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砂の城……✨✨✨

清水リカ……（三人称）

　横浜市中区山下町にある地下のクラブ『パンドラ』。　

　まだ開店前だと言うのに男がひとり入ってきた。


　中のカウンターの奥から女性の声が聴こえてくる。


「お客さん。まだ開店前なんだけどね」


「いいんだよ。リカ！  ほらァ､溜まっていたツケを払いに来たのさ」
　そう言って財布から当たり屋で巻き上げた一万円札を五枚ほど出した。


　男性は榊 純一だった。



「ああァ､サカキちゃん！   今日は気前良いねェ……。
　どうしたの。大穴でも当てた？」
　ホステスの清水リカは苦笑いを浮かべた。


　童顔で化粧っ気のないロリータ顔の美少女だ。


　整形をしているのだろうか。
　年齢は不詳だが､見た目以上に老けているかもしれない。


　スレンダーでスタイルは抜群だが微乳だ。
　


「ケッケケェ……、最高さ。ようやくオレにもツキが回ってきたぜ。これから世紀の大勝負さ」
　


「はァ……、知らないよ。ヤバい事に手を出して。
　パクられても……」


「フフゥン、取り敢えず、この番号に電話してくれよ。非通知でも何でも構わないから」
　榊は､さっき貰った弁護士の桐山アキラの名刺を出した。



「誰ェ……？  これ。弁護士じゃん。ヤダよ。またヤバい犯罪なの」
　リカは名刺を手に取り眉をひそめた。


「違うッて。娘を見つけたんだよ」
　ニヤリと微笑んだ。



「娘ッて……？  ルナなら､この前､横浜市内を走行中のバスの中で焼身自殺の巻き添えで亡くなったンでしょ」



「ああァ……、だがなァ。まだ幸運の女神はオレを見捨ててねえェようだ」




「へえェ、女神ねえェ……」
　リカは肩をすくめ苦笑いを浮かべた。




　


　

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