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砂の城……✨✨✨

アキラ……

　まさかこの目で自分の告別式を拝めるとは思わなかった。



「……」私は無言でタブレットの画像を睨みつけた。



「ルナのお父さんも悲嘆に暮れているようだ」



「……」どうだか。わかりはしないけどな。


「まァ、もっともバス会社に多額の慰謝料を請求するための演技だろうけどねェ……」
　


「うゥ……」読まれている。あのバカジジーが。
　アキラもお見通しみたいだ。


「ルナのお父さんに取っちゃァ､娘の死よりも金が大事なんだろうけどね」



「……」今さら､そんなコトをアキラに言われなくてもわかっているさ。

「お手並み拝見と言ったトコロか……」
「くううゥ……」


「悪かったな。こんな話し。傷に障さわるかな」


「……」確かに傷の治りが遅くなるような話しだ。

「そうだな。リハビリは､まだ少し掛かりそうだ。話しはおいおいしていこうか」


「……」何をするつもりだ。アキラ。




　また彼は顔を耳元へ寄せて囁きかけた。
『キミにはレイラとして､生きてもらわないと困るからねェ……』



「……！！」マジか。この男……。



　その時、ガチャッとドアが開き､看護師が花瓶を抱えて戻ってきた。




　桐山アキラは､何ごともなかったように笑みを浮かべた。
「ご苦労さま。これ以上､病室に長居てもご迷惑になるでしょうから､お嬢様を宜しくお願いします」



「あらァ､先生。もうお帰りになるんですか」


「ええェ……､今日は重要な言伝ことづてがあったモノでねェ……」


「ことづて？  ですか」看護師は花瓶を元の場所へ戻し首をひねった。


『私の様子をみるッてコトか……』
　桐山アキラ。

　

　彼が耳元で囁いた。
『レイラとして生きてもらわないと困る』
　その言葉が､ヤケに私の脳裡に焼きついた。



　翌日からは大忙しだ。










　
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