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678 祭壇
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エルフェリア精霊国に新たなアウターを発生させる実験に赴いた俺達は、ライオネルさんの言葉で新たな問題に直面してしまう。
なので家族全員で知恵を出し合って、見事アウターの人為発生実験を成功させようという流れになった。
「まずは状況を整理しようか。アウターの発生自体は恐らく既に可能だ。招きの窓と等価の天秤を用いれば問題なく遂行できるはずだからね」
「だからこそ、そのマジックアイテムに容易に接触出来ないようにしなきゃいけないってことだねー。悪意ある人間は勿論のこと、場合によっては野生動物すらマジックアイテムを奪っていく可能性がある事は、聖域の樹海でヴェノムクイーンが証明しちゃってるの」
俺とニーナによる状況再確認に、マジックアイテムに興味がある層と無い層で家族が綺麗に分かれてしまったようだ。
やる気に満ちたお姉さん組と究明の道標メンバーに比べて、フラッタやラトリアなんかは少し退屈そうにしている。
「話にあまり興味が持てない人には俺の相手を担当して貰うよー? 俺が1番集中力を発揮できるのは、皆にえっちなことをしている時だからねっ」
興味を持てないことを強要されるのは辛いからな。興味が無いほうのグループのケアは俺がしっかりと担当させていただくとしよう。
というか、こういう時にニーナがやる気グループにいるのが珍しく感じるね?
俺の提案を受けて、嬉しそうに駆け寄ってきたフラッタを皮切りに、ラトリアとエマ、ターニアとシャロが喜んでくっついてきてくれる。
アウラはチャールとシーズと一緒に話に参加する予つもりみたいだ。
「ここは誰も居ない場所だけど、見晴らしが良すぎてちょっと危険だから、服を脱ぐのは自重しようね」
「え~? ご主人様、シャロのおっぱいちゅぱちゅぱしてくださらないんですかぁ?」
「俺はアウター発生の話に参加しなきゃいけないからさ。今日は刺激少なめでお相手しちゃうよーっ」
放置しておくとどんどんエロに走るシャロと、1番始めに駆け寄ってきてくれたフラッタを抱きしめて、2人のほっぺにちゅっちゅっとキスをする。
って、竜人族の3人が全員こっちに来ちゃったのもびっくりだけど、ニーナにヴァルゴ、そしてエロブタムーリがやる気を出しているのにも結構驚くんだよ?
「私は別に特別な理由は無いかなー? こういうのはいっつもダンやティムルに任せていたから、たまには参加したいなって思っただけなの」
気分屋のニーナらしい、割と適当な理由だったな。
気分屋と言うか、興味の対象がトコトン限られているニーナが、あまり興味が持てなかった分野に目を向けるようになったって感じかな?
「聖域の樹海の件もありますから、私にとってはこの実験はとても興味深いんです。今回の実験の結果如何では聖域の復興も早まるかもしれませんしね」
ヴァルゴにとっては聖域の樹海のこともあるから他人事に思えないわけね。
確かに人工アウター発生実験の結果は、そのまま聖域の樹海の問題を解決する為に役立てられるかもしれないもんなぁ。
「私はダンさんに与えてもらってばかりですからね。たまには私も皆さんのお役に立てるよう頑張ろうかなって。教会の旧本部施設の調査も控えていますし、協力を惜しむわけにはいきませんよっ」
なるほど。教会に協力しているから、教会側の人間として恩返しをしたいと。
これまた真面目なムーリらしい理由だと言えるね。エロブタムーリちゃんと同一人物だとは思えないよ。
えっちなシャロと可愛いフラッタが飽きない様に2人の生おっぱいを揉みながら、興味無い組のみんなにキスを繰り返しながら話し合いに参加する。
「固定観念を持つのは危険かもしれないけれど、検証の意味も兼ねてリジェクトヴェールの可能性を探っていこうか。もしもアウターの最深部にリジェクトヴェールを設置した場合、何が有効で何が駄目だと思う?」
「有効なのはリジェクトヴェールの防衛機能。だけどそのままじゃ防衛能力が低すぎて不安が残るって感じかな。リジェとヴェールの防犯能力は、あくまで泥棒や侵入を防ぐ為のものだからね」
「ふぅん、単純に性能が足りていない感じね……? エネルギーキューブを追加すれば防衛機能の性能は飛躍的に伸ばせると思うけど……」
リーチェが議長のように立ち回り、まずはリジェクトヴェールの検証を始めるようだ。
キュールがリジェクトヴェールの性能を確認し、ティムルが足りない性能を伸ばすアイディアを提案する。なかなか順調な流れだ。
しかしここで、それじゃダメだとチャールが発言を求めた。
「みんな、設置場所がアウターの中だってことを忘れてない? リジェクトヴェールはマジックアイテムなんだから、なんの対策も無しに設置したらアウターに取り込まれて失われちゃうよ?」
「あ~そっかぁ……! って、ならなんで整合の魔器はアウターに吸収されなかったのかしらぁ?」
「ティムルさん。整合の魔器は私の触心の魔力も全部吸収してしまったじゃないか。つまりあの魔力吸収効果で、アウターからの魔力干渉を防いでいたんじゃないかと思うんだ」
「つまりアレだ。魔力吸収効果に拘る必要はねーけど、何らかの方法でマジックアイテムを保護してやる必要があるってこった。外的要因からも、アウターからの魔力干渉からもな」
チャールからの問題提起を分かりやすくシーズがまとめる。
チャールもシーズも、ティムルたちに1歩も引けを取ることなく議論に参加できてて凄いなぁ。
「リジェクトヴェールの本来の機能は、外部からの干渉を感知して魔力の衝撃波を生み出すわけだよね? アウターからの魔力干渉に反応するようにすれば、常時防犯機能を発動しっぱなしに出来るんじゃ?」
「あ~リーチェさん……。リジェクトヴェールの衝撃波だと、やっぱり防御能力に不安が残る気がしてきたよ。痛みにさえ耐えられれば無理矢理突破できそうな気がするね」
「ん~……。リジェクトヴェールで生み出される衝撃波では防衛機能として頼りにならないなら、多少性能を上げたところであまり意味は無いんじゃないかな? やせ我慢でごり押しされたら堪らないよ」
リジェクトヴェールでいけそうな流れだったのに、一転して不採用の流れになってきたな。
リジェクトヴェールを応用するってアイディア自体は悪くないと思ったんだけど、流石にアウターという特殊環境に設置するとなると色々条件が変わってくるようだ。
「いっそ開き直って、設置したマジックアイテムの管理をエルフさんに委託してしまうのは如何でしょう?」
お? ここでまさかのムーリ参戦か?
フラッタとシャロの乳首を優しくコネコネしていると、話が膠着したのを感じ取ったムーリがこんなのはどうでしょうと提案してくる。
「聖域の樹海でも魔人族の皆さんが森の管理をされていたと聞きます。エルフさんたちは長命で、マジックアイテムの管理に向いているのでは?」
「……いいえムーリ。身内の恥を晒すようで心苦しいですが、聖域の樹海のマジックアイテムはヴェノムクイーンに持ち去られていましたからね。あれで管理出来ていたと言うのは無理がありますよ」
聖域の樹海を例に出して、魔人族が聖域を管理していたように、エルフにアウターの保守を任せればいいと提案したムーリを否定したのは、他ならぬヴァルゴだった。
ヴェノムクイーンによって聖域が蝕まれていたこと、更にはそれに全く気付けなかったことを、ヴァルゴは今でも重く受け止めているようだ。
「ん~……。逆に考えてみるのはどうかなー?」
「ニーナちゃん、逆って?」
「えっと、聖域の樹海も宿り木の根も、恐らくマジックアイテムを用いて生成されたアウターなんだよね? だからこっちの2つがどうやって成り立っていたかを考えるのもいいんじゃないかなーって思うの」
「ゼロからアウターを発生させようと考えるんじゃなくて、既にあるアウターの構造を検証しなおすってことね……」
ニーナからの提案に、なるほどと思案に沈むティムル。
俺達が今まで経験したことを参考に、今まで踏破してきたアウターがどうやって成立していたのかを考えるのは有意義そうだ。
え~っと、その観点から言えば違和感があるのは……。
「聖域の樹海のレリックアイテムってどう設置されてたんだろうな?」
「え? どういうことですか旦那様?」
「いや、さっきキュールが言った通り、魔力の吸収効果でアウターからの魔力干渉を防いでいた可能性は否定出来ないんだけどさぁ……」
聖域の樹海が自然に発生したアウターだった場合は、アウターの発生原因が無造作に転がっていてもおかしくないかもしれない。
けれどレリックアイテムを用いて発生したアウターである以上、そこには人為的要素が必ず絡んでいるはず。
誰かが意図して作ったアウターの核となるマジックアイテムを、その辺の地面に適当に転がしておくのは流石に違和感を覚えるよ。
「俺達が聖域のレリックアイテムを発見した時、整合の魔器は3つに分かれていたんだ。その状態だと個々のレリックアイテムは普通にアウターに取り込まれてしまうでしょ? そんなリスクを残してでも、その辺に無造作にレリックアイテムを設置するとは思えないんだよ」
考えられる可能性としては、レリックアイテムはアウターに取り込まれたりしない、とかか?
でも、今のところレリックアイテムに性能以上の特別性を感じない。神器のように特定の使用者を選んで拒絶反応を示したようなことは1度も無いからな。
レリックアイテムとマジックアイテムは基本的に同質のものだと考える方が自然だ。
「何らかの対策は施していて、それはアウターからの魔力干渉だけを防ぎつつ、だけど野生動物には無防備だったってことぉ……? えぇ、そんなことありえるの~?」
「……いやチャール。野生動物に無防備って事は人間にも無防備だったんじゃねーか? つまり何らかの魔力的な保護は施されていて、だけど肉体的な直接干渉には無防備だった……?」
「――――あっ!? あーーーっ! そうか……そういうことかぁっ!!」
俺の疑問に、キュールがはっとした様子で叫び声をあげる。どうやら何かに気付いたようだ。
そして何に気付いたのかを問いかける間もなく、キュールは興奮した様子で捲し立ててくる。
「恐らく祭壇だよ祭壇っ……! 人工物に祀ってあったんだよ!! アウターからの魔力干渉を避ける為に、まずは設置する場所を作って、その上、または内部に整合の魔器を設置したんじゃないかなっ!?」
「……そう、か! だからヴェノムクイーンは自分の体内に整合の魔器を取りこんでいたんだね!? インベントリが使えない野生動物がアウターからの魔力干渉から逃れるためには、己の体内が1番都合が良かったってことかぁ……!」
キュールの言葉を聞いたリーチェも、直ぐに自身の体験を通してその節を補完する。
どうやら全体的に筋が通るようだし、聖域の樹海の最奥には人の手で作られた祭壇があったことはほぼ確定だろう。
その痕跡が発見出来ないのは、ヴェノムクイーンに破壊されてしまった為、か。
「あ~……。そう言えば開拓村跡地で呼び水の鏡を使われていた時も、ノーリッテは石の台座をわざわざ用意してたっけ。あれもアウター化した空間から神器を守るための措置だったのかー……」
「なるほど。つまり祭壇は簡易的なもので構わないということですね。しかし簡易的な祭壇では、野生動物や人間からの干渉には無防備であると」
「……ブルーメタル建材!? あれで祭壇を作れば、強度的にも簡単に突破出来ないんじゃ……!」
「それで言うなら聖銀……ミスリル製の祭壇もいいかもじゃないかしらぁ? ミスリル製なら魔物も寄って来ないはずだし。あ、でも強度的にはブルーメタルの方がいいかもぉ?」
停滞していた話し合いが一気に加速する。
設置するマジックアイテムの安全が確保できれば、異界の扉を開くこと自体は恐らく問題なく成功してくれるだろうからな。
「じゃあ今回は実験も兼ねているし、簡易的な祭壇を作ってアウターを開こうか。それと同時に、加工したブルーメタルやミスリルの建材がアウターに飲み込まれるかも検証しよう」
「そうだね。今回は検証だし、アウターの発生自体に問題が無さそうなら早速行なうべきだ。それと並行して様々な検証を行なうわけだねっ。くぅぅ~~っ! 興奮してきたぁっ!」
「この状況なら、さっきムーリが提案してくれたようにエルフにも協力を求めるべきだね。協力と言うよりも周知かな? 実験中のこの場所に人を近づけないようライオネルさんにお願いしておくね」
「それじゃリーチェはライオネルさんに連絡してくれる? 俺はクラマイルに行って検証用のブルーメタルと聖銀を貰ってくるよ」
まずは加工した素材がアウターに飲み込まれるかどうかを確認しなきゃいけない。
もしもブルーメタルやミスリルが飲み込まれてしまう場合は……。スレッドドレッドの糸なんかを応用すればいいのかなぁ?
「ティムルは適当な台座を用意して。あとで撤去する予定でも、ある程度の強度があるものをお願い。究明の道標の3人はここで待って、実験に備えて欲しい。ニーナとヴァルゴは3人の護衛に残って、フラッタとシャロはこのまま俺のおっぱい係ね」
「あーっ! ズルいですっ! 私もダンさんのおっぱい係したいですーっ!」
「じゃあムーリは背中から抱き付いておっぱいいっぱい押し付けてきてねー」
「はーい、わっかりましたーっ!」
背中から俺に抱きついてきたムーリは、そのまま背後から俺の服の中に手を入れて俺の体中を弄り始める。
俺の両手はフラッタとシャロの乳首に捕まってしまっているので、俺は無抵抗のままムーリの指の感触に身を委ねるしかなかった。気持ちいい。
「恐らく問題なくアウターを開くことが出来ると思うけれど、不測の事態に備えて万全の体制で臨むよ。最悪の想定で周囲が吹き飛んだり、マグナトネリコ級の魔物が出る可能性もゼロじゃない。気を引き締めて行こう」
「おっぱい弄りながら真面目な顔しないのっ! さっさと行ってきなさーい!」
呆れたニーナに追い立てられるようにクラマイルに転移する。
話し合った結果、どうやらアウターの人工発生実験そのものは成功する見込みが高そうだ。
次の段階は、俺達が居なくても半永久的にアウターを維持する方法の発見で、その為にはアウターそのものの研究も必要になってくるだろう。
キュールたち究明の道標の参加は凄く心強いし、国内のアウター全てを回った俺達の経験はここで活かさなきゃ始まらないよな。
でも、このタイミングでガルクーザの血溜りから発生したという始まりの黒を制覇する事になるのは、なんだか妙な巡り会わせを感じなくもないなぁ。
ま、いつも通りただの偶然なんだろうけど、ね。
なので家族全員で知恵を出し合って、見事アウターの人為発生実験を成功させようという流れになった。
「まずは状況を整理しようか。アウターの発生自体は恐らく既に可能だ。招きの窓と等価の天秤を用いれば問題なく遂行できるはずだからね」
「だからこそ、そのマジックアイテムに容易に接触出来ないようにしなきゃいけないってことだねー。悪意ある人間は勿論のこと、場合によっては野生動物すらマジックアイテムを奪っていく可能性がある事は、聖域の樹海でヴェノムクイーンが証明しちゃってるの」
俺とニーナによる状況再確認に、マジックアイテムに興味がある層と無い層で家族が綺麗に分かれてしまったようだ。
やる気に満ちたお姉さん組と究明の道標メンバーに比べて、フラッタやラトリアなんかは少し退屈そうにしている。
「話にあまり興味が持てない人には俺の相手を担当して貰うよー? 俺が1番集中力を発揮できるのは、皆にえっちなことをしている時だからねっ」
興味を持てないことを強要されるのは辛いからな。興味が無いほうのグループのケアは俺がしっかりと担当させていただくとしよう。
というか、こういう時にニーナがやる気グループにいるのが珍しく感じるね?
俺の提案を受けて、嬉しそうに駆け寄ってきたフラッタを皮切りに、ラトリアとエマ、ターニアとシャロが喜んでくっついてきてくれる。
アウラはチャールとシーズと一緒に話に参加する予つもりみたいだ。
「ここは誰も居ない場所だけど、見晴らしが良すぎてちょっと危険だから、服を脱ぐのは自重しようね」
「え~? ご主人様、シャロのおっぱいちゅぱちゅぱしてくださらないんですかぁ?」
「俺はアウター発生の話に参加しなきゃいけないからさ。今日は刺激少なめでお相手しちゃうよーっ」
放置しておくとどんどんエロに走るシャロと、1番始めに駆け寄ってきてくれたフラッタを抱きしめて、2人のほっぺにちゅっちゅっとキスをする。
って、竜人族の3人が全員こっちに来ちゃったのもびっくりだけど、ニーナにヴァルゴ、そしてエロブタムーリがやる気を出しているのにも結構驚くんだよ?
「私は別に特別な理由は無いかなー? こういうのはいっつもダンやティムルに任せていたから、たまには参加したいなって思っただけなの」
気分屋のニーナらしい、割と適当な理由だったな。
気分屋と言うか、興味の対象がトコトン限られているニーナが、あまり興味が持てなかった分野に目を向けるようになったって感じかな?
「聖域の樹海の件もありますから、私にとってはこの実験はとても興味深いんです。今回の実験の結果如何では聖域の復興も早まるかもしれませんしね」
ヴァルゴにとっては聖域の樹海のこともあるから他人事に思えないわけね。
確かに人工アウター発生実験の結果は、そのまま聖域の樹海の問題を解決する為に役立てられるかもしれないもんなぁ。
「私はダンさんに与えてもらってばかりですからね。たまには私も皆さんのお役に立てるよう頑張ろうかなって。教会の旧本部施設の調査も控えていますし、協力を惜しむわけにはいきませんよっ」
なるほど。教会に協力しているから、教会側の人間として恩返しをしたいと。
これまた真面目なムーリらしい理由だと言えるね。エロブタムーリちゃんと同一人物だとは思えないよ。
えっちなシャロと可愛いフラッタが飽きない様に2人の生おっぱいを揉みながら、興味無い組のみんなにキスを繰り返しながら話し合いに参加する。
「固定観念を持つのは危険かもしれないけれど、検証の意味も兼ねてリジェクトヴェールの可能性を探っていこうか。もしもアウターの最深部にリジェクトヴェールを設置した場合、何が有効で何が駄目だと思う?」
「有効なのはリジェクトヴェールの防衛機能。だけどそのままじゃ防衛能力が低すぎて不安が残るって感じかな。リジェとヴェールの防犯能力は、あくまで泥棒や侵入を防ぐ為のものだからね」
「ふぅん、単純に性能が足りていない感じね……? エネルギーキューブを追加すれば防衛機能の性能は飛躍的に伸ばせると思うけど……」
リーチェが議長のように立ち回り、まずはリジェクトヴェールの検証を始めるようだ。
キュールがリジェクトヴェールの性能を確認し、ティムルが足りない性能を伸ばすアイディアを提案する。なかなか順調な流れだ。
しかしここで、それじゃダメだとチャールが発言を求めた。
「みんな、設置場所がアウターの中だってことを忘れてない? リジェクトヴェールはマジックアイテムなんだから、なんの対策も無しに設置したらアウターに取り込まれて失われちゃうよ?」
「あ~そっかぁ……! って、ならなんで整合の魔器はアウターに吸収されなかったのかしらぁ?」
「ティムルさん。整合の魔器は私の触心の魔力も全部吸収してしまったじゃないか。つまりあの魔力吸収効果で、アウターからの魔力干渉を防いでいたんじゃないかと思うんだ」
「つまりアレだ。魔力吸収効果に拘る必要はねーけど、何らかの方法でマジックアイテムを保護してやる必要があるってこった。外的要因からも、アウターからの魔力干渉からもな」
チャールからの問題提起を分かりやすくシーズがまとめる。
チャールもシーズも、ティムルたちに1歩も引けを取ることなく議論に参加できてて凄いなぁ。
「リジェクトヴェールの本来の機能は、外部からの干渉を感知して魔力の衝撃波を生み出すわけだよね? アウターからの魔力干渉に反応するようにすれば、常時防犯機能を発動しっぱなしに出来るんじゃ?」
「あ~リーチェさん……。リジェクトヴェールの衝撃波だと、やっぱり防御能力に不安が残る気がしてきたよ。痛みにさえ耐えられれば無理矢理突破できそうな気がするね」
「ん~……。リジェクトヴェールで生み出される衝撃波では防衛機能として頼りにならないなら、多少性能を上げたところであまり意味は無いんじゃないかな? やせ我慢でごり押しされたら堪らないよ」
リジェクトヴェールでいけそうな流れだったのに、一転して不採用の流れになってきたな。
リジェクトヴェールを応用するってアイディア自体は悪くないと思ったんだけど、流石にアウターという特殊環境に設置するとなると色々条件が変わってくるようだ。
「いっそ開き直って、設置したマジックアイテムの管理をエルフさんに委託してしまうのは如何でしょう?」
お? ここでまさかのムーリ参戦か?
フラッタとシャロの乳首を優しくコネコネしていると、話が膠着したのを感じ取ったムーリがこんなのはどうでしょうと提案してくる。
「聖域の樹海でも魔人族の皆さんが森の管理をされていたと聞きます。エルフさんたちは長命で、マジックアイテムの管理に向いているのでは?」
「……いいえムーリ。身内の恥を晒すようで心苦しいですが、聖域の樹海のマジックアイテムはヴェノムクイーンに持ち去られていましたからね。あれで管理出来ていたと言うのは無理がありますよ」
聖域の樹海を例に出して、魔人族が聖域を管理していたように、エルフにアウターの保守を任せればいいと提案したムーリを否定したのは、他ならぬヴァルゴだった。
ヴェノムクイーンによって聖域が蝕まれていたこと、更にはそれに全く気付けなかったことを、ヴァルゴは今でも重く受け止めているようだ。
「ん~……。逆に考えてみるのはどうかなー?」
「ニーナちゃん、逆って?」
「えっと、聖域の樹海も宿り木の根も、恐らくマジックアイテムを用いて生成されたアウターなんだよね? だからこっちの2つがどうやって成り立っていたかを考えるのもいいんじゃないかなーって思うの」
「ゼロからアウターを発生させようと考えるんじゃなくて、既にあるアウターの構造を検証しなおすってことね……」
ニーナからの提案に、なるほどと思案に沈むティムル。
俺達が今まで経験したことを参考に、今まで踏破してきたアウターがどうやって成立していたのかを考えるのは有意義そうだ。
え~っと、その観点から言えば違和感があるのは……。
「聖域の樹海のレリックアイテムってどう設置されてたんだろうな?」
「え? どういうことですか旦那様?」
「いや、さっきキュールが言った通り、魔力の吸収効果でアウターからの魔力干渉を防いでいた可能性は否定出来ないんだけどさぁ……」
聖域の樹海が自然に発生したアウターだった場合は、アウターの発生原因が無造作に転がっていてもおかしくないかもしれない。
けれどレリックアイテムを用いて発生したアウターである以上、そこには人為的要素が必ず絡んでいるはず。
誰かが意図して作ったアウターの核となるマジックアイテムを、その辺の地面に適当に転がしておくのは流石に違和感を覚えるよ。
「俺達が聖域のレリックアイテムを発見した時、整合の魔器は3つに分かれていたんだ。その状態だと個々のレリックアイテムは普通にアウターに取り込まれてしまうでしょ? そんなリスクを残してでも、その辺に無造作にレリックアイテムを設置するとは思えないんだよ」
考えられる可能性としては、レリックアイテムはアウターに取り込まれたりしない、とかか?
でも、今のところレリックアイテムに性能以上の特別性を感じない。神器のように特定の使用者を選んで拒絶反応を示したようなことは1度も無いからな。
レリックアイテムとマジックアイテムは基本的に同質のものだと考える方が自然だ。
「何らかの対策は施していて、それはアウターからの魔力干渉だけを防ぎつつ、だけど野生動物には無防備だったってことぉ……? えぇ、そんなことありえるの~?」
「……いやチャール。野生動物に無防備って事は人間にも無防備だったんじゃねーか? つまり何らかの魔力的な保護は施されていて、だけど肉体的な直接干渉には無防備だった……?」
「――――あっ!? あーーーっ! そうか……そういうことかぁっ!!」
俺の疑問に、キュールがはっとした様子で叫び声をあげる。どうやら何かに気付いたようだ。
そして何に気付いたのかを問いかける間もなく、キュールは興奮した様子で捲し立ててくる。
「恐らく祭壇だよ祭壇っ……! 人工物に祀ってあったんだよ!! アウターからの魔力干渉を避ける為に、まずは設置する場所を作って、その上、または内部に整合の魔器を設置したんじゃないかなっ!?」
「……そう、か! だからヴェノムクイーンは自分の体内に整合の魔器を取りこんでいたんだね!? インベントリが使えない野生動物がアウターからの魔力干渉から逃れるためには、己の体内が1番都合が良かったってことかぁ……!」
キュールの言葉を聞いたリーチェも、直ぐに自身の体験を通してその節を補完する。
どうやら全体的に筋が通るようだし、聖域の樹海の最奥には人の手で作られた祭壇があったことはほぼ確定だろう。
その痕跡が発見出来ないのは、ヴェノムクイーンに破壊されてしまった為、か。
「あ~……。そう言えば開拓村跡地で呼び水の鏡を使われていた時も、ノーリッテは石の台座をわざわざ用意してたっけ。あれもアウター化した空間から神器を守るための措置だったのかー……」
「なるほど。つまり祭壇は簡易的なもので構わないということですね。しかし簡易的な祭壇では、野生動物や人間からの干渉には無防備であると」
「……ブルーメタル建材!? あれで祭壇を作れば、強度的にも簡単に突破出来ないんじゃ……!」
「それで言うなら聖銀……ミスリル製の祭壇もいいかもじゃないかしらぁ? ミスリル製なら魔物も寄って来ないはずだし。あ、でも強度的にはブルーメタルの方がいいかもぉ?」
停滞していた話し合いが一気に加速する。
設置するマジックアイテムの安全が確保できれば、異界の扉を開くこと自体は恐らく問題なく成功してくれるだろうからな。
「じゃあ今回は実験も兼ねているし、簡易的な祭壇を作ってアウターを開こうか。それと同時に、加工したブルーメタルやミスリルの建材がアウターに飲み込まれるかも検証しよう」
「そうだね。今回は検証だし、アウターの発生自体に問題が無さそうなら早速行なうべきだ。それと並行して様々な検証を行なうわけだねっ。くぅぅ~~っ! 興奮してきたぁっ!」
「この状況なら、さっきムーリが提案してくれたようにエルフにも協力を求めるべきだね。協力と言うよりも周知かな? 実験中のこの場所に人を近づけないようライオネルさんにお願いしておくね」
「それじゃリーチェはライオネルさんに連絡してくれる? 俺はクラマイルに行って検証用のブルーメタルと聖銀を貰ってくるよ」
まずは加工した素材がアウターに飲み込まれるかどうかを確認しなきゃいけない。
もしもブルーメタルやミスリルが飲み込まれてしまう場合は……。スレッドドレッドの糸なんかを応用すればいいのかなぁ?
「ティムルは適当な台座を用意して。あとで撤去する予定でも、ある程度の強度があるものをお願い。究明の道標の3人はここで待って、実験に備えて欲しい。ニーナとヴァルゴは3人の護衛に残って、フラッタとシャロはこのまま俺のおっぱい係ね」
「あーっ! ズルいですっ! 私もダンさんのおっぱい係したいですーっ!」
「じゃあムーリは背中から抱き付いておっぱいいっぱい押し付けてきてねー」
「はーい、わっかりましたーっ!」
背中から俺に抱きついてきたムーリは、そのまま背後から俺の服の中に手を入れて俺の体中を弄り始める。
俺の両手はフラッタとシャロの乳首に捕まってしまっているので、俺は無抵抗のままムーリの指の感触に身を委ねるしかなかった。気持ちいい。
「恐らく問題なくアウターを開くことが出来ると思うけれど、不測の事態に備えて万全の体制で臨むよ。最悪の想定で周囲が吹き飛んだり、マグナトネリコ級の魔物が出る可能性もゼロじゃない。気を引き締めて行こう」
「おっぱい弄りながら真面目な顔しないのっ! さっさと行ってきなさーい!」
呆れたニーナに追い立てられるようにクラマイルに転移する。
話し合った結果、どうやらアウターの人工発生実験そのものは成功する見込みが高そうだ。
次の段階は、俺達が居なくても半永久的にアウターを維持する方法の発見で、その為にはアウターそのものの研究も必要になってくるだろう。
キュールたち究明の道標の参加は凄く心強いし、国内のアウター全てを回った俺達の経験はここで活かさなきゃ始まらないよな。
でも、このタイミングでガルクーザの血溜りから発生したという始まりの黒を制覇する事になるのは、なんだか妙な巡り会わせを感じなくもないなぁ。
ま、いつも通りただの偶然なんだろうけど、ね。
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十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
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