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謎のガチャガチャ
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あの、大きなガチャガチャの機械が私の目の前にあった。
よく大きな丸い風船ガムの入っている、上に大きな球体の付いたガチャガチャだ。
ただし、中身は見えない……。
「いつの間に……」
さっきまで何もなかったはずの空間に、突如現れたガチャガチャの機械に私は驚く。
「さあ、どうぞ」
女の人は、ゆったりとした動作で私にガチャガチャをするように促す。
「さあ、って」
私は困った。
ふらりと散歩に出てきただけなのだ。
お金も何も、スマホすら持ってきていない。
「私、お金持ってきてないです」
そう言うと、
「持っているじゃないですか、お金」
「え?」
女の人に言われて初めて、私は何かを左手に握っていることに、今更ながら気付いた。
そっと手のひらを開いてみる。
「石?」
それは、お金のような金属の物ではなく石でできた貨幣みたいなものだった。
日本円の、五十円玉みたいな穴の代わりに、真ん中に透明な宝石みたいな物が嵌まっている。
私の真上に丁度蛍の様なあの明かりが漂ってきた。
キラリと、宝石みたいな物が光った。
「こんなもの持っていたっけ?」
私は首を傾げる。
「そう、それがお金よ」
女の人は歌うように言う。
私は、緊張しながらまるでその声に導かれるかのように、ガチャガチャのお金を入れる投入口に石を入れた。
―こつん。
静かに、お金が入った音がテント内に響いた。
よく大きな丸い風船ガムの入っている、上に大きな球体の付いたガチャガチャだ。
ただし、中身は見えない……。
「いつの間に……」
さっきまで何もなかったはずの空間に、突如現れたガチャガチャの機械に私は驚く。
「さあ、どうぞ」
女の人は、ゆったりとした動作で私にガチャガチャをするように促す。
「さあ、って」
私は困った。
ふらりと散歩に出てきただけなのだ。
お金も何も、スマホすら持ってきていない。
「私、お金持ってきてないです」
そう言うと、
「持っているじゃないですか、お金」
「え?」
女の人に言われて初めて、私は何かを左手に握っていることに、今更ながら気付いた。
そっと手のひらを開いてみる。
「石?」
それは、お金のような金属の物ではなく石でできた貨幣みたいなものだった。
日本円の、五十円玉みたいな穴の代わりに、真ん中に透明な宝石みたいな物が嵌まっている。
私の真上に丁度蛍の様なあの明かりが漂ってきた。
キラリと、宝石みたいな物が光った。
「こんなもの持っていたっけ?」
私は首を傾げる。
「そう、それがお金よ」
女の人は歌うように言う。
私は、緊張しながらまるでその声に導かれるかのように、ガチャガチャのお金を入れる投入口に石を入れた。
―こつん。
静かに、お金が入った音がテント内に響いた。
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