最後の人生、最後の願い

総帥

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第2章 アカデミー1年生

1 入学式

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 まあそうだよな。そもそも特待生って数年に1人くらいしか受からないらしいし、今年に限って3人もいるわけねーよな...。
 でもさあ、あれは完全にみんなで合格の流れだったよねえ!?あああーー恥ずかしい!あのノリ!!後で手紙に文句書きまくってやるー!住所交換しといてよかった。電話は俺らまだ使えないからなー。




 ルカとライラとは数年後別の形で再会するのだが、まだまだずーっと先のお話。











 「新入生、入場。」

 (あー緊張する。なんか注目されてる気がするな...。この腕章のせいか?)

 この学校、学年ごとに腕章の色が違う。1年は赤だが、特待生の俺は下半分が白。一目で分かるわ。

 しかし...貴族を見るのは初めてだな。流石に身だしなみやら、立ち振る舞いがとってもエレガント。普通だったらお目にかかることはほぼないんだろうな。明らかにこっちを見下してる目をしてる奴らもいる。そういう奴らはスルーするー。


 「新入生代表挨拶。」

 1人の少年が壇上に立つ。新入生代表は高位貴族の中から選ばれるらしい。そりゃそうか。入試が無けりゃ成績順も無い。


 俺はじーっとその少年を観察する。名前はサルファーロ・ライミリウム。幼い頃から英才教育されてきたのが一目で分かるな。帝王学とか学んでんのかな。挨拶も素晴らしい。内容親が考えてたら笑えるけど。
 ...ん?俺の視線に気付いたのか、なんか向こうもこっち見てない?なんか俺ら睨み合ってるの?
 
 「............。」

 「............。」


 なんだこれ。おいお前早く目逸らせよ。なんか逸らしたら負けな気がしてきた。
 周りも急に黙って一点を見つめる彼に戸惑いを隠せないようだ。だが俺以上に戸惑ってる奴はいないと断言しよう。


 「............。」

 「............以上を持ちまして、新入生代表の挨拶とさせて頂きます。本日はありがとうございました。」

 勝った...ってアホか。なんだったんだ一体?

 その後入学式は恙無く終了。どこの世界、いつの時代もお偉いさんの挨拶ってクソ長えよな...ほぼ聞いてなかった。顔と名前と役職は覚えたからオッケー。



 さて両親と合流しよう(マルはおじさんとこで留守番)。しかし朝からずっと気になってたんだが...

 「お父さん...なんで顔隠してんの?」

 「気にすんな!大人の事情だ!」

 そう言えば子供は納得すると思うなよ。俺はするけど。
 
 今日の父さんの格好は、スーツはまあいいとして。頭にターバンのようなものをぐるぐるに巻き、王都では封印してたグラサンをかけ、口元を黒いマスクで隠している。
 どっからどう見ても不審者ですね、ありがとうございます。

 ...まあふざけるのはここまでにして、何があった本当に?こんな貴族だらけの会場でこの不審者がほっとかれる訳がない。少なくとも学校側は容認しているはずだ。
 周りの視線がめっちゃ痛いんですけど。あれが特待生の親...?みたいな言葉がちらほら聞こえてくる。これだから平民は...とか、おいこら。こんな不審者スタイルでも俺の大事な両親だ。入学早々波風立てたくないから無視するけど。

 とっくに目立ちまくってる現実には蓋をしておくのです。

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