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嵐の中で……✨✨✨✨

ベッドの上で……

「そいつは頼もしいな。じゃァリストも」



「リストォ！  ラ・カンパネラかァ」


「ああァ、レイラお嬢様のラ・カンパネラは､圧巻だからな」


「リストの超絶技法……」

「そうだ。よく知っているな。難関中の難関だ」

「そんなのはわかってるよ。初っ端の数小節さえ弾けずに断念していくピアノ初心者が星の数ほどいるだろう」


「まァな。片手に六本の指を持つピアニスト……。
　リストだから出来たマジック。まさに魔法の領域だ」

「チィッ」私の苦手な曲だ。


「フフゥン、じゃァな。お姫様！  さっそく明日から特訓だ。それからオレもこれからは『レイラ』と呼ぶよ。下手してルナと呼びそうだからな」



「レイラ……」

「そうだ。今からお前の名前は龍崎レイラだ」

「ああァ……、最後にひとつだけ訊いて良いか」
「なんだよ。バストのサイズか？」


「誰が､そんなコト……。お嬢様のレイラはルナに化けて､何をするんだ」


「そうだな。二十歳になったら結婚するんだよ」

「ぬうぅ､アキラと……」
「ああァ……、だが少々、問題があってねェ……」


「なるほど、龍崎レイラのパパが反対ッてワケか」
　ようやく計画の一端が見えてきた。


「レイラなら引く手､数多あまただからねェ……。どっかのバカな政治家や資産家の二世とかね。政略結婚にはもってこいだろォ！！」



「フフゥン、昭和か。今どき、政略結婚ねえェ……」


「まァ、とにかくオレみたいな素性の知れない愛人の連れ子には手を出させない。
　はじめから､そう言う契約だったンだ」


「契約か……」









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