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第10話
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「さて、もう一度確認するわよ。侯爵への報告は?」
「「侍女のミウが心変わりし!お嬢様を守ったため失敗!」」
「私は命の恩人であるミウの事を?」
「「大変気に入り!専属の侍女にすると約束!」」
「よろしい」
私の質問に、御者と騎士達が大声を張り上げて答えた。
此方の機嫌を少しでも損ねれば地獄の痛みが待っているので、彼らも必死である。
――ミウが裏切ったせいで、アレーヌが助かってしまった。
そう言う筋書きで話を進めて行かせて貰う。
実際は魔法で炎を消して騎士達を私が制圧した訳だけど、それを馬鹿正直に報告させる気は勿論ない。
「にゃーん」
私の足元に、二匹の猫が頭を摺り寄せて来た。
二匹とも白地に黒ブチの見た目をしており、名前はカムイとカンという。
まあ――ミウの弟達ね。
彼らは現在、私の魔法で猫の姿に変わっている。
こういう状況なのは、ミウの裏切りに対する報復が彼らに向く可能性があったためだ。
病気は治ったが、侯爵の手の者に殺されましたでは笑い話にもならないもの。
ミウを傍に置く以上、責任をもってちゃんと保護してあげないと。
因みに、彼らの家には魔法で偽の死体を用意しておいた。
侯爵はまず間違いなく二人が病気で死んだと判断するはずである。
魔法で調べられるとあれだけど、一々貧しい家の子供の死が本当かなんて調べはしないだろうから問題なし。
この二人には新たな生活拠点を用意してあげる予定なんだけど、流石にこっちは直ぐにという訳にはいかないので、暫くは私の拾った猫として傍にいて貰う事にしてる。
「じゃあ近くの街まで行って、車を用意してきなさい」
「はっ!畏まりました!」
騎士達は馬に乗って近くの街へと向かう。
足を手に入れる為御者も連れて。
転移魔法ならひとっ飛びなんだけど、まあそう言う訳にもいかないものね。
万一誰かに見られても事だし。
「ミウ。貴方の弟達に暫く不便を強いるけど、安全確保のためだから我慢してちょうだいね」
出来るだけ早く生活拠点を作ってあげるつもりではあるけぢ、流石に数日じゃ無理。
何故なら、私は自由にできるお金を持ち合わせていないから。
お金がないと、碌な生活を用意してあげられないものね。
「お嬢様。お気になさらないでください。弟達も、元気に動けるなら猫でも犬でも全然かまわないと言ってますし」
彼女は私の足元の弟達を見て笑う。
どうやら、猫になっても問題なく意思疎通が出来ている様だ。
変身させた当の本人である私でも、只の「ニャーニャー」にしか聞こえないというのに……これが家族の絆って奴かしらね。
「そう」
それが少し羨ましく感じる。
アレーヌは言うまでもなく、私の家族仲も、良好とはいえない物だったから。
まあだからこそ、家族の事なんてきにせず衝動的に死のうと出来た訳だけど。
そして神様に声をかけられ、私はここにいる。
なので家族仲が良好でないのも、必ずしも悪い事ばかりじゃないわ。
まあ、自殺しようとしなくても、神様に声をかけられていた可能性もなくもないけど……
「お嬢様。私に何が出来るかはわかりません。でも受けた恩を返す為、何でもやるつもりです。もし私に出来る事があったら、何でもお申し付けください」
「期待しているわ」
私にはチート能力があるから、基本自分一人でなんでも出来た。
けど、味方は多いに越した事はない。
オートムーブがあるとは言え、長丁場の仕事だしね。
信頼できる相手が傍に居るか居ないかで、気分も大分違って来るという物である。
この後、戻って来た騎士達の用意した魔導車に乗り、私達は分館へと向かう。
さあ、母親とご対面と行きましょうか。
「「侍女のミウが心変わりし!お嬢様を守ったため失敗!」」
「私は命の恩人であるミウの事を?」
「「大変気に入り!専属の侍女にすると約束!」」
「よろしい」
私の質問に、御者と騎士達が大声を張り上げて答えた。
此方の機嫌を少しでも損ねれば地獄の痛みが待っているので、彼らも必死である。
――ミウが裏切ったせいで、アレーヌが助かってしまった。
そう言う筋書きで話を進めて行かせて貰う。
実際は魔法で炎を消して騎士達を私が制圧した訳だけど、それを馬鹿正直に報告させる気は勿論ない。
「にゃーん」
私の足元に、二匹の猫が頭を摺り寄せて来た。
二匹とも白地に黒ブチの見た目をしており、名前はカムイとカンという。
まあ――ミウの弟達ね。
彼らは現在、私の魔法で猫の姿に変わっている。
こういう状況なのは、ミウの裏切りに対する報復が彼らに向く可能性があったためだ。
病気は治ったが、侯爵の手の者に殺されましたでは笑い話にもならないもの。
ミウを傍に置く以上、責任をもってちゃんと保護してあげないと。
因みに、彼らの家には魔法で偽の死体を用意しておいた。
侯爵はまず間違いなく二人が病気で死んだと判断するはずである。
魔法で調べられるとあれだけど、一々貧しい家の子供の死が本当かなんて調べはしないだろうから問題なし。
この二人には新たな生活拠点を用意してあげる予定なんだけど、流石にこっちは直ぐにという訳にはいかないので、暫くは私の拾った猫として傍にいて貰う事にしてる。
「じゃあ近くの街まで行って、車を用意してきなさい」
「はっ!畏まりました!」
騎士達は馬に乗って近くの街へと向かう。
足を手に入れる為御者も連れて。
転移魔法ならひとっ飛びなんだけど、まあそう言う訳にもいかないものね。
万一誰かに見られても事だし。
「ミウ。貴方の弟達に暫く不便を強いるけど、安全確保のためだから我慢してちょうだいね」
出来るだけ早く生活拠点を作ってあげるつもりではあるけぢ、流石に数日じゃ無理。
何故なら、私は自由にできるお金を持ち合わせていないから。
お金がないと、碌な生活を用意してあげられないものね。
「お嬢様。お気になさらないでください。弟達も、元気に動けるなら猫でも犬でも全然かまわないと言ってますし」
彼女は私の足元の弟達を見て笑う。
どうやら、猫になっても問題なく意思疎通が出来ている様だ。
変身させた当の本人である私でも、只の「ニャーニャー」にしか聞こえないというのに……これが家族の絆って奴かしらね。
「そう」
それが少し羨ましく感じる。
アレーヌは言うまでもなく、私の家族仲も、良好とはいえない物だったから。
まあだからこそ、家族の事なんてきにせず衝動的に死のうと出来た訳だけど。
そして神様に声をかけられ、私はここにいる。
なので家族仲が良好でないのも、必ずしも悪い事ばかりじゃないわ。
まあ、自殺しようとしなくても、神様に声をかけられていた可能性もなくもないけど……
「お嬢様。私に何が出来るかはわかりません。でも受けた恩を返す為、何でもやるつもりです。もし私に出来る事があったら、何でもお申し付けください」
「期待しているわ」
私にはチート能力があるから、基本自分一人でなんでも出来た。
けど、味方は多いに越した事はない。
オートムーブがあるとは言え、長丁場の仕事だしね。
信頼できる相手が傍に居るか居ないかで、気分も大分違って来るという物である。
この後、戻って来た騎士達の用意した魔導車に乗り、私達は分館へと向かう。
さあ、母親とご対面と行きましょうか。
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