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砂の城……✨✨✨

前妻､舞香、連れ子のミラ､……✨✨✨

　翌日から大忙しだ。


　ママ母らが見舞いに来て私の様子を伺っていった。



　まるで、一家でカラオケルームへ押しかけてきたようだ。




　前妻の舞香とその連れ子の義姉ミラと義兄ジャスティンらしい。



　濃厚な香水を匂いを振り撒いて病室へやってきた。どこかのホステスの待機スペースのような賑わいだ。




「レイラさん。災難ねえェ……。爆弾テロの巻き添えになるなんて」
　レイラの義理の母親､舞香が苦笑いを浮かべた。



「ママ、爆弾テロじゃないよ。焼身自殺に巻き込まれたんだよ」
　義兄のジャスティンが苦笑いを浮かべ説明した。



「そうだけど、バッグの中の灯油に火をつけて爆発させたんでしょ。巻き込まれた方は良い迷惑よ」
　まるで世間話しをしているような会話だ。


「……」私の前で愚痴られたって知るかよ。
　傷の治りが遅くなるだけだ。



「まったくこれじゃァ､ミイラ少女ねェ……。ずい分、さっぱりしちゃってェ……」
　義姉のミラが冷たい声で義兄に耳打ちをした。



「……」おいおい、聞こえてるッて。耳は至って健康なんだ。



「お姉さん、ヒドいですよ……」
　自称ビジュアル系ミュージシャンの義兄､ジャスティンが窘たしなめた。


「……」私は聞こえない振りをするしかない。



「フフゥン､でも成功したんでしょう。整形は」
　美人の義姉､ミラは上から目線で微笑んだ。



「そりゃァ､お姉さん。成功してもらわなきゃ､レイラは世界一の美少女だからねェ……」



「ああァら、言い過ぎよ。少なくとも私よりは劣るけど」
　ミラは見舞いに来たのか､それとも喧嘩をしに来たのか､わからない。



「……」私は無視するように視線を逸らせた。


「ジョークよ。レイラ！  大丈夫だって。若いんだし､失敗したら何度でも整形し直せば良いんだから」
　ミラは他人事のように嘲笑った。



「……」るッせぇな。他人事だと思って言いたい放題かよ。



「頑張ってねェ……。もうじき包帯も取れるんでしょ」
　ママ母､舞香が心にもないことを言う。


「そうそう､また輝くような笑顔を見せてよ。レイラ」
　ジャスティンも作り笑顔を向けてきた。


「ま、整形が成功してたらだけどね」
　また義姉のミラは上から目線で微笑んだ。



「……」くッそォ。
　二度と見舞いになんて来るな。
　ムカついてくるぜ。










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