【都市伝説殺人事件】 クッキー様 ！ とろけるように甘く謎を解決《とい》てください！ 紅い月夜に死者が舞う！！

横須賀へ✨✨✨

パンドラ✨✨✨（三人称）

　キャバクラ『パンドラ』へリオたち刑事が着くと、すでに午後になっていた。



　ドア付近に店員らしい黒服を着た中年男性が看板を見上げ眺めている。　



「恐れ入りますが､こちらに『パンドラ』の店長はいらっしゃいますか」
　背後からリオが店員らしき中年の男性に声を掛けた。


「えェ……、あッハイ、あなたは？」
　ゆっくりと中年男性は振り返った。明らかに店長の亀坂よりも年上だろう。


「私は神倉署の者です。イスルギと申します」
　リオは警察手帳を提示した。

「同じく富田です」



「はァ、刑事さんですか。店長は､私ですけど」
　中年男性は軽く会釈した。



「えェ……？  あの店長の亀坂さんですよ」
　リオと富田は顔を見合わせた。


「ハイ、そうです。私が店長の亀坂ですが」
　明らかに前回､会った店長の亀坂とは別人だ。


「ええェ……？  亀坂さん」
　いったいなんで。




　ミオと富田は『パンドラ』店内へ招かれ事情を聴いた。
　先日､店長を騙る偽の亀坂を事情聴取した社長室だ。



「私たちがこちらへ伺った際、亀坂店長と名乗った男性はまだ二十歳代くらいの黒縁メガネのイケメンでした」
　リオが事情を説明した。


「二十代くらいのイケメンですか……」
「あッ、申し訳ありません。決してそう言う意味では」


「いえ構いませんよ。なるほど……、伺った特徴だと多分､その男は､青井君ではないかな」
　スマホで電話番号を確認している。



「えッ、アオイですか」まさか、蒼井ではないかと思った。



「そうです。赤青黄色の青井ですね」

「なるほど青井ですか」


「ええェ……、少し前まで『パンドラうち』で黒服として働いていた男です」



「今、その彼は」
「辞めましたね。メールひとつで」



「なるほど、では青井さんの連絡先とフルネームはわかりますか」


「ええェッと……、連絡先は繋がりませんでした。
　こちらとしても何度もかけたのですが。
　『現在、使われていません』とガイダンスが流れて」


「なるほど履歴書などは……」


「いやァ、さすがに個人情報なので､捜査令状でもあれば､ちゃんとお見せしますが」


「ンうゥ……､ではその青井さんのフルネームは､なんと？」


「ええェッと……、マサヨシですか。正義と書いて」

「なッ、青井 正義マサヨシですか」


「ハイ、そうですね。こちらが電話番号です。
　今は使われているか。わかりませんけど……。
　あと住所はこちらなんですけど､店の者が訪ねたら部屋には､まったく別人が住んでいたらしくて」



「ううゥン､わかりました。その青井さんと仲の良かった方とか､故郷とか何かわかりませんか」
　

「いえ、人当たりは良いのですが、プライベートな事は全然わかりませんね」


「そうですか……」
　あまり収穫はないようだ。


　リオたちが帰ろうとした時､ひとりの金髪の美少女が店へ入って来た。
　








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