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ラブソングは歌えない

第108話 如月アリス✨

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 ライブハウス【シャイニングゲート】。


 オレたちはユウキの追悼ライブの最終リハーサルをしていた。



 ライブを締めくくるアンコールに披露するのは、【ラブソングは歌えない】だ。


 リハーサルが終わると客席の片隅から拍手が起こった。

「ン……」
 拍手の鳴る方へ視線を向けた。


 見覚えのある美女が、ゆっくりとこちらへ歩いてきた。


「フフ……、マジでビジュアル系ミュージシャンの弁護士がいるなんて思わなかったわ」
 妖しく美女は微笑んだ。


「やあァ……、如月アリスさん!! 
 アナタだって元セクシークイーンの弁護士でしょ!!」

 

「えェ……、素敵なバラードねェ。
 アンコールの曲!!
 この曲が『ラブソングは歌えない』なのね」


「あァ……、ありがとう。
 ユウキの作った最後のバラードだからね」


「今回は完敗よ。まさか上原優美が意識を取り戻すなんて……」



「別に、勝ち負けじゃないよ。オレは、ただユウキの無念を晴らしたかっただけさ」


「なるほどね。アナタもどうする気」

「え……」






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