「あなただけの喫茶店 ~不思議なマスターと不思議なお客さんたちの物語~ 」

時空 まほろ

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今日からここでバイトをします!

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「ここで、アルバイトを……?」

 私は、ポカーンとした。
だが、確かに考えてみれば、帰れるまでタダで置いてもらう訳にはいかない。
さっきのハーブティーのお金だって、まだ払ってない。
 私は、何故だかコンビニ袋以外、鞄という物を持ってなかった。
一体、どこに落としていったのやら。
と、そこまで考えていた時だった。

きゅるるるるぅ~!

「……お嬢さん、とりあえず食べましょうか?」

 マスターが言ったのは、私のお腹の虫が盛大に鳴いた後だった。そして、コンビニ袋を指差す。

「……はい」

 私は真っ赤になって、頷いた。
そして、コンビニ袋からお弁当を取り出す。
大盛り生姜焼き弁当だった。
……どんだけガッツがあったんだ、私。
マスターの目の前でこれはないだろうに。
だが、すっきり落ち着いた後に生姜焼き弁当の美味しいこと美味しいこと。
恥も外聞もなく食べ進めてしまう。

「マスターは食べないんですか、何か」

 ふと気付いて、私がマスターに問うと、

「もう食べましたから」

 とあっさり返されてしまう。
いつの間に。
というかもうとっくにご飯の時間は過ぎているか。もぐもぐしながら考える。
そう言えば、今何時だろうと思った。
喫茶店内に時計を探しても、……無い?

携帯スマホ!」

 思い出してポケットを漁るものの空振りだった。
スマホまで無いとは。
我ながらツイてない。
 最後のご飯粒を咀嚼し終えると私は洗い物をしていたマスターに呼び掛けた。

「はい、どうしましたか?」

 マスターは優しい微笑みを浮かべている。

「マスター。で、帰れるまで、マスターの言う通りアルバイトをさせてください! お願いします!」

 頭を下げる私に、

「こちらからの提案です。是非お願いしますね」

 マスターも頭を下げてくれた。

こうして私の不思議な喫茶店でのアルバイト生活が始まった。
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