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66話 緊急事態
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3年生に進級しても相変わらずの毎日が続いた。
そんなある日、学校に行くと、朝礼で深刻な表情でレイ・レイが話し出した。
「諸君、緊急事態である。東の隣国アンブロス帝国からエルドバーン伯爵領に数十万の魔物の大群が向かっているとの報告があった」
生徒達に動揺が広がる。
「我々教員は騎士団に編入されエルドバーン伯爵領に向かう事になる。今後の授業は事態が集結するまで全て中止となる。生徒達も志願兵として参加することができる。また、貴族ならば実家の軍に編入するのも良い。また、今回は相手が魔物ということもあるので冒険者として従軍するのも良いだろう。申請用紙を配るので決まり次第、私に提出して欲しい」
そう言うとレイ・レイは教室を出て行った。
「どうする?ヴィンセント?」
「レオンは実家に戻った方がいいかもな。私は冒険者で従軍しようと思うんだが」
すると教室に王の使者が入って来た。
使者は周りの喧騒をよそに私達の元にやって来た。
「勅命である」
使者に対して私達は儀礼を行った。
「レオン・エルドバーン、ヴィンセント・ミッドガル、エマ、アメリア、ダリルは直ちに王宮に参上すること」
そう言うと使者は去っていった。
そう言えば、私達は王専属冒険者だったな。
「ヴィンセント、勅命ならしょうがない。俺も冒険者として従軍するよ」
「そのようだな。では用紙をレイノルズ先生に渡してエマ達と合流しよう」
そして用紙をレイ・レイに持っていく。
「そうか、お前達はSランク冒険者なのだったな。それは致し方ない」
そして学校を出てエマ達の止まっている宿屋に向かう。
寝ているエマを叩き起こし、アメリアとダリルにも冒険者ギルドに集まってもらった。
冒険者ギルドは凄い喧騒に満ちていた。高額の報奨金で冒険者の従軍を募っていたのだ。
しかし喧騒とは別に酒場は静まり返っていた。
「そんな事になっていたのね。じゃあ王宮に向かいましょうか」
そして王宮へと向かった。
王宮に着くと、
「おお、やっと来たか。王がお待ちだ」
モリスと呼ばれていた男がこちらにやって来て控室まで先導した。
控室に着くとすぐに応接室に呼ばれた。
「おお、よく来てくれた。『風を追う者』よ」
「なぜその名を?」
「王専属冒険者の動向ぐらいは掴んでおるよ。それよりも今回はエルドバーン辺境伯領に魔物の大群が迫っているのは知っていよう。君達の力を借りたい」
「どこかの軍に編入されるのですか?」
「いや、今回は私自らが軍を率いて向かう。私の直属の兵として活躍してもらいたい。一騎当千の君らの働きを期待する。扱いは近衛兵になるが、前線でひと暴れしてもらいたい」
「かしこまりました王よ」
「200年前の悪夢の再来だ。出し惜しみせずに全兵力を動かす。私の直轄軍20万にに四公爵家軍10万で30万、それにエルドバーン辺境伯軍20万を併せて50万、更に各領地の貴族から軍を出させて連合軍が20万程で、全軍で70万、これだけいれば大丈夫なはずだ」
そして私達は退出した。第1陣の王直轄軍が揃うまでは王宮で待機となった。王宮に部屋が用意された。
そして1週間が過ぎ王都の周りは軍隊で埋め尽くされていた。
私達は専用の馬車が用意され、出発することとなった。軍勢は第1陣の王直属軍の20万人、第2陣は四公爵家軍の10万人、貴族連合軍は各地からそれぞれに辺境伯領を目指すらしい。
大軍勢に囲まれて馬車は進む。私達のすぐ側に王の馬車が進んでいる。王の馬車は装飾され傍目からも王の馬車だとわかるほど豪華なものであった。
馬車には私とヴィンセント、エマ、アメリアそしてダリルが乗っている。
「どんな魔物かしら?」
「ゴブリンばかりと言うわけにはいかないだろう」
「ゴブリンやコボルトも多いと思うが厄介な魔物も出てくるかもしれない」
ヴィンセントはそう答えた。
「例えば?」
「ケルベロスとかオーガとかな」
「げ、やばいじゃない」
「実際見てみないと分からないけどな」
王都からエルドバーン辺境伯領へは通常馬車で2週間程かかる。大軍での行軍なので速度は遅い。恐らくもう少し時間がかかるだろう。情報では魔物の大群が辺境伯領に到着するのには、まだ時間がかかるようではある。
休憩を挟みながら行軍は進んでいく。
そして懐かしいエルドバーン辺境伯領が見えて来た。そう言えば戻ってくるのは久しぶりだ。まさかこんな形で戻ってくる事になるとは……
そんなある日、学校に行くと、朝礼で深刻な表情でレイ・レイが話し出した。
「諸君、緊急事態である。東の隣国アンブロス帝国からエルドバーン伯爵領に数十万の魔物の大群が向かっているとの報告があった」
生徒達に動揺が広がる。
「我々教員は騎士団に編入されエルドバーン伯爵領に向かう事になる。今後の授業は事態が集結するまで全て中止となる。生徒達も志願兵として参加することができる。また、貴族ならば実家の軍に編入するのも良い。また、今回は相手が魔物ということもあるので冒険者として従軍するのも良いだろう。申請用紙を配るので決まり次第、私に提出して欲しい」
そう言うとレイ・レイは教室を出て行った。
「どうする?ヴィンセント?」
「レオンは実家に戻った方がいいかもな。私は冒険者で従軍しようと思うんだが」
すると教室に王の使者が入って来た。
使者は周りの喧騒をよそに私達の元にやって来た。
「勅命である」
使者に対して私達は儀礼を行った。
「レオン・エルドバーン、ヴィンセント・ミッドガル、エマ、アメリア、ダリルは直ちに王宮に参上すること」
そう言うと使者は去っていった。
そう言えば、私達は王専属冒険者だったな。
「ヴィンセント、勅命ならしょうがない。俺も冒険者として従軍するよ」
「そのようだな。では用紙をレイノルズ先生に渡してエマ達と合流しよう」
そして用紙をレイ・レイに持っていく。
「そうか、お前達はSランク冒険者なのだったな。それは致し方ない」
そして学校を出てエマ達の止まっている宿屋に向かう。
寝ているエマを叩き起こし、アメリアとダリルにも冒険者ギルドに集まってもらった。
冒険者ギルドは凄い喧騒に満ちていた。高額の報奨金で冒険者の従軍を募っていたのだ。
しかし喧騒とは別に酒場は静まり返っていた。
「そんな事になっていたのね。じゃあ王宮に向かいましょうか」
そして王宮へと向かった。
王宮に着くと、
「おお、やっと来たか。王がお待ちだ」
モリスと呼ばれていた男がこちらにやって来て控室まで先導した。
控室に着くとすぐに応接室に呼ばれた。
「おお、よく来てくれた。『風を追う者』よ」
「なぜその名を?」
「王専属冒険者の動向ぐらいは掴んでおるよ。それよりも今回はエルドバーン辺境伯領に魔物の大群が迫っているのは知っていよう。君達の力を借りたい」
「どこかの軍に編入されるのですか?」
「いや、今回は私自らが軍を率いて向かう。私の直属の兵として活躍してもらいたい。一騎当千の君らの働きを期待する。扱いは近衛兵になるが、前線でひと暴れしてもらいたい」
「かしこまりました王よ」
「200年前の悪夢の再来だ。出し惜しみせずに全兵力を動かす。私の直轄軍20万にに四公爵家軍10万で30万、それにエルドバーン辺境伯軍20万を併せて50万、更に各領地の貴族から軍を出させて連合軍が20万程で、全軍で70万、これだけいれば大丈夫なはずだ」
そして私達は退出した。第1陣の王直轄軍が揃うまでは王宮で待機となった。王宮に部屋が用意された。
そして1週間が過ぎ王都の周りは軍隊で埋め尽くされていた。
私達は専用の馬車が用意され、出発することとなった。軍勢は第1陣の王直属軍の20万人、第2陣は四公爵家軍の10万人、貴族連合軍は各地からそれぞれに辺境伯領を目指すらしい。
大軍勢に囲まれて馬車は進む。私達のすぐ側に王の馬車が進んでいる。王の馬車は装飾され傍目からも王の馬車だとわかるほど豪華なものであった。
馬車には私とヴィンセント、エマ、アメリアそしてダリルが乗っている。
「どんな魔物かしら?」
「ゴブリンばかりと言うわけにはいかないだろう」
「ゴブリンやコボルトも多いと思うが厄介な魔物も出てくるかもしれない」
ヴィンセントはそう答えた。
「例えば?」
「ケルベロスとかオーガとかな」
「げ、やばいじゃない」
「実際見てみないと分からないけどな」
王都からエルドバーン辺境伯領へは通常馬車で2週間程かかる。大軍での行軍なので速度は遅い。恐らくもう少し時間がかかるだろう。情報では魔物の大群が辺境伯領に到着するのには、まだ時間がかかるようではある。
休憩を挟みながら行軍は進んでいく。
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