童貞限定♂補習授業!? ~童貞男子たちとゲイビ観てたら乱交にハッテンしました~

宗形オリヴァー

文字の大きさ
1 / 1

童貞限定♂補習授業!? ~童貞男子たちとゲイビ観てたら乱交にハッテンしました~【夏休み・前半】

しおりを挟む
遡ること一ヶ月前。
オレはこの乙杯学園中立部の二年生として転校してきた。

転校初日のことは今でも明確に思い出せる。
共学から男子校への途中転入。しかも7月とかいう半端な時期のことだった────。






─────7月1日。



(緊張するなあ……友達できるといいけど……)

元来、人付き合いが別に得意な方じゃない。
無邪気すぎる子供の相手をするのも、計算高い大人の命令に従うのも、どっちも苦手。
かと言って、特に個性のない自分が、同年代ともすぐに打ち解ける自信はなかった。

(はあ……)









憂鬱な心を抱えて新しい教室に入った瞬間、クラスメイトとなる大勢の男子がオレを値踏みするような視線を向けてきた。
それと同時に、オレの方でも目立つ男子というのが何人か目に入った。

机に両足を乗せてふんぞり返っている、番長みたいな男子。(絶対仲良くなれなそう)
派手な赤シャツを着てピアスをした、ワイルドバンドマン風の男子。(絶対仲良くなれなそう)
着替えるのを忘れたのか、薄汚れた野球部のユニフォームを着たままの男子。(絶対仲良くなれなそう)

こういうカースト上位っぽいやつら、前の学校にもいたなあ。
オレとは住む世界が違うくてほとんど絡むことなかったけど……。

そう言えば、男子校って童貞が多いって聞くよな。
女子との出逢いがあんまりないかららしいけど、それって本当なのかな。
うう……なんかそんなこと考えてたら、この教室でオレを見てる男子たち、みんな童貞に思えてきた。
なんかこの学園、ガタイ良くて男らしい生徒が多いし。
そう、女にモテるというよりは、男にもてそうな感じ。
オレからしても、結構シコい男子揃ってるなって感じでラッキーかも……。

オレが下世話かつ失礼なことを考えていると、教壇に立つクマ系の担任がパンパンと手を打ち鳴らす。

「てなわけで、みんな注目! お待ちかねの転校生を紹介するぞ~」

教室が転校生の登場にざわめく中、オレは一歩前に出る。

生徒たちの顔を見渡した瞬間、ここからこの学園でのオレの生活が始まるのだと実感した。
それと同時に、だったら、悔いの無いように頑張らないと、とも思った。

(前の学校では、自分が消極的なせいであんまり友達が出来なかった。でも、そんな自分を、オレは変えたい…!)

そうだ。
この転校生デビューは、今まで絡んだことのなかったシコい男子とも友達になれるチャンスかもしれない…!!

そう思うと途端にやる気が湧いてきた。
オレは気合いを入れて、改めて前を見据える。

(泣いても笑っても大事な初対面だ。舐められないように、パンチのある自己紹介を言わなきゃだよな…!)

そうは思うけど実際になんて挨拶すればいいかなんてわからない。
だけどじっくり考えてる時間なんてない。

(こうなったら、勢いのままにいこう…!)

オレは緊張しながら、息を大きく吸い込んだ。
そしてクラスメイトの男子たちへ、自己紹介をする。

「初めまして!! オレの名前は、本木トモ(もとき・とも)です!!」

まずはクソデカボイスで場を制圧する。
オレの声に驚いてみんなのざわめきが止んだ。
そのタイミングで、間を開けずに、何か気の利いたことを言うべきだと直感で感じた。
でも、なんて言えば。
あー、えーと、あーーー。

咄嗟にオレの口から出たのは。

「オレ――――みんなと同じ、ガチガチの童貞です!!!!」

そのみんなが微動だにせずオレを見つめる。

「な、仲良くしてください!! よろしくお願いします!!」

…………。

時間を止める魔法を使えるようになったのかと、一瞬勘違いしてしまうくらい。
静寂の中、椅子に座る男子全員、果ては担任までもがぽかんと口を開けてオレを見ていた。

たらりと汗を垂らして、オレは思った。

あー。間違ったわ、コレ。











童貞限定♂補習授業!? ~童貞男子たちとゲイビ観てたら乱交にハッテンしました~






─────8月1日。


転校初日から、一ヶ月が過ぎた。


教室の窓の外でセミの鳴き声が響き渡る夏休み。
そのやかましさにも風情を感じ始めてきたオレは、机に乗ったプリントの最後の空欄を適当に埋め終わった。
今書いた答えが正解かどうかなんてどうでもいい。
学生なら浮かれて当然の夏休みだというのにわざわざ登校して、自分たち以外に誰もいない教室で数時間を過ごしたという事実は変わらない。

ちょうど時計の針が終了時間を指して、教壇に立つ先生が補習のプリントを回収していく。








「う~~ん」
オレは自分の席に座ったまま大きく伸びをした。
退屈なお勉強は好きになれるわけもないけど、終わった瞬間の開放感は嫌いじゃない。

二年生の教室の中には、補習を受けている生徒がオレを含めて四人。
それぞれ一学期のテストで大惨敗してしまった生徒が集められて、夏休みに補習を受けさせられているというわけだ。

(だって、転校してきてすぐのテストなんて、良い点取れるわけないじゃん)

引っ越しとか新しい環境に馴染むドタバタもあって、オレのテストの点数はボロボロだったのだ。

「お前らダルそうにすんのはいいが、ちゃんと名前書いたんだろうな? 一人ずつ確認していくぞ」
教壇に立つ男塚(おのづか)先生が、集めたプリントの氏名の記名を読み上げていく。

「まず、本木トモ」
名前を呼ばれたオレは「はーい」と返事する。
先生が頷いて次の名前を呼ぶ。

「えー、十文字醍醐(じゅうもんじ・だいご)」

「おー。今日もやぁっと終わったぜ。毎日毎日、補習なんざかったりぃ」
ぶっきらぼうな返事。
制服のブラウスを脱いでタンクトップ一枚になった醍醐は、行儀悪く両足を机に乗っけて、坊主頭の後ろで大きな手のひらを組んでいる。
ケンカに強そうなボクサー体型で普段から少し不良じみた醍醐は、クラスのガキ大将といったところだ。
「おい十文字、机に足を乗せるな、ったく……」
先生が嘆息する。

「次、夜野田竜(よのだ・りゅう)」

「うす。てか、まだ終わんないんすか。補習のせいで最近軽音の集まり出れてないんすよねー」
気だるい声と深いクマの入った目元。首にはヘッドホン。
制服のブラウスの下に紫のシャツを着込んだ竜はだるそうに頬杖をつきながら、先生をジト目で見据えている。
パンクな雰囲気を纏う彼は軽音部に所属していて、ダウナー気質なのにどこか目立つ存在だった。
「このプリントの採点が終われば帰れるから、そう急かすなよ。先生だって休日返上してんだぞ?」
先生が嘆息する。

「最後、風井夏哉(かざい・なつや)」

「あ、はーい!! よかった、今度は名前書くの忘れてなかった! 学期末のテスト、名前書き忘れて0点になったせいで、この補習受ける羽目になったもんなあ! なははっ!」
野球部のユニフォームから覗く、よく日に焼けた褐色の肌と、ハキハキした明るい声。
色素の薄い茶色い髪をガシガシと掻いて、夏哉は子供っぽい笑みを浮かべる。
根っからのスポーツマンである夏哉はカラダもガッシリしていて、オレたちの中では一番発育がいい。
その恵まれたガタイと、子供っぽい笑顔のバランスはまるで大型犬みたいだ。
「ナハハじゃないだろ……名前書き忘れるなんて小学生じゃあるまいし……あと風井、なんで野球部のユニフォーム着てるんだ?」
「はい! 補習の前に自主練してたからです!」
「元気だなあ~~そして馬鹿だなあ~~」
先生が嘆息する。


こうして今、先生に名前を呼ばれたオレ、醍醐、竜、夏哉の四人が、このクラスの補習男子四人衆というわけだ。
オレたちは夏休みの間、補習のためにこの教室に通うことを強いられているのだった。

「おいトモ、お前ちゃんと問題解けたのかよ?」
後ろの席の醍醐が、汚れた足でオレの肩を小突いてきた。
だけどその不躾な態度に悪意はなく、気安い態度で接しているという意味合いの方が勝る。

「うーん、わかんないけど。まあ、醍醐よりは点取れてるとは思うよ」
「あぁ~~ん? ナマイキなやつだな」
醍醐が足を伸ばして、肩を越えてオレの頬をゲシゲシと蹴ろうとしてくる。
つんと匂う靴下を顔に近づけられて、オレは苦笑した。
「やーめろって、汚い足向けてくんな」
「うるへー。俺様より良い点数取ってたらこんなもんじゃ済まさねーからなw」

オレたちがふざけあうのをすぐ隣でジト見しながら、竜がニヤニヤと言う。
「お前ら、醜い争いしてんなよ。こん中で一番点数がいいのはどうせオレなんだから、底辺で争っても仕方なくね?」
カチンと来るような竜のその挑発も、補習で毎日顔を付き合わせているオレたちにはいつもの冗談でしかない。
「だからうるせっつーの。どんぐりの背比べでイキってんじゃねーぞ」
竜の挑発に乗った醍醐が席から立ち上がって、笑いながら太い腕を竜の首にがっしりと回した。

そこに夏哉が大声で会話に加わってくる。
「おっ、だったら点数最下位が、全員にアイスおごりにしよーぜ! おれ、ホームランバットバー、ドカ食いしてぇ! とりあえず醍醐がいるから最下位の心配はないしな!」

「アホか、お前みたいな野球馬鹿にオレサマが負けるわけねーだろが。いいぜ、負けたらアイスでも何でも食わせてやるよ」
醍醐はもうひとつの腕を、夏哉の首に回して締め上げるフリをする。
「ぎゃーっ! 折れる折れる!」
絡み合ってる三人に疎外感を感じて、オレも席から立ち上がって三人に近づく。
「それ、オレも乗った! さすがに最下位ってことはないだろうしさ」
両腕をそれぞれ男の首に巻き付けている醍醐が、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
獲物を見つけたような獰猛な笑顔。
「ふん、トモのくせにオレサマと勝負するとは良い度胸だぜ」
醍醐は机の上に大きな尻をどっかり座らせると、オレに向けて両足をぱかーっと開いた。
「うりゃっ!」
そのままオレの体を両足で挟み込む。
「うわっ!?」
むっちりとした足の筋肉で圧迫されて、オレの胸が隠れて跳ねた。
両足で腰を引き寄せられて、オレの股間と醍醐の股間がぐりぐりとくっつく。
(うお…っ! 醍醐の股間、弾力がやべえ……でっか……)
興奮で鼻血が垂れそうになるのを耐えながら、仲のイイ友達としてふざけあう。
左右の腕では竜と夏哉の首を締め上げ、笑いながら両足でもオレをぎゅうぎゅうと挟み込む醍醐。
「おいおい何だよこの体勢ウケるわ……」
「はははっ! 醍醐、汗くせ~!」
「るせーな、もっと締められてーか。オラッ! ぎゅうううう~~っと」
「やめろって~~w」
ふざけあって絡まり合いながら、オレたち四人はおかしくなって笑い合う。

ああ……これぞ青春の放課後。

ガタイのいい友人たちの吐息すら間近で感じながら、オレは心の中でこの補習に感謝する。

(なんだか夢みたいだよな……)

初めは気乗りするはずもなかった補習が、まさかこんな風にクラスのシコい男子たちと仲を深めるきっかけになるなんて思ってもみなかった。

あの転校初日、結果的に自己紹介の時のオレの童貞宣言は、ウケた。
挨拶をして静寂が場を包んだ時は社会的に終わった気分でいたけど、数拍置いて、クラスのみんなは笑ってくれたのだ。
だからオレはクラスのある程度の男子たちとは仲良くなれたのだけど、やっぱり全員と絡めるわけじゃない。

特に、転校初日には仲良くなれそうもないと思っていた三人。
醍醐は不良っぽい取り巻きの中心でいつもふんぞり返っていて、自分から話しかけに行ける感じじゃなかった。
竜は休み時間もイヤホンで音楽を聴いたり、海外のタトゥー雑誌を開いたりしていて、独自の世界があって近寄れなかった。
夏哉はとにかく運動大好きマンで、休み時間もグランドに出て数人と球技をしていて、運動が苦手なオレはそこには入り込めなかった。

そんな風に、三人とは接点がなかったのだけど。
“補習”という、自分たちしかいない特殊な環境下に置かれることで、オレたちは強引に距離を縮めることになる。
一度話してみると、意外なことにみんなウマが合った。
そして男子というものは、一度仲良くなった相手とは加速度的に馴れ馴れしくなっていけるものだ。

少し前までは話すこともなかった四人で、今こうしてふざけあえていることが、オレにとっては純粋に嬉しい。

友情を築けたことももちろんだし、その……下心的にも、なんてね。

(こうしてラッキースケベにありつけるだけでも、幸せだし)
三人と密着しながら、幸せを噛みしめる。

「ったく、ギャーギャー騒ぐな、これだから思春期は。んなベタベタくっついて、間違い起こすんじゃねえぞぉ?」
はしゃぐオレたちをげんなりと眺めて、男塚先生はズレた眼鏡を整える。
いつも無精ヒゲを生やして黒色のジャージを腕まくりしたクマ体型の先生は、確か年齢がアラフォー。
締めるところは締めるけど、何かあったときは生徒の味方になって寄り添ってくれたり、馬鹿話にも付き合ってくれる男塚先生は、計算で生きてるズルい大人とは違って、オレたち生徒にとって頼りになる存在だった。

「間違いってなんすか。先生は男同士で間違えたことあるんすかー」
竜がジト目で先生にたずねる。
「ち、ちがわい! 股間同士を摩擦する危険性を教師として教えたかっただけじゃい!」
焦って否定する先生にオレは呆れて呟く。
「そんなオレらの股間を爆発物みたいに言わないでくださいよ……」
「青少年の欲望なんざ最も脆い爆発物だろうが」
まあそれはそうかもしれないけど……身も蓋もない言い方をする先生だ。
「ほら男子共、にゃーにゃー発情してないで、暑いんだからさっさとプリントの点数発表するぞ」
別に全員が発情していたわけじゃないが……オレたちはそれぞれの席へ戻る。

「へへ、さーて、誰にアイスおごって貰えるのか楽しみだぜ」
また行儀悪く椅子を背中で傾かせて、醍醐が余裕ぶって鼻の下をこする。

オレたちが固唾を飲んで見守る中、先生が口を開いた――――――。











「なんっっっで、こうなんだよ……っっっっ!!」

ぬるい夏風に風鈴がちりんと揺れる、学園の近くにある昔ながらの駄菓子屋。
その軒先で、醍醐がデカい図体をわなわなと震わせていた。

「醍醐くん、ゴチでーす」
手に握った棒アイスを、竜が真顔でひらひらと醍醐に見せつける。
その隣で、オレと夏哉の二人も同じポーズをしてみせた。
小テストの点数がダントツで最下位だった醍醐のおかげで、オレたちはアイスにありつくことができたのだった。

「ちっっくしょう……! なんで俺様が最下位なんだよ、男塚の野郎、細工しやがっただろ……」
財布に小銭を大事に仕舞いながら、醍醐は先生に責任転嫁している。

蝉時雨の響く夏の放課後。
そのまま並んでアイスを食べていると、夏哉がおもむろにガッツポーズして叫んだ。
「おっ! 当たった!」
見ると、夏哉の握るアイスの棒には「当たり」という文字が刻印されている。
「いいな~~」
「あっ、じゃあこのタイミングで当たりついでに言っとくんだけどさ」
それなりに反応するオレたちの前で、夏哉は思い出したように切り出した。
頬を赤く染めて、少し照れくさそうに。

その一言がオレたちの関係を大きく変えることを、オレは後から思い知る羽目になる。

「おれさ、ついに出来ちゃったんだよな……彼女!」

スポーツマンらしくハキハキとそう告げて、夏哉は爽やかに笑った。

「「「え……」」」

「なんかさ、野球の練習試合をたまたま見てくれてた女の子がいてさ、そっから仲良くなって……つーか、今からデートだったりして! 試合のためにオナ禁した甲斐があったぜ!」


その場で聞かされたオレたちは時間が止まったように動きを止める。
蝉の声だけが辺りに響いた。

永遠みたいな数十秒の間を挟んで。

「「「へ、へえ~~~~~~ヨカッタジャン………」」」

汗をだらだら垂らしながら、オレ・醍醐・竜の三人は白目で返事するのだった――――。



そうしてそそくさとデートに向かった夏哉を見送ってから、真っ先に醍醐が吠えた。
「あーーーー!! なんっっっっでアイツに彼女が出来んだよ!! 運動部だからか!? 野球部つってもどうせ股間のバットは皮被ってるくせによ! 抜け駆けしやがって、あんにゃろ~~~!!」
アスファルトに地団駄を踏むその隣で、竜も深い溜め息を吐いていた。
「オレもモテるためにバンド始めたのになあ……でも男子校じゃなあ……やべ、全ての努力が虚無に思えてきた……いっそもうギター捨てて野球部入っちゃうか……」
夏哉に彼女が出来たことがよっぽどショックだったのだろう、二人とも悔しさを隠しきれない様子だ。
もちろんオレだって気持ちは二人と変わらない。
夏空の下、友達に先を越された悔しさと、恋人がいる羨ましさに身を焼かれてしまいそうだ。
「いいなあ……童貞も捨てれるんだろうなあ……」
だからこんな言葉もつい口から零れてしまう。

「「夏哉が、ど、童貞を……捨てる……だと……!!??」」

『脱童貞』という羨望のパワーワードに醍醐と竜が目を見開いて、その場に崩れ落ちる。
だばだばと男泣きしながら、二人とも雄々しく唸る。

「「うぐぅうう、お、俺様(オレ)も童貞、捨てたいぃ……ッ!!」」

「うわあ、二人とも見たこと無いくらい泣いてる……」

それほどまでに羨ましいのは、まあわかるけどさ。
オレたち青春真っ盛り男子にとって、彼女の有無は何よりも強いステータスだ。
それは当然、恋人関係に内包されるエロいあれこれに強い憧れがあるから。
いくらケンカが強かろうが、見た目がかっこよかろうが、性経験の有無でどうしようもなく差がついてしまうのが、思春期男子という生き物なのだった。

だけど醍醐は逞しく顔を上げて、太陽を睨む。
「俺様は決めたぜ……!こうなったら童貞キラーのお姉様に筆下ろししてもらうっきゃねえ!」
それに竜が真顔で頷く。
「いいじゃんそれ。で、その童貞キラーのお姉様って、どこで会えるんよ?」
「現状、エロ本の中だけだな」
「終わりじゃんそれ」
醍醐と竜がそんなやりとりをするそばで、オレは思う。

(彼女かあ……オレは別に欲しくないけど、こういうオスっぽい会話を男友達とするのって楽しいよな)

無益なやり取りをしている二人を眺めて微笑んでいると、醍醐の矛先がこちらに向いた。
「トモ、てめぇ余裕そうな顔してっけどよ、まさかお前も前の学校に恋人いたりとかしねえだろうな……!?」
的外れな指摘に思わず噴出してしまう。
「ふはは、何言ってんだよ、恋人いたらお前らと遊んでないよw」
「ま、それはそーだよな」
竜がそう言って、咥えていたアイスの棒をゴミ箱へと綺麗に放り投げた。

「ま、トモはもうちょい鍛えねーとな。男はなんてったってパワーだろ」
オレの返答に安心した様子でからかってくる醍醐の、タンクトップから突き出た二の腕は確かに太く逞しい。
粗暴な男子のぶっとい二の腕……よだれが出そうなくらいだ。
「ウチの学園、どの部活も筋トレの機具やたら揃ってるしなー。校長の趣味らしいけど、軽音部にまでダンベル支給された時は爆笑したわ。おかげで鍛えられていいんだケドさ」
そう言う竜も、軽音部員にしては筋肉質だ。
思わずオレは訊ねる。
「音楽やるのに筋肉って必要なの?」
竜はヤレヤレと溜め息をついた。
「わかってないなートモは。野外フェスとかでさ、ステージの上でシャツ脱いで半裸になったとき、バキバキに鍛えてた方がカッケーじゃん。割れてる腹筋見せたら女にもてもてじゃん」
それは確かにそうかも。だけどオレはさらに竜に問いかける。
「なるほどね。で、野外フェスに出る予定は?」
「ないんだよねぇ」
笑い合うオレたち。うーん、この無益な時間が楽しい。

駄菓子屋の軒先でそんな風にオレたちが駄弁っていると。

「さっきから聞いてりゃ、ガキが切ない話してんなあ」

不意に野太い声がかけられた。

駄菓子屋の店内から、大学生くらいの茶髪の男性がぬっと出てくる。白いタオルを頭に巻いて、キリリと鋭利な眉のそばに銀のピアスをしたその男性は、オレも面識があった。
見知ったその顔に、醍醐が嬉しそうに相手の名前を呼ぶ。
「うおっ! くっしー先輩!」
くっしー先輩と呼ばれたちょっとチャラっぽい男性はうちの学園のOBで、卒業後は実家の豆腐屋である『釧路(くしろ)豆腐店』の後取りとして修行している。
豆腐屋や街でこうして会うたび彼はオレたち学生に気さくに話しかけてくれる、ちょっと不良なみんなの兄貴分みたいな存在だった。
「くっしー先輩、こんなとこで仕事さぼってんすかー?」
竜が聞くと、くっしー先輩はチッチッと指を振った。
「ばかやろ。豆腐の配達の帰りだから合法サボりだっつーの」
「サボりに合法ってあるんだ……」
オレが呟くと、くっしー先輩は働く男の笑顔をこちらに向けた。

「トモくんも、だいぶ学園に慣れたみたいだな。よしよし。まあ醍醐とつるんでるのは兄貴分として心配だけどな」
オレの頭を軍手越しにわしゃわしゃ撫でながら、くっしー先輩がニヤリと醍醐に視線を向ける。
「うっせーな、何が言いてぇんだよ」
「いやあ、話聞かせてもらったけどよォ、醍醐とつるんでるうちは彼女できねーんじゃねーかってw」
「なんでだよ、ふざけんなー!」
醍醐とくっしー先輩は仲良く揉み合う。不良っぽい気質が合うんだろう、二人は仲良しだ。

「まあ怒んなって。そんな童貞諸君にうってつけの良いモンやるよ」
そう言うと、くっしー先輩はあぜ道に停めていた豆腐屋の車から何かを持ってくる。
それは何枚かのDVDだった。ラベルに何も印字されていなくて、なんだか怪しい。

「なんすか、このDVD?」
竜がDVDを指でつまんで、太陽に透かす。
「もしかして……え、エロいやつ?」
醍醐が鼻の下を伸ばして訊ねると、くっしー先輩はイヒヒといたずらっぽく笑った。

「あたり。青少年ならヨダレ出ちゃうやつ」

「えっマジで!?」
「すげー!!」
「神だ!!」
その返答を聞いて大盛り上がりするオレたち。
「いっひっひ、親にバレねーよーに“仲良く”観ろよ。んじゃ、俺は豆腐屋に戻っから」
オレたちにDVDを委ねてくっしー先輩は格好良く車で去って行く。

イケてる兄貴分からAVを貸してもらう、そんな心躍るイベントにオレたちは舞い上がった。
女体に興味ないオレでも、AV男優の肉体には興味あるし、何よりくっしー先輩のズリネタがわかることが興奮する。
「は、早く誰かん家(ち)で観よーぜ!」
鼻息荒く醍醐が急かす。
「こっから一番近いのってトモの家じゃね? しかもお前の家、オヤジさんだけだからこの時間は誰もいないんだろ?」
竜も珍しく早口になってオレに訊いてくる。
確かに、うちは父さんと二人暮らしだからこの時間は家には誰もいない。エロいものを観るにはうってつけと言えた。
「じゃあ……オレんち行く?」
「「いくうーーー!!」」
子供みたいに無邪気な返事をする二人を連れて、オレは自宅へと向かうのだった。





「そーいや、トモの部屋に来るのって初めてだわ」
竜の言葉にオレはギクリとする。
だって、転校してきてから、自分の部屋に友達が来たのはこれが初めてだからだ。
「中々良い部屋じゃねーか。俺様のアジトにしてやってもいいな」
醍醐がどっかりとベッドに座る。アジトって小学生ぶりに聞いたな。
「まあいつでも来てくれていいけどさ。それより、DVD観るんだろ」
部屋に置いてあるプレステにDVDをセットすると、竜と醍醐が前のめりでモニターを覗き込んでくる。
「ぐへへ、巨乳ギャルこい、巨乳ギャル…!」
「オレは若妻系。トモが好きなジャンルは?」
「えっと……」
話題を振られて、なんて答えるか迷う。正直に答えると「ガチムチ」とか「野郎系」になっちゃうんだけど……。
オレはなんとか、嘘のない範囲で答えを搾り出す。

「あえての、ら、乱交とか…?」

オレが答えると、左右から歓声が上がった。
「「わかる!! いいよな、3Pとか~!!」」

ホッ、わかってもらえて何よりだ……。

そんなエロテンションの高い二人に挟まれて、一緒にモニターを覗いた。

巨乳ギャルか、若妻か、はたまた……?
くっしー先輩のオススメAV、一体どんな内容なんだ……!?

期待に鼻の穴を膨らませたオレたち。
ガン見する目の前のモニターに、ある映像が映し出された――――。







それは大きなベッドがある、ホテルの一室のようだった。
そのベッドの上に、マスクで口元を隠した一人の男性が腰掛けている。
男性の見た目は、子供でも大人でも無い、オレたちと同じ年くらいに見えた。

「おっ、導入によくある女優のインタビューか?」
醍醐がウキウキと言う。

でもそれにしては、座ってるのが男性なんだけど……。

すると画面の端から、もう一人、全裸の男が歩いてきた。
────モザイクの入ってない巨大な局部をぶらんと揺らしながら。

いきなりそんな光景を目の当たりにして、それまではしゃいでいたオレたちは絶句した。

(え……これ、無修正……!?)

堂々とカメラの方へ向かってくる全裸の男は、顔を隠すためか水泳のゴーグルをしていた。
鋭利な眉のそばに銀の丸ピアスがあった。

「これもう撮ってんの? じゃあ早速はじめっか」
「あ、はい。その、よろしくお願いします……」

全裸ゴーグル男がベッドに座る青年の肩に優しく腕を回す。
自然な流れで、青年がぎこちなくゴーグル男とキスを交わし始めた。
ついばむようなものから、深く舌を絡めあうものへ、画面の中の二人はキスを重ねていく。

「「「は………???」」」

モニターの前に並んで座るオレたちの頭に、初めて疑問符が生まれた。

「え……、これ、え、なに……? めっちゃ男同士でキスしてんだけど……」
竜が掠れた低音で呟いた。
そのままゴーグル男が青年のシャツを脱がして、ベッドに押し倒す場面が映る。
何度見ても、映っているのは裸の男と男。
逞しい体がシーツの上で重なり合っている光景。

「お、おい……まさかとは思うがよぉ……」
ひくひくと口角をひくつかせ、片目を細く歪めて、醍醐が唸る。
ゴーグル男と青年が69の体勢になって、互いの局部を咥えたシーンが映ると、醍醐は頭を抱えて叫んだ。
「男同士でチンポくわえてやがるーーーー!!!???」

醍醐の不躾な叫びの内容に、竜も硬直している。
衝撃を受ける二人のあいだで、オレはもう、この映像がなんなのかわかっていた。

(こ、これって、どう見ても素人モノのゲイビデオじゃねーか……!!!!)

男が好きなオレからしたらDVDの内容自体は驚くものではない。だけど、男友達二人と見る内容としては驚きしかない。
醍醐と竜はそもそも、ゲイビなんて存在を知るのも初めてっぽいし……。

ま、ともかくオレたちは、くっしー先輩にからかわれたのだろう……。

「んがあーーーっ!! くっしー先輩に完全にやられたっ!! あんにゃろー、俺様たちのこと騙しやがってッ!!」
顔を真っ赤にして、醍醐がたまらず吠える。

「はあ……まあ、ただで無修正のAVくれるとか、そんな美味い話ねーよな」
溜め息をついた竜が、後ろ手を床につけて肩をすくめる。

からかわれたと知って肩透かしをくらった気分のオレたちの前で、ゲイビの映像が流れていく。

「はは、あー……じゃあ、DVD止める?」

なんだか居たたまれない気持ちになったオレがDVDの停止ボタンに手を伸ばそうとしたとき。

『あー、すげえ気持ちいい……やっぱ男だからイイとこわかんだね』

画面の中でフェラされて、ゴーグル男が吐息混じりのとろけた声を出した。
醍醐がそれに反応して呟く。
「へっ、男にされてんのに、フェラってそんなに気持ちいいのかよ」
口ではそう吐き捨てながらも、醍醐の目はしっかりと画面に見入っている。
「まー、口なら男も女も変わんないしな。気持ちいんじゃね? 知らんけど」
下ネタに乗らずにはいれないのか、竜がラリーする。
気だるげにしながらも、竜の目線もまだ画面を捉えたままだった。
――――期待したものでは無かったけど、とりあえず暇つぶしに見続けてみるか。
そんな二人の雰囲気に、オレも一緒になってゲイDVDの続きを見ることにする。

(まさか、醍醐たちとゲイビを見ることになるなんて……)

画面の中。
ゴーグル男と青年の性交は進んでいき、とうとう挿入のシーンに行き着く。

「うへえ……男同士って、マジでケツ使うんだな……なんつーか、すげえわ」

『おっほ……! いいね、めっちゃいいよ……女とヤルより、気持ちいいって、この穴……っ!』
青年の秘部に肉棒を突き入れたゴーグル男が、気持ちよさそうにそんなことを言う。

「ごくり……」
誰のものかわからない、生唾を飲む音。

「ははっ、マ〇コよりもケツが気持ちいいとか、マジだと思うかぁ?」
馬鹿にするように醍醐が笑う。むう。
「オレら童貞だからわかんねー。言わすなっつの」
竜もへらへらして、すっかり床に寝そべっている。
でも、画面の中の営みをからかいながらも、二人とも映像から目は離さない。
口ではなんと言おうが、興味津々なのだ。


『おい、そろそろおれも混ぜろよ…っ』
画面の中から唐突に三人目の声が聞こえたかと思うと、カメラが動く。
どうやら今までカメラマンをしていた三人目の男がいたようだ。
カメラの角度が下を向いたかと思うと、カメラマンが片手で黒いジャージの前をずらして、毛深い股ぐらから、ふてぶてしいチンポを取り出した。
それはすでにギンギンに勃起していて、先端からとろりと汁を滲ませている。
そして思わず目を見張るほど、その肉竿はデカかった。
ゴーグル男のモノも巨根だと感じたけど、こっちのチンポは大人の腕くらいありそうに見える。

バックの体位で腰をリズミカルに突き出しながら、ゴーグル男がチャラく笑う。
『はは、そういやそういう約束だったっけ?』
『そうだよ。カメラの手伝いしたらおれにもイイ思いさせてくれるって言ったから、わざわざ来てやったんだろ』
『でも、あんたのそのデカマラ、さすがにぶちこめないだろ』
『……………………まあ、そりゃな』
カメラマンの声が落ち込んだように小さくなる。
見かねたように、ゴーグル男が頭を掻いた。
『ったくしゃーねぇな。じゃああんたは口で抜いてもらえばいい』
『はあ……せっかくカメラマンなんか引き受けたのに結局口かよ』
『じゃあやめとく?』
『…………まあ、抜いてくれるなら文句は言わない』
渋々そう言うと、四つん這いでゴーグル男に貫かれて喘いでいた青年の顔面に、カメラがズームアップされていく。
『あっ、はあっ、んあっ』
頬を真っ赤にして喘いでいる口元に、カメラマンの浅黒いデカマラが突きつけられた。
青年がためらいなくカメラマンの肉棒を口にすると、今度はカメラマンの喘ぎ声が響く。
『う…っ、あ、すげ、あったけ……あっ、やばい、これ、やばい…っ』
『おいおいもうイキそうなツラしてんじゃねえか。もうちょい頑張れよ、俺も出すから、合わせてイこうぜ…っ』
そう言ってゴーグル男が腰を振るスピードを上げる。
『あっ、うっ、そう言われてもっ、おれっ、んひっ、これ、でる、チンポ、がまん、がまんしろ…っ!』
切羽詰まった喘ぎ声と共にカメラの映像が急に荒れる。
どうやらカメラマンがカメラをベッドの上に落としたようだった。
シーツの上に転がったカメラは、偶然にも繋がりあう三人の全体像を映し出す。
青年の頭を両手で掴んで、夢中になってチンポを突っ込んでいるカメラマンの男の顔は、ギリギリ映らない角度だった。

『おっし、イクぞ…っ! 合わせてびゅーびゅー出すぞ、この童貞…っ!』
『う、うるさい…! おっほ……! はふ……っ! も、もう出ちまう…っ!』

青年の前と後ろをそれぞれの肉棒で貫きながら、攻める男たちは声を荒げる。

『ふーっ! ふーっ、ふーっ、オラっ、受け取れ…っ!!』
『んんっ、ううっ、っふ、すげ、あ、あ、でる…っ!!』

逞しいカラダを震わせて、二人のオスが射精する。
真ん中の青年の口と尻に、濃い色の白濁が撃ち込まれるのを、オレたちは目撃する。

『ふー、出した出した♪ いい映像(え)が撮れたぜ。二人ともご苦労さん』
コトを終えたゴーグル男が満足げに口角を舐めて、カメラへと手を伸ばす。

『さーて、次回作はどんなの撮ろうかね』
そのセリフを最後に、DVDの映像がぶつんと止まった。







「「「…………」」」

オレは、瞬きもせずに画面の中のセックスを観てしまっていたことに気づく。
同じ部屋の中に醍醐と竜がいることすら忘れていたほどに、画面の向こうで行われたエロい乱交に思わず見入ってしまっていた。
そのせいで、オレの股間はズボンを内側から押し上げてしまっている……。

(まずい……勃起してるのをバレるわけにはいかない……)

「はは……醍醐、竜、どうだった? 結構、すごかったな」
オレは勃起してることを隠すため、平静を装って二人に振り向く。

床に両肘をついて寝そべっていた竜、あぐらを掻いていた醍醐。
二人は何も言わないまま、目を見開いたまま頬を赤くしていた。

「あ……」
それぞれの股間を見ると、なんと、もっこりと膨らんでいるのが一目でわかった。
オレの視線に気づいた二人が、慌てて居住まいを正して正座する。

「えーと、いやー、まあ、その……やべーわ。いろいろと」
竜が赤くなった頬をぽりぽりする。
「んだよ、こっち見んじゃねーよ。……勃っちまったもんはしゃーねーだろ」
醍醐は腕組みして、照れ隠しのようにそっぽを向いた。

勃起しているということは、それって二人とも今の映像に確かに興奮したということだ。
それはオレにとって、なんだか嬉しいことで。

「あは、二人とも、ゲイビで興奮したんだあ」

思わず、声に出てしまった。
オレにとっては純粋な嬉しさだったのだけど、二人にとってはからかうような含みに聞こえたのは仕方ないことだった。

一瞬のうちに、オレの胸倉が醍醐に強く掴まれた。
「……んだよてめぇ、それが何か悪いのかよ、あぁ?」
強い力で胸ぐらごとオレを引き寄せて、醍醐が凄んでくる。まずい。ちょっと本気で怒ってる感じだ。
さっきまではDVDの内容を揶揄していたくせに、自分を馬鹿にされた(してないけど)途端にキレるんだから、ガキ大将って困った生き物だよ。

思うところがあるのか、竜までオレの股間を指差して非難してきた。
「つかよー、トモも人のこといえねーじゃん、勃ってんのバレてんし」
うう、勃起してるのばれた……。ま、全員勃起してるなら隠す意味はなかったけど。

とはいえ、オレが軽率な言葉を呟いたことを二人に謝る。
「ご、ごめんって。悪かったよ。別に馬鹿にしたわけじゃなくってさ」
だけど醍醐の怒りは治まらないようだった。
ギリギリと締められている胸ぐらが、依然苦しい。
「馬鹿にしてねーならどういう意味だよ。答えによっちゃ容赦しねぇぞ」
「だから、えっと、それは……」
うう。醍醐の力がどんどん強くなる。息が出来ない。
「い、今のDVDで興奮したのは、オレも同じだからだよ……! お前らのことを馬鹿にして笑ったんじゃない……!」
「あぁ? おかしそうに笑ってただろうが……! 嘘ついてんじゃねぇぞ」
さらに力が強くなる。く、苦しい……。
「だから、そういう意味で笑ったんじゃない……っ! お、おれは……嬉しかったんだよ……!!」
「はあ?」
理解できない、というように醍醐がオレを睨みつける。
胸を締める強さが、さらに増した。

(だめだ、もう、息が……)
苦しさに混乱したオレは、醍醐を納得させるために、もうなりふり構っていられなくなる。
最後の力を振り絞って、怒鳴った。

「わかったよ、ちゃんと言うよ…!! オレは、自分がゲイだから…っ! だから…! お前らがゲイビを馬鹿にしないことが、興奮してくれたことが、なんか嬉しかったんだよ…っ!!!」

こんな風に、その場の勢いでカムアウトしてしまうなんて。
誰にも言うつもりなんてなかったのに。

ぱっ、と、オレの胸ぐらから醍醐の手が離れる。
オレは床を向いてゲホゲホと咽せた。

ああ………どうしよう。どうしよう。

二人の反応を知るのが――――顔を上げるのが、怖い。

心臓がうるさいくらいに跳ねる。

そんな中、いつもと変わらない、ダウナーな竜の低音がオレの背中に降った。

「へー、トモってそっちだったん」

「え……?」
恐る恐る顔を上げると、二人は何でもないような目でオレを見つめていた。

醍醐がむっつりと言ってくる。
「俺様はそう言うの、よくわかんねーけどよ。まあ、俺様のことを馬鹿したんじゃねーってことは理解した」
理解してもらえてなによりだ。
どうやら竜も醍醐も、特にオレがゲイであることにはマイナスな感情はないらしい。
オレはそんな二人の反応に感謝する。
「……引かれてないなら、助かるよ。軽蔑されるかと思った」
「ねーだろ。イマドキそれで引くやつの方が引くわ」
「トモが男好きだろうが女好きだろうが、特に俺様に関係ねーしな」
二人が鼻で笑う。

「竜………醍醐……」
オレは心底安堵する。授業で多様性が習える時代に感謝すべきかも。
そんな風にオレが窮地を乗り越えたと感じていると、竜が悪い笑顔を浮かべた。

「ていうか、オレさあ、めっちゃ楽しそーなこと思いついたわ」

竜がオレの肩に手を置いて、ニヒルな表情がオレの顔面の間近まで迫る。
竜とこんなに接近したのは初めてのことで、少しドキリとする。
普段はちょっと大人っぽく見えていた竜の顔。
だけど、今のいたずらっぽい表情は年相応のものに見える。

そしてその竜が、耳を疑うことを言った。

「あのさー。トモがゲイだったら、さっきのDVDのやつ……オレらでヤレるってことじゃね?」




「「………はあ!?」」

思わずオレが驚いて声を上げると、傍で醍醐も驚いていた。
オレたちの反応に、竜が気だるく眉を上げる。
「や、ふつーにオレもムラついちゃったんだよね。さっきの見て。そこにトモがゲイだってわかったのって、なんかめっちゃタイミングいいじゃん、みんなで気持ちよくなれんじゃんって思って。男同士なんだし、別に連れオナみたいなもんっしょ?」

いや……さっきのDVDの内容は連れオナとは違う、本番セックスだ。

だけど……。

(これって……すごいチャンスでは……!?)

そうだよ…!
ぶっちゃけ二人のことをシコいと思っていたオレからすると、これは天から舞い降りたとてつもないビッグチャンスじゃないか……!!


「ま、まあ、正直、オレはどっちでもいいけど。何事も経験だしな?」
平静を装ってそんな返答をしてみると、竜は「さすがぁ」と丸めた拳をこちらに向けてきた。オレも拳を丸めて、こつりと竜の拳にぶつける。
まるでドラマの仲いい男同士のやり取りだ。会話の内容はアレだけど。

そんな中、醍醐だけは腕組みをしてむっつりしている。
「んー、一緒に抜くのは構わねぇし、トモの性癖もなんでもいいけどよ。俺様は別に男同士でヤリたいとは思ってるわけじゃねえぜ?」
そんな醍醐に、竜は大袈裟に溜め息をつく。
「だーら、醍醐はあたま固すぎんだよ。そんなんだからこうやって、くっしー先輩にもからかわれんだって。よく考えて見ろよ。オレらがこのDVD観た感想、くっしー先輩にはなんて言うつもりだ?」
「そりゃ……騙しやがってー!って殴りかかるとか?」
「アホ。そんなん向こうの予想の内なんだよ。どうせ先輩はオレらが怒ったり文句言ったりすんのを面白がろうって魂胆なんだから。それにくっしー先輩、ああ見えて空手の有段者で、勝てるわけねーんだし」
「だ、だったらどうすりゃいんだよう」
「だから、くっしー先輩の予想外の感想を言ってやるんだよ」
「予想外の感想って?」
オレが聞くと、竜はふふんと鼻を鳴らした。

「たとえば……こういうのはどーだ? 『あのDVDのおかげで、オレら、オトコに目覚めちゃったっす! 男同士の乱交ってめっちゃ気持ちいいんで、まだヤったことないなら先輩にもオススメっすよー! あ、よかったらこれから一緒にどうすか?』……これ聞いた瞬間のくっしー先輩の顔、めっちゃ拝みたくね?」

それを聞いた醍醐が、ブハッと盛大に噴き出す。

「ぐははっ! 確かに、くっしー先輩をぎゃふんと言わせてぇよな!」
「だろー? そのチャンスでもあるし、オレらのムラムラも解消できるし、一石二鳥じゃんよ」
「おー、そう言われたら、納得な気もしてきやがったぜ」

(竜、すごい……。頑固でキレやすい醍醐を上手く説得してる……)

ドキドキと二人の会話を見守っていたオレに、二人が同時に振り向く。
興奮を隠しきれない二人の目の色が、明らかに変わっている。

「てことで、話ついたわ。いいよな……トモ?」

それは二人の表情が、今までに見てきた「友達」のものから「オス」のものになったことを、ハッキリと感じた瞬間だった。

「う、うん……二人が、オレでいいなら」

オレは胸の高鳴りを抑えられぬまま、こくりと頷いた。

なんでもない夏休みの一日だと思っていた今日。
まさか、こんな展開になるなんて思ってもなかった。





オレのベッドにどっかりと腰掛けた醍醐と竜。
その真ん中に挟まれるように、オレも同じベッドに腰掛ける。

左右の二人が制服のスラックスを膝まで下げると、もっこりと膨れ上がったそれぞれの下着が丸出しになった。
醍醐は白いブリーフ。竜はシンプルなボクサーブリーフだ。
二枚とも、テントを張った先端部分がじっとりと湿っている。

(うおお……二人のパンツ、もう濡れてる……!)

その膨らみをそれぞれ両手でそっと撫でると、ガチガチに硬まった肉の熱が手のひらに伝わってきた。

「うお……っ」
醍醐が声を漏らす。
見上げると、いつも自信に満ちた醍醐の粗暴な眉が、今は険しく寄せられていた。
「えっと……大丈夫そう?」
一応訊ねると、醍醐は虚勢を張るように太い腕を組んでふんぞり返る。
「だ、大丈夫に決まってんだろ、チンポ触られるくらい!」
「ならいいけど……よっと」
オレは二人の下着をぐいっとズリ下げた。



ぼろんっ! ぶるんっ!




二本のチンポがオレの眼前で跳ね上がる……!

同時に、むわあっ、と、汗に蒸れた股間の匂いが室内に充満する。
目の前でびくびくと震える二本とも、未使用なだけあって、幹も亀頭も色が鮮やかだ。

うはあ……♡ 二人のチンポ、しかも勃起したところを拝めるなんて、さいこう……♡

「てか、二人ともでっかいなぁ……」

醍醐のチンポはすっぽりと皮が被っているけど、竿が野太い。
竜のチンポはズル剥けで、毛が処理されているのもあって長さが目立つ。

竜が醍醐のチンポを見下ろして、からかう。
「醍醐よー、夏哉のこと包茎って馬鹿にしてたくせにその皮被りはないんじゃね?w」
「う、うっせぇ……! 剥けてなくて何がわりぃんだよ…! ジロジロ見んじゃねぇ……!」

皮が被ってることを指摘された途端、醍醐の威勢が急激に萎んでいく。
燃えたように耳まで真っ赤にして、口を一文字に引き結んで。
いつもの醍醐とは全然違う態度に、思わず竜もオレも驚いたくらいだ。
(醍醐、包茎が恥ずかしいのか……)

別に無理に励ますわけじゃないけど、オレは思ったことを口にする。
「醍醐、オレは皮被ってるの全然気にしないし、お前のチンポ、太くていいと思う。その……エロくて」
「……そ、そうかよ」
照れくさそうに醍醐が小さく呟いた。
感情と比例するように、醍醐の太いのがぐぐぐと角度を上げていく。
なんだかそれが可愛くて、オレは醍醐の肉幹を直にゴシゴシとこすってやった。
「う、く、はあ…っ」
醍醐はビクビクと震えながら小さく声を漏らす。

そうしていると、竜がオレに訊いてくる。
「な、オレのは? 結構、悪くないと思ってんだけど」

「竜のもすげーよ。毛を整えるとより長く見えるってホントなんだな。でもそんなことしなくても、普通のサイズよりデカいと思う」
竜のチンポも握るとドクドク脈を感じられて、すごくエロい。
柔らかくシゴくと、さらにその全長を伸ばしていくようだった。
「やー。ヒトに見せんの初めてだから、これでもけっこー緊張してて。マックスん時はもうちょい長さあんだけどなー」
まだ長くなるなんて、そりゃすごい……。

「ん……」

手のひらで二人の熱と反応を楽しみながら、オレは友達のチンポを両手で同時に責め立ててゆく。
巨根から垂れるガマン汁を絡めて竿をシゴくと、ちゅくちゅくと卑猥な水音が共鳴しあう。
最初は見栄を張ったり軽口を叩いていた二人も、いつの間にか、はーはーと息を荒げている。

竜と醍醐の二人は自らの股間がシゴき上げられているのを見下ろして、口の端からヨダレを垂らす。

「あ、あ、ヒトに、ゴシゴシされんの、やべー…っ」
「ぐ、ぐぐ、おれ、さま、もう、出ちまう…っ!」

二人の喘ぎ声が、絶頂へと向かうようにボリュームを上げていく。

オレの手のひらの中のチンポたちが、ビキビキと張り詰めたときだった。

びゅぐんっ!! どくんっ! びゅるるっ!

左右、それぞれの亀頭から勢いよく白濁が噴き出した……!

それは若い勢いのままに弧を描いて、オレの顔にまで飛んでくる。
二人の絞りたての熱さを顔面で感じて、口元に垂れてきた濃い白濁を舐めとると、青臭さにそれだけでオレも達してしまいそうになる……。
二本とも、一発射精したくらいじゃ全く角度を下げていないのが若さの象徴のようだった。

「やべー、めっちゃ飛んだわ。つか、オレたちばっかじゃ悪いよな。次はトモを気持ちよくしてやんよ」
オレより少し背の高い竜が、オレの肩を真横から抱き寄せる。
「はあ、はあ、はあ……お……俺様も、やられっぱなしじゃ終わんねぇぞ」
反対側から、同じく醍醐もオレの太ももに大きな手を乗せてきた。

う、うおお……! 左右からシコい筋肉男子に迫られている……!
夢のような状況に動悸がとまらん…!

「よ、よろしくお願いします……!」
ガタイのいい二人にぎゅうぎゅうと挟まれて、たらりと鼻血が垂れそうだった。


「ん、あっ、ぁ、んん…っ」
二人の手によって、乱雑にはだけられたオレの制服。
カッターシャツのボタンは全て外されて、あらわになった胸板。
スラックスのチャックが下ろされて、トランクスのスリットからボロンとオレのチンポが突き出ていた。

「前から思ってたけど、お前カラダ細すぎんだよ。同じオトコとは思えねえぜ?」
左の耳に醍醐のぶっきらぼうな吐息がかかる。
オレに密着した醍醐はオレの胸をジロジロと見下ろしていた。
醍醐はオレの背中に片腕を回すと、反対のワキの下からオレの胸へと手を出して、右の乳首を指で突いてきた。
「んんっ、あ、あっ」
そのぎこちない指先の動きが、痛いほどに感じてしまう。
胸への刺激でびくびくと背筋を反らせるオレを、醍醐は汗ばんだ顔で見つめる。
「おいおい、こんな小せえ乳首一個でそんな感じるのかよ。おい、こっちもしてほしいか?」
触れられていない左の乳首、その乳輪を指先でくるくるとされて、オレは切ない目で醍醐を見上げてしまう。
「……ナマイキな目だな」
低い声で睨まれて、ぎゅっと乳首を摘ままれる。
「はあんっ!」
そのまま右の粒も指の腹でぐりぐりと押し潰されて、左の粒を雑に弾かれる。
「あっ、醍醐…っ、ああっ、あっ」
二つの粒をめちゃくちゃにされる快感に、カラダがびくびくと止まらなくなる。

「おー、こっちもすげえ汁垂れてんよ」
オレの右に座っている竜が、興味深そうに呟く。
竜はオレの肩を抱き寄せながら、もう片方の手をオレの股間に伸ばしていた。
はしたなく汁を垂らしたオレのチンポを見下ろしながら、その竿を淡く握り込んでくる。
「うぅ…っ、そこは、ダメ…っ」
オレが羞恥に顔を背けると、竜は喉の奥で笑う。
「別に恥ずかしがらなくていーだろ。気持ちよくなるためにやってんだし」
ちゅくちゅくと音を立てながら、竜の大きな手のひらと指がオレの肉竿を上下に擦る。
「ああっあっ、竜っ、んああっ」
普段ギターを弾き慣らしている指が、今はオレのチンポで卑猥な旋律を奏でていると思うと、さらに股間が硬くなってしまう。

「あぁっ、はあっ、はあぁっ♡」
醍醐に乳首を弄られ、竜にチンポを扱かれて、もう気持ちいい声が止まらない。
閉じない口の端から唾液を垂らしながら、涙目で醍醐を見上げる。
ぎくりと戸惑ったように、醍醐の喉仏がごくんと動いた。
「こ、こっち見んなよ…! オラ、これで早くイケよ…っ!」
唐突に、醍醐がオレの胸に顔を寄せてきた。
男らしい顔がさらに近く迫って、オレの胸がドキリと跳ねるのと同時に、乳首に醍醐の舌が触れた。
「ひあ…っ!」
れろ…れろ…とぎこちなく、醍醐の舌がオレの粒を嬲る。
指とはまた違う、熱く湿った感触に粒を浸される快感。
それに対するオレの反応が良いことを見た竜が言う。
「ふーん。じゃ、こっちはオレがやるべき?」
軽く言うと、反対の乳首を竜がぺろりと一舐めした。

「んひぃ…っ!?」
二つの粒を同時に舐められる、普通では絶対にありえない刺激に脳が麻痺しそうになる。

「ふは、反応おもろ」
竜が舌の腹を使って、乳首をべろおと舐め上げてくる。
しっかりと目はこちらを見上げていて、オレはさらに顔が赤くなる。
「ふーっ、ふーっ、ふーっ、じゅううっ! じゅるるっ!」
なぜか鼻息を一層荒くした醍醐が、夢中で粒にしゃぶりついてきた。
乱暴に吸い上げられたり甘噛みされて、思わず醍醐の頭に手を置いてしまう。
辞めて欲しいという意思ではなく、気持ちいいと伝えるために。

「はあっ、あっ、んっ、いい、きもちいい…っ!」

男友達に両側から乳首を舐め回されながら同時にチンポを扱かれる。
なんて非日常で、なんて背徳的なシチュエーション。
「いっっっぐうぅぅう…っ!!」
その快感に耐えられるわけもなく、オレは盛大に絶頂した。

びゅぐんっ!! びゅぐっ!! びゅるるっ!!

二人の時と負けないくらいに勢いよく射精したオレの白濁が、三人のカラダを汚していく。

「はあっ、はあっ、はあ……すごい……」

射精の余韻で、オレはぐったりとベッドに倒れ込む。
息を切らして仰向けになったオレを、二つの大きな影が覗き込んだ。
「え……?」

「そんじゃ、次はいよいよ繋がってみる?」

あっさりと竜にふとももを持ち上げられて、オレのお尻が丸見えになった。
「や、あの、ま、ちょ、心の準備とか、ゴムとか、色々準備がまだ……わっ!?」
思わず起こそうとした上半身を、頭の上から伸びてきた醍醐の両腕が再びベッドに縫い止めた。
「いらねえだろ、んなもん…っ!」
寝転んだ頭上からオレを逆向きに見下ろす、醍醐の切羽詰まった赤ら顔。
欲情したオスとしか言えないその表情がオレの視界いっぱいに映る。
「えーっと、オレたちの精液をローション代わりに穴に塗り込んで……っと」
オレの意思を置いて、オレの下半身は竜の指で着々とほぐされていく。

「いやーさっきのDVD見といてよかったまである。穴のほぐし方とか勉強になったし」
「だな。男同士のヤリ方なんざ普通はわかんねえよ」
オレのカラダを開発しながら談笑する二人。
動きを封じられて両足を開かれたオレは、性欲旺盛な男子二人にとって、まな板の上の鯉でしかない。

そして、いよいよオレの新品のお尻に熱いモノが押し当てられた。
「あ…っ!?」
「っし、これでオレも童貞捨てれるってわけだ……っと!」
不安な目線を下に向けたとき、さっきよりも怒張した竜のチンポがオレのカラダを貫いた。

ずぶぶぶ…っ!!

「かは……っ!」

熱く、硬く、オレの内壁をえぐりながら。
どこまで入ってくるんだと思うほどに長大なそれが、オレの奥を犯す。

「うお、これ、すっげ、マジでチンポ溶けるやつだわ……」

ぬちゅっ! ずちゅっ! ずぶっ!

「ああっ! うああっ! はああっ! 竜…っ」

未知の快感を探るように、竜はずんずんと腰を振ってくる。
内壁を容赦なく刺激される、その律動は背骨まで響く。
醍醐に両肩を抑え込まれたままのオレは為すすべ無く、男友達のチンポに犯される。

「はあ、はあ、なあ、トモ、ここって奥だったりする?」
「んはぁぁ~~っ!」
竜が体重をかけて、根元までチンポを押し込んでくる。
オレは涙目になりながら、盛大に喘いだ。
「まじか……っ、その反応、普通にそそるわ」
「なに、言って…っ」

ずんっ! ずちゅっ! ばちゅっばちゅっばちゅっ!

ダウナーイケメンの竜が汗だくになって必死に腰を振っていることの方が、オレにはそそるんだけど。
そんな軽口を言う余裕は今のオレには全くない。

「はー、はー、てか、これ、出していいんだっけ、奥に、オレの精子…っ」

ガツガツと腰を止めずに、竜がそんなことを聞いてくる。

「あっああっあっだっ、まっ、そ、あっあっナカは…っ!」

だめ、と言おうとしたけど。

「あー、でも、さっきのDVDだと中出ししてたよな。だったらオッケーか」
勝手に納得して、射精するために律動にスパートをかける竜。

「ああっだあっあっぁぁっやぁあぁっ!!」
奥をゴツゴツと何十回も突かれて、オレは首を振りながら喘ぎ散らす。
「あ、出る、やべ、もう出る、あー」

竜の長いチンポが────オレの最奥で爆ぜた。

どくっ! どくどくどくっ! どびゅるるるっ!!

熱い濁流がオレのナカに染み渡る。

ツヤツヤとした顔の竜が、ドロドロのチンポをぬぽんと引き抜く。
「いやーセックスってすげー気持ちいいわ……てか男同士でもぜんぜんイケる」
「お、おい、早く俺様に代われよ…っ!」
「オッケ」
股間をビンビンにおっ立てた醍醐が、ドタバタと竜と入れ替わる。
待ちきれないようにふんふんと鼻息を荒くして舌なめずりまでする様子は、ガキ大将の威厳とはかけ離れていた。

そんな醍醐にオレは声をかける。
「ちょ、ちょっと待てよ、休憩させてくれって……」
「あぁ!? なんでだよ、いいだろ!」
「いやオレだって普通に快感で頭おかしくなりそうだし、ちょっと待ってくれたらいいだけだから……」 
「そ、そりゃあ、そうか……」
まるで“待て”を命じられた犬のように、醍醐は思いっきりシュンとする。
う……なんかこっちが申し訳なくなるくらいだ……。
だけど、醍醐はオレの両足を持ち上げた体勢のまま、その手を離さない。

「醍醐……?」
訝しんだオレが声をかけると、眉をハの字にさせた醍醐が、切ない声で囁いてきた。
「なあ~~頼むよ……俺様にも早く童貞喪失させてくれよ……もう待てねぇんだって……」
威厳や虚勢など捨てて、ハアハアと舌を見せながら張り詰めた股間をびくびくと震わせてそんなお願いをしてくる醍醐。
(いや、かわいすぎる……)
こんな姿を見せられたら、拒絶できるわけもない。

「……わかったよ。しょうがないなあ」

オレは自分で両足を広げて、秘部を見せつける。
醍醐はぱあっと顔を明るくすると、ぶんぶんと尻尾を振るように、いきり立った股間をオレの穴に押しつけてきた。
さっき竜に中出しされたせいで、そこはぐちゃぐちゃにぬるついている。

「っしゃあ! ヒーヒー言わせてやっから見てろいっ!」

威勢を取り戻した醍醐が、オレのナカに太い肉棒をくぐらせてくる…っ。

ぐぷぷぶ……ずぶんっ!

「んひぃぃ…っ!」

思ってたけど、やっぱり太い。
性急に根元まで埋め込まれた醍醐のチンポが、オレのナカを強引に拡張していく。

「ふはあ……なんだこれ、あったけえ……よ、よおし、ヤんぞっ!」

醍醐の気の抜けた声が聞こえる。
力強くピストンを開始する。

ずんっ! ずぐっ! ずぶっ! ずちゅぅっ!

持ち前のパワーでオレのナカを激しく犯し始めた醍醐。
腕の筋肉が膨れ上がって、力こぶが雄々しい。

「あんっ! あんっ! ああっ、醍醐…っ!」
酔いしれるように名前を呼んでやると、気をよくしたのかガキ大将は張り切って腰を振る。

ずちゅっ! ぬちゅっ! ずこっずこっずこっずこっ!

そんな風に頑張る醍醐だが、すぐに声色が驚きに変わった。

「おうっ! おうっ! んおお…っ!? あ、あれ、うそだろ、く、くそ…ッ!」

びゅるっ! どくっ! びゅぐっびゅぅううっ!

熱い飛沫が、オレのナカで唐突に迸った。
「んあ…っ!? 醍醐……出てる……っ?」

「う、あ、ちくしょ、うぁあ……っ」

どびゅっ! びゅっ! びゅくんっ!

止めたいのに止まらない射精に、醍醐は顔を真っ赤にしてびくびく腰を震わせる。

「おいおい醍醐、早漏~」
竜がからかうと、醍醐は烈火のごとく吠えた。
「う、うるせっ! 気持ちよすぎんだよ!! 俺様のチンポのせいじゃねえっ!」
初めてのセックスで早漏になってしまうのはオトコとしてはまあ、おかしなことでもない。
ただ、「ヒーヒー言わせてやる」と息巻いた結果としては、振るわなかったというだけで。

「い、いつもはこんなんじゃねーからなっ! 俺様の筋肉見たらわかんだろっ!? わかるよなあ!?」
わかるよなあ、と言われても、筋肉は関係ないし、いつもの醍醐の射精を知らないからなあ……。

「醍醐、早漏だとしてもまだ出せんだろ? さっきのDVDで見たヤツしよーぜ」
「さっきのヤツ…?」
竜からの提案に、醍醐は首を傾げる。
「これだよこれ」
竜はオレを四つん這いにさせると、べちべちとオレの頬をチンポで軽くはたいた。
「オレが口で、醍醐がケツな」
その言葉で理解した醍醐がニヤリとする。

オレの尻を両手で掴むと、何も言わずに太マラを突き入れてきた…っ!
醍醐はさっきの早漏を挽回するように、最初から激しくピストンしてくる。

「んあぁ…っ! ちょ、醍醐っ、落ち着けって、んぐううっ!」

醍醐を制止しようとして開いたオレの口に、竜の長竿が突っ込まれる。
遠慮なく喉まで押し込まれたソレの青臭さで口の中がいっぱいになった。

ぱんっ! ばちゅっ! ずぶっ! ぐちゅっ!

「んっんんっううんっんふぅっ!」

さっき見たゲイビデオと同じ、前と後ろから貫かれる。
上と下の口で味わう友達の肉棒。
青い匂いを擦りつけられるような、マーキングみたいな性交。
若く滾る欲求、オスとしての本能、人間ゆえの好奇心。
ここにいるオレたち三人のそれら全てが、オレのカラダを通して掻き回されてはぐちゃぐちゃに混ざり合っていく。

醍醐の太いチンポがナカで暴れるのも、竜の長いチンポを喉で味わうのも。

(――――たまらない……っ)

「「射精(で)る……っ!!」」

二人の精液がオレのカラダを前後から満たした瞬間、オレのチンポからも精液が飛び散る。

暑すぎる夏の、熱すぎる放課後。
オレたちは、三人で一緒に果てたのだった――――。






次の日、補習のために登校するなり、夏哉がオレたちの前で泣き叫び始めた。

「うわ~~ん!! おれ彼女に振られた~~!! まだ童貞捨ててないのに~~!!」

昨日彼女が出来た宣言してからまだ一日しか経ってないのに……。
気になったオレが訊ねる。
「一体何が原因で振られたの?」
「んーと、昨日の初デートの最後、死ぬほど頼み込んでおれの部屋に誘ったんだけど、いざベッドでエッチする流れになったらおれが緊張しすぎてゴム付け失敗しまくっちゃってさ。んで、ゴム無くなったから生でヤらせてって言ったら思いっきりビンタされて振られた」
「色々とむごい」
この野球馬鹿は恋人をなんだと思っているのか。

今日も薄汚れた野球部のユニフォームでしょんぼりと落ち込む夏哉。
部活で鍛えたガタイよし、太眉でちょっとイモい顔もよし、なにしろピカピカの現役野球部員の夏哉は、オレから見たらめっちゃシコいんだけどな。

「うぷぷ、まあまあ落ち込むなって。スポーツ馬鹿の夏哉くんには彼女はまだ早いってことだな」
夏哉が振られたのがよほど面白いのか、爽快な笑みで醍醐が肩を組んでくる。
「なんだよー! おれのブロークンハートを笑うなよお! むきーっ!」
わめく夏哉に、竜がニヒルな笑みを向ける。
「じゃーよ、今日の放課後は夏哉も一緒にお勉強ってことでよくね?」
「は? 勉強するなら寝るよ、おれは」
即答する夏哉に、竜がビンゴ!と人差し指を向ける。
「そー。気持ちよ~く“寝る”勉強しようぜ」
「寝る勉強ってなんだ? 気持ちいいことならしたいけど。おれ、昨日のデートのためにオナ禁してたんだよ。まだ出してないからもう溜まりまくっててさ。って、そういう話題じゃないか。なはは」
無邪気な夏哉に、ニヤニヤと怪しく笑う醍醐と竜。
二人がチラリとオレに目配せをする。

「うっし、じゃあ今日も放課後、トモの家お邪魔すんぜ」
醍醐の言葉に、オレは頬を染めて頷く。

静観を装っていたけど、実際はドキドキと胸が跳ねていた。

ガキ大将の醍醐。
バンドマンの竜。
野球部員の夏哉。

そう、昨日見たDVDのように。

(ああ――――オレは今日の放課後、この三人に犯されるのだ)

考えるだけで、カラダが疼く。

きたる放課後の情事に思いを馳せながら。


オレはこの夏の補習に改めて、感謝するのだった。








─────8月7日。


今日も教室の窓の外は変わらずに、太陽に照りつけられた蝉が悲鳴を上げている。

補習を受けるオレたちが集まる、夏休みの教室。
いつものように、黒いジャージ姿の男塚先生が教壇に立ってオレたちに言う。

「そんじゃ、今日の補習はここまで。外はあちーから、ダラダラ遊んでねーでさっさと家に帰るんだぞ」

オレたちはいつものように気だるく返事をする。

付け足すように、醍醐が先生に向かって軽口を叩いた。
「ハッ、外なんかで遊ぶわけねーだろ、ガキじゃねーんだしよ」
それに竜と夏哉も乗っかる。
「オレたち、誰にも迷惑かけずに室内で仲良く遊んでるんでー」
「そうなんです! 毎日熱中して盛り上がってるんです!」

言われた先生は不思議そうに首を傾げる。
「ほー? 血気盛んなお前らが、室内で一体何して遊んでんだ?」
言われて、オレたち四人は顔を見合わせた。
オレは苦笑しながら口を開く。

「えっと、それはもちろん……」

そして、声を揃えて四人で言うのだ。


「「「「毎日DVD見て、お勉強してま~~~っす」」」」




【夏休み前半 ~シコい男子たちの童貞いただきEND~】





────そしてオレたちが迎える8月後半。
野球部員の夏哉も交えて、エッチを覚えたての男子たちと補習後の教室で行われる4P乱交。
不意に教室の扉が開いて入ってきたのは…………。
「せ、先生……!?」

禁断の補習の行き着く先とは……

【夏休み後半 ~次にDVDになるかもしれない映像を見る~】はFANBOX(100円プラン)にて限定公開中です

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

先輩、可愛がってください

ゆもたに
BL
棒アイスを頬張ってる先輩を見て、「あー……ち◯ぽぶち込みてぇ」とつい言ってしまった天然な後輩の話

寝てる間に××されてる!?

しづ未
BL
どこでも寝てしまう男子高校生が寝てる間に色々な被害に遭う話です。

臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話

八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。 古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。

仕方なく配信してただけなのに恋人にお仕置される話

カイン
BL
ドSなお仕置をされる配信者のお話

二本の男根は一つの淫具の中で休み無く絶頂を強いられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...