送ってください。被害者が居た場合、人手が必要になります。同じ理由で、馬車の手配と、魔法治療院にも手配をお願いします。
あと、当家の者が来た場合は、能力者6名の排除に成功、調査は継続中とお伝えください」
「了解した。無事戻ってきてくれよ?」
テッドさんとスカーさんの打ち合わせが済み、異風の旋律とスカーさんで、アジトと思われる穴の調査に向かう。
水面からは5メートルくらいの位置だけど、地面は更に高いので、柵にロープを結びつけて1人ずつ降りる。
ロープは、捕獲の可能性もあったので用意してあった。
冒険者としても訓練してるし、身体能力強化のおかげで、ロープの上り下りは難なくこなせた。
流石にハルには厳しそうだったので、身長と性別を考慮した結果、トルネが抱いて降りてきた。
「改めて見ると、凄まじいですね。こんな穴、どうやって掘ったのか……」
直径2~3メートルくらいの、綺麗な円形の穴が奥に続いている。まず間違いなく、攻撃系能力を使ったんだろう。
しっかし暗視があるから問題ないけど、よくもまぁこんな光も指さない空間に、長時間居れるもんだ。犯罪者ってことで、後ろ暗い気持ちはあったんだろうなぁ。
「む、この先に人の気配がしますね。複数人のようです。人質の可能性もありますが、油断せず行きましょう」
すげぇな。まだセンサーには、なんの反応もないっていうのに。
「非戦闘員の可能性もある、か。少々危険ではあるけど、声かけていいかな?」
「トーマさんに任せます。お気をつけ下さい」
拠点防衛に、1人くらい戦闘要員を残している可能性は低くない。
ダガーを手に取りつつ、未だ人影の見えない前方に声をかける。
「こちらはヴェルトーガの警備隊だ!そこにいるヤツ、敵対の意志がないなら、大人しく出てきてくれ!
すぐに出てこない場合は、敵対の意志ありとみなし、排除させてもらう!」
「待って!待って待って待って!敵対しない!敵対しないから!今行くから、絶対に危害加えないで!」
女の声だ。被害者の方だったかな?
と思ったら、現れたのは、普通の身なりをした若い女だった。ただし、黒髪の。
「私は戦えないから、逆らいません。でも、他の人たちは違う。彼らが戻ってきたら、貴方たちは殺されてしまう。信じられないかもしれないけど、今すぐここから逃げたほうがいいわ」
ふむ?転移者っぽいけど、こっちに協力的みたいだな。これなら無駄な戦闘はしなくて済みそうか。
「アンタ転移者だよな?俺もこっちに来た人間だ。出来ればあんたらの人数と、アンタの能力を教えて貰いたい」
「……貴方も日本人なのね。こっちの人数は7名よ。能力は私のだけでいいなら教えるわ。私は回復役よ」
「ご協力ありがとう。ここには行方不明事件の調査に来た。
ここに居ると睨んでるんだが、全員無事か?」
女は下唇を噛んで、なんだか悔しそうな顔を見せた。
「命だけは、無事よ……。でも、他の奴らに弄ばれたから、とても無事とは、言えないわ……。
……ねぇ! あいつ等が帰ってくる前に、あの人たちを連れて逃げて!あいつら何故か今、全員で出かけてるの!今なら助けられるわ!」
「勿論被害者は保護するよ。で、アンタはどうするんだ?勝手に被害者を解放したら、やばいんじゃ?素直に協力してくれるなら、アンタも保護してやれると思うけど?」
「………………駄目よ、それは出来ない。
今の人たちが居なくなれば、あいつらは他の人を連れ込むでしょうね。その時に私が居ないと、連れてこられた人たちは、きっと命を落としてしまう……」
自分の心配より他人の心配ね。まぁ、平和な日本から来た倫理観をそのまま持ってるって感じか。
これがもし演技だったら、人間不信になりそうだわ。
「スカーさん。彼女に戦う意志はないようですし、保護しても?」
「……そうですね。ただし、ここから出たら、直ぐに識別をさせましょう。それで実際に回復スキルを確認できれば、彼女の言っていることに嘘が無い証明になりますし」
「いや、だから!私は行けないって!あいつらが帰ってくる前にここを離れないと、貴方達だって殺されてしまうのよ!?」
「ああ、その点は心配無い。男6人ならもう死んでるからな。
えっとなんだっけ。……確か、クガ、ハヤミ、キリタニ、ワタリ、ウチダ、オギ、だったか?」
「え?……え?…………あいつらが、もう、死んで、る?うそ……でしょ?だってあいつら、チート持ちでしょ……?もう死んでる……?死んでるって……?」
なんか混乱してるけど、とりあえず戦闘終了で良さそうだな。
被害者も一応全員生きてるみたいだし、最悪の中ではマシな成果は出せたかな?
まずは被害者を保護するとしようか。
1
あなたにおすすめの小説
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
異世界でただ美しく! 男女比1対5の世界で美形になる事を望んだ俺は戦力外で追い出されましたので自由に生きます!
石のやっさん
ファンタジー
主人公、理人は異世界召喚で異世界ルミナスにクラスごと召喚された。
クラスの人間が、優秀なジョブやスキルを持つなか、理人は『侍』という他に比べてかなり落ちるジョブだった為、魔族討伐メンバーから外され…追い出される事に!
だが、これは仕方が無い事だった…彼は戦う事よりも「美しくなる事」を望んでしまったからだ。
だが、ルミナスは男女比1対5の世界なので…まぁ色々起きます。
※私の書く男女比物が読みたい…そのリクエストに応えてみましたが、中編で終わる可能性は高いです。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
悪役貴族に転生したから破滅しないように努力するけど上手くいかない!~努力が足りない?なら足りるまで努力する~
蜂谷
ファンタジー
社畜の俺は気が付いたら知らない男の子になっていた。
情報をまとめるとどうやら子供の頃に見たアニメ、ロイヤルヒーローの序盤で出てきた悪役、レオス・ヴィダールの幼少期に転生してしまったようだ。
アニメ自体は子供の頃だったのでよく覚えていないが、なぜかこいつのことはよく覚えている。
物語の序盤で悪魔を召喚させ、学園をめちゃくちゃにする。
それを主人公たちが倒し、レオスは学園を追放される。
その後領地で幽閉に近い謹慎を受けていたのだが、悪魔教に目を付けられ攫われる。
そしてその体を魔改造されて終盤のボスとして主人公に立ちふさがる。
それもヒロインの聖魔法によって倒され、彼の人生の幕は閉じる。
これが、悪役転生ってことか。
特に描写はなかったけど、こいつも怠惰で堕落した生活を送っていたに違いない。
あの肥満体だ、運動もろくにしていないだろう。
これは努力すれば眠れる才能が開花し、死亡フラグを回避できるのでは?
そう考えた俺は執事のカモールに頼み込み訓練を開始する。
偏った考えで領地を無駄に統治してる親を説得し、健全で善人な人生を歩もう。
一つ一つ努力していけば、きっと開かれる未来は輝いているに違いない。
そう思っていたんだけど、俺、弱くない?
希少属性である闇魔法に目覚めたのはよかったけど、攻撃力に乏しい。
剣術もそこそこ程度、全然達人のようにうまくならない。
おまけに俺はなにもしてないのに悪魔が召喚がされている!?
俺の前途多難な転生人生が始まったのだった。
※カクヨム、なろうでも掲載しています。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?
木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。
追放される理由はよく分からなかった。
彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。
結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。
しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。
たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。
ケイトは彼らを失いたくなかった。
勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。
しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。
「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」
これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる