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第二ラウンド

第66話 ✨💏✨💕

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「さすがァ……、ソレイユのシンデレラだ!!」
 またオレは拍手を送った。


「ン…… アナタは!!」
 かすかに顔色を変え、エリカは視線を逸らせた。


「いやァ……、惚《とぼ》けられますか」



「別にィ……、シンデレラは、女の子なら嫌いな子はいないでしょ」
 エリカはオレを睨んだ。


「あ、あの……」
 いきなり険悪な雰囲気になり、店員たちも右往左往だ。目が泳いでいる。



「まァ、確かに、ね。女子たち全ての夢ですから。
 普段はママ母やイジワルな姉たちに虐げられていたシンデレラが、一夜にして夢を叶える。
 王子様と社交会でダンスを踊って、やがて結ばれると言うシンデレラ・ストーリーですからね!!」


「……」



「エリカさんは、殊《こと》の外《ほか》シンデレラの絵本が大好きだったみたいですね。
 まァ、その絵本は無くなったそうですが」

「知りませんよ。そんな絵本……」

「えェ……、じゃ、この人魚姫の絵本は?!」


「だから知りません! そんな絵本!!
 何なんです。アナタは!!」

「キミ!! 失礼だね。警察を呼ぶよ」
 これ以上は聞き捨てならないと、久遠ヒロシも怪訝な顔つきで話しに割って入った。



「ご安心を!! 警察ならここに来ております」
 クリスが警察手帳を提示した。


「うゥ……、キミが警察!!」


「えェ、そして、このオレが世界でタダひとりの【ビジュアル系弁護士  シンゴ】です!!」
 





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 この作品はフィクションです。



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