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一般女性の部、開始します!
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まずは予定通り、一般女性の部から行う。
出場者を募ると、着飾った夫人らがぞろぞろと集まってきた。
実行委員の二人の夫人が、自らも出場者でありながら、参加する女性たちを慣れた様子で整列させていく。
早くもレースを興味深く見守る観衆からは、妻や母を応援する声が飛んでいた。
ゴール地点で私とグレースが待機していると、アレクシスが国王に何か話しかけているのが見えた。
すると、徐に立ち上がって声を張り上げる国王。
「諸君、言い忘れておったが、各レースの勝者には我がコレクションより秘蔵のワインを贈呈する。皆、励むがよい!」
うわぁぁぁ!!
会場は大きな歓声と拍手に包まれた。
グレースがロイバーと寄り添ってゴールをしたシーンが印象的だったのか、年若い子女は恋のアプローチに有効だとソワソワしているし、酒好きな大人は貴重なワインに目を輝かせている。
辺りは一層熱気を帯び、借り物競走への期待値はいやが上にも高まっていた。
「前置きは以上にして……。それでは、一般女性の部を開始しよう。くれぐれも怪我のないように。一組目、準備はいいだろうか。ーーそれでは、よーいドン!」
相変わらずの掛け声で初戦が始まった。
もちろん告げたのはアレクシスで、一斉に六名の女性がスタートする。
この部に立候補したのが三十名だった為、六名ずつで五回のレースを行うことにしたようだ。
まさかこんなに出場希望者が現れるとは驚いたわ。
最初だし、こんな妙なゲーム、様子見でみんな敬遠するかと思いきや……。
さすが社交界を裏で牛耳る夫人の皆様だわ。
新しいものに目がないというか、目立ってナンボというか。
しかも、香水の香りが凄いのなんのって……。
スタートした六名の中にはヴァレリー公爵夫人の姿もあったが、ロイバーが並べたカードに初めに辿り着いたのはカートレイ伯爵夫人だった。
美魔女で有名なカートレイ夫人は、今日もスリットが大きく入ったドレスを着用していて、それが有利に働いたのかもしれない。
セクシーな美脚が眩しい。
カードをめくって一瞬目を見開いた美魔女は、そのまま優雅な動作で国王に近付くと、「陛下、どうかわたくしをお助けくださいな」と色っぽく微笑んだ。
鼻を伸ばしながらデレデレする国王に、笑顔を見せつつもムッとしているであろう王妃……。
ハラハラする展開に、息子のアレクシスが面白そうに割って入った。
「カートレイ夫人、あなたのカードには何と書かれているのですか?」
「うふふ」
夫人がカードをアレクシスに向ける。
理解したとばかりに頷いた王太子が、観衆に向かって叫んだ。
「カートレイ伯爵夫人のカードは『敬愛する男性』!」
なるほどね。
それは確かに国王が一番無難よね。
あーあ、おじさまってば嬉しそうに夫人をエスコートしちゃって。
あら?
ヴァレリー夫人はおばさまを連れ出すつもりみたいね。
「ヴァレリー公爵夫人のカードは『一生モノの友人』!」
夫人は仲の良い王妃に声をかけたらしい。
王妃はまるで女学生のようにはしゃぎながら、ヴァレリー夫人と連れ立ってゴールに向かっている。
それにしても、観衆にもわかるようにカードの内容を伝えてくれるアレクシスはグッジョブである。
本来は放送委員がアナウンスしてくれるところだが、もちろんこの場に放送委員など存在しないからだ。
「Sのイニシャル入りのチーフをお持ちの方~!」
「どなたか飲みかけの果実酒のグラスを貸してくださらない?」
一生懸命借り物を探す声が聞こえる。
その間にも、カートレイ夫人が国王とゴールへやってきた。
「カードを拝見しますわ。……はい、お疲れ様でございました」
「おめでとうございます。こちら一位の景品のワインですわ」
グレースが確認し、私がワインを手渡すと、受け取った夫人は惹き込まれそうな美しいスマイルを浮かべた。
さすが美魔女、女の私でもうっとり見惚れてしまったではないか。
「陛下、ご一緒できて光栄でしたわ。ワインは主人と楽しませていただきます」
「うむ。楽しかったぞ」
国王も満足そうに頷いている。
レースに参加できたのがよほど嬉しかったようだ。
余談だが、美魔女の夫は熊のような大男で、そんな旦那様に夫人はぞっこんだと専らの噂だ。
「二位ですって。悔しいわ~」
「でもとっても楽しかったわね」
悔しがりながらも、二位だったヴァレリー夫人と王妃も笑いあっている。
二人の友情はこれからも長く続いていくことだろう。
その後、残りの四名も無事にゴールへとやってきたが、飲みかけの果実酒を持った夫人は溢さないように必死になっているのが気の毒だった。
そして、国王と王妃は、仲睦まじそうに自分の席へと戻って行った。
二回戦以降もどんどんレースは進んでいきーー
ヴァレリー夫人とシュナイダー夫人ったら、カードの内容がエグいって。
料理の中からつけあわせの人参を選んで持っていく姿はシュールだし、『ライバルの女性』のカードを引いて、夫と浮気の噂がある未亡人女性を連れてくる人とか……。
判定する係がこんなに消耗するとは思っていなかったわよ。
シュナイダー夫人も『生まれ変わっても出会いたい人』というお題を引いて、夫を連れてやってきた。
確かに癖になりそうな面白い旦那様だと思う。
夜会はかつてない盛り上がりを見せている。
続いては一般男性の部だ。
出場者を募ると、着飾った夫人らがぞろぞろと集まってきた。
実行委員の二人の夫人が、自らも出場者でありながら、参加する女性たちを慣れた様子で整列させていく。
早くもレースを興味深く見守る観衆からは、妻や母を応援する声が飛んでいた。
ゴール地点で私とグレースが待機していると、アレクシスが国王に何か話しかけているのが見えた。
すると、徐に立ち上がって声を張り上げる国王。
「諸君、言い忘れておったが、各レースの勝者には我がコレクションより秘蔵のワインを贈呈する。皆、励むがよい!」
うわぁぁぁ!!
会場は大きな歓声と拍手に包まれた。
グレースがロイバーと寄り添ってゴールをしたシーンが印象的だったのか、年若い子女は恋のアプローチに有効だとソワソワしているし、酒好きな大人は貴重なワインに目を輝かせている。
辺りは一層熱気を帯び、借り物競走への期待値はいやが上にも高まっていた。
「前置きは以上にして……。それでは、一般女性の部を開始しよう。くれぐれも怪我のないように。一組目、準備はいいだろうか。ーーそれでは、よーいドン!」
相変わらずの掛け声で初戦が始まった。
もちろん告げたのはアレクシスで、一斉に六名の女性がスタートする。
この部に立候補したのが三十名だった為、六名ずつで五回のレースを行うことにしたようだ。
まさかこんなに出場希望者が現れるとは驚いたわ。
最初だし、こんな妙なゲーム、様子見でみんな敬遠するかと思いきや……。
さすが社交界を裏で牛耳る夫人の皆様だわ。
新しいものに目がないというか、目立ってナンボというか。
しかも、香水の香りが凄いのなんのって……。
スタートした六名の中にはヴァレリー公爵夫人の姿もあったが、ロイバーが並べたカードに初めに辿り着いたのはカートレイ伯爵夫人だった。
美魔女で有名なカートレイ夫人は、今日もスリットが大きく入ったドレスを着用していて、それが有利に働いたのかもしれない。
セクシーな美脚が眩しい。
カードをめくって一瞬目を見開いた美魔女は、そのまま優雅な動作で国王に近付くと、「陛下、どうかわたくしをお助けくださいな」と色っぽく微笑んだ。
鼻を伸ばしながらデレデレする国王に、笑顔を見せつつもムッとしているであろう王妃……。
ハラハラする展開に、息子のアレクシスが面白そうに割って入った。
「カートレイ夫人、あなたのカードには何と書かれているのですか?」
「うふふ」
夫人がカードをアレクシスに向ける。
理解したとばかりに頷いた王太子が、観衆に向かって叫んだ。
「カートレイ伯爵夫人のカードは『敬愛する男性』!」
なるほどね。
それは確かに国王が一番無難よね。
あーあ、おじさまってば嬉しそうに夫人をエスコートしちゃって。
あら?
ヴァレリー夫人はおばさまを連れ出すつもりみたいね。
「ヴァレリー公爵夫人のカードは『一生モノの友人』!」
夫人は仲の良い王妃に声をかけたらしい。
王妃はまるで女学生のようにはしゃぎながら、ヴァレリー夫人と連れ立ってゴールに向かっている。
それにしても、観衆にもわかるようにカードの内容を伝えてくれるアレクシスはグッジョブである。
本来は放送委員がアナウンスしてくれるところだが、もちろんこの場に放送委員など存在しないからだ。
「Sのイニシャル入りのチーフをお持ちの方~!」
「どなたか飲みかけの果実酒のグラスを貸してくださらない?」
一生懸命借り物を探す声が聞こえる。
その間にも、カートレイ夫人が国王とゴールへやってきた。
「カードを拝見しますわ。……はい、お疲れ様でございました」
「おめでとうございます。こちら一位の景品のワインですわ」
グレースが確認し、私がワインを手渡すと、受け取った夫人は惹き込まれそうな美しいスマイルを浮かべた。
さすが美魔女、女の私でもうっとり見惚れてしまったではないか。
「陛下、ご一緒できて光栄でしたわ。ワインは主人と楽しませていただきます」
「うむ。楽しかったぞ」
国王も満足そうに頷いている。
レースに参加できたのがよほど嬉しかったようだ。
余談だが、美魔女の夫は熊のような大男で、そんな旦那様に夫人はぞっこんだと専らの噂だ。
「二位ですって。悔しいわ~」
「でもとっても楽しかったわね」
悔しがりながらも、二位だったヴァレリー夫人と王妃も笑いあっている。
二人の友情はこれからも長く続いていくことだろう。
その後、残りの四名も無事にゴールへとやってきたが、飲みかけの果実酒を持った夫人は溢さないように必死になっているのが気の毒だった。
そして、国王と王妃は、仲睦まじそうに自分の席へと戻って行った。
二回戦以降もどんどんレースは進んでいきーー
ヴァレリー夫人とシュナイダー夫人ったら、カードの内容がエグいって。
料理の中からつけあわせの人参を選んで持っていく姿はシュールだし、『ライバルの女性』のカードを引いて、夫と浮気の噂がある未亡人女性を連れてくる人とか……。
判定する係がこんなに消耗するとは思っていなかったわよ。
シュナイダー夫人も『生まれ変わっても出会いたい人』というお題を引いて、夫を連れてやってきた。
確かに癖になりそうな面白い旦那様だと思う。
夜会はかつてない盛り上がりを見せている。
続いては一般男性の部だ。
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