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馬鹿王太子に婚約破棄されましたが、私は幸せです。
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「公爵令嬢、私は真実の愛に目覚めた。其方と婚約破棄し、こちらの男爵令嬢を王太子妃とする」
それは王立貴族学園の卒業記念舞踏会でのことです。
私の婚約者である王太子殿下がそう申し付けてきたのです。
殿下は人形の様に可愛らしい男爵令嬢を庇うように立っておいでです。
きっとその方を王妃にしたいのでしょう。
お父上の国王陛下のように。
国王陛下もそうでした。
この学園で子爵令嬢であった東王妃様に出逢い、卒業記念舞踏会で当時婚約者であった侯爵令嬢の方に婚約破棄をされたのです。
もちろん問題になりました。
そのため、かなり特殊な王妃制が採択されたのです。
元は東大陸に伝わる後宮制の制度を模したと言います。
二王妃制。
つまり2人の王妃を置くことにしたのです。
東の御殿にお住まいの元子爵令嬢の東王妃様。
こちらが王太子様の御生母様です。
元が子爵令嬢です。王妃などという職責が務まるはずがありません。
その為のニ王妃制です。
当時秀才として名高い隣国である帝国の侯爵家の御令嬢様が西の御殿にお住まいになり、西王妃様と呼ばれることになりました。
私が王太子と婚約したのはこの為でした。
生母の身分の低い第一王子の立太子の為でした。
それなのにこの方は何も分かっておりませんでした。
だからこのような事が出来たのです。
自分も父上と同じように出来ると思ったのでしょう。
あの後、物語には定番の結果が待っておりました。
王太子だった第一王子は廃嫡。
だってそうでしょう?
お父上である国王陛下とは元が違うのですから。
国王陛下のお父上は先代の国王、そしてお母上は隣国の皇女。
そんなお二人のたった一人しかいない御子だったのです。
しかもお母上の祖国は西大陸最強の帝国であり、当時の皇帝の愛娘です。
廃嫡なんて出来ないでしょう?
そのためのニ王妃制だったのに。
王太子だった第一王子は廃嫡し、男爵令嬢は生家もろとも平民になったそうです。
止められなかった王太子の側近達も廃嫡だそうですわ。
だってねぇ…
私ですか?
私は愛する人と幸せに暮らしておりましてよ。
「やっと二人きりですね」
公爵令嬢はそう言ってこちらを見て笑う。
私は王太子だった。
だが今は、公爵家にいる。
足には鎖をつけられ逃げられないようにされている。
「やっと、やっと私だけのモノになりましたね。殿下がお馬鹿さんで良かった。そうじゃなかったら、こうして私だけのものに出来ませんでしたから」
逃げたかった。
彼女から逃げたかった。
だから処刑覚悟であのようなことをした。
それなのに、処刑はされず、こうして鎖で繋がれ彼女の目の前にいる。
着せ替え人形の様に彼女の好む格好にされて、私の好物が目の前にある。
いっそ毒入りだったら良かったのに。
「食べないんですの?」
彼女は大輪の花の様に笑う。
この目だ。この目が怖かったのだ。
あの日から、初めて会ったあの日から。
あの日からずっと。
逃げたくて馬鹿のふりをした。
廃嫡されて処刑されたかった。
それくらいずっと恐れていた。
なのに…
「逃げようとしたって無駄ですからね。知ってます?東大陸の言い伝えでは魂は生まれ変わるのですって。素敵でしょ?ずっとずっと、死が二人を分かとうともずっと来世でも一緒ですわ。ね?殿下」
私は逃げられない。
来世もきっと。
それは王立貴族学園の卒業記念舞踏会でのことです。
私の婚約者である王太子殿下がそう申し付けてきたのです。
殿下は人形の様に可愛らしい男爵令嬢を庇うように立っておいでです。
きっとその方を王妃にしたいのでしょう。
お父上の国王陛下のように。
国王陛下もそうでした。
この学園で子爵令嬢であった東王妃様に出逢い、卒業記念舞踏会で当時婚約者であった侯爵令嬢の方に婚約破棄をされたのです。
もちろん問題になりました。
そのため、かなり特殊な王妃制が採択されたのです。
元は東大陸に伝わる後宮制の制度を模したと言います。
二王妃制。
つまり2人の王妃を置くことにしたのです。
東の御殿にお住まいの元子爵令嬢の東王妃様。
こちらが王太子様の御生母様です。
元が子爵令嬢です。王妃などという職責が務まるはずがありません。
その為のニ王妃制です。
当時秀才として名高い隣国である帝国の侯爵家の御令嬢様が西の御殿にお住まいになり、西王妃様と呼ばれることになりました。
私が王太子と婚約したのはこの為でした。
生母の身分の低い第一王子の立太子の為でした。
それなのにこの方は何も分かっておりませんでした。
だからこのような事が出来たのです。
自分も父上と同じように出来ると思ったのでしょう。
あの後、物語には定番の結果が待っておりました。
王太子だった第一王子は廃嫡。
だってそうでしょう?
お父上である国王陛下とは元が違うのですから。
国王陛下のお父上は先代の国王、そしてお母上は隣国の皇女。
そんなお二人のたった一人しかいない御子だったのです。
しかもお母上の祖国は西大陸最強の帝国であり、当時の皇帝の愛娘です。
廃嫡なんて出来ないでしょう?
そのためのニ王妃制だったのに。
王太子だった第一王子は廃嫡し、男爵令嬢は生家もろとも平民になったそうです。
止められなかった王太子の側近達も廃嫡だそうですわ。
だってねぇ…
私ですか?
私は愛する人と幸せに暮らしておりましてよ。
「やっと二人きりですね」
公爵令嬢はそう言ってこちらを見て笑う。
私は王太子だった。
だが今は、公爵家にいる。
足には鎖をつけられ逃げられないようにされている。
「やっと、やっと私だけのモノになりましたね。殿下がお馬鹿さんで良かった。そうじゃなかったら、こうして私だけのものに出来ませんでしたから」
逃げたかった。
彼女から逃げたかった。
だから処刑覚悟であのようなことをした。
それなのに、処刑はされず、こうして鎖で繋がれ彼女の目の前にいる。
着せ替え人形の様に彼女の好む格好にされて、私の好物が目の前にある。
いっそ毒入りだったら良かったのに。
「食べないんですの?」
彼女は大輪の花の様に笑う。
この目だ。この目が怖かったのだ。
あの日から、初めて会ったあの日から。
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逃げたくて馬鹿のふりをした。
廃嫡されて処刑されたかった。
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なのに…
「逃げようとしたって無駄ですからね。知ってます?東大陸の言い伝えでは魂は生まれ変わるのですって。素敵でしょ?ずっとずっと、死が二人を分かとうともずっと来世でも一緒ですわ。ね?殿下」
私は逃げられない。
来世もきっと。
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