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月夜の音楽会
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髪と目の色は違うが確かに似ている。
今夜の月にも負けない光を放つプラチナブロントのくせ毛をなびかせて案内された里山のような庭の一廓で一歩も動けずに所作なく佇む。
舞台に立てば何万人もの観客を釘付けにするオーラも今は影を潜めていた。
その視線は、わびた茶室もどきの縁側で娘二人が楽しそうに話をしながら月を眺めているのを捉えたまま微動だにしない。
少女たちはお互いを、サクラ様、イマリさんと呼びあう。
サクラ様と呼ばれる少女は今日呼び出したキリの娘に違いないだろう。
さらに隣で同じ光景を見ていたヨンジュンが新情報を提供して来る。
「サクラ様に似た娘と一緒にいる娘はゼウス様のところのホームメイドのイマリに以ています」
そう言えば目の前でサクラが消えて憔悴しきった娘が、リフレッシュのためにゼウスのところを辞めたという報告は受けていた。
イマリもどきがサクラ様もどきと一緒にいる。
確かめたいことが色々あるというのに、こんなところで足止めとは。
あの、あさおという男、なかなかやってくれる。
笑い合う彼らを傍観者として眺める自分の立ち位置を何とかできないものか。
何か関わりになれる糸口でも見つかれば。
息をひそめて考えるヨンハのもとに、心地よい風に乗って少し癖と透明感のあるソプラノボイスが流れてくる。
『 うさぎ、うさぎ、何見て跳ねる。十五夜お月さん見て跳ぁぁねぇる 』
ああ、確かにこの声だった。
単調だけれど優しい音とメロディーに絶対音感を持つヨンハが同じメロディーを小さな声で口ずさむ。
「ヨンハ様、聞きなれないメロディーですね」
「僕も初めて聞いたが、音楽好きなら釣れるかもしれない」
「釣る?何をですか?」
「こちらが動けないのなら、向こうを動かせばいい」
それだけいうと、ヨンハは目を閉じて頭の中に愛用の楽器を思いうかべ、両手を構え肘を張り首を傾けて楽器演奏の姿勢をとる。
やがて、構えた腕の中にあめ色の光沢をもつゴージャスなバイオリンが現れた。
ヨンハが深呼吸と同時に弓を引くと透明感のある優しい音が広い庭に響く。
伸びやかな音は天に昇りやがて大地に落ちて少女の歌声と和音のように調和し共鳴する。
時に楽しそうに、時に切なそうに両者が絡み合いながら空気に溶け込んでいく。
高く低く早く遅く、色々にアレンジされたウサギの歌が月夜の音楽会でしばらく続く。
そして、ハタと気がついたというようにソプラノボイスの歌が止んだ。
きれい!!!
「まるで今夜のお月さまみたいに澄んで輝くような音。どこで弾いているのかしら」
パタパタと近づいて来る足音に、ここですよ、といわんばかりに透き通った輝きのある音をさらに大きくしたヨンハは片頬と口角を上げた。
「ああ、そういう意味ですか」
天界の楽師様と呼ばれるあなたの奏でる音が天地人を惹きつけるのは当然でした。
***
空に浮かぶ煌々と差す光に包まれてサクラの口から歌が出た。
その優しいメロディーはどこか懐かしい響きを持ってサクラの胸の中で暖かな光に変わる。
初めはハミングだった声はやがてはっきりした歌詞に変わる。
『 うさぎ、うさぎ、何見て跳ねる。十五夜お月さん見て跳ぁぁねぇる 』
透明感のあるソプラノボイスが流れるたびに、作り出されたおっとりと優しい時間がその場にいる者を癒していく。
「サクラ様、可愛らしいお月さまの歌ですね」
「子供の時にアサオとよく歌ったお月見の歌だよ。アサオは若干音痴で時々音を外すから、その時は2人でゲラゲラ笑って。楽しかったな」
サクラを見ながら楽しそうに大声で歌う大好きな彼のために音はずれが目立たないように色々にアレンジして歌った曲だった。
それでも時々外れて、そして笑う。
頭に浮かんだ切なくて幸せな映像だ。
目を細めて柔らかく微笑むサクラに、イマリはそうですかと声をかける。
隣に座るあさおだけが、何がそうなのだ?私にそんな思い出はないぞ、と首を傾げるが、それ以上突っ込むことも出来ず、一緒に歌い始めたイマリに混じってというか、つられて声を出した。
女性陣2人が目を丸くしてその下手さに驚き、ゲラゲラ笑う。
「アサオというお名前の方は皆さん音程に不安があるものなんですか」
「私のアサオもあさお様には完敗です」
などと冗談交じりの真実をぶつけられたあさおが照れくさそうに頭をかく。
「自慢じゃないが、歌は苦手だ」
音も時々、いやほとんど外れっぱなしで、歌などというものではないが、それでもサクラとイマリは嫌な顔はせず、外れるたびに楽しそうにゲラゲラと笑う。
明るい笑顔のままにサクラに言われた。
「あさお様。下手か上手かなんて関係ありません。わたしあさお様と一緒に歌えて楽しいです」
これにはまいった。
いつもなら、笑われるのが嫌で歌など歌わないのだ今は歌うこと(声を出すこと)がこの上なく楽しい。
3人で大笑いしながら歌を歌い、団子を食べて月を眺め冗談を言う。
気がつくといつの間にか綺麗な音の伴奏が割り込んでいた。
きっと、かの人あたりが特殊能力でバイオリンを取り出したのだろうと想像できたが、今は笑って許せるほど心が凪いでいる。
「サクラさんは人を癒す天才だね」
幸せで心地よい時間を堪能していると、お月見の歌なるものを色々なバリエーションで歌っていたサクラの声が突然止まり、キョロキョロと何かを探す仕草。
ああ、気がつきましたか。
しかし、この音は反則ですよ、ヨンハ様。
サクラさんでなくてもどこから流れてくるのか探さずにはいられませんから。
音のする方に駈け出したサクラの後ろ姿を眺めながら、声を掛ける。
「サクラさん、バイオリン奏者の方が気に入ったらこちらに呼んでもかまいませんよ」
切れ者といわれるあさおだが、相手は天界の実力者なのだから彼女をこれ以上隠すのは無理か、と早々に白旗を上げた。
***
息を切らせて走って来たキリ洋菓子店の娘が自分の前で膝に手をついてハアハアと息を吐く。
そんなに慌てなくても僕は逃げないよ。
演奏を辞めず、音を抑えてゆっくりなメロディーに切り替える。
息を整えたキリの娘が顔をあげて輝くような笑顔を見せて拍手と歓声をくれた。
「ステキ!ステキ!ステキ!」
ああ、僕はサクラのこんな顔が見たかったんだ!
バイオリンを放り投げて抱きしめたいよ!
でも、だめだね。驚かせたくはないし。
それに君の声が僕のサクラだと教えてくれたけれど、もう一つ試したいんだよね。
ヨンハは、これ以上ない程の自制心を働かせて”コンニチワ”とバイオリンを奏でる。
それを心で感じたサクラはさらに驚き目をぱちくりと開いて一瞬空気を固めた後尊敬の眼差しを向けてくる。
「こんにちわ。もしかしてヨンハ・ギーツさんですか」
”そう。君はだれ?”
これもバイオリンの音で聞いてみたのだがちゃんとそう聞こえるらしく会話が成立する。
「初めまして。サクラ・キリです」
はじめましてか・・・少々気落ちはしたが、”キリ洋菓子店の?娘さん?”と音で問うと、鼻たかさんの顔で彼女がエヘンと胸を張る。
「はい。あなたが気に入ってくれた栗ようかんの制作者です」
”ああ、あれは僕の大好物です”
「楽器で会話できるなんてすご~い。やっぱりヨンハさんは凄いです。超人気者の実力派若手俳優ですよね。なのに見目もよくて楽器の演奏も超超超一流なんてずるいです」
キラキラ星を目の中に飛ばして憧憬の眼差しを向けてくる目の前の少女の印象は普通。
今の反応はどこにでもいる自分のファンと何ら変わらない。
だから、確かめないと。
ヨンハが背筋を伸ばし姿勢を正してから流れるように重心を移動し片膝を付いてお辞儀をした。
”僕は今妻になってくれる人を探していて、君をスカウトしているんだけれど、勿論OKだよね”
プロポーズバリの長いメロディーに続いて結婚行進曲を奏でる。
???
目の前のサクラはあの時と同じ鳩豆の顔で驚き、不審者を見る目を向けてくる。
先ほどの笑顔も今の反応もあの時と同じで、飛び跳ねたいぐらい嬉しい。
彼女だ!彼女じゃなくても目の前の少女にあの時と同じように惹きつけられている。
手に持ったバイオリンをヨンジュンに放り投げて彼女を抱きしめようとしたところで引き攣った制止の声が上がった。
「おやめください!ヨンハ様!サクラ様は既婚者です」
叫んだイマリがすかさずサクラの前に進み出てとおせんぼのように手を広げてたちはだかる。
それに答えたのは側に控えるヨンジュンだった。
「引っ込んでいてください。炎家の末席の小娘が次期に意見するなど無礼千万です」
剣呑な眼差しで睨みあう2人に、まあまあと声をかけ宥めたのは後からやって来た領主の息子のあさおだった。
「ヨンジュウン様、あなた方が天界では上位権力者なのは存じておりますが、ここキヌアでそれを振りかざすのは無粋ですよ」
「イマリ、ここで睨み合ってはせっかくのお月見会が台無しですよ。みんなで縁側に戻ってお昼に作ったお団子でも食しませんか」
ニッコリと笑って背中を向けて歩き出す。
柔らかい物言いとは裏腹にその背中には、ついて来いと書いてあり、アラサーの威圧感があった。
(やっとヨンハさんとのデートの約束が成立しそうです)
今夜の月にも負けない光を放つプラチナブロントのくせ毛をなびかせて案内された里山のような庭の一廓で一歩も動けずに所作なく佇む。
舞台に立てば何万人もの観客を釘付けにするオーラも今は影を潜めていた。
その視線は、わびた茶室もどきの縁側で娘二人が楽しそうに話をしながら月を眺めているのを捉えたまま微動だにしない。
少女たちはお互いを、サクラ様、イマリさんと呼びあう。
サクラ様と呼ばれる少女は今日呼び出したキリの娘に違いないだろう。
さらに隣で同じ光景を見ていたヨンジュンが新情報を提供して来る。
「サクラ様に似た娘と一緒にいる娘はゼウス様のところのホームメイドのイマリに以ています」
そう言えば目の前でサクラが消えて憔悴しきった娘が、リフレッシュのためにゼウスのところを辞めたという報告は受けていた。
イマリもどきがサクラ様もどきと一緒にいる。
確かめたいことが色々あるというのに、こんなところで足止めとは。
あの、あさおという男、なかなかやってくれる。
笑い合う彼らを傍観者として眺める自分の立ち位置を何とかできないものか。
何か関わりになれる糸口でも見つかれば。
息をひそめて考えるヨンハのもとに、心地よい風に乗って少し癖と透明感のあるソプラノボイスが流れてくる。
『 うさぎ、うさぎ、何見て跳ねる。十五夜お月さん見て跳ぁぁねぇる 』
ああ、確かにこの声だった。
単調だけれど優しい音とメロディーに絶対音感を持つヨンハが同じメロディーを小さな声で口ずさむ。
「ヨンハ様、聞きなれないメロディーですね」
「僕も初めて聞いたが、音楽好きなら釣れるかもしれない」
「釣る?何をですか?」
「こちらが動けないのなら、向こうを動かせばいい」
それだけいうと、ヨンハは目を閉じて頭の中に愛用の楽器を思いうかべ、両手を構え肘を張り首を傾けて楽器演奏の姿勢をとる。
やがて、構えた腕の中にあめ色の光沢をもつゴージャスなバイオリンが現れた。
ヨンハが深呼吸と同時に弓を引くと透明感のある優しい音が広い庭に響く。
伸びやかな音は天に昇りやがて大地に落ちて少女の歌声と和音のように調和し共鳴する。
時に楽しそうに、時に切なそうに両者が絡み合いながら空気に溶け込んでいく。
高く低く早く遅く、色々にアレンジされたウサギの歌が月夜の音楽会でしばらく続く。
そして、ハタと気がついたというようにソプラノボイスの歌が止んだ。
きれい!!!
「まるで今夜のお月さまみたいに澄んで輝くような音。どこで弾いているのかしら」
パタパタと近づいて来る足音に、ここですよ、といわんばかりに透き通った輝きのある音をさらに大きくしたヨンハは片頬と口角を上げた。
「ああ、そういう意味ですか」
天界の楽師様と呼ばれるあなたの奏でる音が天地人を惹きつけるのは当然でした。
***
空に浮かぶ煌々と差す光に包まれてサクラの口から歌が出た。
その優しいメロディーはどこか懐かしい響きを持ってサクラの胸の中で暖かな光に変わる。
初めはハミングだった声はやがてはっきりした歌詞に変わる。
『 うさぎ、うさぎ、何見て跳ねる。十五夜お月さん見て跳ぁぁねぇる 』
透明感のあるソプラノボイスが流れるたびに、作り出されたおっとりと優しい時間がその場にいる者を癒していく。
「サクラ様、可愛らしいお月さまの歌ですね」
「子供の時にアサオとよく歌ったお月見の歌だよ。アサオは若干音痴で時々音を外すから、その時は2人でゲラゲラ笑って。楽しかったな」
サクラを見ながら楽しそうに大声で歌う大好きな彼のために音はずれが目立たないように色々にアレンジして歌った曲だった。
それでも時々外れて、そして笑う。
頭に浮かんだ切なくて幸せな映像だ。
目を細めて柔らかく微笑むサクラに、イマリはそうですかと声をかける。
隣に座るあさおだけが、何がそうなのだ?私にそんな思い出はないぞ、と首を傾げるが、それ以上突っ込むことも出来ず、一緒に歌い始めたイマリに混じってというか、つられて声を出した。
女性陣2人が目を丸くしてその下手さに驚き、ゲラゲラ笑う。
「アサオというお名前の方は皆さん音程に不安があるものなんですか」
「私のアサオもあさお様には完敗です」
などと冗談交じりの真実をぶつけられたあさおが照れくさそうに頭をかく。
「自慢じゃないが、歌は苦手だ」
音も時々、いやほとんど外れっぱなしで、歌などというものではないが、それでもサクラとイマリは嫌な顔はせず、外れるたびに楽しそうにゲラゲラと笑う。
明るい笑顔のままにサクラに言われた。
「あさお様。下手か上手かなんて関係ありません。わたしあさお様と一緒に歌えて楽しいです」
これにはまいった。
いつもなら、笑われるのが嫌で歌など歌わないのだ今は歌うこと(声を出すこと)がこの上なく楽しい。
3人で大笑いしながら歌を歌い、団子を食べて月を眺め冗談を言う。
気がつくといつの間にか綺麗な音の伴奏が割り込んでいた。
きっと、かの人あたりが特殊能力でバイオリンを取り出したのだろうと想像できたが、今は笑って許せるほど心が凪いでいる。
「サクラさんは人を癒す天才だね」
幸せで心地よい時間を堪能していると、お月見の歌なるものを色々なバリエーションで歌っていたサクラの声が突然止まり、キョロキョロと何かを探す仕草。
ああ、気がつきましたか。
しかし、この音は反則ですよ、ヨンハ様。
サクラさんでなくてもどこから流れてくるのか探さずにはいられませんから。
音のする方に駈け出したサクラの後ろ姿を眺めながら、声を掛ける。
「サクラさん、バイオリン奏者の方が気に入ったらこちらに呼んでもかまいませんよ」
切れ者といわれるあさおだが、相手は天界の実力者なのだから彼女をこれ以上隠すのは無理か、と早々に白旗を上げた。
***
息を切らせて走って来たキリ洋菓子店の娘が自分の前で膝に手をついてハアハアと息を吐く。
そんなに慌てなくても僕は逃げないよ。
演奏を辞めず、音を抑えてゆっくりなメロディーに切り替える。
息を整えたキリの娘が顔をあげて輝くような笑顔を見せて拍手と歓声をくれた。
「ステキ!ステキ!ステキ!」
ああ、僕はサクラのこんな顔が見たかったんだ!
バイオリンを放り投げて抱きしめたいよ!
でも、だめだね。驚かせたくはないし。
それに君の声が僕のサクラだと教えてくれたけれど、もう一つ試したいんだよね。
ヨンハは、これ以上ない程の自制心を働かせて”コンニチワ”とバイオリンを奏でる。
それを心で感じたサクラはさらに驚き目をぱちくりと開いて一瞬空気を固めた後尊敬の眼差しを向けてくる。
「こんにちわ。もしかしてヨンハ・ギーツさんですか」
”そう。君はだれ?”
これもバイオリンの音で聞いてみたのだがちゃんとそう聞こえるらしく会話が成立する。
「初めまして。サクラ・キリです」
はじめましてか・・・少々気落ちはしたが、”キリ洋菓子店の?娘さん?”と音で問うと、鼻たかさんの顔で彼女がエヘンと胸を張る。
「はい。あなたが気に入ってくれた栗ようかんの制作者です」
”ああ、あれは僕の大好物です”
「楽器で会話できるなんてすご~い。やっぱりヨンハさんは凄いです。超人気者の実力派若手俳優ですよね。なのに見目もよくて楽器の演奏も超超超一流なんてずるいです」
キラキラ星を目の中に飛ばして憧憬の眼差しを向けてくる目の前の少女の印象は普通。
今の反応はどこにでもいる自分のファンと何ら変わらない。
だから、確かめないと。
ヨンハが背筋を伸ばし姿勢を正してから流れるように重心を移動し片膝を付いてお辞儀をした。
”僕は今妻になってくれる人を探していて、君をスカウトしているんだけれど、勿論OKだよね”
プロポーズバリの長いメロディーに続いて結婚行進曲を奏でる。
???
目の前のサクラはあの時と同じ鳩豆の顔で驚き、不審者を見る目を向けてくる。
先ほどの笑顔も今の反応もあの時と同じで、飛び跳ねたいぐらい嬉しい。
彼女だ!彼女じゃなくても目の前の少女にあの時と同じように惹きつけられている。
手に持ったバイオリンをヨンジュンに放り投げて彼女を抱きしめようとしたところで引き攣った制止の声が上がった。
「おやめください!ヨンハ様!サクラ様は既婚者です」
叫んだイマリがすかさずサクラの前に進み出てとおせんぼのように手を広げてたちはだかる。
それに答えたのは側に控えるヨンジュンだった。
「引っ込んでいてください。炎家の末席の小娘が次期に意見するなど無礼千万です」
剣呑な眼差しで睨みあう2人に、まあまあと声をかけ宥めたのは後からやって来た領主の息子のあさおだった。
「ヨンジュウン様、あなた方が天界では上位権力者なのは存じておりますが、ここキヌアでそれを振りかざすのは無粋ですよ」
「イマリ、ここで睨み合ってはせっかくのお月見会が台無しですよ。みんなで縁側に戻ってお昼に作ったお団子でも食しませんか」
ニッコリと笑って背中を向けて歩き出す。
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