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オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》

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砂の城……✨✨✨

砂の城……✨✨✨

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 私は車椅子に乗り、桐山アキラに押されて龍崎家の庭園へ出た。




 ここは横浜かと思うほど別世界が広がっている。
 有り得ないほど広大な庭園だ。


 池なのか、湖なのかわからないくらいの湖畔に出た。木陰になっているので日焼けの心配はなさそうだ。


「ここなら安心だろう」それでもアキラは辺りを伺がい確認を怠らない。


「しかし……、あの当たり屋は想定外だったな。
 まさかあの場所に、榊ルナの父親が出てくるとはな!!」


「……!!」静かに頷いた。
 私だって考えもしなかった。あの嵐の夜から会っていない。まさかの再開だ。



「あの男に【ルナの存在】を知られると厄介だな」


「……!!」そんな事はわかっている。
 当たり屋をやるくらいだ。



 金になると思えば、平気で娘の身体を売ろうとする。

 他人の弱みにつけ込んで強請りタカりは常套手段だろう。


「まァ、ヤツの事は任せてくれ」
 

「ええェ……」どう任せろッて言うんだ。
 もう少しで口に出すトコロだが、言葉を飲み込んだ。



「それよりも指紋認証や顔認証だ」

「ン……」指紋。

「パソコンやスマホも暗証番号でロックが掛かっている。それと指紋認証と顔認証だ」



 なるほど……。そう言うことか。じゃァ、どうすりゃァ良いんだ。指を咥えて眺めていれば良いのか。


「まァ、ヤケドで当分、指紋認証する事はないだろうが……、後でレイラの指紋を採取してデータ化してもらおう」


 それで何とかなるのか。
 包帯が巻かれた両手を見た。


「あと最大の難関は、龍崎仁との面会だ。ここを乗り切れば、何とか誤魔化し切れるだろう」




 マジか。何とかなるのか。龍崎仁……。
 写真や画像でしか見たことがないが、怖い存在だ。



 
 どうやってレイラお嬢様を演じれば良いのか。
 まったくわからない。


 その時、着信バイブが小さく唸った。
 桐山のスマホだ。



 辺りが静かなので、かなり大きく感じた。
「失礼……」アキラは着信画面を確認した。
 非通知らしい。

 一瞬、躊躇ったモノのスピーカーにして通話ボタンをタップした。


『もしもし……、桐山さん?』聞き馴染みのない女性の声だ。若い女性のようだ。


「ハイ、どちら様でしょうか」
 少し用心して応対した。


「ちょっと、代わるわねェ……」そう言うとゴソゴソとスマホを受け渡す音が聞こえてきた。


『もしもし……』今度は聞き覚えのある男性の声だ。


「ううゥ……!!」この声は、まさか。



『ケッケケェ……、オレは榊だ。ちょっと桐山アキラ弁護士に聞きたいコトがあってねえェ……』
 


「バカなァ!!」
 親父の声だ。間違いない。



 何で、親父が桐山アキラのスマホの電話番号を知っているんだ。



 一瞬、私は驚愕した。





 











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